私は、ドコモに加入して来月でまる12年になります。もっとも、途中、携帯電話を紛失して数ヶ月だけ他社に加入していた時期がありますので、通算すれば15年以上ドコモに加入しているはずです。

しかし、今月でドコモを解約することにしました。理由は、ドコモの新料金プランにまったくメリットがなかったことと、来るべきSIMフリーの時代に備えるためです。

携帯電話の料金プランは、ご存知のように、音声通話とパケット通信(データ通信)の二つの柱によって成り立っています。今、私が加入しているのは、通話の部分が「タイプXiにねん」(802円)で、パケットの部分が「Xiパケホーダイフラット(7G)」(5700円)です。これにスマホの割賦払いが加わり、月に大体8000円~9000円くらい払っています。

割賦払いは今月で終了しますが、それに伴い端末代金を補てんする「月々サポート」(1900円)も終了しますので、来月以降、今より1000円くらい安くなり、7000円~8000円の支払いになる予定でした。

ただ、私が加入しているのは、既に新規契約の受付を停止している旧料金プランです。新プランに移行すると、旧プランより2000円くらい負担増になるのです。いつまでこの旧プランを契約できるのか、当然そういった不安を抱きます。それで、ドコモのお客様センターに電話して確認しました。すると、答えは以下のようなものでした。

①機種変更をしなければそのまま旧プラン継続可能。
②機種変更すれば、iPhoneの場合は新プランに強制加入。iPhone以外は旧プランの継続は可能だが、「月々サポート」1900円は適用されない。

つまり、機種変更すれば、旧プランであっても「月々サポート」がなくなるので、新プランとほとんど変わらなくなるのです。この新料金プランの仕組みは、ドコモだけでなく他社も似たようなものです。今回ドコモが主導した新料金プランは、収益源である通話料金を無料アプリに奪われないように一定額確保し、携帯電話料金の高止まりを狙う「邪悪な」意図がミエミエなのです。

新料金プランと旧料金プランの違いは、主に通話の部分です。パケットの部分は、金額的にはそう違いはありません(家族でデータ量をシェアできるとかありますが、それも私には関係ない)。新料金プランに移行すれば、2916円で電話がかけ放題になるというのが謳い文句です。しかし、私のようにあまり電話をかけなくて、月に通話料金が1000円以下のような人間は、逆に負担増になるのです。それに今はLINEやカカオトークなど無料(格安)アプリもありますので、「電話のかけ放題」というのは、ドコモが言うほどメリットはないのです。

そこで、目をつけたのが同じNTTグループのOCNモバイルONEでした。ドコモと同じ回線で、データ量4Gのプランで1566円(税込)でした。ただ、その場合、ひっかかったのがテザリング(「デザリング」ではなく「テザリング」が正しいらしいので、そっちに統一します)でした。私は、たまに出先でパソコンを使うことがありますので、テザリングが必要なのですが、しかし、ドコモの端末ではテザリングができないのです。MVNOはNTTのドコモの回線を使い、SIMもドコモのSIMなのに、テザリングができないというこの不思議。なんでもドコモの端末には、デザリングを規制するために、テザリングすると接続先(APN)を変更する機能が組み込まれているからだそうです。こういったところにも、ユーザーの利便性を無視したドコモの夜郎自大な体質が垣間見えるのでした。

それは、料金も然りです。ドコモは言わば(回線=インフラの)メーカーのようなもので、そのメーカーが小売と卸しを両方やっていて、MVNO業者は、ドコモから回線を卸してもらいそれを小売しているのです(だから、ドコモのSIMを使うのです)。ところが、利用料金(商品代金)は、メーカー直で買うよりメーカーが卸した小売店で買うほうがはるかに安いのです。通常の商売ではこんなことはありえないでしょう。

テザリングができないので、スマホ用のSIMとは別にPC用のUBS端末もレンタルすることにしましたが、それでも全部で3千円足らずでした。ドコモの半分以下です。OCNモバイルONEにすると、電話番号が090や080ではなく050のIP電話になり、メールも携帯(キャリア)メールが使えないという”制約”がありますが、それもデメリットとは言えない程度の話でしょう。追記:12月より音声付SIMが発売され、従来の携帯と同じように番号ポータビリティ(MNP)が可能になりました。

なにより、やっと2年の割賦が終わったばかりのスマホを無駄にしたくないという気持がありました。ドコモが嫌だからと言って、ソフトバンクやauに乗り換えれば、端末もあらたに買い替えなければならないのです。もっとも、端末のSIMフリーが義務づけられれば、このような特殊ニッポン的なシステムも改変され、海外と同じように端末メーカーと通信業者の区分けが明確になって、もっと自由に端末を選ぶことができるようになるはずです。もちろん、たとえばandroidの場合、Google のIDでログインしてさらにドコモのIDでログインしなければならないとか、Gmailがあるのに別にドコモメールがあり、そのために電話帳が二つあるとかいった、ややこしいことも徐々に解消され、テザリングに規制をかけられるような理不尽なこともなくなるでしょう。あとは通信方式が統一されて、さらに競争が進むことを願うばかりです。

今までは資本主義社会にあって資本主義のメリットを充分享受できない体制にあったのです。そのガラパゴスな体制をつくったのがNTTドコモです。たしかに、SIMフリーになっても、インフラ(回線)をNTT(ドコモ)が独占している限り、ガラパゴス体制はつづきますが、それでも今までよりいくらか資本主義のメリットを享受できるようになるはずです。その第一歩が今回の「ドコモにさよなら」なのです。
2014.11.08 Sat l ネット・メディア l top ▲