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先日、「モバイルフレンドリー」に関する記事を書きましたが、Google がアナウンスしたとおり、4月21日以後、検索順位に変化がありました。しかし、自サイトに限って言えば、いささか甘く考えすぎていたと言わざるを得ません。僻んだ言い方をすれば、Googleを信用しすぎた、Googleに踊らされた感じです。

Google は、事前に、スマホなどモバイル端末にやさしいサイト、つまり、「モバイルフレンドリー」なサイトを評価するアルゴリズムのアップデートを4月21日に世界で同時に実施する、とアナウンスしました。

そのために、自分のサイトが「モバイルフレンドリー」であるかどうかを確認できるように、「モバイルフレンドリーテスト」のページまで設けていました。そして、それに”合格”すれば、モバイル検索において、「スマホ対応」のラベルが付くようになりました。「スマホ対応」のラベルは、謂わばGoogle にお墨付きをもらったようなもの、そう思っていました。ところが、実際に蓋を開けてみると、「スマホ対応」は言われるほど意味がないことがわかりました。

私が観察するキーワードで言えば、21日以降、モバイル検索でもPC検索でも、そんなに大きな違いは出ていません。順位の変動も拍子抜けするくらい小幅です。下記は、今日現在のモバイル検索の順位です。

1位 A ◎ 
2位 B
3位 C
4位 D
5位 E ◎
6位 E ◎
7位 F
8位 G
9位 H ◎ ※自サイト
10位 I


◎印が「スマホ対応」のサイトです。10位のなかに、「スマホ対応」のサイトは、4つしか入ってないのです。しかも、そのなかで5位と6位はページが違うだけで同じサイトです。ちなみに、E社はアドワーズの広告を出しており、アドワーズでもトップに掲載されています。また、2位のB社と3位のC社は、サイトのタイトルがほとんど同じで、最初、E社と同じように、同じ会社なのかと思ったほどです(E社のタイトルもこの2社と似ています)。

さらに驚くことに、7位のF社と8位のG社は、いづれもモバイル未対応なのですが、21日以降、逆に順位がアップしてトップ10に登場したのでした(もちろん、それらは公共性のあるサイトではありません)。

Google は、モバイル対応してないと、21日以降モバイル検索の順位が下がると警告していました。自サイトにもそのようなメールが届きました。Google の警告を額面通りに受け取れば、モバイル対応すれば、少なくとも順位が下がることはないだろうと思うのが普通でしょう。まして、モバイル対応してないサイトが順位が下がるどころか、逆に順位が上がるなど想像だにしませんでした。念のために言っておきますが、これはモバイル検索での話です。

長いものに巻かれる傾向のある日本では、Google を「すごい」「すごい」と言って、文字通り神の如く崇める人が多いのですが(ネットなんてそんな”信者”ばかりです)、ホントにGoogle は「すごい」のかと思ってしまいます。

むしろ、前も書きましたが、ますますアロガント(傲慢)な面が目立つようになっているのではないか。上記の順位にしても、以前はページあたりの表示件数は10件でした。検索サイトからのアクセスにおいて、1ページ目か2ページ目かでは天と地の差があります。だから従来は「トップ10」という言い方も成り立っていました。

ところが、いつの間にかトップページには8位(あるいは9位)までしか表示されず、9位(10位)以降は2ページ目に表示されるようになっていたのです。その代わりに、「画像」や「ニューストピック」など自社のサービスのリンクが挿入されています。キーワードによっては、YouTubeのリンクが貼られている場合もあります。Yahoo!に至ってはもっと露骨で、Yahoo!ショッピングやヤフオク!などのリンクが貼られています。要するに、自社のサービスを入れるために、表示の件数を削っているのです。

弱小サイトにとって、検索順位は命綱です。そのため、なんとか上位(トップ10)に入るように、SEOに四苦八苦しているのです。Google のやり方は、 そんな弱小サイトにとってアロガント以外のなにものでもないでしょう。

先日、わいせつ動画を放置していたとしてFC2の「運営会社」の社長らが逮捕されましたが、YouTubeも事情は同じでしょう。さすがにわいせつ動画は少ないものの、違法動画ならいくらでもあります。「削除が追いつかない」「表現の自由との兼ね合いで対応しづらい」とかなんとか言いながら、違法動画に広告を貼ってマネタイズしているのですから、「確信犯」と言われても仕方ないでしょう。

先月(4/15)、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が、Googleに対して、「欧州における検索市場での独占的地位(欧州では9割)を乱用し、検索結果を自社に有利になるよう操作した」「EU競争法(独占禁止法)に違反した疑いがある」として、「異議告知書」を送ったというニュースがありました。

ITmedia ニュース
EU、Googleに検索事業に関する異議告知書送付 Androidの調査も開始

具体的には、Google ショッピングの表示を優先するように検索結果を操作したというものですが、こういった欧州委員会の姿勢には、検索というのは公共性が高く、公平でなければならないという考えがあるからでしょう。でも、日本ではそういった考えは少ないのです。どうして欧州委員会のような視点がないのだろうと思います。

そもそも「スマホ対応」にしても、(前の記事と矛盾しますが)その基準はあくまでユーザーにあるはずなのです。モバイルで見にくいサイトであれば自然と淘汰されるはずです。ユーザーから見て、情報量の少ないスマホ用サイトよりPCサイトのほうが見やすい場合だってあるわけで、別にGoogle に強制される話ではないでしょう。Google がPC検索とタブレット検索とモバイル検索に分けているのは、そこになにか別の思惑があるからではないかと勘ぐらざるを得ません。そして、その思惑に振りまわされるのが、androidユーザーと私たちのような弱小サイトなのです。

15年前、Googleが登場したとき、私たちは感動しました。たしかに掛け値なしに「すごい」と思いました。しかし、今のGoogle に、あのときの感動はありません。Google らしい斬新なサービスも久しく目にしていません。耳にするのは、金にものを言わせた買収の話ばかりです。Google は、今でも胸を張って”Don't be evil”と言えるのか、そう問い質したい気持です。


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