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■血尿


去年の年末、ほとんど痛みもなく石が出て、「これ以上ない大団円で幕を閉じた」と書いたのですが、実は後日、病院に行ったら再び血尿が出ていることが判明し、まだ尿路に石が残っているのかもしれないと言われたのでした。ただ、エコーなどの検査をせずに様子見ということになりました。

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案の定、その後、赤いおしっこが二度出ました。また、おしっこした際の尿道の痛みも前回より増してありました。

ドクターによれば、尿管結石というのは、石の大小や形などに関わらず「痛いときは痛い」そうですが、ただ、尿道がこんなに痛いのは前回と今回だけです。それまでは、左の脇腹や腰のあたりがひどく痛む尿管結石の代表的な症状でした。しかし、前回と今回は脇腹や腰の痛みはほとんどなく、尿道の痛みが主なのです。

赤い、見るからに血尿とわかるようなおしっこは二度だけでしたが、色の濃いおしっこは頻繁に出ていました。何だか石が流れたり詰まったりをくり返しているのがわかるような気がしました。

自宅でおしっこをするときは茶こしを通して石を確認しましたが、途中、一度だけ微細な粉のようなものが出たことがありました。しかし、症状は改善されません。まだ“本命の石”が残っているのは間違いありません。

■かかりつけ医の善し悪し


もちろん、ずっと憂鬱な気分の中にありました。薬も残り少なくなったので、病院に行かなければならないのですが、症状が残っているときに病院に行くと検査やなんやらでえらく手間と時間がかかり、それも面倒でした。

考えてみれば、急性前立腺炎をきっかけに泌尿器科に通い出して、もう17~18年経ちます。毎月、ずっと同じ病院に通っているのです。

余談ですが、コロナが始まった頃、インフルエンザに感染するとコロナも重症化すると言われ、インフルエンザの予防注射を行なう病院に人々が殺到したことがありました。私が通っている病院もインフルエンザのワクチン接種を行っていたので、予約をお願いしたらワクチン不足のため予約を中止していると言われたのです。しかも、次回の入荷がいつになるかわからないので予約の受付も未定で、随時問い合わせて貰うしかないと言うのです。かかりつけの患者を優先するということはないのかと訊いたら、「それはない」と言われました。

それで、診察の際、ドクターに抗議したら、「対応は受付に任せていますので」と木を鼻で括ったような答えしか返ってきませんでした。結局、その年はインフルエンザワクチンの接種をあきらめたのですが、その際、病院を変えようかと思いました。それで、コロナの感染を怖れたということもあって、3ヶ月受診しなかったのです。

しかし、病院を新しく変えると、また最初から検査をやり直さなければならないのでそれも手間で、結局、また元に戻ってしまったのでした。

私が通っている病院は、泌尿器科と内科を標榜していますのでかかりつけ医としては便利で、たとえばよその病院で健康診断を受けてもその結果を持って行くと、カルテに記録して経過を診てくれます。

ただ一方で、それも善し悪しのところがあり、たとえば一時悪玉コレステロールの値が高いということがあったのですが、それ以来、「体重が増えないように気を付けてください」「運動してください」「揚げ物はなるべく控えて魚や野菜中心の食事を心がけてください」と毎回同じことを言われるようになったのでした。心の中では、「またか」と思いつつも適当に返事をしていましたが、知り合いの医療関係者にその話をしたら、「それは栄養指導でお金を取られているよ」「病院に無料サービスなんてないよ」と言われたのです。

領収書を見ると、たしかに「医学管理料」として225点が計上されていました。1点10円なので2250円、そのうちの3割の675円を窓口負担していることがわかりました。まさか「先生、栄養指導はもう結構です」とは言えないので、病院に通い続ける限り半永久的に請求されるのでしょう。むしろ、こっちが牛丼一杯分のサービス料を払っているようなものです。

■薬局の不可解な明細


薬局はもっと不可解です。薬を処方されても、薬代とは別に、「薬剤技術料」140点と「薬学管理料」165点が計上されています。つまり、処方箋を持って行っただけで、3050円が請求されるのです(患者の窓口負担は915円)。

「薬剤技術料」は薬剤師が薬を処方する手間賃で、「薬学管理料」は薬を渡される際、毎回同じことを説明されるあの説明料なのでしょう。「薬剤技術料」や「薬学管理料」は薬の種類や処方日数によって違うみたいですが、私の場合、「薬剤料」、つまり薬代は280点(2800円)です。ということは、薬代(「薬剤料」)2800円に対して薬をピッキングして梱包する手数料(「薬剤技術料」)が1400円で、それをお客(患者)に渡す際、注意事項を説明する説明代(「薬学管理料」)が1650円もかかるのです。つまり、薬代より手数料の方が高いのです。

一方、病院の方は、私が通っている病院だと、検査料を除けば、通常請求されるのは、「再診料」74点、「医学管理料」225点、「投薬」134点ですから、合計4330円です。たしかに、病院は、検査をしたり、どうでもいい栄養指導で「医学管理料」などを計上しないと、薬局より実入りが少なくなるのです。しかも、薬局は手数料の他に薬代も3割から4割近く利益を得ているはずです。そう考えれば、薬局に比べると、病院の方が割りに合わない気がしてなりません。

だから、病院は、検査や入院や手術に走るのでしょう。病院では患者一人当たりの単価のことを「日当円」と言って、それが収益の指針になっているのだそうです。「日当円」が下がった患者は、退院か転院させる。つまり、追い出すのです。それを「退院支援」と言うのだとか。

■医療費増大の要因


医療費増大の要因を老人医療費だけに帰する言説が一人歩きをして、それが単細胞な落合陽一や古市憲寿の「高齢者の終末期医療を打ち切れ」という話や、成田悠輔の”集団自殺のすすめ”の暴論につながっているのですが、その前にこういった細々とした不明瞭な手数料を見直せば、かなりの医療費の圧縮になるのではないか、と思ったりもするのでした。

特に、薬局の手数料に関しては、不可解なものが多く、病院を凌ぐほどの濡れ手で粟の利益を得ているような気がしてなりません。魚屋でも八百屋でも、商品代金とは別に販売手数料を取ったりはしません。調理の仕方を説明したからと言って、説明料を請求したりはしません。社会主義国家の薬局ではないのですから、薬の利益もちゃんと得ているはずです。その上で、販売手数料に等しいものを別に請求しているのです。

で、話を元に戻せば、昨日、またボロりと石が出たのでした。石自体は5ミリくらいの小さなものでしたが、角が尖ったいびつな形をしていましたので、それが血尿や尿道の痛みの要因になったのかもしれないと思いました。石が出たら、尿道の痛みもなくなりましたし、おしっこもきれいになりました。

