内閣改造で環境大臣に就任した小泉進次郎を、メディアは「将来の総理候補」などと言ってさかんに持ち上げています。

それは、元徴用工裁判の報復のために、韓国に対して、安倍政権がヤクザのような難癖を付けて輸出管理の厳格化(そして、ホワイト国からの除外)の措置を取った途端に、メディアがいっせいに韓国ヘイトをはじめたのとよく似ています。「ボロ隠し」のために、小泉進次郎を環境相に抜擢した安倍総理の狙いどおりと言えるでしょう。

別に総理大臣にふさわしい学歴がどうだと言いたいわけではありませんが、(誤解を怖れずに言えば)成蹊大卒の三世議員の安倍晋三氏と、同じく内部進学による関東学院大卒の三世議員の小泉進次郎は、世代こそ違え、属性はそっくりと言っていいほどよく似ています。もう中身が空っぽのおぼっちゃまを貴公子のように持ち上げるのはやめませんかと言いたいです。

「発言力がすごい」などと言われる小泉進次郎の言動が、ミエミエのパフォーマンスでしかないことは誰でもわかるはずです。口だけ達者なタレントがワイドショーでこましゃくれたコメントを発したりしていますが、大衆から見れば、彼は政治家というよりタレントに近い存在なのでしょう。その意味では、小泉進次郎は”テレビ好み”と言えないこともないのです。安倍総理に対しても然りですが、どうして王様は裸だと言えないのか。それがジャーナリズムの本来の役割でしょう。

不惑の年齢を前にしたできちゃった婚。しかも、堂々と総理官邸に報告に訪れ、できちゃった婚をもパフォーマンスに利用するその神経たるや、羞恥心のないおぼっちゃまの面目躍如といった感じです。育休が聞いて呆れます。育休も最近覚えたことばで、さっそくパフォーマンスに使っているのでしょう。

極めつけは、「理屈じゃないですね」というあのフレーズ。結婚の決め手はなんですか?と問われて「理屈じゃないですね」。嘘つけ、子どもができたからだろうとツッコミを入れたくなりました。どうして入閣要請を受けたのですか?と問われて「理屈じゃないですね」。嘘つけ、自分から猟官運動をしたからだろうと言いたくなりました。

彼が確固たる政治信条を持っているようにはとても思えません。父親の小泉純一郎氏と同じで、ただのパフォーマンスの人にすぎないのです。電車に乗ると、図々しいだけが取り柄のようなおばさんがいますが、小泉進次郎もパフォーマンスだけが取り柄の政治家なのです。

「反原発」の一点で小泉純一郎氏を持ち上げるメディアの無責任さが、そのまま小泉進次郎の「将来の総理候補」報道に引き継がれているように思えてなりません。メディアの無責任さは、河野太郎(彼も「反原発」で自民党の良心のように持ち上げられていた時期がありました)で証明されています。

小泉進次郎フィーバーは、この国の衆愚政治の極みとも言えますが、何を隠そう衆愚政治の堰を外した人物こそ父親の小泉純一郎氏なのです。

おぼっちゃまであるというだけで、できちゃった婚さえも称賛の対象にされ、「将来の総理候補」とチヤホヤされる三世議員。一方で、小泉政権時代に解禁された製造派遣=非正規雇用の拡大によって、「自業自得」「甲斐性なし」の嘲笑を浴びせられながら年収200万円以下の生活を余儀なくされ、結婚もままならないワーキングプアの若者たち。そんな若者たちがこの国には1000万人近くもいるのです。私は、この生まれついての格差の現実を前にすると、言いようのない不条理を覚えてなりません。そして、その不条理を覆い隠しているのが、メディアが片棒を担ぐ衆愚政治なのです。まったくバカバカしいとしか言いようがありません。
2019.09.16 Mon l 社会・メディア l top ▲
これは、あくまでネットを通した報道で知った情報にすぎないのですが、先日、立山連峰の剣岳で、19歳の女性が滑落死したというニュースがありました。

