日頃、ヤフコメに対して悪態ばかり吐いていますが、最近、膝を打つような書き込みが2件ありました。まるでゴミだめに咲いている花を見つけたような気持でした。

ひとつは、講談社の女性雑誌『ViVi』と自民党のコラボのニュースに対してのコメントです。

戦前の翼賛体制下において、戦意高揚のプロパガンダに大衆雑誌が使われた歴史は、大塚英志や早川タダノリ氏の仕事によってあきらかにされていますが、権力者にとって、サブカルチャーが大衆を動員するのに恰好の”装置”であるのは言うまでもないでしょう。今回の『ViVi』のコラボと、安倍首相と吉本芸人たちとの“共演”は地続きでつながっているのです。

いずれにしても、ファッション誌そのものがこういうことをやらないと存続できない時代になっているということです。近年の凋落ぶりを見れば、何が起こっても不思議ではありません。特に『ViVi』や『JJ』『CanCam』といった、かつて大学生をターゲットとしていた雑誌は読者を失い迷走しています。インスタグラムなどのSNSにその座を奪われたファッション誌の存在意義が問われているということでしょう。


Yahoo!ニュース(ハフポスト日本版)
「ViVi」が自民党とコラボした理由は? 講談社が説明「政治的な背景や意図はまったくない」

これは、甲南女子大学教授の米澤泉氏の「オーサーコメント」です。要するに、貧すれば鈍するということなのでしょう。

講談社(大日本雄辯會講談社)は、文藝春秋社と並んで、戦前の天皇制ファシズムに随伴した代表的な戦犯出版社で、文春同様もともと権力と密通する体質(DNA)を持っている会社です。言うなれば、地が出たということなのかもしれません。

もっとも、外野から見れば、今回のコラボは末期症状の悪あがきのようにしか見えません。いづれ『ViVi』が書店の棚から姿を消すのは必至のような気がします。

もうひとつは、今夏、別府市にインターコンチネンタルホテルが開業するというニュースに対する次のようなコメントです。

別府温泉に進出は結構なことだが、集客はこの場所では難しく温泉街からは遠く周りに何も無い所、この地域の宿泊金額は低価格で2食付きがメインで外資系のスタイルでは集客むずかいいだろう、九州方面を甘く見てる、趣味でオーナー様は出店したと思われる。当分赤字続きで日本の旅館オーナーたちを敵に回して潰れると予想されます。日本の温泉地は外資系にとって甘くないです。


Yahoo!ニュース(Impress Watch)
IHG、「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」を説明。マッサリーニ総支配人「別府に身を委ねて」

地元の人間によるコメントだと思いますが、先日も別府に帰って地元の人間たちと会った際、この話題が出ました。中には、観光業に携わる人間や公的な立場にある人間もいましたが、みんな、総じてこのコメントと同じような見解を述べていました。

ホテルができるのは、高校生のとき、耐久遠足で行った山の上です。今は高速道路が走っているので、昔より便利になりましたが、それでも温泉街の情緒とは無縁な場所です。欧米の富裕層をターゲットにしているそうですが、前に紹介した別府市の観光動態調査を見てもわかるとおり、欧米の観光客は、国別で見ると1%にも満たないのです。

外国人観光客の55%は韓国の観光客です。しかも、その多くは格安航空で来る若い観光客なのです。たしかに、外国人観光客は平成29年度を見ても、前年比33%増と増加していますが、大半は韓国をはじめとするアジアからの観光客です。欧米からの観光客は、ほとんど誤差の範囲のような数にすぎません。しかも、北米はやや増えているものの、ヨーロッパからの観光客はこのインバウンドブームの中でも逆に減少しているのです。

さらに、別府の観光業者に衝撃が走ったという一人当たりの観光客消費額は、日帰り客で日本人が5166円、外国人が3371円。宿泊客は(宿泊料も含めて)日本人が24446円、外国人が13852円です。インターコンチネンタルホテルは、顧客を首都圏から大分までANAで運んで、専用車で空港に迎えに行き、ホテルに滞在させるという構想を描いているようですが、構想を実現させるには、このような「安い国ニッポン」の現実を凌駕する途方もないアイデアと勇気と努力が必要でしょう。

たしかに、別府の老舗ホテルは、改修資金にも事欠き、老朽化して無残な姿をさらしているところが多いのは事実です。そのため、宿泊料金も老舗ホテルほど低価格化が著しいのです。昔から別府には企業の保養所や別荘などがあった関係で、富裕層をターゲットにした高級旅館も数多く存在していました。しかし、それら高級旅館も、日本経済の停滞とともにどこも苦境に陥り、多くは既に廃業したり人出に渡っています。また、別府の代表的な観光ホテルの杉乃井ホテルは2008年オリックスに、城島高原ホテルは1984年後楽園に、亀の井ホテルは紆余曲折を経て20014年にホテルマイステイズ(旧ウィークリーマンション東京)に、それぞれ営業権が譲渡されています。

