先日、たまたたまネットで見つけたネイルシールについて、某メーカーに問合せのメールを送りました。

しかし、返ってきたのは、ネットショップとの取引きは当分見合わせることになりましたとのつれない返事でした。

たしかに、ネットショップと取引きしたものの、たいして注文もなく、商売としてはメリットがないと考えるのはわからないでもありません。

実際にネットショップを見ていると、大半は見よう見まねではじめた素人だといっても過言ではありません。

もちろん、そうやって気軽に誰でもショップオーナーになれる(商売ができる)というのが、インターネットが産業革命以来の新しいパラダイムだといわれる所以なのですが、だからといってネットで商売が成り立つがどうかというのはまた別問題なのです。

もうこれ以上素人の商売には付き合っておれないというのが本音なのかもしれません。事実、メーカーや問屋の中にははっきりとそのようなことをいうところもあります。

しかし、ロングテールの法則を引き合いに出すまでもなく、ネットショップを十把ひとからげにして門前払いするというのもちょっと乱暴すぎるし、現状認識においてお粗末な気がしないでもありません。それどころか、旧弊な商習慣に胡坐をかいた傲慢ささえ感じます。

旧来の日本的商習慣の中で支配者であっても、それはあくまで『ウェブ進化論』がいう「あっちの世界」の話であって、「次の10年」、ネットの世界が時代のイニシアティブを握ったとき、いつまでも支配者でありつづけるという保証はないのです。

証券や旅行や損害保険の業界などでは、ご存知のように、もはやネット取引きが無視できないほどの規模になっています。

身近な例では、文具業界においても、会社関係の事務文具に関しては、今やアスクルなどの新興勢力に完全に市場を奪われてしまいました。

文具業界ほど閉鎖的で排他的なムラ社会はありませんからね。そのために新しい時代の動きを読むことができなかった、いや、時代の動きを読むことができても、旧来のシステムに縛られて対応できなかったというのが真相かもしれません。

ネットというのは、要するに、ロングテールの法則にみられるように、「塵も積もれば山となる」世界なのです。しかし、旧来のシステムに縛られた会社は、それが理解できないし、また、日本的な商習慣に基づいた高コスト体質になっているため、ネットの薄く広い”小口決済”に対応できないのが実情なのだと思います。

しかし、時代は確実にネットを中心とした世界の方向に進んでいることは誰の目にもあきらかで、もはやそれが前提のはずです。にもかかわらず、未だ前提にさえなってないとしたら、やはり、やがて朽ち果てるべき運命のアンシャンレジームだといわざるを得ないのではないでしょうか。
2006.07.12 Wed l ネット・メディア l top ▲