栗ごはん

季節柄栗ご飯を食べたくなり、近所のスーパーに「栗ご飯の素」を買いに行ったときのことです。炊き込みご飯の素だとか鶏五目ご飯の素などが置いてあるコーナーに行ったのですが、肝心な栗ご飯の素だけが見当たりません。それで、近くで品出しをしていたアルバイトの少年に、「栗ご飯の素が見つからないんだけど。どこにあるの?」と尋ねました。

すると、少年はお米売り場に行って、周辺の棚を探していました。しかし、やはり見当たりません。そして、「ここにもないということは、置いてないと思いますが」と言うのです。

「エッ、置いてない? でも、今は栗の時期じゃないの?」
「はぁ、置いてないというか、売切れたんじゃないかと」
「売切れた? やはり時期だからよく売れたんだ?」
「はぁ、そうかと」
「わかった、わかった。いいですよ」
と言って、私はほかの売り場に行きました。

ところが、惣菜売り場に行ったら、通路のテーブルの上に、江崎グリコの栗ご飯の素が売っていたのです。「なあんだ、ここにあるじゃないか」と思った私は、すぐに先ほどの品出しの少年のところに行って、「あそこにあったよ」と言いました。

「はぁ、そうですか」
「また訊かれたら答えられるように、よく覚えておいたほうがいいよ」
「はぁ、わかりました」
「じゃあ、そういうことで」と私。
「このオヤジ、なんなんだ? いらぬおせっかいだよ」と思われたかもしれません。

さらに私は、その勢いを借りて、入口の横にある「総合案内」に行き、そこにいた女性店員に、「栗ご飯の素もほかのご飯の素と同じコーナーに置いておくべきじゃないかな。でないと、お客さんが見つけるのに苦労するよ」と忠言したのでした。女性店員は、「貴重なご意見ありがとうございました」と言ってましたが、心なしか私にはそれが皮肉のように聞こえました。彼女も「このオヤジ、なんなんだよ? なにが栗ご飯の素だよ」と思ったかもしれません。でも、私は、栗ご飯の素に燃えていたのです。
2012.09.19 Wed l 日常・その他 l top ▲