一方で、そんな間隙をぬって、インバウンド需要を狙い、韓国や中国の資本、あるいはアパや大江戸温泉物語などが買収攻勢をかけ、(看板はそのままですが)既に至るところに進出しています。それは、風俗も然りで、ソープランド事情に詳しい人間の話では、大半は福岡や関西など県外の業者が経営しているそうです。しかも、半分近くはフロント企業だという話さえあります。

地元の人間には、「国際観光温泉文化都市」の幻想なんてとっくにないのです(と言うか、最初からなかった)。別府や湯布院の観光の基を築いたと言われる油屋熊八翁(亀の井ホテルの創業者)もそうですが、もともと別府はよそから来た人間や資本によって開発された観光地であり、県外資本が進出しては撤退して行くのもめずらしい話ではないのです。地元の人間たちが、インターコンチネンタルホテルの壮大な構想を冷めた目で見るのも、ゆえなきことではないのです。


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今日、夜のニュースを観ていたら、元KAT-TUNの田口淳之介被告が、保釈された警察署の前で、地面に頭をこすり付けて土下座している場面が目に飛び込んできて、思わず目が点になりました。能町みね子ではないですが、見てはいけないものを見たという感じでした。

もう20年以上前ですが、六本木にあったマリファナショップに大麻草がデザインされた海外のステッカーや缶ケースなどを卸していたことがあります。と言っても、その店はマリファナを売っているわけではなく、マリファナに関連する吸引具やグッズなどを売っている、言うなれば法の網をかいくぐった”合法的”な(正確に言えば、”脱法的”な)店でした。もちろん、当時も芸能人などを対象にしたみせしめの摘発はあったものの、今よりは大麻に対しておおらかな空気がありました。レゲエが流行っていましたので、マリファナの葉がプリントされたTシャツなどが当たり前のように売られていたし、ドレッドヘアの若者たちも、当たり前のようにそれを着ていました。

私は、その店に吸引具を卸してる同業の人間から店を紹介されたのですが、彼は、大田区の水道管を造っている町工場に頼んで、オリジナルの吸引具を制作したと言ってました。たしかに、よく見ると水道の蛇口に似たような形をしていました。

記事によれば、田口被告は「金輪際、大麻などの違法薬物、そして、犯罪に手を染めないをここに誓います。(略)しっかりと更正し、罪を償い、1日でも早くみなさまのご信頼を取り戻すべく、必死に生きて参ります」と謝罪したそうですが、なんだか大仰な気がしてなりません。私は、どうしても「たかがマリファナで」という気持は拭えないのです。

先日も、参院議員会館の近くで、大麻草が自生しているのが見つかったというニュースがありましたが、安倍昭恵夫人を持ち出すまでもなく、日本では古代から神事に麻が使われていたのは事実ですし、医療用大麻の合法化を主張する意見も多くあります。

厚労省やメディアが言う「習慣性」や「精神作用」についても、煙草や酒ほどの「習慣性」や「精神作用」はないという意見もあります。実際に、承知のとおり、海外ではマリファナが解禁されている国も多いのです。

大麻が覚せい剤などとひとくくりにされて、麻薬=危険のイメージが流布されているのはたしかでしょう。その背景にあるのは、昨今の犯罪に対して厳罰化を求める社会の風潮です。震災以後、国家が前面にせり出してきたのに伴ない(東浩紀はそれを手放しで礼賛したのですが)、冷静な議論は隅に追いやられ、問答無用の厳罰化の声ばかりが大きくなっているのです。

田口被告の土下座も、そんな世間に恭順の意を示すためと見えなくもありません。わざとらしいという声もありますが、だとしたらまだしも”救い”があります。それくらい、土下座は異様な光景と言うほかありません。

水は常に低い方に流れるの喩えどおり、相変わらずネットは痴呆的な”説教コメント”のオンパレードですが、その中で、私は、下記のツイートに「いいね」をあげたくなりました。


余談ですが、メディアでは、大麻使用は小嶺麗奈被告が主導し、田口被告は小嶺被告に引きずり込まれた「犠牲者」であるかのような報道が多いのですが、それも「ふしだらな女」と同じで、「犯罪の陰に悪女あり」という定番の印象操作のように思えてなりません。田口被告をかばうような供述をしている小嶺被告は、むしろ「けなげな女」に見えますが、メディアはどうしても小嶺被告を「悪女」にしたいようです。「悪女」こそ世間が求めるイメージなのです。メディアの印象操作は、文字通り反吐が出るような「俗情との結託」(大西巨人)と言うべきでしょう。


