ローラが、インスタグラムで辺野古の新基地建設工事の中止を求める署名を呼びかけて話題になっています。と言うか、“政治的発言”だとしてメディアやネットで叩かれているのです。そうやってローラをCMから降ろすようにスポンサーに圧力をかけている(かけられている)のです。

松本人志や北野武や坂上忍らの”政治的発言”は不問に付され、どうしてローラだけが問題視されるのか。ローラのそれは政権批判につながるものだからでしょう。松本人志や北野武や坂上忍のような、機を見るに敏なポチのおべんちゃらではないからです。

もっともローラは、今までも環境問題やペットの殺処分に関して積極的に発言していますので、辺野古の工事についても、どちらかと言えば、政治的な理由というより環境問題として、埋め立てに懸念を表明したのかもしれません。

また、現在、拠点をアメリカに置いていますので、こういった発言をすることに躊躇いはなかったのでしょう。ローラも所属事務所と契約問題でもめたことがありますが、むしろ、政治的に色が付かないように、見ざる聞かざる言わざるの三猿であることを強いられる日本の芸能界が特殊なのです。その前提にあるのは、言うまでもなく日本の芸能界にはびこる”奴隷契約”(竹中労)です。

ただ一方で、私は個人的には、新基地建設の中止をアメリカ政府にお願いする署名運動には違和感を抱かざるをえません。原発事故で盛り上がった反原発運動を野田首相(当時)との面会に収れんさせ、ものの見事に運動のエネルギーを雲散霧消させたあの”悪夢”が思い出されてならないのです。そこにあるのは、「『負ける』という生暖かいお馴染みの場所でまどろむ」(ブレイディみかこ)左派リベラル特有のヘタレで自慰的で敗北主義的な発想です。もとより日米軍事同盟は、それほどヤワなものではないでしょう。

去る12月20日、ロシアのプーチン大統領は、恒例の年末記者会見で、日本との平和条約交渉に関連して、つぎのような考えを示したそうです。

(略)日本との平和条約交渉について、締結後の北方領土への米軍展開を含めロシアの懸念を払拭するのが先決との考えを示し、「日本側の回答なしに重要な決定を行うのは難しい」と述べた。また沖縄県で民意に反し米軍基地の整備が進んでいることを例示し、日米同盟下で日本が主権を主体的に行使できているのか疑問を呈した。

共同通信
ロシア、在日米軍展開懸念払拭を


これほどバカにされた発言はないでしょう。ホントに独立国なのか?と言われているようなものです。これでは、平和条約=北方領土返還なんて絵に描いた餅にすぎないでしょう。

ローラの発言について、『ジャパニズム』(青林堂)の元編集長で元ネトウヨの古谷経衡氏は、つぎのように書いていました。

(略)私はローラさんが、辺野古移設工事反対10万筆署名に賛同の意を示したことの、どこが「左傾」「反日」なのか、まったくもって意味が分からない。

 沖縄の先祖代々の土地を、米軍から取り戻したい。沖縄の先祖代々の土地に、これ以上米国の軍隊の基地を創って欲しくない―。これこそが保守であり、真の愛国者の姿勢では無いのか。

Yahoo!ニュース
ローラさんの辺野古工事阻止10万筆署名賛同こそ、真の保守であり愛国者だ


当たり前すぎるほど当たり前の見方と言えるでしょう。当たり前に見えないのは、戦後の日本が当たり前ではないからです。そして、私は、あらためて「愛国」と「売国」が逆立した”戦後の背理”を考えないわけにはいかないのでした。


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