ただ、前回のこともありますので、これでホントに終わりなのか、いまいち不安もあります。また病院に行って、面倒な検査を受けて確認するしかなさそうです。


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2023.03.14 Tue l 健康・ダイエット l top ▲
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先日、もう10年以上月に1回通っているかかりつけの病院に行って尿の検査をしたら、血尿が出ていると言われ、レントゲンやエコーの検査受けました。しかし、特に腫れらしきものは見当たらず、腎臓に小さな石があるのでそれが原因だろう、と言われました。

もっとも、血尿が出ているのは自分でもわかっていました。血尿と言っても、石が動いたくらいだと赤いおしっこが出るわけではなく、普段より色が濃くなる程度です。腎臓に石があるのは前に指摘されていましたので、検査を受けるまでもなく、石が動きはじめたなと思っていました。

その後、一昨日おとといくらいからおしっこをするとペニスに痛みを感じるようになりました。おしっこもいまいち勢いがなく、何かが詰まっている感じでした。

昨日きのうも映画を観に行った際、映画館でおしっこをしたのですが、やはり、痛みがあり、色も濃くなっていました。

そして、帰宅したら尿意を催したので、トイレに常備している茶こしを添えておしっこをしました。すると、石がポロリと出たのでした。直径5ミリもないような小さな石でした。そのあとはおしっこをしてもウソのように痛みもなくなりました。

尿の色が濃くなってから10日ちょっと経っています。石が腎臓から尿管に落ち、尿道を通って排出されるのに、それくらい時間がかかったということです。

ドクターの話によれば、石は大きさだけでなく形状などによっても出にくい場合があるそうなので、無事に出てひと安心、というか、まるで生れ出たかのようで、感動を覚えるくらい見事に排出されたのです。

尿管結石に伴う痛みも、ペニスの痛み以外はほとんどありませんでした。一昨日の夜に脇腹が少し痛かったので、あれがそうだったのかとあとで思ったくらいです。

かくして6回目の尿管結石は、これ以上ない大団円で幕を閉じたのでした。


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2022.12.28 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
二日前のことでした。整形外科の病院に久しぶりに診察に行きました。診察のあと、薬(と言っても湿布薬)を処方され近所の調剤薬局に行ったら、薬剤師から「ひと月ぶりですね」と言われ、そうかもうひと月も行ってなかったんだと初めて気付いたのでした。

そのくらい膝の調子が良かったのです。水は少し溜まっている気がしないでもなかったけど、膝の可動にもほとんど問題もなく痛みらしい痛みもありませんでした。多少の違和感が残っているだけで、前の記事でも書いたように、ハイキングを復活しようかと思っているくらいでした。

そのため、現金なもので、どうしても病院に行くのに足が遠のいていたのです。行かなければと思いつつも、ついつい先延ばしにしていました。変な話ですが、二日前も半ば義務感から重い腰を挙げて病院に行った感じでした。

診察すると、やはり注射器1本分の水が溜まっていました。ドクターに聞くと、11CCくらい溜まっていたと言われました。水の色を聞くと、薄い黄色で特に問題はないと言われました。

注射をどうしますか?と言われ、せっかくなので「お願いします」と答えました。それで、もう何度目かわからないほどのヒアルロン酸の注射を受けました。

ところが、その帰りです。病院から外に出た途端、膝の痛みを覚えたのでした。それからどんどん痛みはひどくなり、半年前の痛みはじめの頃と変わらないくらいの状態にまでエスカレートしました。水もかなり溜まっているようで、膝も醜く変形しています。もちろん、膝も曲がらなくなりました。特に、伸ばしたときに痛みが出ます。夜寝ていても、曲げた足を伸ばすと痛みを覚え目が覚めるほどです。最近は、痛み止めを飲むとほとんど痛みを感じないほどよく効いていたのですが、痛み止めも効かなくなりました。

こんなことってあるんだろうかと思いました。信じられないような話です。だからと言って、もう一度病院に行って事情を話しても、言われることは目に見ているように思います。湿布と痛み止めの飲み薬を処方されるだけでしょう。

文字通り天国から地獄に堕ちたような絶望的な気持になりました。やっと光が射してきたと思っていたのにどうして?と思わざるを得ません。

別の病院に行ってみようかとも思っていますが、今は膝の痛みを我慢するのが精一杯で、わざわざ新しい病院を探して行くほどの余力はありません。それに、別の病院に行っても同じことのくり返しになるのではないかと思ったりもします。

膝痛などの場合、整形外科の病院や整骨院を転々とするケースが多いのですが、痛みを抱えた患者が藁をも掴む気持で彷徨するのもわからないでもありません。でも、一方で、そういったことをくり返さなければならないのはとても空しく面倒なことでもあるのです。

ジョギングにはまった知り合いも、ある日足が痛くなったので、まずスポーツ用品店に行ったそうです。すると、ジョギングシューズとインソールをすすめられ購入することになった。でも、痛みは収まらない。それで、今度は駅前の整骨院に2軒行ったけど、やはり改善しない。仕方がないので整形外科の病院に行ったら、走りすぎだろうと言われて、湿布と痛み止めを処方されただけ。しかし、依然として痛みは続いているので、さらに別の整形外科に行ったところ、疲労骨折という診断を受けて、現在、完治しジョギングも復活したそうです。実際にそのように遠回りをすることも多いのです。

整形外科は「3」の数字がキーワードになるという話を聞いたことがあります。3日、3ヶ月、3年で病態が改善したか様子を見るということらしいです。とりあえず、3日様子を見て、それでも改善しないなら(その可能性が高いけど)、別の整形外科を探して診察して貰うしかないかなと思っています。でも、一方で、今の時代、病院によってそんなに違うものなのかという疑問もあります。
2021.10.07 Thu l 健康・ダイエット l top ▲
山に登る前に読む本


先週、財布とパスモ(ICカード)を忘れて、1万歩以上歩くことになりました。早速、帰宅したら膝に水が溜まっているのがわかりました。一時、水も引いて調子がよかったのですが、反対の足のアキレス腱の炎症をきっかけにまた元に戻った感じです。

実は昨日も同じポカをやらかして、8.6キロ1万2千歩を歩くはめになりましたが、やはり足が重くてなりませんでした。ただ、帰って足を冷やし膝の裏を親指でくり返し押すと、軽くなり可動域も広がって楽になりました。今日は意識して3駅分、6.6キロ9千歩を歩きました。帰って同じように冷やして指圧マッサージをするとすぐ楽になりました。エアロバイクも毎日ではありませんが、ときどき漕ぎ始めています。

先週、整形外科に行った際、たまたまドクターのPCに私の膝のレントゲン写真が映し出されていたので、レントゲン写真について質問をしました。すると、ドクターは棚から膝の医学書を出して来て、写真を指し示しながらあらためて説明してくれました。

