今日、地元の温泉地で宿泊業と飲食業をしている友人から電話があり、新型コロナウイルスでキャンセルが相次いており、途方に暮れていると言ってました。

また、講演の斡旋をしている別の友人は、イベントの自粛要請で既に決定していた講演が全てキャンセルになって、今後の仕事も見通しがきかない状態だと嘆いていました。

朝日新聞に掲載されている「新型肺炎の情報」によれば、「2月29日午前8時半時点」で、「国内で確認された感染者」は946人で死者は11人です。

皮肉を込めて言えば、感染者がわずか946人しかいないのに、安倍総理は全国の学校に臨時休校の要請を行い、併せてイベントや不要不急の外出の自粛を呼びかけたのです。呼びかけに伴い、コンサートなどの各種イベントも中止され、ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどレジャー施設も休園、スポーツ大会も無観客試合になっています。

「感染の拡大を防ぐため」と言っていますが、それにしては、予防処置と感染の実態があまりにも乖離しており、政府の要請もオーバーアクションのような気がしてなりません(これも皮肉です)。

専門家の間では、実際の感染者は公表数の100倍くらいいるのではないかという話さえありますが、ダイヤモンド・プリンセス号などの感染状況から見ても、あり得ない話ではないように思います。

私たちがいちばん心配しているのは市中感染の現状ですが、政府が公表する感染者の中では、市中感染の患者はほんの僅かしかいません。誰もがホントなのかと思うでしょう。その一方で、政府は国民生活を一時停止するような前代未聞の要請をしたのです。

市中感染の実態がわからないので、よけい疑心暗鬼に囚われてしまうのです。だから、ネットの嘘に騙され、買いだめに走ったりするのでしょう。実際は、「感染を未然に防ぐため」という建前とは別に、既に市中感染が相当のレベルに達したという認識があり、その“無限大の拡散”に恐怖しているからではないのか、と思ってしまいます。

中国や韓国に比べて、PCR検査が極端に少ないのは、オリンピック開催を控えて、感染者数をできるだけ少なく見せたいという“政治的配慮”がはたらいたのは間違いないでしょう。そのために、下記の「デイリー新潮」の記事が書いているように、「指定感染症」や「医療崩壊」を錦の御旗にして、保健所を窓口にした検査をサボタージュする官主導のシステムが設けられたのです。もちろん、背景には、気温が上がればウイルスの感染力が弱まり感染も終息するという楽観論があるからでしょう。

Yahoo!ニュース
デイリー新潮
【新型コロナ】PCR検査の拡大を感染研OBが妨害……「岡田教授」がテレ朝で告発の波紋

でも、熱や咳があるのに、検査も受けられず、感染したかどうかもわからないまま放置される国民はたまったものではありません。中には死亡し、別の死因で処理された患者だっているかもしれません。なによりPCR検査のサボタージュによって、感染の実態が隠蔽されているのは大きな問題でしょう。

国会の議論や政府の要請を見ると、ちゃんと仕事を持ってちゃんと家庭を持ってちゃんと生活している国民が前提になっているように思いますが、しかし、現実には、ちゃんと仕事も持ってなくてちゃんと家庭も持ってなくてちゃんと生活もしていない国民もいるのです。そういう人たちにも等しくウイルスは感染するのです。検査どころか、病院にも満足に行くことができない人たちだっているでしょう。

私たちが直面しているのは、感染症なのです。感染の拡大を食い止めるためには、制度の網をできるだけ広げることが肝要で、まず、ひとりでも多くの人が検査を受けることができるようにすることでしょう。ところが、今の政府が行っていることは、(数字を誤魔化すために)大半の国民を制度からはじき出すべく逆に網を狭めているのです。学校や仕事は休め、街には出るな。でも、検査も治療もしない。そう言っているに等しいのです。

ひと昔前なら切腹ものでしょう。「国賊」と呼ばれてもおかしくないのに、「国賊」どころか相変わらず「愛国」者扱いで、「みんなで応援しよう」なんて言っているのですから呆れるばかりです。そんな安倍政権の応援団であるフジ・サンケイグループに代表されるようなボロ隠しの「愛国」が、この国を劣化させているのです。彼らは、感染の実態の隠蔽に手を貸しているのです。
2020.03.01 Sun l 社会・メディア l top ▲