家族がSNSで情報を求めたことで、このニュースはネットでも大きな話題になりました。

家族によれば、19歳の女性は乗鞍岳に登ったことがきっかけで、山に興味を持ち、「富山で山に登ってくる」と言って出かけたそうです。家族は、まさか剣岳に登っていたとは思ってみなかったようで、「登頂した」というLINEが届いて驚き、返信したけど応答がなく既読にもならないので、心配してSNSで情報を求めたということでした。

報道によれば、他の登山者から、午後4時頃、剣岳のカニの横ばいを渡っている若い女性の目撃情報があったそうです。また、家族に登頂のLINEが届いたのは午後5時すぎだったとか。

この話を総合すると、カニの横ばいは下山ルートなので、少なくとも午後4時頃には下山しはじめていたことになります。そして、午後5時にLINEを送ったということはカニの横ばいを渡ってひと息吐くところまで降りてきたのでしょう。しかし、午後5時だと既にあたりは暗くなっていたはずで、足場が見にくい中をさらに難度の高い岩場を下るのは、経験の浅い彼女にとって危険な賭けだったと言えるでしょう。

YouTube
剣岳の下り、カニの横ばい

カニの横ばいは、上の動画にあるように、北アルプスでも有名な難所で、今までも多くの人が滑落死しています。山を知り尽くしたベテランの登山家も何人も犠牲になっているそうです。

そんな難所を登山初心者の若い女の子がひとりで、しかもTシャツに短パンの恰好で挑んだのです。遺体を収容した富山県警の話では、ザックの中には防寒具も入っていなかったそうです。

それにしても、初心者の女の子が剣岳の山頂に立ったというだけでも驚きですし、山頂を目指してひとりで登った勇気もすごいなと思います。上の動画では補助ロープやハーネスを使っていますが、単独行なので補助ロープもハーネスもなしに渡ったのでしょう。誰かがどっかで止めることができなかったのかと、悔やまれてなりません。これは、単に「自己犠牲」のひと言で済まされるような話ではないように思います。

山に行くと、よく若い人がひとりで登っているのに出くわすことがあります。山では圧倒的に(うんざりするほど)中高年が多いのですが、若い人がいないわけではないのです。そんな彼らは、ドカドカドカと大股で登って来て、鈍足の私を追いぬくと、あっという間に姿が見えなくなるのでした。

山の歩き方の基本などどこ吹く風なのです。文字通り、若さに任せて登っているだけです。それでは、早晩膝を痛めるのは目に見えています。昔だったら山岳会や同好会などで、登山の基本を教えたのでしょうが、今はそういったシステムも機能しなくなったのです。

8月にも23歳の女性がジャンダルムで滑落死したというニュースがありましたが、経験の浅い若者が、ネットの情報や動画などに影響されて、無防備な状態で難コースに挑む風潮が一部であるのは事実でしょう。

私の知っている若い人間も、山に登り始めて僅か1年半で、奥穂から西穂まで縦走したと聞いて驚いたことがあります。彼とは2年くらい会ってなかったので、山登りをはじめたことすら知らなかったのです。久しぶりに会ったら、彼の口からジャンダルムや馬の背や逆層スラブやピラミッドピークの話が出たので、文字通り目が点になりました。

著名な山岳ガイドの加藤智氏は、Yahoo!ニュース(個人)の「死と隣合わせの日本最難関コースに溢れる登山者 山岳ガイドが感じた危機感」という記事で、次のように書いていました。

Yahoo!ニュース(個人)
死と隣合わせの日本最難関コースに溢れる登山者 山岳ガイドが感じた危機感

美しい写真、動画とルート解説、個人の感想などは、雑誌やインターネット上には多く存在しています。それらを見たと思われる実に多くの若者が挑戦していました。正直言って、どこでミスしても簡単に「死ねる」場所だらけの日本最難関コース上に、何ら緊張感乏しく歩き回る登山者の姿に恐ろしさも感じました。


