ちょっと個性的な歌い方をする女性シンガーがいて、いいなあと思ったので彼女のブログにアクセスしてみました。

ブログを読んでいると、「ずっとほしかったもの」としてアクセの写真を掲載している記事がありました。そのアクセの写真は、あきらかにどこかのサイトの商品画像をコピペしたものです。あれっと思いながら読み進むと、案の定、記事の最後に、「興味があったらココにアクセスしてね」と某ファッション通販サイトへのリンクが貼られていたのです。

なんのことはないステマです。まだこんなことをやっているのかと思いました。そう思った途端、彼女に対する興味も急速に萎えてしまったのでした。せっかくいい歌を歌っているに、(ややオーバーな言い方をすれば)すべてが台なしです。

ネットというのは、どうしてこんなに金、金、金なのでしょうか。それがあまりにも露骨なのです。それは、別に芸能人に限りません。一般のブログでも、いいこと書いているなと思っても、最後にAmazonのリンクが貼られていると、なんだかセコさが垣間見えて興ざめせざるをえないのです。

もちろん、ヤフーや楽天などネット企業も同様です。最近のヤフーの検索結果のページがやけにゴチャゴチャしているのに気付いた人も多いのではないでしょうか。

特に商品名を検索すると、検索結果のページに「NAVERまとめ」や「Yahoo!ショッピング」や「ヤフオク」や「Coneco net」や「Yahoo!知恵袋」などのリンクがデカデカと表示され、目ざわりでなりません。検索結果のサイトがその間に埋もれている感じで、非常に見ずらいのです。

どうしてこんな状態になったのか。それは、「Yahoo!ショッピング無料化」と関係しているのは間違いないでしょう。無料化に伴い、ヤフーは収益源を広告収入にシフトする戦略に転換したからです。そのために、検索結果に上記のようなヤフーが関係するサイトを優先的に表示することで、広告枠を増やそうとしているのでしょう。

でも、私たちがネットを見る場合、検索はなくてはならないものです。検索はもはや「公共」であるとすら言えます。だからこそ検索は、できる限り公正でなければならないと言われるのです。

その検索結果のメインページに、自社のサービスに誘導するリンクをべたべた貼りつけるのは、あまりにも節度がなさすぎると言わざるをえません。芸能人のステマと同じように、セコさばかりが目立つのです。

ヤフー取締役会長の孫正義氏は、昨秋の「Yahoo!ショッピング無料化」のカンファレンスで、「ヤフーやソフトバンクグループはインターネットの揺籃期から日本のインターネットがどうあるべきかということを考えてきたが、自由であることが期待されているインターネットにあって、eコマースの分野だけは不自由なままだった」「2013年10月7日をeコマース革命の日にしたい。革命とは主役の交代を意味するが、ヤフーが他の企業に代わって主役になるという意味ではなく、売り手のみなさんが主役になるということ。日本の買い物を変えるというのがYahoo! JAPANの思想であり、みなさんといっしょに新しい夜明けを迎えたい」と熱っぽく語ったそうです。

しかし、曲がりなりにも10年ネット通販をやっている立場から言えば、ネット通販の「自由」を奪っているのは、ヤフーであり楽天でありアマゾンです。意地の悪い言い方をすれば、「Yahoo!ショッピング」がなくなればそれだけeコマースが「自由」になるのです。

たしかに言っていることはご立派ですが、やっていることは結構えげつないと言わざるをえません。そして、そういった姿勢がネットを非常に歪んだものにしているように思えてならないのです。
2014.01.12 Sun l ネット・メディア l top ▲