新型コロナウイルスは、拡大の一途を辿っています。私たち日本人にとっても、新型コロナウイルスが「対岸の火事」「所詮は他人事」でなくなったのは、もはや誰の目にもあきらかでしょう。

まさに「バカっぽい」ということばがピッタリするような、幼児性丸出しの世襲議員が支配するこの国で(北朝鮮のことは笑えない)、まともな対応ができるんだろうか、私たちが今置かれている状況について、ホントのことを知らされているのだろうかという不安が常にあります。メディアが伝えるニュースも、どこも右へ倣えしたようなものばかりで、政府から発信される情報をただオウム返ししているだけです。

ニューヨーク・タイムズ紙は、ダイヤモンド・プリンセス号の日本政府の対応について、公衆衛生の危機管理において「『こうしてはいけない』と教科書に載る見本」のようだという専門家の辛辣な声を紹介した上で、「政府は一貫した情報を発信できておらず、検疫への信頼感を損なっている」(共同)と伝えていたそうです。また、ロシア外務省のザハロワ報道官も、「日本の対応はカオスで場当たり的だ」と批判したそうです。日本政府の対応は、ダメな見本だと言われているのです。

私も前に書きましたが、政府の対応は、素人目にも「場当たり的」に事態を後追いしているだけにしか見えません。しかし、日本のメディアで、政府の対応を正面から批判する姿勢は皆無です。菅官房長官の定例記者会見でも、政府の対応を追及する記者は誰もいません。当たり障りのない質問をするだけです。

そんな中で、日本においても、感染者と「濃厚接触」していない市民が感染する“市中感染”の実態が、徐々にあきらかになってきています。もっとも、感染経路が不明な“市中感染”は、ずっと前から発生していたのは間違いないのです。僭越ですが、私も先週(2/6)の記事で次のように書きました。

聞くところによれば、日本を旅行して帰国したタイの女性が帰国後感染していることがわかったそうです。これは、クルーズ船がどうのというレベルではない大きなニュースだと思いますが、メディアはほとんど報道していません。これが事実なら、旅行者が感染するくらい既に日本国内に新型コロナウイルスが蔓延していることになるのです。

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ここで忘れてはならないのは、新型コロナウイルスの検査能力は、一日に300~500件くらいしかないということです。政府は、それを1500件くらいまで増強する体制を早急に整えると言っています。インフルエンザのように、病院に行けば誰でもすぐに検査を受けられるわけではないのです。だから、厚労省も、感染の心配があってもすぐに病院に行かずに、まず厚労省や保健所の電話窓口に電話して相談してほしいと呼び掛けているのです。病院に行っても検査を受けられないからです。

検査のキャパを考えれば、感染者と「濃厚接触」した人間を優先的に検査するのは当然ですし、そうすれば感染経路が明らかな感染者ばかり出て来るのも当然です。

事実上、一般市民の検査が不可能な状況を考えれば、自覚症状のない人も含めて、感染者が今の10倍も100倍も、あるいはそれ以上いると考えてもおかしくないでしょう。むしろ、“市中感染”は常識とさえ言えるのです。

でも、政府もメディアもそういったことは言いません。あたかも、感染があきらかになった人たちの周辺にだけウイルスが存在しているかのようなイメージをふりまくだけです。中国の感染者は、公表された数字の10倍から20倍いると言われていますが、それは日本も同じなのです。「水際作戦」なんて最初から絵に描いた餅だったのです。

新型コロナウイルスが蔓延している隠しようのない(!)現実が、これから白日の下に晒されることになるでしょう。「所詮は他人事」で中国人ヘイトするしか能のないネトウヨだって、いつ感染するかもしれないのです(いや、既に感染しているかもしれないのです)。もちろん、私たちだって同じです。

検査を受けることができれば、私たちのまわりでも次々と感染者が出て来るのは間違いないでしょう。検査能力が低いので、それをいいことに、少ない数字で誤魔化されているだけです。

若者や体力がある人は、発症しても自然治癒したり軽症で済むかもしれません。重症化する懸念があるのは、体力のない高齢者や免疫が低下する抗がん剤などを服用している人、糖尿病やぜんそくなど基礎疾患のある人、喫煙者などだそうです。専門家のそういった指摘は、今後の事態の深刻さを予見させます。仮に1千万人発症して、その1%が重症化しても10万人です。

韓国の民間団体が、福島の原発事故をヤユして防護服を着た聖火ランナーをデザインしたポスターをネットに掲載したことに対して、菅官房長官やネトウヨが猛反発していましたが、長引けばホントに防護服を着て走らなければならないような状況が出てくるかもしれません(そうなる前に政府は終息宣言を出すでしょうが)。

もとより、私たちだってそんなに頭が良いわけではないし、国民の平均像も、間違っても優秀と言えるようなレベルではないでしょう。だから、国民にとって、バカな総理大臣の方がわかりやすく、ノリやすいという面はあるでしょう。しかし、国の指導者は、やはりバカでは困るのです。ましてや、平気で嘘を吐くような人間ではお話にならないでしょう。

前も取り上げましたが、下記のような記事が安倍政権の本質を突いているような気がします。

NEWSポストセブン
安倍内閣は立場弱い者に居丈高 根底に学歴コンプレックスか

隠蔽や改ざんは今の政府の”得意技”ですが、それも”魚の頭”が嘘ばかり吐くからでしょう。隠蔽や改ざんが、文字通り”総理大臣(夫妻)の嘘”を整合させるために行われているというのは、今や平均以上の国民なら誰でもわかっていることです。”安倍一強”のプチ独裁体制によって、そんな犯罪的な行為が正当化されているのです。権力を監視するはずのメディアが、逆に御用聞きのようになっているのも”安倍一強”ゆえでしょう。メディア全体が、フジ・サンケイグループ化しているのです。これでは、しっぽの先まで腐るのは当然でしょう。

私たちは、ホントのことを知らされないまま、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客のように、災禍が我が身にふりかかるのをせいぜい手洗いとうがいをしながら、待つしかないのかと思います。子どもじみた「バカっぽい」政府を持ったのは私たちの責任で、自業自得と言われればそうかもしれませんが、なんだかすべてが手遅れになりつつあるような気がしてなりません。


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