中には、YouTubeやInstagramのために、あえて危険なことに挑戦するケースもあるでしょう。そういったことが「カッコいい」と思っている若者も結構いるのです。

知り合いの知り合いで、この夏に奥穂に登った人がいるのですが、その人は、奥穂の登山コースも「大渋滞」が起きていて、山荘からピークまで2時間以上かかったと言ってました。

YouTube
奥穂高岳登山 難所のハシゴとクサリ場を登る

決してオーバーではなく死と隣り合わせのコースが「大渋滞」というのは、どう考えても異常なのです。それだけ多くの人たちが歩けば、岩が崩落する危険性も増すのではないかとよけいな心配までしてしまいます。

ネットによって、死と隣り合わせの難コースが身近なものになり、技量も経験もない人たちが大挙して押しかける光景が当たり前のようになっているのです。北アルプスの山も百名山と同じように、ブランドと化しているのです。

山関連の雑誌やサイトなどを見ると、たとえば西穂の独標や谷川岳の天神尾根コースなども、「初心者向け」になっています。そのためもあってか、夏はやはり「大渋滞」だそうです。若い頃登った経験から言えば、そんなに安直に「初心者向け」と言っていいのだろうかと首を傾げざるを得ません。ネットはウソとハッタリの塊ですが、ネットで山が語られるようになり、「あんなの大したことないよ」「初心者向けだよ」と粋がる傾向があることも事実でしょう。また、「初心者向け」を乱発する背景に、登山をビジネスにする者たちの思惑(そろばん勘定)がはたらいていることも忘れてはならないでしょう。

加藤氏のような警鐘をもっと広める必要があるのではないか。あらためてそう思いました。
2019.09.14 Sat l l top ▲
関東地方を直撃した台風15号の翌朝、私は前日から都内にいたのですが、都内から横浜の自宅まで帰るのに6時間もかかりました。

駅に行くと長蛇の列で、しかも、頻繁にホームへの入場規制が行われるため、列は長くなるばかりでした。駅ビルの至るところでは、駅からあぶれたサラリーマンやOLたちが、途方に暮れた様子で床に座ってスマホを操作していました。

電車の運行が再開したとは言え、普段だったら数分おきに来る電車が10数分おきにしか来ません。そのため、電車が来ても既に寿司詰め状態なので、僅かしか乗ることができないのでした。

私は、自宅に帰るだけなので別に急ぐ必要はありません。電車に乗るのを諦めて、いったん改札口の外に出ることにしました。どこかカフェで朝食でも食べて時間を潰そうと思ったのでした。ところが、考えることは誰も同じみたいで、どこもお客であふれ、店の外まで行列ができていました。

カフェをあきらめて、公園に行くことにしました。コンビニでおにぎりとお茶を買って、近くの公園に行きました。すると、公園も多くの人がいて、空いているベンチを探すのも苦労するほどでした。中には植え込みのコンクリートの囲いの上で、横になって寝ている人もいました。

結局、2時間くらい時間を潰して駅に戻り、やっとどうにか電車に乗ることができました。ただ、途中でノロノロ運転になったりして、最寄り駅まで普段の倍近く時間がかかりました。

さすがにうんざりして、電車が多摩川を渡ったときです。とある駅から登山の格好をした中年の女性が乗り込んできたのです。しかも、見るからにロッククライミングの装備をしています。腰からカラビナやロープをびっしり下げ、足元は重厚な登山靴を履いていました。背中のザックにはヘルメットが下がっていました。まるで、今山から戻ってきたかのように、靴やザックやヘルメットなどもかなり汚れていました。

もちろん、山から戻ってきたはずもなく、これからどこかの山にトレーニングに行くのでしょう。でも、台風明けの朝の電車の中では、あきらかに場違いな風体でした。

そんな恰好で電車に乗るかと私は思いましたが、車を持ってなければ電車に乗るしかないでしょう。もしかしたら、どこかの駅でクライミング仲間と待ち合わせているのかもしれません。だとしても、公共の交通機関に乗るのですから、もう少し身なりに気を使えばいいのにと思いました。