ドクターが言うには、私の変形膝関節症の症状は、「0」の「正常」から「1」の「軽度」の間くらいだそうです。ちなみに、症状は「0」から「3」までの4段階で表すみたいで、「2」は「中等度」、「3」は「重等度」です。だったら、この前に行った総合病院の中等から重等という診断は何故なのかという疑問が残ります。診察する前からいきなりサポーターや足底板をセールスするのも違和感がありましたが、殊更患者の不安を煽る商法のような気がしないでもありません。

ドクターが言うには、変形膝関節症でも半月板損傷でも、痛みが出ない人も多いのだそうです。つまり、軟骨がすり減ったり傷ついたりしても軟骨自体には血管が通ってないので、痛みを感じないのだとか。痛みを感じなければ病院にも行かないでしょうから、変形膝関節症の患者は1千万人いて”国民病”だなどと言われていますが、実際はもっと多いと考えていいでしょう。でも、痛みがなくても骨の変形は進むので、いづれ日常生活に支障をきたすことになるのです。それどころか、老後は寝たきりになり介護が必要になる可能性が高いと言われているのです。

前に夫婦で百名山登頂を達成したという人の家に行く機会があったのですが、ご主人は車椅子生活で、奥さんもソファから立ち上がるのも支えが必要なほど見るからに膝が痛そうでした。正座ができないので仏壇にお参りするときなどは大変ですと言っていました。つまり、二人とも典型的な変形膝関節症なのです。登山を趣味にして百名山踏破の偉業を達成した代償が変形膝関節症による不便な老後なのです。実際に、60歳以上のハイカーの90%が膝痛で悩んでいるという話もあるくらいです。

スポーツが心身ともに健康の保持増進に大きな効果があるのは言うまでもありません。しかし、それも「ほどほど」の場合なのです。やりすぎると、特に骨や関節などに歪みをもたらして、痛みや障害の原因になるのです。若いときのスポーツが原因で、一生癒えない痛みや障害を抱えてしまうということもめずらしくありません。

その意味では、登山は「やりすぎ」のスポーツの代表と言っていいかもしれません。とりわけ、膝にとってこれほど悪いスポーツはないでしょう。先日も、たまたま某ネトウヨ登山家のブログを見ていたら、彼も膝痛に悩んでいて、再生治療のひとつであるPRP(血小板血漿)治療を受けたと書いていました。また、登山系のユーチューバ―も、大半は基礎的な訓練も受けてないぽっと出の登山者なので、山行を重ねるうちに膝を痛める人も多いみたいです。登山に膝痛は付き物なのです。

膝痛から解放されるには、まず膝の負担を減らす必要があります。その方法は二つあり、一つはストレッチして大腿四頭筋の筋力をつけることです。もうひとつは、言うまでもなく体重を減らすことです。ドクターが言うには、多くの人はストレッチの方を選択するけど、結局、挫折していつまでも痛みから解放されないケースが多いのだとか。

それより体重を減らす、つまり、「ダイエットする方が手っ取り早いですよ」と言っていました。膝には体重の3倍の負荷がかかると言われているそうで、「たとえば3キロ減量すれば9キロの負担が減るのですよ。9キロの負担を減らすために筋力をつけるというのは途方もない努力が必要ですよ。それに比べれば3キロの減量の方が近道のはずです」と言っていました。

単純に考えれば、山に7キロのザックを背負って行くとすれば、2キロ以上の減量をしてもザック分をペイするだけです。つまり、膝の負担を軽減しようと思えば、少なくとも5キロくらいの減量は必須です。もちろん、山に登るには筋力も必要です。特に登山の場合、大腿四頭筋に蓄えられたグリコーゲンをエネルギー源に使うので、大腿部の筋力量を増やすことが肝要です。しかし同時に、膝の負担を減らすためには、体重を落とすことも無視できないのです。

常念岳の診療所の所長も務めた信州大学医学部の能勢博教授も、著書の『山に登る前に読む本 運動生理学からみた科学的登山術』(講談社ブルーバックス)のなかで、体力を測るひとつの指標である最大酸素消費(摂取)量の数値を改善するには体重を落とすことも重要だと書いていました。最大酸素消費(摂取)量というのは、1分間に体重1kgあたりに取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)なので、体重が減ればその分数値も改善されるのです。つまり、それだけ心臓の負担も減るというわけですが、当然と言えば当然の話です。

能勢教授は、最大酸素消費(摂取)量の役割について、次のように書いていました。

相対運動強度は最大酸素消費量に左右される。すなわち、最大酸素消費量の高い人と低い人が一緒に登山をする場合、低い人のほうが、ブドウ糖の消費速度が速くなる。さらに、もともと筋肉量が低くグリコーゲン貯蔵量が少ないのも手伝って、早く「燃料切れ」になって登山の継続を困難にさせる。


最大酸素消費量が示しているのは持久力ですが、これは20歳代をピークに10歳年を取るごとに5~10%低下すると言われているそうです。登山には加齢によって筋力(特に膝伸展筋力)が低下する「老人性筋萎縮症(サルコペニア)」の問題も深刻です。膝伸展筋力の低下は、「日常活動量を低下させ、そのため心肺機能の負担が低くなり、最大酸素消費量の低下を引き起こす」のです。もちろん、そのためにはトレーニングすることも大事です。

(略)中高年者の最大酸素消費量の低下は、主に加齢による大腿筋力の低下によって引き起こされるので、トレーニングによってその筋力が改善すれば、それに比例して最大酸素消費量も向上する。また、筋肥大が起きると運動時の血液から筋肉の酸素の移動速度が上昇する。そして、筋力さえ改善すれば、それに追随して心肺機能も改善するということである。


年齢を問わず、運動形態を問わず、最大酸素消費量の60~70%に相当する「ややきつい」「きつい」と感じる運動を、一日15~30分間、週3~4日、5ヵ月間おこなえば、大腿筋力、最大酸素消費量が10~20%増加する。


一方で、トレーニングだけでなく体重も落とせば、最大酸素消費量の数値の改善も見込まれるのです。もちろん、体重が落ちると、心臓だけでなく膝の負担を減らすことにもなるので膝痛予防にも役立ちます。

余談ですが、登山を趣味にする人の3分の1が60歳以上という登山者が高齢化している現在、遭難の多くも高齢化に伴う疲労が原因だと能勢教授は書いていました。

遭難の多くは疲労が原因で、それは加齢による体力の低下によると考えてよい。したがって、登山中の事故や怪我を防ぐには、自分の体力を客観的に把握し、それに合った山を選び、登山計画を立てることが非常に重要である。


