TOTSZEN BAKERS KITCHEN
     (http://area.rehouse.co.jp/r-toyoko2/24より)

朝、目がさめたらお囃子が聞えてきました。それで初めてこの土日がお祭りだったことを思い出しました。お祭りにはやはり和菓子なのか、近所の和菓子屋さんもいつになく賑わっていました。また、すれ違う人達で手にススキをもっている人が目につきました。どこかでススキを配っていたのかもしれません。

しかし、私は、和菓子ではなく、駅の近くにある「TOTSZEN BAKER'S KITCHEN」(写真)でクロッカンと大分アンバターを買ってきて、昼食を兼ねた遅い朝食にしました。 「TOTSZEN BAKER'S KITCHEN」は知る人ぞ知るパンの名店です。

初めて店に入ったとき、「大分アンバター」や「大分えんどあん」などパンの名前に「大分」という地名が入っているのでびっくりしました。聞けば、大分の「なな瀬」という和菓子屋さんの餡を使っているからだそうです。しかし、私は「なな瀬」という和菓子屋さんを知りませんでした。大分の友達に聞いても「知らない」と言うのです。どこなんだろう、ずっと気になっています。

大倉山の駅の近辺は昔ながらの路地が入り組んでいて、そういった路地の奥にはパン屋さんだけでなく、おいしいケーキ屋さんやレストランなども点在しています。また、建築家の隅研吾氏の出身地だからというわけでもないのでしょうが、大倉山には専門家も注目するような建築物も多くあります。いちばん有名なのは、なんといっても大倉山ヒルタウンでしょう。築30年以上経つにもかかわらず、未だに5千万円以上の値が付き、物件が出るのを待っている買い手が大勢いるそうです。それくらいあこがれのマンションなのです。

また、最近では駅の近くに、世界的に著名な建築家・妹島和世氏が設計した「大倉山の集合住宅」というのができました。完成したときから、建築家の卵なのか、若い人達が入れかわり立ちかわりやってきて写真を撮っていました。建物は極力装飾を排したコンクリートの曲面でおおわれ、敷地内は土がむき出しになったままなので、私はまだ未完成なのかと思っていたら、それで完成でした。ちなみに、家賃は18万5千円だとか。でも、どう見ても実用性とは程遠いデザインなので、実際は住みにくそうです。既に住んでいる人もいるようで、窓にカーテンをしていますが、これほどカーテンが似合わない建物はありません。はたから見ると生活感はまるで感じられず、不思議な建物です。

このように大倉山は立地条件から言っても、(決してオーバーではなく)自由が丘のような個性的な店が集まる魅力的な(その意味ではおしゃれな)街になる要素は充分備えているように思います。それだけに「もったいないな」といつも思います。なんといっても駅前のバス通りの舗道の狭さが致命的なのです。これは、バス通りが中央線を引けないほど狭いにもかかわらず、無理して交互通行にしているからです。そのために舗道が犠牲になっているのです。三浦展氏も書いていましたが、いい商店街というのは、まず舗道が広いこと、これが第一条件です。”歩行者優先”の考え方がなければ、商店街として発展が望めないのは当たり前です。

しかも、人がすれ違うのもやっとの狭い舗道であるにもかかわらず、前から来る人間をせき止めるように横に並んで歩いている無神経な人も多いため、私のように毎日舗道を利用しなければならない人間はいつもイライラさせられます。そんな状態では立ち止まって買物などする気になるはずもなく、うっとうしい舗道をすりぬけるのに神経はいっぱいなのです。バス通りではコンビニさえ生き残れないというのもよくわかります。

商店街の振興のためには、プレ・ヘレニズム様式なる建物で表通りを統一するより、まずバス通りを終日一方通行にして舗道を広げるほうが肝要だと思いますが、しかし、肝心な商店街があまり熱心ではないようです。実際に商店街の人と話をしたこともありますが、「めっそうもない」という感じでした。
2009.10.03 Sat l 横浜 l top ▲