あるいは、山に行く人間には自己顕示欲の塊のような人間も多いので、そんな如何にもの恰好をして、「あたしって凄いでしょ?」と思っているのかもしれません。しかし、誰も「凄い!」なんて思ってはいないのです。むしろ、冷ややかな目で見ているのです。

台風明けの朝から山に行くというのは、台風が来ているのに、荒波を求めて海に入り非難を浴びるサーファーと同じようなものかもしれません。山の遭難と言えば、「山を甘く見る」シロウトの登山者ばかりがやり玉に上がりますが、こういった山に憑りつかれ、半ばカルト化した登山愛好家の存在も無視できないのではないでしょうか。ヨーロッパから輸入された近代登山(アルピニズム)は、こんな偏倚な信奉者を生み出すまでに至った、と言えば言いすぎでしょうか。

山頂に到達する達成感ばかりを求める”登攀思想”の根底にあるのは、果敢に自然に立ち向い自然を征服するという考え方です。だから、登頂を断念して下山することを「敗退」と言うのです。本多勝一氏の著書を読むと、京大山岳部出身の本多氏も、そういった”登攀思想”はアプリオリなものとして肯定的に捉えているふしがあります。しかし、それは、富の収奪を求めて飽くなき領土拡大を目論む帝国主義思想にも通底する、近代特有のものの考え方であり、昔人の山岳信仰や前に書いた「山を感じる」登り方とは真逆なところにある、傲慢な登山のスタイルと言えないこともないのです。

少なくとも、台風で交通が混乱している中でも、時間をかけて会社に出勤しようとする愚直なサラリーマンやOLたちと、そんな日常に背を向けて山に行こうとする山にとり憑りつかれた人とは、どっちがリアルかと言えば、悔しいけど、やはり、サリーマンやOLの方がリアルなのです。登山が持っている”孤高の精神”は私も好きですが、電車の中の場違いな姿には違和感を抱かざるを得ませんでした。私は、クライミングの彼女を横目で見ながら、なんだか自分の方がこっ恥ずかしい気持になっていました。
2019.09.12 Thu l l top ▲
メディアの韓国叩きはエスカレートするばかりです。週刊ポストの「断韓」なんて、もともと在特会などネトウヨが主張していたことです。それが週刊誌の見出しに踊るまでになったのです。

私は、以前から、BSフジのプライムニュースが、来る日も来る日も「韓国が・・・・」「韓国が・・・・」と言っているのを見るにつけ、まるでゴミに異常に執着するゴミ屋敷の主と同じで、頭がおかしいんじゃないかと思っていましたが、今はすべてのメディアがBSフジ化しネトウヨ化しているのです。これを異常と言わずしてなんと言えばいいのかと思います。

韓国の文在寅大統領が曺国(チョ・グク)ソウル大法学部教授を法相に指名した問題でも、日本のメディアは、これでますます文大統領は追い詰められるだろう(追い詰められればいいんだ)というような論調で占められています。

曺国教授の家族にスキャンダルが浮上したときも、「ざまあみろ」みたいな見方が大半でした。まるで、日本に盾突くから罰が当たったんだと言わんばかりでした。文政権が進める司法(検察)改革への視点は二の次で、ただただ(バカにひとつ覚えのように)韓国叩きの感情の方が優先されたのでした。

曺国氏のスキャンダルが、司法改革を阻止しようとする検察の恣意的な捜査=脅しであることは明々白々でしょう。韓国では、今までも大統領経験者など政治家やその周辺の人物がスキャンダルで社会的に抹殺されてきましたが、その背景には検察が政治権力と癒着して巨大な権力を持ち、スキャンダルという名の政治的報復が公然とまかり通っていたという、もうひとつの(国家の)スキャンダルがあったからにほかなりません。

元徴用工問題の背景にある日韓請求権協定も同じですが、それらは軍事独裁政権時代の“残滓”であり、民主化運動のエートスを引き継ぐ文政権は、軍事独裁政権時代の“残滓”の見直しの一環として司法改革を行おうとしているのです。それを日本のメディアは文大統領の「野心」などと言って、問題を矮小化して伝えているのでした。

