やれやれ、今度はOCNです。

私のスマホはOCNモバイルONEのSIMを刺しているのですが、先日、モバイルONEのアプリを見たら、繰越しのデータ容量がいつもより極端に少ないことに気が付きました。

私は月5GBの容量の契約をしているのですが、モバイルONEの場合、月末時点で余ったデータは翌月に繰り越すことができます。私は、動画などはほとんど見ないので、月に使用するデータは大体3.5~4GBくらいです。それで繰り越し分も含めて通常だと8.5~9GBくらいあるはずなのですが、今月に限っては6GBしかないのでした。

モバイルONEのSIMは、スマホに刺している分と出先で使用するノートPC用のUSB端末の分の二つをシェアして使っているのですが、アプリで確認するとノートPC用のSIMの使用量に”異常”があることがわかりました。それで、なにかの間違いだろうと思って、OCNのカスタマーズフロントのフリーダイヤルに電話しました。

電話口に出たのは、委託先のコールセンターのアルバイトとおぼしき若い男性で、私が”異常”を説明すると、案の定、最初から「間違いなんてあり得ない」と言わんばかりの言い方をするのでした。

ノートPCのSIMの使用量が多いのは、Windows10をダウンロードしたからではないかと言うのです。予約はしているけどまだダウンロードしてないと答えると、今度は自動的にダウンロードしたのを気が付いてないだけではないかなんて言う始末です。

「いや、デスクトップを見てもWindow10ではなく今までと同じですよ」
「私はWindows10の画面を見たことがありませんので新しいデスクトップの画面がどんなものかわからないのですが、もしかしたらWindows7と見分けがつかないのかもしれません」
「(なに言ってるだ、こいつ)Windows10のトップ画面は予約する際にマイクロソフトのページに出ているので、その違いくらいわかるよ」
「では、Windows10をダウンロードするために、事前にいろんなファイルがインストールされたのかもしれませんね」
「でも、Windows10の画面を見たこともないような素人にそう言われても説得力はないな」
(カッコ内は私の心の声です)

そう言うと、急に口ごもり、「ちょっとお待ちください」と言って、誰かに相談をはじめたようでした。

そして、「こちらでは専門的なことはわかりかねますので、今から申し上げますテクニカルサポートのほうへかけ直していただいて、そちらでご相談していただけますか?」と言って、別のフリーダイヤルの番号を案内されたのでした。

私はめんどうだなと思いながら、教えられたテクニカルサポートにかけ直しました。テクニカルサポートの電話に出たのは女性でした。OCNの社員かどうかわかりませんが、フムフムというように結構偉そうにこちらの話を聞いていました。でも、答えは同じでした。

「それはマイクロソフトの問題ですね」
「間違いではないと」
「そうです。マイクロソフトによってWindows10に関連したアップデートがおこなわれたのだと思います。でも、それはマイクロソフトの問題なので、どうしてそんなに大きなデータになったのかというのは、こちらではわかりかねます」
「でも、今までそんなデータ量を使うことはなかったのですよ」
「今度のWindows10は特別ですよ」
「ひと月分を1日で使うこともあると?」
「はい、それはあります」

いつまでも堂々巡りのやり取りをしていても仕方ないので、私は、釈然としないまま電話を切ったのでした。たしかに、Window10に関連するアップデートであれば、大量のデータ通信もあり得るかもしれませんが、しかし、3.3GBのデータを使用した日、ノートPCは出先で1時間くらい使っただけなのです。それに、シャットダウンするときも、別に更新プログラムのダウンロードなんてありませんでした。

ところが、今日、突然、OCNからつぎのようなメールが届いたのです。タイトルは、「『OCN モバイル ONE』一部お客さまの繰越容量が表示されない事象について」となっていました。

OCNモバイルONE不具合メール

私は狐につままれたような気持になりました。そして、モバイルONEのアプリを確認したら、いつの間にか今月のデータ量が9.8GBに増えていたのでした。

「繰越容量消失」というのもよくわからない話ですが、私の”異常”もそれと関係があったのでしょうか。だったら、あのカスタマーフロントとテクニカルサポートの応対はなんだったんだと言いたくなります。ただ、言い逃れるためだけに、適当なことを言ったのか。

OCNの不具合にWindow10のアップデートが関係していたのかどうかわかりませんが、不具合の言い逃れに、(これ幸いとばかりに)アップデートが使われたのはたしかなのです。

要するに、コールセンターなんて、当社はアフターサービスをおこなっておりますというアリバイ作りのためにあるようなものなのでしょう。そのために、かたちばかりの「カスタマーフロント」を外部委託しているのでしょう。コールセンターに任されているのは、簡単な手続きの仲介だけです。だから、少しでもクレームめいたことを言おうものなら、マニュアルに従ってクレーマー扱いされるのです。お客様は神様どころか、お客様はクレーマーみたいな考えしかないのでしょう。そうかと言って、なにも言わなければ、ミスさえ認めず泣き寝入りさせられるだけなのです。

マスコミもクレーマー問題を針小棒大に扱うので、なんだか自由に文句が言えない風潮のようなものがありますが、私は、これも「認知資本主義」の一種かもしれないと思いました。

『はたらかないで、たらふく食べたい』(タバブックス)の著者の栗原康氏は、同書のなかで、「認知資本主義」について、つぎのように書いていました。

大切なのは、なんらかの情報がはいってきたら、期待されたとおりの反応をしめすこと、けっして迷わないこと、躊躇しないこと、いっけん人間の頭脳を活用するようになったこの社会は、じつのところほんとうのことをいってしまえば耳だけを重視するようになった社会である。これこれこういう情報がはいってきたら、なにも考えずにいわれたとおりにうごくこと。ようするに、上から命令されたら、それにしたがえということだ。


なにも考えずに、なにも疑わずに言われたとおりに従うこと。それが「認知資本主義」の要諦です。クレーマーは、いわば「認知資本主義」に弓を引く不届き者とも言えます。

正しいと思ったら遠慮なく文句を言うこと。クレーマーになってやるというくらいの覚悟でないと、「私どもは間違っておりません。お客様の勘違いではないですか?」という「認知資本主義」の常套句(マニュアル)に言い負かされるだけです。
2015.08.08 Sat l ネット・メディア l top ▲