能勢教授は、加齢現象は「何年もかけてゆっくり起こるものだから、ほとんど自覚症状がなく『いつまでも若いつもり』という、登山で遭難にむすびつく『大きな勘違い』が起こる」と書いていました。

前に山で会ったビジターセンターの人は、「年寄りのハイカーは無茶をする人が多いんですよ」と言っていましたが、ヤマレコなどでもよく見かける「オレは若いんだ」「若い奴には負けないぞ」と言わんばかりに「無茶をする」高齢のベテランハイカーこそ遭難予備軍と言うべきかもしれません。

話は戻りますが、私の場合、どうしてこんなに回復が遅れているのか、あたらめてドクターに訊いてみました。ドクターが言うには、症状は千差万別なので、早い人も遅い人もいると言っていました。それに、もうひとつは、私は身体が大きくその分体重も重いので治るのに不利な面はあるとも言っていました。さらに、「これは仮定だけど」と前置きして、もしかしたら半月板を痛めてそれが回復を遅くしている原因になっているかもしれないとも言っていました。

そう言えば、総合病院でも半月板を少し痛めていますねと言われました。ただ、ドクターが言うには、半月板はレントゲンではわからずMRIでないと損傷の有無は確認できないそうです。ところが、私もMRIで精密検査をするために総合病院に行ったのですが、総合病院ではレントゲンしか撮らず、それで半月板も少し痛めていると言われたのです。あれも変な話です。

また、ドクターは、昔は半月板損傷だと損傷した部分を切除する手術をしていたけど、今は保存療法が主流になっていると言っていました。どうしてかと言えば、手術をして30年経ち高齢化した元患者たちの追跡調査をしたところ、手術をしてない一般の人たちに比べて手術した人の方が変形膝関節症になる割合が高いことがわかったからだそうです。軟骨を切り取るわけですから当たり前と言えば当たり前の話ですが、そのために一律に手術をするのはやめたそうです。

来月あたりから軽いハイキングと言うか、昔よくやっていた山の散歩を始めようかなと思っていますが、ともあれ、何事においてもダイエットが大事という話をあらためて突き付けられた気がしました。
2021.09.16 Thu l 健康・ダイエット l top ▲
その後の膝の具合ですが、多少の違和感は残っているものの痛みは完全に引いて、水も溜まらず結構調子がいい状態がつづいていました(過去形)。

先月、整形外科に行った際、ドクターから「ヒアルロン酸も打ち終わったので、今後どうするか。あとワンクール(週1回で計5回)打つかどうかですが、どうしますか?」と訊かれました。

「先生、私が決めるんですか?」
「一応区切りが付いたので、このあとどうするか意向を訊きたいんですよ」

たしかに、水もあまり溜まらなくなったし、違和感が残っているとは言え、痛みもほとんど消えました。恐らく多くの患者は、このあたりでフェードアウトして、整骨院にリハビリに行ったりするのでしょう。私も、このままフェードアウトしてもいいような気がしないでもありません。ドクターも暗に「フェードアウトしていいですよ」と仄めかしているんじゃないかと思いました。

しかし、一瞬迷ったものの、私が下した結論は、ヒアルロン酸をあとワンクール打ってもらうという選択でした。もちろん、あまり効果がないヒアルロン酸を打っても仕方ないと言えば仕方ないのです。しかし、痛みが取れたとは言え、まだ違和感が残っているので病院と縁が切れるのに一抹の不安がありました。それに、湿布薬も、当然ながら病院で処方してもらった方が安く手に入ります。そんな打算もはたらいたのでした。

そして、そのあと、4回(4週)病院に通いましたが、水を抜くことはなく、ヒアルロン酸の注射と湿布薬の処方をくり返しただけでした。

ところが、先週のことです。膝痛とは反対の左足の踵の骨が出っ張っているところが痛くなったのです。その前から少し痛みを感じていたので、「また靴擦れなのか」と思っていました。と言うのも、同じところの痛みは今までも何度かあったからです。しかし一方で、最近、靴をあたらしくしたわけではないのに、どうして急に靴擦れになったんだろうという疑問もありました。

しかも、痛みは日が経つに連れ増すばかりでした。そして、とうとう歩くのもままならなくなったのでした。つま先が上がり脛が伸びた状態になると強い痛みに襲われるようになったのです。また、階段を下る際も、踵に衝撃が加わるからなのか、痛みがひどく、一段一段足を下ろすたびに試練を課せられているような感じでした。骨が出っ張っている部分を指で押すと、頭頂まで貫くような強烈な痛みが走ります。しかし、痛みの部分を見ても赤くなっているだけで、水ぶくれやタコやマメができているわけではありません。どうも靴擦れではないような気がします。

こういうのを疼痛と言うらしいのですが、しかし、疼痛のチャンピオンである尿管結石の痛みを何度も経験している身から言えば、同じ疼痛でも尿管結石のそれとは若干違います。尿管結石は普段の呼吸に合わせたようなズキズキという痛みですが、今回の痛みは運動して呼吸が上がったときのようなテンポの速い痛みです。

それで、膝の診察のついでに、踵も診てもらうことにしました。近所の整形外科は自宅から500メートルも離れてないですが、そこまで歩いて行くのもひと苦労で、100メートル歩くのに10分くらいかかるのです。車椅子があったらどんなに楽だろうと思ったくらいでした。さらに、左足をかばって歩くので、右足の膝にも痛みが出て来る始末でした。

185センチの大男が苦悶の表情を浮かべて両足を引き摺りながら前からやって来るので、舗道ですれ違う人たちは車道に出て私をよけていました。子ども連れの母子は、お母さんが「こっちに来なさい」と子どもの袖を引っ張っていました。すれ違ったあと、うしろを振り返ると、子どもが立ち止まって不思議なものでも見るようにじっと私の方を見ていました。もしかしたら、私のことをフランケンシュタインのように見ていたのかもしれません。

診察室に入って左足のことを話すと、ドクターは「ああ、あとでレントゲンを撮って確認しますが、おそらくアキレス腱で骨が引っ張られて炎症を起こしているんだと思いますよ」と言って、紙に図を描いて説明してくれました。「整形外科に通っているのにまた足が痛くなるなんて、どうなっているんだと思いますよね」と言って笑っていました。

レントゲンを撮るとドクターの説明どおり、アキレス腱とつながっている踵の骨(踵骨)が引っ張られて、膝と同じように骨棘(こつきょく)が生じており、そのために周辺の皮膚に炎症が起きているということでした。治療法は対症療法しかなく、膝とまったく同じで、鎮痛消炎剤の湿布薬を貼り痛み止めの内服薬を飲んで痛みが収まるのを待つしかないそうです。

