今日、知り合いの20代半ばの女の子に久しぶりに会ったら、えらく痩せているのです。

「ダイエットしてるの?」と訊いたら、そうじゃなくて、毎日酒を飲んで嘔吐しているのだとか。「あたしヤバいかもしれません」と言うのです。

「この前なんて洗濯機の中に吐いていたんですが、自分では覚えてないんです」
「じゃあ、酒を飲まなければいいじゃん」
「ダメなんです。飲まないと夜眠れないんです」
「それって、くだらない男にふりまわされているからじゃないの?」
と言ったのですが、おそらく当たらずといえども遠からずなのでしょう。

それにしても、私の身近でもパニック障害や依存症など、”メンヘル”の若い子が多いのです。話を聞いてみると、原因は家族関係(特に母親との関係)と恋愛問題が多いように思います。しかも、”メンヘル”にまで至る恋愛には、少なからずDVがつきものです。

毎日酒を飲んで嘔吐しなければならないほど恋愛にのめり込むなんて、ある意味で羨ましいなと思いますが、ただ、彼女が危ういところに立っているのは事実でしょう。そして、私は、こういう女の子が読むに耐えうるような小説が今あるんだろうかと思いました。

この”メンヘル”の時代にふさわしい文学がどうして生まれないのか。所詮ないものねだりなのかもしれませんが、やはり時代の流れとともに作家のいる場所が違ってきたからではないでしょうか。私も最近は大庭みな子藤枝静男を読んでいればそれだけで充分のような気がしています。たしかに今の作家達を見ていると、このような苦悩に届く言葉をもっているとはとても思えません。それは電子書籍云々以前の問題で、巷間言われるようにもう「文学は終わった」のかもしれません。
2010.12.07 Tue l 本・文芸 l top ▲