今日、東電OL殺人事件の再審請求審で、無期懲役が確定していたマイナリ元被告の再審を認める決定が出されました。東京高裁の小川正裁判長は、「新たなDNA型鑑定の結果から、元被告以外の男性が被害者を殺した疑いが生じた」との判断を示し、あわせてマイナリ元被告に対する刑の執行停止を決定。元被告は夕方、横浜刑務所から釈放され、東京入国管理局の施設に移送されたそうです。そして、今後は母国ネパールへの強制出国の手続きに入るとのことです。一方、メンツにこだわる検察が異議を申し立てていますが、関係者によれば、異議が認められる可能性は低いようです。

この事件では、元被告の知り合いに対して、就職を世話して証言を変えさせるなど、警察の荒っぽい捜査手法が指摘されています。それが冤罪を生んだ直接の要因ですが、そういった荒っぽい捜査の背景には二つのことがあるように思います。

ひとつは、マイナリ元被告が貧しい国から来た出稼ぎ外国人であったという事情です。どうせネパール人だからと人権を軽視する意識がなかったとは言えないのではないでしょうか。当初は日本国内で支援する組織もなく、またネパール政府も、最大のODA援助国である日本政府に遠慮して自国民を守ろうとしなかったために、元被告は異国の地で孤立無援の状態におかれていたそうです。そのため、警察にも緊張感が欠けていたのではないでしょうか。

もうひとつは、被害者が東電の社員であった。しかも、被害者自身にスキャンダラスな行状の事実があったということです(驚くべきことに、それは東電も承知していたと言われています)。東電の関連会社や関連団体に多くの公安・警察関係者が天下りしているのはよく知られています。一方で東電が、硬軟とりまぜたさまざまな手法で、反原発運動に対する監視・妨害工作を行っていたことも指摘されています。そういった”東電の闇”とこの事件の荒っぽい捜査は、ホントに無関係なのでしょうか。福島第一原発の事故が発生し、それまでタブーだった東電批判が噴出するようになってから、急にこの事件の問題点が明るみに出され、今日に至ったのです。それは単なる偶然なのでしょうか。

この事件の捜査に対してきびしい検証が求められるべきでしょう。

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2012.06.07 Thu l 社会・時事 l top ▲