「よくあることなんですか?」
「結構ありますよ。先週も同じ症状の患者さんが来られましたよ」
「どのくらいで痛みが消えますか?」
「2~3日すれば大概収まりますよ。1週間分の薬を処方すれば、ほとんどの患者さんはそれ1回きりで来なくなりますね」

原因はアキレス腱の使いすぎだそうです。しかし、当然ながら現在、私はまったく運動をしていません。「何か日常生活で思い当たることはないですか?」と訊かれたのですが、なにもないのです。

すると、まるで私の心のなかを見透かしているかのように、ドクターは次のような話をはじめたのでした。

「前に来た患者さんはロードバイクをしている方で、走っている途中でタイヤがパンクしたらしいのです。それでしゃがんでパンクの修理をしたそうですが、その際、地べたにお尻を付けて座るのではなく、両足の踵を上げた状態でじゃがんで修理をしたらしく、それが原因で痛みが出たみたいです。日常のちょっとしたことでも原因になったりするのです。なにか似たようなことはありませんでしたか?」

その話を訊いて、私はドキッとしました。ロードバイクの話で、先日買ったエアロバイクのことが思い出されたのでした。しかし、エアロバイクのことはドクターには言わずに、「うーん、なんだろう?」と首を捻ってとぼけたのでした。

私の部屋は、いつの間にかトレーニング器具が増えてスポーツジムみたいになっているのですが、最近は負荷をかけてエアロバイクを漕いでいました。私は何事においてもやりすぎるきらいがあり、エアロバイクで自分を追い詰める真似事をしたことで、どうやら天誅が下ったみたいです。

ドクターは特に病名を言いませんでしたが、ネットで調べると「アキレス腱付着部症」と言うのだそうです。この「アキレス腱付着部症」は、ランニングする人やバスケットボールのようなジャンプする競技の選手に多いと書いていました。ちなみに、痛みの方はドクターの言うとおり3日くらい経ったらほとんど消えました。ただ、左足をかばっていたためでしょう、右の膝にまた「注射器水1本分」の水が溜まっていたそうで、案の定、それ以来膝の調子がよくありません。

そこで、では、今まで同じような痛みに襲われていたのはどうしてなのか?と考えてみました。このブログでも六ツ石山に登った際、靴擦れが生じた話を書いていますが、ほとんどは今回のように痛みがひどくなることはなく、スリ傷用の塗り薬とバンドエイドを貼っていたら自然と消えました。

つまり、六ツ石山が典型なのですが、急登でアキレス腱が伸び骨が引っ張られたために、一時的に痛みが出たのでしょう。「アキレス腱が痛くなるほどの急登」というのはこういうことだったんだ、と初めて合点がいったのでした。ブログではノースフェイスの靴が靴擦れの原因ではないかと書いたように記憶しますが(そのために靴を買い替えたのですが)、靴は関係なかったのです。

私の場合、このように勝手な思い込みで間違った対策を講じて、あとで後悔することがホントに多いのです。素人の浅知恵とはよく言ったものだとつくづく思います。

こうして膝や踵などの痛みを経験したことで、多少なりとも正しい知識を身に付けることができた気がします。それは、文字通り怪我の功名というべきかもしれません。同時に、今まで如何に間違った考えを持っていたかということを痛感させられたのでした。
2021.08.22 Sun l 健康・ダイエット l top ▲
総合病院に行った翌週、紹介状を書いてもらった近所の病院に診察に行きました。

診察室に入り、ドクターの手元にある私のカルテを見ると、そこには総合病院から送られてきた「報告書」のような紙が貼られていました。私はそれを見て、「なんだ、ちゃんと連携していたんだ」と思いました。

何事においてもそういった傾向がありますが、私自身が勝手にいろいろ考えて、一人相撲を取ろうとしていたみたいです。

ドクターは手元の「報告書」を見ながら、「✕✕注射を打ったんですね?」と言いました。

「どうでした?」
「3日くらい痛みが消えましたが、また元に戻りました」
「ああ、そうですか」
「ステロイドの注射ってそんなもんですか?」
「人によりますね。効く人もいればそうでもない人もいます」

8月に「再来」を指定されたので、そのことについても行くべきかどうか訊いてみました。

「たしかに8月とはちょっと間が空きすぎですが、ただ、✕✕注射の効果を含めて経過を診たいんだと思いますよ。その上で診断が適切だったのかどうか知りたいんだと思います。もし、症状と診断に食い違いが出ていたら、さらにMRIなどで検査して、別の角度から診断することになるのだと思います」

そして、「(キャンセルしないで)指定された診察は受けた方がいいと思いますよ」と言われました。

痛みは多少ぶり返したものの、だからと言ってそれほど気になるほどではなく、どちらかと言えば違和感の方があります。どうしても痛い方の足をかばい、歩く際も足を充分伸ばして歩くことがためらわれるのですが、意識して足を伸ばして歩いても、地面に足を置いて膝を伸ばす際、かすかな痛み(みたいなもの)がある程度です。改善されてきたことは事実です。

「少し水が溜まっていますが、今日はこのままにして様子を見ましょう」
ドクターはそう言って、「来週来れますか?」と訊かれました。「大丈夫です」と答えると、「じゃあ、そのときに次の注射を打つかどうか判断しましょう」と言われました。

前の膝痛の記事でリンクを間違えていたのですが、下記に紹介するヤマケイオンラインの記事は、変形膝関節症に悩むハイカーにとってはまさに”希望の糧”になるような記事とも言えます。そして、引用したようなドクターの発言を考えると、近所の整形外科医の説明も納得がいくのでした。近所の整形外科医はスポーツ医なので、あえて変形性膝関節症よりオーバーユースの方を強調することで、とおりいっぺんの診断とは違った保存療法の大切さを説いていたのかもしれないと思いました。まったく患者というのは勝手なものです。

ヤマケイオンライン
「変形性膝関節症」の痛みの理由を知って、膝痛とうまく付き合おう。認定スポーツ医に聞く膝痛対策<後編>

(略)体重がかかった状態で軟骨がすり減ってくると、圧力の受け皿となる上下の骨が痛みだすことがほとんどです。けれども、人間の体というのはうまくできていて、何とかしようと頑張るのです。
圧力を逃がす方法は2つあります。1つは面積を広くすること。そしてもう一つは、受け皿となる骨が硬くなること。面積が広くなって、土台の役割を果たす骨が硬くなれば、その関節は強くなってきます。この状態を繰り返すのが、変形性膝関節症なのです」


「圧力がかかるようになると、まずは骨棘というものができて、受け皿になる部分の骨の面積が広がります。次に土台の役割を果たす骨が硬くなって骨硬化像というのが生じ、レントゲンで撮影すると白く写るようになります。この状態になれば、軟骨がすり減っても耐えられるようになるんです。そうすると痛みも次第に消えていくでしょう。その状態が、3ヶ月くらいで作られていくのです」