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今更の感はありますが、田中龍作ジャーナルが、消費税増税に関する立憲・国民民主の姿勢について、次のような辛辣な記事をアップしていました。

田中龍作ジャーナル
立憲と国民民主が「消費税減税」を言えない理由 カギは庶民の生き血啜る連合

 野党第一党の立憲と第二党の国民民主が、経団連の手先となって我々庶民の生き血を啜っていることが、白日の下にさらけ出された。


 立憲と国民民主に投票することは、有権者が自分で自分の首を絞めるに等しい。


このブログでも何度も書いていますが、立憲民主党や国民民主党と自民党にどれほどの違いがあるのか、私にはわかりません。それどころか、旧民主党(民進党)の彼らは、ただ自民党を勝たせるためだけに存在しているようにしか思えません。それほどまでにあの(悪夢のような)民主党政権は、トラウマになっているのです。

国民民主党の玉木雄一郎代表は、先日の夕刊フジの「単独インタビュー」で、次のように語っていました。

「われわれは『中道保守』を目指している。内政では、自由主義や自己責任よりも格差是正に重点を置きつつ、外交・安全保障では現実路線を採用する。例えば、安保法制廃止とセットで、領域警備法案やPKO(国連平和維持活動)法改正案を提出した。これは南西諸島に他国の武装集団が上陸したとき、警察や海上保安庁だけでは対処できないからだ」


zakzak(夕刊フジ)
国民民主党・玉木雄一郎代表インタビュー! 「『中道保守』政党を目指す」「小沢氏は『政権交代実現担当』として不可欠」

これを読むと、国民民主党が安保法制に反対した理由がわからなくなってきます。別に、反対する必要はなかったんじゃないかと思えてきます。一事が万事この調子なのです。「中道」というのは便利なことばで、「保守」と言ったら自民党と同じになってしまうので、「中道」ということばをくっつけて違いを見せているだけなのかもしれません。

先日も都内の地下鉄の駅前で、立憲民主党の幟を立てた参院選の候補予定者が演説をしていました。彼は、消費税増税に際して、この国が貯め込んでいる2千兆円のお金(国民の金融資産と企業の内部留保)を低所得者対策に使うべきだと主張していました。私は、増税の代わりに2千兆円のお金を当てればいいという話なのかと思いましたが、そうではなく、あくまで増税が前提の話なのでした。同じ増税派でも、私たちには”救済策”がありますと言いたいのかもしれませんが、なんだか子供だましのような話で、苦しい言い逃れとしか思えません。それで支持を得ようと本気で思っているのなら、おめでたいと言うしかないでしょう。

憲法改正においても、彼らと自民党にそんなに違いはないのです。立憲民主党も、憲法改正は安倍政権下では認めないと言っているだけで、山尾志桜里議員の発言を見てもわかるとおり、改正自体には反対していないのです。要するに、立憲民主党や国民民主党は、たまたま野党の立場に置かれているので、野党のふりをしているだけなのです。

もちろん、そこには、記事にあるように、スポンサーである連合の意向がはたらいているのは言うまでもありません。連合は、旧総評と旧同盟が合体したナショナルセンターですが、指導部は旧同盟系の活動家たちによって掌握されています。日本会議の”加入戦術”ではないですが、連合には旧同盟(旧民社党)の右派労働運動のエートスが受け継がれ、今回の消費税増税要請に見られるように、労使協調の翼賛運動に換骨奪胎されたのです。それが、連合誕生の際、労働戦線の「右翼的再編」と言われたゆえんです。

一方で、田中龍作ジャーナルは、「だから期待できるのは共産党だけ」と言いたげですが、本当の野党は我が党だけという共産党のプロパガンダもまた、とっくに失効した“古い政治”にすぎません。そういった幻想に寄りかかっている限り、田中龍作ジャーナルは”古い政治”の狂言回しの役割から脱することはできないでしょう。

選挙に行かないやつはバカだ。選挙に行かないのは、自公政権に白紙委任するようなものだ。そんなおなじみの声がありますが、むしろ選挙は茶番ではないのかと思います。私たちの前にあるのは、シャンタル・ムフが言う「中道での合意」によって招来された「ポスト政治的状況」です。選挙は、そのコップのなかの選択にすぎないのです。どこかの誰かが言っていたように、カレーライスが好きか、ライスカレーが好きか、どっちかを選べと言われているようなものです。その欺瞞性を問わずに、「民主主義の危機」なんてお題目(常套句)をいくら唱えても、なにも変わらないでしょう。

小沢一郎氏は、「このままでは野党は全滅だ」と言ってましたが、全滅すればいいのだと思います。もうそこからやり直すしかないのではないか。


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