韓国ブームが再燃しているそうです。

韓国観光公社によれば、日本からの訪韓客は、2012年8月以降、減少の一途を辿っていたのですが、今年2月に3年6ヶ月ぶりに増加に転じたそうです。そして、今年の上半期(1月~6月)の訪韓数は、昨年に比べて10%増加したのだとか。今日のテレビでも、韓国ブーム再燃の話題が取り上げられていました。

ただ、ブームの中身は、前回とは異なっているようです。今回は、ファッションやメイクやスイーツなど、主に10代~20代の若い女性が中心だそうです。韓流ブームと言うより、韓国ブームと言ったほうがいいのかもしれません。

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10代に韓流ブーム再び キーワードは「自撮り」(週刊朝日)

スマホアプリからブームが再燃したというのは、やはり、LINEなどの影響が大きいのかもしれません。少なくとも、モバイルビジネスでは、ハード面も含めて韓国が日本より先行しているのは間違いないでしょう。そのため、アプリなどのサービスにおいても、常にイニシアティブを握ることができるのでしょう。

ブームは、アプリだけにとどまりません。日本のギャルたちは、オルチャンファッションやオルチャンメイクと呼ばれる、韓国の若い女の子たちのファッションやメイクを模倣しているのです。また、原宿にも進出した韓国かき氷・「ソルビン」など、韓国スイーツも人気を博しているそうです。

今回のブームには、前回の韓流ブームに対して上野千鶴子が不快感を示したような、「植民地時代からの優劣関係の記憶」などどこにもありません。それが、ファッションやメイクやスイーツなど、ブームの主体がより生活に密着したものに移行した理由なのでしょう。つまり、若い女の子たちが抱く韓国のイメージは、「歴史」や「政治」と完全に切断されたところに成り立っているのです。それこそ、『さよなら、韓流』で北原みのりが書いた、「しなやかに強く根深く自由」な「女の欲望」のギャル版とも言えるでしょう。

韓国製品は日本製品より劣っている、韓国社会は日本社会より遅れているというような“嫌韓“のイメージは、ネットニュースに影響されてネトウヨになった日本人の、そうあってほしいという願望でしかないのです。そうやっていつまでも「植民地時代からの優劣関係の記憶」にすがっていたいのでしょう。

国内の市場が小さく、日本のように「パラダイス鎖国」やガラパゴス商法が望めない韓国は、最初からグローバルな市場に活路を求めるしかありませんでした。その結果、技術面においても付加価値においても、韓国製品は世界に通用するレベルにまで達し、いつの間にか日本製品の強力なライバルになっていたのです。「世界ナゼそこに?日本人」のような番組には、統一教会で集団結婚した日本人花嫁が多数出ているそうですが、統一協会の信者まで動員して、世界で日本人はリスペクトされている、日本製品はあこがれの的だというような、テレビ東京的慰撫史観で自演乙している間に、アジアは韓流ブームにおおわれ、韓国製品に席巻されていたのです。

自分たちの生活を虚心坦懐に眺め、日本に韓国や中国ほどの勢いがあるかと考えれば、とてもあるようには思えません。私たちには、世界中にお金をばらまいて歩いているアベシンゾーが滑稽に見えるほど、「景気が悪く」「生活が苦しい」実感しかもてないのです。韓国経済は停滞している、中国経済は崩壊する、というようなおなじみの”希望的観測”とは裏腹に、アジアでは韓国や中国がスタンダードになるのかもしれないのです。

ブーム再燃は、若い女の子たちの柔軟な感性をとおして、そんな韓国の勢いが再び日本にも押し寄せているということなのでしょう。


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2016.09.21 Wed l 社会・時事 l top ▲