このブログももう10年書いています。光陰矢の如しとはよく言ったもので、時間の経つのははやいものです。10年経ったということは、10才年をとったということです。昔、黒柳徹子だったかが、若い頃は各駅停車の鈍行列車に乗っている感じだったけど、年をとると、急行になり特急になってどんどんはやくなっていく、と言ってましたが、とりわけ黄昏時は時間の経つのがはやく感じるものです。

この10年、なにをしていたんだろうと思います。馬齢を重ねるという言い方がありますが、ただ徒に年をとっただけのような気がして暗澹たる気持になります。

テレビを見てたら、「キラリ!元気人」とか言う青汁のCMに、女優の叶和貴子が出ていました。叶和貴子も既に50代後半になり、すっかり年老いていました。なんでも30代の半ばにリウマチを発病して、以後20年間、芸能界から遠ざかり闘病生活を送っていたそうです。

そう言えば以前も、病気で歩くのもままならず外出も控えていたけど、仔犬を飼いはじめて散歩に出かけるようになり、「元気になったのもこの子のおかげです」と言って膝に乗せたマルチーズだかを撫でているCMがありましたが、あれも青汁のCMだったのか。また、そのCMでは、たまたま通りかかった靴屋で、オーダーメイドの靴を作ったら歩くのが楽になったとかいうエピソードも紹介していました。

現在は、みずからの病気をネタに講演活動をしているようなので、病気をしたのはたしかだとしても、いくらか脚色している部分もあるのかもしれません。芸能人はタダでは起きないのです。

所詮は青汁のCMと言えばそうなのですが、でも、そうはわかっていても、「キラリ!元気人」に出ている叶和貴子に、私はどこかもの哀しさのようなものを感じてならないのです。叶和貴子は結婚もしてないようです。じゃあ、芸能界から遠ざかっていた20年間、どうやって生活していたんだろう?、なんて無粋なことはここでは考えないことにします。

若い頃、誰もが羨むほどの美貌を誇っていた女性が、病気をして悩み苦しみ、そして、人知れず年老いて行く。私は、そこに”孤独”や”生きる哀しみ”を見た気がしたのでした。なんのことはない、中高年向けの青汁のCMにまんまとはまった自分がいたのでした。

年老いていくことは哀しいことなのか。このブログで、たまたま目に付いた「歩いても 歩いても」という映画の感想を書いた記事を読み返していたら、否応なく年老いた自分を感じさせられ、しみじみとした気持になりました。「歩いても 歩いても」を投稿した当時、私はどっちかと言えば、まだ年老いた親を視る子供の立場でした。でも、親もいなくなった今、そのあとには、叶和貴子と同じようにすっかり年老いた自分がいるのです。まるで取り残されたかのように、ひとりぽつんと立っているのです。やはり、この10年は短いようで長いのでした。

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2015.05.08 Fri l 芸能 l top ▲