先日の総合病院のレントゲン写真で、白い部分がありまだ炎症が残っているとか棘があると言われたのも、上記の話から考えれば、逆に”希望の糧”と解釈していいのかもと思いました。もちろん、痛みの緩和が遅い場合、別の原因を考えるというのも、ドクターとして当然の判断でしょう。「痛み(炎症)」や「水」や「棘」は、よくなるための”通過儀礼”のようなものと考えてもいいのかもしれません。

整骨院には行っていませんが、個人的に知っている理学療法士も、軟骨が減って骨と骨がぶつかると言うけど、実際にそういった人はほとんどいませんよと言っていました。

私の田舎などには、長年の農作業で極端に腰が曲がった年寄りがいましたが、そういった年寄りが深刻な腰痛や膝痛を抱えるようになるというのならわかります。当然、足も極端なO脚になっています。しかし、それでも痛い膝をかばいながら農作業を続けているのです。

前に浅間嶺からの下りの時坂(とっさか)峠の山道で、下から腰の曲がった老婆が手作りの案内板のようなものを持って登って来た話を書きましたが、そういった老婆だと、気の毒だけど「軟骨が減って骨と骨がぶつかる」深刻な状態に至る可能性がないとは言えないでしょう。

しかし、私たちの場合、痛みの具合とのバランスを考えながら、ストレッチとある程度の運動を取り入れ、よく言われるように膝を支える筋肉の柔軟性を取り戻し、さらに筋力不足を解消して膝の変形を防げば、そこまで悲観的に考える必要はないのではないかと思いました。

もっとわかりやすく言えば、痛みがある間は膝を休ませる(何もしない)。痛みがある程度和らいだら無理しない程度にストレッチをはじめる(しかしやりすぎない)。痛みがほとんど改善されたら筋力を付ける運動をはじめる。そういう段階を進んで行くことが大事なのだと思います。要はその見極めでしょう。でも、これがシロウトには難しく、焦りからフライングして一時的に悪化させてしまうことも多いのです。

余談ですが、記事のなかに出てくる小林医師は以前、大分の病院に勤務していたみたいで、なんだかそれだけで嬉しくなりました(現在は静岡の病院に勤務しているそうです)。また、日本山岳会が主催するハイカー向けの講演会でも講演しているようです。記事のなかで紹介されている本も買いましたが、本はあまりにお手軽にできすぎており、ちょっと物足りない気がしました。

私は、最近、エアロバイクも買いました。今は負荷をかけずに毎日10分~20分ゆっくり漕いでいる程度ですが、膝の状況を見ながら徐々に筋力不足を解消する運動もはじめようと思っています。もちろん、ダイエットも大事なので、(性懲りもなく)またはじめました。3キロくらい減りましたが、ただ、運動ができないので思うように減りません。運動だけではダイエットはできないけど、だからと言って、食事制限だけでも効果を得るのはなかなか難しいのです。
2021.06.30 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
前の記事から2日後の今日、かかりつけ医から紹介状を書いてもらった総合病院に行きました。この病院は、13年前の正月に尿管結石で二夜に渡って駆け込んだ病院です。ちなみに、その9年後には尿管結石が再発して、結局、ESWLで破砕することになったのですが、破砕した病院はそれとは別の総合病院です。

いづれもこのブログで体験記を書いていますが、今、読み返すとちょっとトンチンカンなことがあり、今日、13年ぶりに診察に訪れて、あらためてそのことが思い出されたのでした。

それは、腹痛で夜間の救急外来に最初に駆け込んだ際、「便秘」と診断されたことです。それまでも3・4年の間をおいて何度か腹痛に襲われたことがありましたが、病院には一度も行ってないので、私自身にも腹痛の原因が尿管結石だという認識はありませんでした。腹痛に襲われたのはいづれも夜間でしたので、病院に行くのがためらわれて布団の中で腹をさすりながら我慢していると、明け方近くにいつの間にか寝てしまい、そして、目が覚めるとウソのように痛みがなくなっていました。それでいづれも病院に行かずじまいでした。

それにしても、私の説明不足もあったにせよ、「便秘」という診断はなんだったんだと思わずにおれません。そして、次の夜、再び腹痛に襲われて同じ救急外来に駆け込んだのですが、その際も若いドクターから、「腎臓が悪いですね」と言われました。問診表の既往症の欄に、若い頃、腎炎で三度入院したと書いたからかもしれませんが、今考えれば、「腎臓が悪い」というのは、結石で尿路の流れが悪くなったことにより水腎症の症状が出ていたからでしょう。

私は、「腎臓が悪いですね」と言われて、「腎炎が再発したのか」とショックを受けました。しかし、そう告げられたきり、私はERのベットの上で、間断なく襲ってくる腹痛に耐えながら、救急車で運ばれて来た別の患者の処置が終わるので待たされることになりました。今考えれば、救急車で運ばれてくる患者を優先的に診るというトリアージがあったのだと思います。

救急患者の処置が終わると、救急外来のリーダーとおぼしきドクターが先程の若いドクターを連れて私の元にやって来て、腎臓のあたりに再びエコーを当てモニターに映し出された画像を見ていました。すると、若いドクターに向かってかなり強い口調で、「どうしてこれがわからないんだ?」と言いながら、専門用語を使って説明しはじめたのでした。

若いドクターへの説明が終わると、今度は私に向かって、「尿路に石が落ちています。尿路結石ですね」「石はそんなに大きくないので、多分時間が経てば尿と一緒に排出されるでしょう。膀胱に移動すれば痛みもなくなるはずです」と説明したのでした。

「とりあえず痛み止めの薬を出しますが、念の為に、明日近くの病院で診てもらって下さい」と言われました。そして、「個人のクリニックがいいですか? それとも大きな病院がいいですか?」と訊かれました。それで「大きな病院がいいです」とわけもわからず答えると、近所にある総合病院(ESWLとはまた別の病院)への紹介状を書いてくれたのでした。

翌日、近所の総合病院に行くと、既に石は流れ出たあとで姿かたちもないと言われました。「おしっこをするとき石が出たのがわかりませんでした?」と訊かれたのですが、尿管結石を意識したのはそのときが初めてだったので、気付きようもありません。ただ、その際、「腎臓に別の石がありますが、それは問題ないです」と言われました。しかし、その石こそがのちに尿路に落ち、ESWLで破砕することになるのでした。

予約では11時からの診察でしたが、診察がはじまったのは12時半すぎでした。診察の前には、いろんな角度からレントゲンを撮りました。私は、れっきりMRIを撮るものと思っていましたので、「レントゲンだけなのか」とがっかりしました。

