最近、よくバスに乗っています。移動する際、どうしても電車や地下鉄が中心になりますが、しかし、バスは路線の違う駅と駅を結ぶような経路が多く、電車で遠まわりするよりかえって便利な場合も多いのです。

今日の朝も横須賀線がとまってしまいました。途中の駅に停車したまま、まったく動く気配がなく、車内放送は「只今線路を点検しております」「しばらくお待ちください」とくり返すばかりでした。見ると、反対方向(鎌倉方面)のホームに電車が来ると、乗客が電車をおりてそっちへ乗り換えているのです。おそらく戸塚駅まで戻って東海道線に乗り換えるのだろうと思います。私もつられて反対方向の電車に乗り換えました。

乗客達は、戸塚駅に着くと、階段をのぼって東海道線の上りホームに移動していました。しかし、既に東海道線のホームは人があふれていました。私は別に急ぐわけではないので、いったん改札口を出ました。別に市営地下鉄で横浜駅に行く方法もあるのですが、私はふと、バスはないんだろうかと思い、バスの案内図をさがしました。すると、戸塚駅と横浜駅を結ぶバスがあったのです。しかも、ちょうどバスが出発する時間です。

急ぎ足で駅前の乗り場に行って、「横浜駅東口」行きのバスに乗りました。バスは南区の県立こども医療センターを経由して井土ヶ谷・吉野町・長者町を通る路線で、1時間ちょっとで横浜駅の東口のバスターミナルに着きました。私はいちばんうしろの一段高くなった座席に座るのが好きなのですが、沿道の商店がシャッターを上げたり内水したりと、忙しそうに開店準備をしているのが見えました。そんな朝の光景がなんだかとても新鮮でした。

そう言えば、昨日も電車には一度も乗らずにずっとバスを乗り継いで移動しました。吉行淳之介さんに「角の煙草屋までの旅」というエッセイがありますが、路線バスは文字通り日常の小さな「旅」という感じです。

昨日は病院に行きました。半年に一度の検査の日でした。検査結果によっては入院してさらに精密検査をする必要がありますよといつものように先生から念を押されました。私にとって、この半年ごとの検査が、いつの間にか生活の中で節目になっている感じです。検査の結果がセーフだと、とにかくこれから半年は穏やかにすごすことができるのです。今度の検査がセーフだったら、ちょうど検査入院の費用と同じくらいなので、前からほしかったバッグを買おうと思っています。いわば自分への”ご褒美”のようなものかもしれません。

こうして考えると、ありきたりな表現ですが、人生もまた「旅」ですね。ただしバスの「旅」と違って、黄昏時のちょっとさみしくて哀しい「旅」です。
2010.09.09 Thu l 日常・その他 l top ▲