今回の地震に関連して、ネットでくり広げられている芸能人に対する”不謹慎狩り”が問題になっているようです。SNSの書き込みの言葉尻をとらえて、「不謹慎」だと指弾し炎上させたり、なかにはインスタグラムに笑顔の写真をアップしただけで「不謹慎」だと批判された芸能人もいたそうです。それらは、ほとんど言いがかりとしか言いようのないもので、ある意味でビョーキと言えるでしょう。

ヘイト・スピーチとの類似性を指摘する意見もありますが、たしかに、ヘイト・スピーチと”不謹慎狩り”は重なる部分があるように思えてなりません。日ごろ「中国人や朝鮮人は日本から出ていけ!」などと書き込んでいるような連中が、あらたな標的を見つけて”不謹慎狩り”をおこなっているような気がしてならないのです。

ネットに常駐するネトウヨの書き込みを見ると、彼らのかなりの部分はビョーキであるという指摘も、あながち的外れとは言えないように思います。ゴミ問題が大きく扱われると、ゴミに異様に執着する人間が出現するのと同じように、安倍政権の誕生によって”嫌中憎韓”の排外主義的な空気が醸し出されると、中韓に異常に執着する人間たちが出現するのです。たとえば、Yahoo!の国際ニュースランキングなどが、この異常な風潮をよく表わしているように思います。

ただ、私たちは、”不謹慎狩り”の背景に、大塚英志が書いていたような「旧メディアのネット世論への迎合」があることを忘れてはならないでしょう。それこそが、藤代裕之が「インターネットと「私刑化」する社会」で書いていた「ネットとマスメディアの共振が『私刑化』する社会を拡大させている」構造なのです。

とりわけYahoo!ニュースやJ-CASTニュースなどセカンドメディの責任は、大きいと言えるでしょう。彼らは、ページビューを稼ぐために(ニュースをマネタイズするために)、ネトウヨなどほとんどビョーキなネット民をひたすら煽ってきたのです。ヘイト・スピーチにも”不謹慎狩り”にも、背後に煽っている(煽られている)構造があることを見過ごしてはならないのです。

Yahoo!ニュースやJ-CASTニュースが、今になって”不謹慎狩り”を云々するのは、それこそカマトトと言うべきでしょう。


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2016.04.21 Thu l ネット・メディア l top ▲