そう言えば、韓国政府が日本への対抗措置としてGSOMIAを破棄したときも、アメリカ政府が懸念を示しており、今後アメリカから(中には「米中から」というトンデモ話もありましたが)文政権への圧力が強まるだろうと日本のメディアは伝えていましたが、いっこうにその気配はありません。むしろ、トランプ政権の姿勢は「黙認」もしくは「無関心」といった感じです。アメリカからの圧力というのも、対米従属を国是とするこの国の権力者たちの願望を代弁するものだったのでしょう。

メディアに登場する「専門家」たちは、文大統領は曺国氏の法相指名で離反した民心を引き戻すために、これからますます「反日」姿勢を強めるのではないかなどとしたり顔で解説していますが、今の日韓対立を仕掛けたのが安倍政権だということを考えれば、これこそ牽強付会と言うべきでしょう。「専門家」が聞いて呆れますが、彼らもまた、空気を読むことだけが巧みな”電波芸者”にすぎないのです。
2019.09.10 Tue l 社会・メディア l top ▲
最近、ダイエットの話を書いていませんでしたが、この3カ月で10キロ以上体重が減りました。今の体重は、たぶん30年前と同じくらいのレベルです。

先日、健康診断に行ったら、問診したドクターは、前回の体重と見比べながら「ずいぶん減りましたね」と驚いていました。ダイエットしていると思ったらしく、「もうこのくらいでいいですよ。あまり体重を減らすと体力がなくなりますからね」と言われました。

でも、ダイエットしたわけではありません。山に行くようになって自然と体重が減ったのです。食事制限もほとんどやっていません(ただ、食事内容には気を付けしていますし、間食もなるべく控えるようにしています)。

山に行くようになってみるみる体重が減り始め、そして、今のレベル(と言っても、BMIの「標準」レベル)まで下がると、ピタリと止んだのでした。やっぱりダイエットには運動することが一番なんだなとつくづく思っています。

山に行ったときだけ、「行動食」としてチョコレートやあんぱんを食べています。また、山から下りたら、ラーメンとチャーハンという禁断の炭水化物セットを食べたりもしています。運動すれば、禁断の炭水化物セットも禁断ではなくなるのです(と勝手に思っている)。

ろくに運動もせずに飽食してメタボになる現代人に比べて、昔の人はよく運動していました。しかも、それは、近所の奥さんたちがやっているようなウォーキングなどとは比べものにならないくらいハードなものでした。10キロも20キロも平気で歩いていたのです。

私の田舎は、九州の山の麓にある標高400メートルの温泉場ですが、農閑期になると周辺の村から村人たちが温泉に入りにやって来ていました。一日がかりでやって来て、知り合いの家で(ついでに野菜などを手土産で持って来て)、持参した弁当を食べたりしていました。当時は、車など持っていませんでしたから、みんな徒歩でやって来ていたのです。

中学校も、私が入る数年前に町内の二つの学校が合併したため、10キロ以上も離れているような集落から通学する同級生もいました。それで、学校は「僻地校」の指定を受けているという話を聞いたことがあります。

もちろん、普段の生活でも、私が歩いている埼玉の山と同じようなところを毎日行き来していました。私は子どもの頃、祖父が所有する山の下刈りに一緒に行ったことがありますが、今、登山の格好をして歩いている道と同じような道を登って行きました。昔の人がメタボと無縁だったのは当然でしょう(当時はダイエットなんてことばさえありませんでした)。

人間は、その歴史の大半を自然の中で生きてきたのです。そんな人間が、現代のように自然と切り離され人工的にシステム化された社会で暮らしていると、日々ストレスを覚えるのは当然である、とどこかの大学の先生が書いていましたが、山に行けば、ストレス解消だけでなく、このように運動=ダイエットの効能も得られるのです。

