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■血尿
去年の年末、ほとんど痛みもなく石が出て、「これ以上ない大団円で幕を閉じた」と書いたのですが、実は後日、病院に行ったら再び血尿が出ていることが判明し、まだ尿路に石が残っているのかもしれないと言われたのでした。ただ、エコーなどの検査をせずに様子見ということになりました。
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案の定、その後、赤いおしっこが二度出ました。また、おしっこした際の尿道の痛みも前回より増してありました。
ドクターによれば、尿管結石というのは、石の大小や形などに関わらず「痛いときは痛い」そうですが、ただ、尿道がこんなに痛いのは前回と今回だけです。それまでは、左の脇腹や腰のあたりがひどく痛む尿管結石の代表的な症状でした。しかし、前回と今回は脇腹や腰の痛みはほとんどなく、尿道の痛みが主なのです。
赤い、見るからに血尿とわかるようなおしっこは二度だけでしたが、色の濃いおしっこは頻繁に出ていました。何だか石が流れたり詰まったりをくり返しているのがわかるような気がしました。
自宅でおしっこをするときは茶こしを通して石を確認しましたが、途中、一度だけ微細な粉のようなものが出たことがありました。しかし、症状は改善されません。まだ“本命の石”が残っているのは間違いありません。
■かかりつけ医の善し悪し
もちろん、ずっと憂鬱な気分の中にありました。薬も残り少なくなったので、病院に行かなければならないのですが、症状が残っているときに病院に行くと検査やなんやらでえらく手間と時間がかかり、それも面倒でした。
考えてみれば、急性前立腺炎をきっかけに泌尿器科に通い出して、もう17~18年経ちます。毎月、ずっと同じ病院に通っているのです。
余談ですが、コロナが始まった頃、インフルエンザに感染するとコロナも重症化すると言われ、インフルエンザの予防注射を行なう病院に人々が殺到したことがありました。私が通っている病院もインフルエンザのワクチン接種を行っていたので、予約をお願いしたらワクチン不足のため予約を中止していると言われたのです。しかも、次回の入荷がいつになるかわからないので予約の受付も未定で、随時問い合わせて貰うしかないと言うのです。かかりつけの患者を優先するということはないのかと訊いたら、「それはない」と言われました。
それで、診察の際、ドクターに抗議したら、「対応は受付に任せていますので」と木を鼻で括ったような答えしか返ってきませんでした。結局、その年はインフルエンザワクチンの接種をあきらめたのですが、その際、病院を変えようかと思いました。それで、コロナの感染を怖れたということもあって、3ヶ月受診しなかったのです。
しかし、病院を新しく変えると、また最初から検査をやり直さなければならないのでそれも手間で、結局、また元に戻ってしまったのでした。
私が通っている病院は、泌尿器科と内科を標榜していますのでかかりつけ医としては便利で、たとえばよその病院で健康診断を受けてもその結果を持って行くと、カルテに記録して経過を診てくれます。
ただ一方で、それも善し悪しのところがあり、たとえば一時悪玉コレステロールの値が高いということがあったのですが、それ以来、「体重が増えないように気を付けてください」「運動してください」「揚げ物はなるべく控えて魚や野菜中心の食事を心がけてください」と毎回同じことを言われるようになったのでした。心の中では、「またか」と思いつつも適当に返事をしていましたが、知り合いの医療関係者にその話をしたら、「それは栄養指導でお金を取られているよ」「病院に無料サービスなんてないよ」と言われたのです。
領収書を見ると、たしかに「医学管理料」として225点が計上されていました。1点10円なので2250円、そのうちの3割の675円を窓口負担していることがわかりました。まさか「先生、栄養指導はもう結構です」とは言えないので、病院に通い続ける限り半永久的に請求されるのでしょう。むしろ、こっちが牛丼一杯分のサービス料を払っているようなものです。
■薬局の不可解な明細
薬局はもっと不可解です。薬を処方されても、薬代とは別に、「薬剤技術料」140点と「薬学管理料」165点が計上されています。つまり、処方箋を持って行っただけで、3050円が請求されるのです(患者の窓口負担は915円)。
「薬剤技術料」は薬剤師が薬を処方する手間賃で、「薬学管理料」は薬を渡される際、毎回同じことを説明されるあの説明料なのでしょう。「薬剤技術料」や「薬学管理料」は薬の種類や処方日数によって違うみたいですが、私の場合、「薬剤料」、つまり薬代は280点(2800円)です。ということは、薬代(「薬剤料」)2800円に対して薬をピッキングして梱包する手数料(「薬剤技術料」)が1400円で、それをお客(患者)に渡す際、注意事項を説明する説明代(「薬学管理料」)が1650円もかかるのです。つまり、薬代より手数料の方が高いのです。
一方、病院の方は、私が通っている病院だと、検査料を除けば、通常請求されるのは、「再診料」74点、「医学管理料」225点、「投薬」134点ですから、合計4330円です。たしかに、病院は、検査をしたり、どうでもいい栄養指導で「医学管理料」などを計上しないと、薬局より実入りが少なくなるのです。しかも、薬局は手数料の他に薬代も3割から4割近く利益を得ているはずです。そう考えれば、薬局に比べると、病院の方が割りに合わない気がしてなりません。
だから、病院は、検査や入院や手術に走るのでしょう。病院では患者一人当たりの単価のことを「日当円」と言って、それが収益の指針になっているのだそうです。「日当円」が下がった患者は、退院か転院させる。つまり、追い出すのです。それを「退院支援」と言うのだとか。
■医療費増大の要因
医療費増大の要因を老人医療費だけに帰する言説が一人歩きをして、それが単細胞な落合陽一や古市憲寿の「高齢者の終末期医療を打ち切れ」という話や、成田悠輔の”集団自殺のすすめ”の暴論につながっているのですが、その前にこういった細々とした不明瞭な手数料を見直せば、かなりの医療費の圧縮になるのではないか、と思ったりもするのでした。
特に、薬局の手数料に関しては、不可解なものが多く、病院を凌ぐほどの濡れ手で粟の利益を得ているような気がしてなりません。魚屋でも八百屋でも、商品代金とは別に販売手数料を取ったりはしません。調理の仕方を説明したからと言って、説明料を請求したりはしません。社会主義国家の薬局ではないのですから、薬の利益もちゃんと得ているはずです。その上で、販売手数料に等しいものを別に請求しているのです。
で、話を元に戻せば、昨日、またボロりと石が出たのでした。石自体は5ミリくらいの小さなものでしたが、角が尖ったいびつな形をしていましたので、それが血尿や尿道の痛みの要因になったのかもしれないと思いました。石が出たら、尿道の痛みもなくなりましたし、おしっこもきれいになりました。
ただ、前回のこともありますので、これでホントに終わりなのか、いまいち不安もあります。また病院に行って、面倒な検査を受けて確認するしかなさそうです。
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