あの古賀茂明氏が「細川・小泉連合の敗因 『民主党の支援』が足を引っ張った。 選対解任の裏話」というブログを書いていましたが、それを読むと、今回の東京都知事選挙で民主党や連合が果たした役割がよくわかる気がしました。

そして、私は、『労働貴族』(深笛義也著・鹿砦社)という本のなかのつぎのような文章を思い出しました。

 ひたすら頭を垂れている体の会社に変わって、機関紙で堂々と「来るべき再稼動に向けて」と叫んで、力こぶを入れる東電労組。会社が崩壊するようなことがあっても、彼らは”自主管理”してまでも原発を動かすのではないか。ふと、そんなことまで考えてしまうほど、会社より前のめりになっているのが、原発を抱えた電力会社の労働組合だ。


組合員106万人を擁する連合東京の会長は、東電労組出身の大野博氏です。そのため、東京都知事選挙では、連合は自民党や公明党と一緒に舛添要一候補を推薦したのでした。言うまでもなく、舛添氏が脱原発候補ではないからです。

電力会社10社の労働組合などで組織される電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合)は、連合のなかでもその組織力と資金力によって大きな力をもっていると言われています。実際に、連合本部の副会長には、東電労組出身で電力総連会長の種岡成一氏が名を連ね、事務局長や副事務局長や中央執行委員にも電力総連から入っているそうです。そのため、当然のことながら連合は、脱原発を明確に掲げることはしません。

それどころか、『労働貴族』によれば、連合やその傘下の自治労などは、反原発運動に関わっている組合役員に対して、その発言を封じたり役職を解くなどの圧力を加え、なかには組合から除名され職場からも追放された事例さえあるそうです。連合は、間違っても脱原発ではないのです。

そんな連合は、一方で民主党の有力な支持母体でもあります。民主党のなかには電力総連出身の国会議員が2人いますし、民主党の国会議員の半分は、連合の票がなくては当選できないと言われるほどです。民主党の野田政権(当時)が大飯原発の再稼動に動いたのも当然なのです。

こうして見ると、選挙戦の最中に選対を解任された古賀氏が、「民主党の支援が足を引っ張った」と言うのもわからないでもないのです。

そもそも考えてみれば、原発再稼動だけでなく、「尖閣」も消費税増税も特定秘密保護法も集団的自衛権も、みんな民主党政権が自民党にプレゼントしたもの(その道筋を作った)と言えなくもないのです。

細川・小泉連合に勝ったことで、まるで当選したかのように大喜びだったという宇都宮陣営もひどいけど、連合(電力総連)と通じた民主党に選対の主導権を明け渡した細川・小泉連合もおそまつと言わざるをえません。「保守リベラル」に結集するという細川・小泉連合の選択は間違ってなかったと思いますが、しかし、ゾンビのような民主党と関わったことが自滅を招いたのです。

何度も繰り返しますが、もう右も左も「終わった」、政治的にも思想的にも「終わった」のです。かつて「保守対革新」なんて言い方がありましたが、そんな「革新」幻想から脱却しない限り、脱原発の展望がひらけないのは自明でしょう。「保守対革新」なんていつの話だ?と思われるかもしれませんが、脱原発や平和運動のなかには未だにそういった幻想にしがみついているガラパゴスな人たちも少なくないのです。「ノーサイド」なんておためごかしを言っている場合じゃないでしょう。
2014.02.19 Wed l 社会・時事 l top ▲