2019.09.10 Tue l 健康・ダイエット l top ▲
やっと雨が止んだので、おととい、山に行きました。雨続きで、結局10日以上間が空いてしまいました。

前日は横浜駅の構内が浸水するほどの大雨で、しかも明け方まで雨が残っていましたが、天気予報は「曇り」でしたので、天気予報を信じて、仕事明けに池袋から西武池袋線に乗り、飯能へ行きました。飯能からは西武秩父線に乗り換えて、東吾野で降りました。

いつものことですが、西武線は連絡が悪く、飯能駅で秩父線に乗るまで40分以上待たされました。仕方ないと言えば仕方ないのですが、朝の時間帯は上り(池袋方面)が優先なのです。

よく言われることですが、電車では行く山も限られてしまいます。私も若い頃は、深夜に車で行き、夜明けを待って山に入っていました。そうしないと「午前中に山頂に到着する」という日帰り登山の原則を守ることができないからです。原則に従えば、埼玉の場合はどうしても秩父の手前の山が中心になってしまいます。丹沢にも行きたいのですが、丹沢は駅からさらにバスで登山口まで行くケースが多いので、時間の都合を付けるのが大変なのです。

6時前に池袋から乗車したのですが、東吾野に着いて山に入ったのは8時半近くでした。

今回は、前に利用したコースを逆に登ることにしました。

どんよりとした空模様でしたが、その分気温も低くて、どことなく秋の気配も感じられました。秩父方面に行く電車の乗客は、半袖より長袖の人が多いくらいでした。

今回も山の中では誰にも会いませんでした。途中、二つ小さな山に立ち寄り、3時間弱で最終地点の鎌北湖に着きました。

登山道は雨が降ると川のようになるので、連日の雨で土が洗われて石や岩が剥き出しになっており、何度も足を取られそうになりました。それに、山肌から水が滲み出しているところも多く、滑りやすくて気を使いました。

と、案の定、鎖を掴んで濡れた坂を下っていたとき、アブに襲われ、それを払いのけようとして転倒してしまったのです。身体をひどく打ちましたが、幸いにも腕を擦りむいただけで、打撲や骨折はありませんでした。

左手の肘から手首にかけて一面擦りむいてしまいました。でも、私は買ったばかりのカメラの方が気になり、(「ああっ!カメラが!カメラが!」と心の中で叫びながら)血だらけの手で真っ先にカメラの損傷を確認しました。カメラは擦り傷ひとつなく無事でした。

救急セットを携行していましたので、傷口をアルコール消毒して抗生物質の軟膏を塗り、ガーゼを当てて包帯を巻きました。でも、包帯に血が滲んでいたので傍目には大袈裟に見えたようで、帰りの駅のホームのベンチで、たまたま隣に座った登山姿の初老の男性から「どうしたんですか?」と声をかけられました。

事情を説明すると、「それは災難でしたね」と言われました。「私も何度も転びそうになりましたよ」と言ってました。

男性は、八王子から山梨の山に行こうと思ったら、大月から先が運休になっていたので、予定を変更して八高線で埼玉に来たそうです。埼玉の山に登ったのは30年振りだと言っていました。

ひとりで山に行くのは、たしかに怪我や病気の際のリスクがあります。転落したり、具合が悪くなったりしても、誰も助けてくれないのです。

でも、それでもひとりで山に行くと、「やっぱり、ひとりがいいなあ」といつも思うのでした。イラストレーターの鈴木みきさんが『ひとり登山へ、ようこそ』(平凡社)で書いているように、「ひとりで山にいるときがいちばん山を感じられる」からです。「リーダーの後ろじゃ山は見えない」のです。

前回と比べると、そんなに息が上がるということはありませんでした。いくらか体力が付いたような気がします。段階を上げて、もっと標高差のある山にも登りたいのですが、先に書いたように、電車とバスでは時間的な制約があるため、なかなか思うように計画を立てられないのでした。