レントゲン撮影を終え、廊下の椅子で1時間くらい待って診察室に入ったら、そこには足を投げ出して椅子に深々と座った40代くらいのドクターがいました。

「よろしくお願いします」
「あっ、どうも」
そして、私の予診票を見ながら「登山かぁ~」と独り言のように言い、椅子に身体をあずけたまま、レントゲン写真をボールペンで指し示しながら説明をはじめました。

「ここを見てもわかるとおり、一部の関節の間が狭くなっていて、変形膝関節症が進行していますね。末期ではないけど中期と言ってもいいでしょう。また炎症もあります。この白い部分がそうです。棘のようなものもあります」

さらに、私にとって衝撃なことばがそのあとにつづいたのでした。
「また登山をしようと思ったら、人工関節だと無理なので、脛骨の一部を切って繋ぎ直す手術をした方がいいでしょう」
「そんなに悪いのですか?」
「日常生活を送るには保存療法でいいと思いますが、登山のような運動をするなら話は別ですよ」

廊下で順番を待つ間、スマホで担当医のプロフィールを検索したら、スポーツ医とかではなく人工関節が専門のドクターのようで、もしや手術を勧められるんじゃないかと思っていましたが、杞憂が現実になった感じでした。

とりあえず、膝をロックしたまま足の上げ下げをして太腿の筋肉を鍛え、それから体重を落とす。「それで様子を見るしかないですね」と言われました。

「サポーターを持っていますか?」と訊かれました。私は、「来たな」と思いました。それで、「近くの病院で買いました」と答えました。すると、今度は「少しO脚なので、O脚を治すインソールを作ることもできます。値段は高いけど、保険を使えば3割負担で済みますよ。どうしますか?」と言われました。「O脚を治すインソールってアマゾンでも売ってるじゃん」と思って、「今日はいいです」と答えました。帰って調べたら、整形外科の「装具」はインソールでも数万円もするみたいです。

「あと、何度も打つことができませんが、炎症に効く注射があります。どうしますか?」と言われました。私は、ステロイド注射だなと思いました。ステロイド注射は、私の知り合いが打ったことがあり(彼は昨年脛骨を切る「骨切り術」を受け、1年経った8月に金具を取り外す手術を受けることになっています)、”魔法の注射”と言われているけど効果は一時的で、しかも、副作用があるので何度も打つことができないという話を聞いていました。

実際は、ステロイドを打つほど痛いわけではないのですが、全て断るのも気が引けるので「お願いします」と言いました。「糖尿病ではないですよね?」と訊かれてから、膝の前部の関節に注射を打たれました。帰って「診療明細書」を見たら、炎症を抑える「ケナコルトーA」と痛み止めの「キシロカイン」の関節腔内注射となっていました。

「じゃあ、次の診察日ですが・・・・」と言ってパソコンのモニターを見はじめたので、「エッ、次があるんだ?」と思いました。「予約でいっぱいなので、8月になりますね」と言われたので、「わかりました」と答えました。

何度も書きますが、膝痛(特に変形膝関節症など)の場合、「治療法」と呼べるものは、大腿四頭筋を鍛えるためのストレッチと体重を軽くすることくらいしかないのです。もとより、膝痛にはそういった”対症療法”しかないのです。患者から見ると、ドクターのあまりやる気があるように見えない態度も、膝痛が命に関わるような病気ではないからかもしれません。

診察の途中で携帯に電話がかかってきたのですが、どうもそれは救急外来からのようです。そして、外来からの電話を切ると、今度は院内のドクターに電話をしていました。専門用語を使っていましたので詳細はわかりませんでしたが、「麻酔は必要ないと思うんだよね」とか「骨折していたら」どうとか言っていました。診察に時間がかかっているので、他のドクターに処置を頼んだのだと思います。

ステロイド注射は、噂にたがわず効果てきめんでした。注射してまだ半日しか経っていませんが、痛みは完全に消え、多少の突っ張り感が残っているだけです。

帰ってから、さて、近所の整形外科に「精密検査」の報告に行った方がいいのかどうか、考え込んでしまいました。ヒアルロン酸は既に2クール打ったので、痛み止めの薬と湿布を処方してもらうことくらいしかないのですが、”予備がないと不安症候群”なので、痛み止めの薬と湿布と水抜きが途切れることの不安もあります。

患者の立場から言えば、「紹介状」 の意味が今ひとつわかりません。患者をそのまま基幹病院に送るケースもあるし、単に精密検査だけを依頼するケースもあります。片道切符なのか往復切符なのか、はたと悩んでしまうのでした。

いづれにしても、今の自分のいちばんの課題がダイエットであることは間違いありません。たしかに、膝を痛めて運動をしなくなったということもあって、体重は増える一方です。駅のトイレなどで、カガミに映った自分の姿を見て愕然とすることも多くなりました。それで、奮発して体組成計の体重計を買い変えたばかりでした。このブログを読んでもらえばわかりますが、いつもリバウンドのくり返しでダイエットは「もううんざり」という気持しかないのですが、今度は膝痛に直結した課題を与えられているので、気合を入れて取り組むしかないでしょう。

近所の整形外科では、レントゲンの結果は「きれいな膝」で変形膝関節症ではないと言われていたので、今日の診断結果は予想外で、その意味でもショックだったのですが、要するにオーバーユースで変形膝関節症を発症させたということなのでしょう。

膝痛に関しては、私の理解力に問題があるのか、このように捉え方が浅薄でそのときどきの状況にふりまわされて一喜一憂するばかりです。もっとも、(何度も言いますが)膝痛の診断には曖昧模糊としたところがあるのも事実で、そのために整形外科の病院や整骨院めぐりをするようになるのでしょう。医療費の”無駄”と指摘されて、整骨院の保険利用に規制が入ったのもわからないでもないのです。

現金なものですが、結局は下記のような記事を”希望の糧”にして膝痛と付き合っていくしかなさそうです。膝痛の場合、患者もまた、自分の都合ばかり考え、シロウトの浅知恵で自己診断する傾向もあるのです。たかが膝痛と言うなかれで、膝痛というのは命には直接関係がないけれど、それだけやっかいなものだということです(「病気」と書かずに「もの」と書くところもミソですが)。

YAMAKEI ONLINE
膝痛と上手に付き合い、対処していくために必要なこと。認定スポーツ医に聞く膝痛対策<前編>
「変形性膝関節症」の痛みの理由を知って、膝痛とうまく付き合おう。認定スポーツ医に聞く膝痛対策<後編>

