噂の真相1996年11月号表紙


リテラが、川島なお美死去に関連して、彼女と渡辺淳一の密会をスクープした19年前の『噂の真相』の記事(1996年11月号)を取り上げていましたが、私もなんだかなつかしい気持になり、押し入れの奥から古い『噂の真相』を引っ張り出しました。

リテラ
川島なお美と渡辺淳一の密会をスクープ、「噂の真相」岡留編集長が語る女優・川島なお美の美学と肝っ玉

言うまでもなく渡辺淳一は、ベストセラー作家で「文壇」の大御所でした。週刊新潮や週刊文春も彼のスキャンダルを書くことは絶対のタブーでした。それは、亡くなった今も変わりません。

そんななかで、「タブーなき反権力スキャンダリズム」を標榜する『噂の真相』は、再三にわたって、小説を地でいくような渡辺淳一の女性スキャンダルを記事にしていました。

たとえば、2001年1月号の「体験的告白エッセイでも隠し続けた渡辺淳一の知られざる秘密を剥ぐ!」という記事では、みずから華麗なる(?)女性遍歴を綴った”告白エッセイ”『マイ センチメンタルジャーニー』でも触れていない隠し子の存在について書いていました。

その記事のなかに、つぎのような箇所があります。

 なにしろ渡辺の女優好きは有名な話で、86年に映画化された『化身』のヒロインに当時宝塚を退団したばかりの黒木瞳を抜擢し、関係を持ったのをはじめ、『別れぬ理由』の主役を三田佳子が演じれば今度は三田と、自作が映画化・テレビドラマ化される度に渡辺は必ず出演女優に手を出してきたからである。
(略)
 そのうえ、こんな話もある。ある関係者が渡辺の渋谷の事務所に行った時のこと。渡辺はさまざな女優とのツーショット写真が収められたアルバムを取りだすと、その関係者にこう自慢したというのだ。「ここに写っている女優とは全員やった」と(笑)。
 そして関係者が記憶している限りで名前を挙げると、そこにあったのはこんな顔触れであった。
 ×××××、××××、××××、××××、××××、××××、××××、×××、××××、 そしてもちろん、川島なお美・・・。 (※伏字は引用者の判断)  
 亡き大物女優からフェロモン女優まで、まさに錚々たる面々なのだ。
 なかでもこの女優との「関係」だけでもう一つの『マイ センチメンタルジャーニー』となり得るのが、やはり川島なお美だろう。
 いまさら言うまでもなく、本誌が3度にわたってふたりの「北海道密会旅行」をスクープしたように、渡辺と川島なお美が『失楽園』のヒロイン役をめぐって96年暮れに知り合って以来、少なくとも昨年初めごろまで愛人関係にあったのは紛れもない事実。
 主演女優の座という「利益」のために近づいてきた川島なお美に対し、まんまと引っ掛かり、逆に夢中になってしまった渡辺の「老いらくの恋」──。

『噂の真相』2001年1月号
体験的告白エッセイでも隠し続けた渡辺淳一の知られざる秘密を剥ぐ!


そして、そのスクープ記事のひとつが、リテラが取り上げている1996年11月号の「女優川島なお美との密会劇に見る渡辺淳一文学と好色志向との狭間」です。

私は、渡辺淳一の小説は読んだことはありませんし、「失楽園」にもまったく興味はなく、川島なお美が主演したテレビドラマも、黒木瞳が主演した映画も、どちらも見ていません。当時、私も世間様から指弾されるような道ならぬ恋のまっただ中にありましたが、しかし、「失楽園」なんてバカバカしいと思っていました。

だから、私は、失礼な話ですが、川島なお美を女優として見ることができないのです。私にとって、川島なお美は、ワインのイベントに、お約束のように愛犬を抱いて出てくるあのイメージしかないのです。リテラのように、「女優として生き、最後まで女優をまっとうした」という言い方も、正直言ってピンとこないのです。

渡辺淳一に関しては、現在、某有名男優の奥さんになっている若手の人気女優(当時)が、やはりドラマの主役の座を射止めるために、原作者の渡辺と懇ろになったという知る人ぞ知る話もありますが、このように女優(タレント)というのは、村西とおるが言うように、普通のお嬢さまにはできないやくさなお仕事なのです。それが吉本隆明が言う「特殊××」の住人である所以です。

モデルをしていた知り合いの女の子の話では、ショーのあとカメラマンやプロデューサーから別室に呼ばれ、「グラビアに出る気はない?」「悪いようにはしないよ」と言って、手を握られたり太股を撫でられたりするのはしょっちゅうだったそうです。また地方に行くと、当然のようにホテルの部屋に電話がかかってきたり、部屋のドアをノックされたりするのだそうです。そのことを事務所の女社長に告げたら、「アナタだって子どもじゃないんでしょ」と言われたのだとか。

カタギの社会で言えば、「枕営業」や「セクハラ」が当たり前のこととして存在する世界、それが芸能界なのです。そういう世界でめげずにやっていくには、よほど強靭な精神力がなければやっていけないでしょう。文字通り「肝が据わって」いなければ生き抜いていけないのです。

川島なお美も、したかかにたくましく芸能界を生き抜き、そして病魔に倒れたのです。文字通り”女優魂”ならぬ”芸能人魂”を体現したひとりだったと言えるでしょう。ことばの真正な意味において、芸能人というのはやくざなのです。彼らは、市民社会の公序良俗からドロップアウトした(せざるをえない)人間たちなのです。それは差別ではありません。それが芸能人(芸能の民)の本質なのです。


噂の真相1996年11月号グラビア

噂の真相1996年11月号記事


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