徐々にですが、自分のペースも掴めるようになっています。自分のペースを掴むことができると、余裕が持てるようになるので、山を歩くのがより楽しくなります。鈴木みきさん流の言い方をすれば、もっと「山を感じられる」ようになるのです。

私は、年齢的に無理が効かなくなったせいもあるのかもしれませんが、大学や高校の山岳部に象徴される、地図のコースタイムと競争しているような登山には違和感を覚えてなりません。何時間もかけて山頂に到達したのに、すぐにピストンで引き返すような登山って何なんだろうと思います。山に登る意味があるのかとさえ思います。最近は、この手のマラソンやトライアスロンと勘違いしているような(スポーツ)登山が多いのも事実でしょう。何度も言いますが、競争するなら会社や学校でやってくれと言いたいです。

登山ガイドの方の話では、ネットの「山行記録」などに書いているコースタイムは、所詮「オレってすごいだろう?」という自慢話なので、参考にできないものが多いのだそうです。中には如何にも速く歩いたように改ざんしたものさえあるのだとか。そもそも地図に記載されているコースタイムは、登山計画を立てる際に参考にするものであって、速いか遅いかの基準ではないのです。

ある登山愛好家のブログに、山岳ライターの小林千穂さんの講演を聴いた感想が書かれていましたが、小林さんは、講演の中で、山を楽しむためのポイントして、①登頂にこだわらないこと、②興味の幅を広げること、③天気予報の使い方、の三つを上げていたそうです。

登頂だけでなく、植物や昆虫、あるいは山の成り立ちや歴史などに興味を広げると、もっと山に行くのが楽しくなるはずです。むしろ、それが山の魅力でもあるのです。山に行くのは、ネットで自慢して、自己顕示欲を満足させるためだけにあるのではないでしょう。

帰りは、いつものように八高線で八王子まで行き、八王子から横浜線を利用しました。夕方の帰宅ラッシュの前だったので、競争に取り憑かれた人たちに遭遇することもなく、のんびりした気分で帰ることができました。


ユガテから鎌北湖1
旧武蔵国・虎秀村の鎮守の神を祭る吾那神社。この裏から登山道に入ります。登山道は旧飛脚道です。

ユガテから鎌北湖2
名前がわかりません。

ユガテから鎌北湖3

ユガテから鎌北湖5

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ユガテ

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雨で洗われ荒れた道

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急登(きゅうとう)

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ユガテから鎌北湖16

ユガテから鎌北湖17

ユガテから鎌北湖18
「雨乞塚」は、顔振峠や黒山にもあります(奥武蔵だけでなく、全国各地にあります)。昔の里人たちは、裏山の見晴らしのいい高台で雨乞いの行事を行ったのでしょう。

ユガテから鎌北湖19
「男坂」「女坂」もよく目にします。「男坂」はきつい登り、「女坂」はゆるい登りという意味です。

ユガテから鎌北湖20

ユガテから鎌北湖21

ユガテから鎌北湖22

ユガテから鎌北湖23

ユガテから鎌北湖24
ヤマアジサイ? あちこちに咲いていました。

ユガテから鎌北湖25
逆コースの入口

ユガテから鎌北湖26
鎌北湖の湖畔道路を歩いていたらうさぎに遭遇しました。野生なのか? それにしては人に馴れています。

ユガテから鎌北湖27
鎌北湖お決まりの写真
2019.09.06 Fri l l top ▲
横浜市長選・山尾志桜里


先月、横浜市の林市長は、カジノを含むIRの誘致について、「白紙」方針を撤回し誘致する旨を公式に表明しました。

現在の林市政は、共産党を除く“プレ・オール与党体制”です。もともと横浜市に縁もゆかりもない林文子氏を2009年8月の横浜市長選に担いだのは、同年の5月まで民主党代表であった小沢一郎氏だと言われています。事実、2009年の初出馬の際は、民主党公認で立候補しました。林市長が菅義偉官房長官の「子飼い」だと書いているメディアがありますが、それはのちの話で、最初は民主党系の市長だったのです。しかも、初出馬から今に至るまで、市関係4労組(自治労横浜・横浜交通労組・横浜水道労組・横浜市教職員組合)は林市政を支持しているのです。

