NGT48のメンバーが、会社が寮として借りていたマンションの部屋の前で男二人から暴行を受けた事件は、私たちに「『人形遣い』の錬金術」(週刊新潮)の”素の部分”を垣間見せてくれたように思います。少なくとも、熱狂的なファン(ヲタ)のストーカー行為というような“単純な話”でないことだけはたしかでしょう。

なんら対策も講じず事件を隠蔽しようとする運営側にしびれをきらした被害者が、事件から一か月後に動画サイトにアップした悲痛な訴えには、アイドル商法の裏にある”闇”を伺わせるものがありました。

「本当のこと言わないとなにも解決しないし。私とまた同じ目に遭う人がいるのに、結局この1カ月待ったけど、なんも対処してくれなくて。今村さんだって『クリーンなNGTにする』って言ったのに。『新しいNGTにする』って、『悪いことしてるやつらだって解雇する』って言ったくせに、なんも対処してくれてなくて」
(略)
「今回、私は助かったから良かったけど、殺されてたらどうするんだろうって思うし。なんで他のグループでは許されないことがNGTでは許されるかわかんない。生きてる感じがしない(中略)ずっとずっと言いたかったけど、全部対処してくれるって言ったからこの1カ月怖かったけどずっと待ってた。だけど、結果、なんもしてくれなくて。悪いことしてた人たちも全部そのままで。誰かが取り返しつかなくなったらどうするんだろう。全部言いたいけど、お世話になってる人たちにも迷惑かかるし」

LITERA
NGT48暴行被害でメンバーが運営の無責任体質を告発! 芸能マスコミはスルーしAKSの火消しに協力


さらに被害者はTwitterでも、メンバーが男たちに被害者の部屋や帰宅時間を教え部屋に行くようにそそのかしたとか、加害者の男たちはメンバーの部屋から出てきたなどと書き込み、事件にメンバーが関与していたことを示唆したのでした。

そのため、男たちとつながっていたメンバーが誰なのか、ネットでは犯人捜しがはじまったのですが、一方で、その加熱ぶりに警鐘を鳴らす識者の声もあります。

また、被害者が以前、メンバーのなかの風紀の乱れを運営側に訴えていたという報道もあります。それらをつなぎ合わせると、ネットの“正義感”もあながち暴走と言えない面もあるように思います。

もとより芸能界は、“普通の”社会ではないのです。市民社会の埒外にあるものです。吉本隆明が言うように、「特殊××」なのです。かつてAKBの熱心なファンだった知人は、今回の事件について、「アイドルだなんて言っても、昔で言えば女郎屋と女郎の関係のようなもので、こんなことはいくらでもあり得るよ」と吐き捨てるように言ってました。

「総選挙」によってグループ内で序列が付けられるため、一票でも多くの票を獲得することはメンバーにとって至上命題です。そのために、投票に影響力のある一部のファンと、疑似恋愛を越えた関係をもつメンバーが出てくるのはあり得ない話ではないでしょう。言うなれば、多くの指名を取るために、同伴出勤したり、ときに枕営業も厭わないクラブのホステスと同じようなものかもしれません。それに、アイドルと言っても、今どきの若い女の子ですから、ヤンキーと親和性の高い(美意識を共有する)子だっているでしょう。現に週刊誌に、そういったゴシップ記事が出たメンバーもいました。彼女は、今やテレビでひっぱりだこの売れっ子になっているのです。

AKBに関しては、初期の活動資金に、振り込め詐欺や闇金や闇カジノなど違法ビジネスで稼いだお金が使われていたという記事が出たことがありましたし、私的なパーティの席で、AKBのメンバーがあられもない恰好で運営会社のスタッフの膝の上に座ってはしゃいでいる写真が流出したこともありました。また、AKBのメンバーと運営会社の社長との「不適切な関係」がとり沙汰されたこともありました。そういったことと、今回の事件はすべてつながっているように思えてなりません。

今回の事件に限って言えば、犯人捜しに警鐘を鳴らす識者の建前論などよりネットの“憶測”のほうが、まだしも事件の本質にせまっているように思います。識者の建前論は、事件の幕引きをはかる運営会社の策動に手を貸すものだというネットの主張も、的外れとは言えないでしょう。AKB関連の報道には常にバイアスがかかっているのも事実で、芸能マスコミに彼らが不信感をもつのも当然なのです。

余談ですが、事態が落ち着いたら、被害者は「一時休養」した上で、そのままフェードアウトする可能性もなきにしもあらずでしょう。怖い!怖い!芸能界のオキテに従えば、それしか落としどころはないように思います。


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2019.01.16 Wed l 芸能・スポーツ l top ▲