今日、「北朝鮮が中距離弾道ミサイル『ムスダン』の発射準備作業を停止」「米軍も監視態勢を一時的に緩和した」というニュースがありました。なんだか肩すかしを食らった感じですが、考えてみれば、今までの”北朝鮮危機”なるものも、ときにミサイルの試射はあっても、実質的にはこのように大山鳴動して鼠一匹出ずで終わっているのです。

下記は先々週アップする予定だったのですが、一知半解に床屋政談ばかり書くのも気が滅入るので、ボツにした記事です。「後付け」のように誤解されるかもしれませんが、たまたま下書きが残っていましたので、あらためてアップしました。

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北朝鮮によるミサイル発射問題は、迎撃ミサイルPAC3の配備などもあって、マスコミはまるで開戦前夜のように大騒ぎしていますが、実際は田中宇氏がブログ(田中宇の国際ニュース解説)で書いているように、「北朝鮮は言葉上の威嚇が過激なものの、経済力が弱いので軍事力は比較的貧弱で、日米韓が本気で北と戦えば国家的に壊滅させられるだろう。北はそれを知っているだろうから、本気で戦争を仕掛けてくるとは考えにくい」のが実情でしょう。

韓国や中国やアメリカが北朝鮮の崩壊を望んでないという本音を共有している限り、戦争なんてとてもありえない話です。むしろ世界大戦の発火点は中東にあり、イスラエルの動向次第だ、と主張する田中氏の見方のほうがはるかに説得力があります。

北朝鮮問題のイニシアティブを握っている中国が、アメリカに対してたびたび「北朝鮮を挑発するな」と警告しているように、アメリカが北朝鮮を挑発して「危機」を煽っている側面もあり、少なくとも現実が、日本政府や日本のマスコミが煽るような好戦的なムードとは別のところにあるのは間違いないでしょう。

 米国では、軍事費を含む政府財政支出の削減が検討されている。軍事費が減ると、米政界で強い力を持つ軍産複合体が困窮する。軍事費の削減を阻止するには、米国にとって脅威となる状況をあおり立て、軍事費を維持または増額しないと米国の国益が損なわれる状態を作ればよい。北朝鮮は、こうした軍産複合体による脅威のあおり立ての相手としてうってつけだ。北朝鮮は国家存続のために好戦的な言動を拡大し、米国の軍産複合体は軍事費削減を阻止するために、北との敵対をあおっている。
 
 日本は、北朝鮮の脅威が強い限り、沖縄の米軍の駐留が必須だという話になり、日米同盟と日本の対米従属を維持できる。日本でも米国でも北朝鮮でも、当局やマスコミが一触即発の戦争危機だと誇張して報じることを、権力に近い勢力が望んでいる。

2013年4月11日有料配信 「北朝鮮と世界大戦の危機」


「米軍が派遣するイージス艦が、昨年7隻だったのに今年は3隻だけで、しかも配備海域も昨年のような日本近海でなく、グアム島や太平洋だ」という”ゆるい現実”や、国連でも北朝鮮の言い分を認めて交渉するしかないという見方が出ていることは、まるで都合の悪い話であるかのように、この国のマスコミはほとんど無視したままなのです。

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今回の問題に対しても、これほど(まるで開戦前夜のように!)大騒ぎしているのは日本のマスコミだけで、韓国にしても、マスコミや国民の反応は至って冷静だと言われます。私たちが見ている(つもり)の”現実”は、ホントの現実なのでしょうか。もしかしたら私たちに見えないところで、まったく別の現実が進行しているのかもしれないのです。ただひとつだけ言えるのは、ヤフートピックスや2ちゃんねるやニコ動だけでは、現実は見えないということです。いいように煽られてネトウヨ化するのが関の山です。
2013.04.29 Mon l 社会・時事 l top ▲