林文子氏は、(私も同じ業界にいましたのでわかりますが)要するに車のトップセールスマンだった人です。それで「優秀」と見なされたのです。しかも、当時は女性のセールスマン(セールスウーマン)は少なかったので、よけい「評価」された側面もあったでしょう。ただそれだけの話です。

ところが、市長になるとトップセールスマンの本領を発揮して、自公にも擦り寄り、二期目は民主党のほかに自民党・公明党の推薦も得て、今の“プレ・オール与党体制”が成立したのでした。さらに2017年の三期目では、民進党内のゴタゴタもあって、自民党・公明党のほかに連合が推薦に名を連ねています。

上記の写真は、前回の選挙のときのものです(再掲)。前回の選挙について、私は、このブログで次のように書きました。

今回の選挙では、民進党内の旧維新の市議が、“市民派”として立候補しました。一方、民進党内の旧民主党系は、現職候補を支援しています。そのため、民進党は自主投票になりました。旧維新の“市民派”候補に対しては、共産党が独自候補の擁立を見送り、実質的な“野党共闘”候補として支援しています。

このように横浜市長選は、さまざまな思惑が絡む複雑な構図になっているのですが、少なくとも民進党内の多数派や連合や市関係4労組(自治労横浜・横浜交通労組・横浜水道労組・横浜市教職員組合)は、安倍政権の懐刀である菅義偉官房長官(神奈川二区選出・元横浜市議)が牛耳る自民党と手を組み、カジノ推進や戦前賛美の育鵬社教科書採択の現職市長を支持しているのです。横浜市長選の構図を見る限り、民進党は“野党”なんかではありません。”野党”のふりをしているだけです。

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IRの誘致に関して、メディアは「『白紙』方針を一転」と言っていますが、既にずっと前からトーンダウンしており、(私も書いているように)実際は「推進」だったのです。今になって、「だまし撃ちだ」などと驚いたふりをしている人間たちは、眉に唾して見る必要があるでしょう。

今回の公式表明には、菅官房長官だけでなく、林市政を支持している自治労横浜(横浜市従業員労働組合)の意向もはたらいているのではないか、と私は穿った見方をしたくなりました。何故なら、山下ふ頭にカジノが誘致されれば、みなとみらいを凌ぐほどの新たな天下り先が誕生することになるからです。

財政再建団体への転落が懸念されたほど莫大な負債を抱えているにもかかわらず、全国トップクラスを誇る職員給与。みなとみらいをはじめとする多くの天下り団体。来年完成予定の32階建ての豪奢な市庁舎。横浜市は名にし負う“役人天国”で、それは、飛鳥田時代(1963年~1978年までの革新市政)からの“負の遺産”でもあります。

横浜市が他の自治体に比べて、国民年金保険料や市民税など、「租税公課」の負担が大きいのはよく知られた話です。と言うと、だからカジノを誘致して市民の負担の軽減をはかるというような話になるのですが、市職員の給与や天下り団体や市庁舎の建設を考えると、それが子供だましの方便であることがわかります。林市長がカジノ誘致の理由として挙げる「高齢化」や「人口減」も然りでしょう。

報道によれば、市民の80%だかがカジノ誘致に「反対」しているそうです。だったら市長をリコールすればいいだけの話で、ことは簡単だと思いますが、そうはいかないのが横浜の摩訶不思議なところなのです。

横浜市に住んでいると、立憲民主党や国民民主党に対して、一片の幻想さえ抱くことはありません。抱きようがないのです。文字通り、横浜市政は伏魔殿と化しているのですが、その一端を連合や市関係4労組が担っているのです。そんな”獅子身中の虫”に目を向けることなく、林市長に裏切られたと言って市役所に押しかけて抗議する市民団体は、今更ながらおめでたいとしか言いようがありません。


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2019.09.02 Mon l 横浜 l top ▲