診察のあと、会計の窓口の電光掲示板に私の計算が終了した表示が出なくて、私よりあとの番号がつぎつぎと表示されるので、しびれを切らして窓口に問い合わせたら「あっ、支払いできますよ」とあっさり言われました。公的な病院だから仕方ないのかもしれませんが、「申し訳ありません」のひと言もないのです。若い頃ならいざ知らず、年を取るとそんなことが妙に気にかかるのでした。私は早く帰りたいのでそのまま引き下がりましたが、ややもすると小言幸兵衛を演じて「キレる老人」などと言われることになるのでしょう。

病院を出たのは13時半すぎでした。行きも帰りもタクシーを使いましたが、関東地方は今日は局地的な大雨に襲われて、タクシーを捕まえるのもひと苦労でした。行きは最寄り駅の前のタクシー乗り場から乗り、帰りは病院の玄関前のやはりタクシー乗り場から乗りましたが、いづれも一台も待機してなくてしばらく待ちました。運転手によれば、新横浜駅のタクシー乗り場には長い行列ができていたそうです。

余談ですが、運転手の話では、私鉄の駅は指定の会社のタクシーでないと客待ちはできない決まりになっているそうですが、JRの駅は指定がないのでどこの会社でも客待ちができるのだとか。ただ、そうは言っても、客待ちするにも暗黙のルールがあって、ルールを知らない新参者のタクシーが入ると常連の運転手から文句を言われるのだそうです。「建前上は誰でもいいことになっていますが、実際は縄張りがあるんですよ」と言っていました。

帰りの道中では、気分は暗く憂鬱で仕方ありませんでした。今年の初めの山田哲哉氏の『奥秩父 山、谷、峠そして人』に関する記事でも書いたように、最近の私は山しか「逃避」するところがない感じだったので、落胆せざるを得ませんでした。山に行けないのならもう死んだほうがましと(一瞬ですが)思ったくらいでした。山に登らない人には理解できないかもしれませんが、私のような人間にとっては、「たかが山」だけど、でも「されど山」でもあるのです。帰りのタクシーでやたら運転手に話しかけ饒舌を装っていたのも、そんな落ち込んだ気分を紛らわそうとしていたからだと思います。
2021.06.16 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
その後の膝の具合ですが、相変わらず停滞したままです。従って、ここに書く内容も同じことのくり返しになります。

膝を痛めた山行が3月10日ですから、もう3ヶ月が経ちました。痛みはいくらか緩和されたものの、少しでも歩数が増えると途端に痛みが増し、膝が腫れぼったくなります。要するに水が溜まるのです。

ヒアルロン酸は既に2クール(5週を2回)注入しましたが、あまり効いている感じはありません。もう一度山を歩きたいという気持が強いので、焦燥感ばかりが募り、気分は落ち込む一方です。

3週間前、病院に行った際、いっこうに水が止まらないのはもしかしたらオーバーユースではない別の原因があるかもしれないので、一度、精密検査をした方がいいかもしれませんね、と言われました。

ところが、不思議なことに、そう言われた途端に水が引き始めたのでした。そして、次の週、病院に行ったら、ドクターから「水が引いていますね」「これでやはりオーバーユースが原因だということがはっきりしました」「精密検査の必要はないですよ」と言われました。しかし、喜んだのもつかの間、先週行ったらまた水が溜まっていました。

痛みは、ずっと変わらず続いています。家のなかだと突っ張り感だけで、ほどんど痛みは感じないのですが、外を歩くと痛みが出てきます。そして、距離が長くなると痛みが増すのでした。痛める前に日課になっていた4キロの道を試しに歩いてみましたが、帰ってきたら膝の張りが尋常ではありませんでした。

先週でヒアルロン酸の2クールが終わったので、私はドクターに「やはり一度精密検査を受けてみます」と言いました。そして、新横浜にある総合病院の整形外科の紹介状を書いて貰いました。私自身、MRIで詳細に診て貰いたいという気持があったので、水が引いて精密検査は必要はないでしょうと言われたときは、正直、がっかりしたのでした。

山で酷使したのは紛れもない事実なので、今になって後悔していますが、ただそれにしてもこんなに長引くものなのかという疑問もあります。今までも山から帰ったら膝痛に襲われたことは何度もあります。膝の場合、1日おいてから症状が出て来るので、山から帰った翌日に膝痛で階段の上がり下りに苦労したということもありました。しかし、いつも2~3日経つと痛みもなくなりました。

今までの酷使が積み重なったからだと言われればそうかもしれませんが、今回に限って3ヶ月も痛みが引かないというのはいくらなんでもレベルが違いすぎるような気がしてなりません。仮にMRIで異常はないと言われても、それはそれでいくらか安心はできるのです。

週が明けた今日(月曜)、総合病院に電話して外来の予約を入れ、明後日、MRI検査を受けることになりました。

何度も言いますが、オーバーユースと変形膝関節症の違いがよくわかりません。ネットの見過ぎなのかもしれませんが、変形膝関節症のストレッチを行なったりすると、オーバーユースでは逆効果になる場合もあるのではないか。そう思ったりします。

先週も、ドクターと次のようなやりとりをしました。

「なるべく膝に負担をかけないことですね。そう言うと、じゃあ、トイレに行くのも這って行くのですか?と極端なことを言う患者さんがいるのですが、日常生活で必要な歩行は仕方ないでしょう。でも、筋力を落とさないために少しくらい痛くても歩こうなどと考えるのは間違っています。✕✕さん(私のこと)は、まだ若いので仕事をするのにある程度歩くのは仕方ありません。また、人より体格がいいので体重も重くて、その点も直りが遅い要因になっていると思います。ただ、足腰を鍛えようと無理して歩いたりするのは禁物ですよ」
「じゃあ、先生、たとえば膝をロックして足を上げて大腿四頭筋を鍛えるとかいうストレッチなどはどうなのですか?」
「スクワットのような体重がかかるストレッチは論外ですが、そういった体重がかからないストレッチは痛みを軽減する効果はあります。ただ、それでオーバーユースの症状が改善されるということはありません。それとはまったく無関係です。基本は膝を休ませることです。筋力を付けるというのは、膝が良くなってからの話ですよ」
「膝を痛めて3ヶ月になりますが、3ヶ月かかってこんな状態というのは普通にあり得ることですか?」
「あり得ますね。膝痛の場合、症状の程度だけでなく、その人の生活や体形・体格など別の要素も関わってくるので、治りが早い人もいれば遅い人もいる。千差万別です。膝には体重の3倍の負荷がかかると言われていますので、体重を落とすことも大事ですよ」

体重も落とせないで膝痛を治そうと思うなと言われているようで、穴があったら入りたいような気持になりました。

ドクターが言うには、前も書きましたが、膝痛の7割はオーバーユース、つまり使いすぎなのだそうです。変形膝関節症などは一部にすぎないと言っていました。使いすぎには老いも若きもない、誰でも膝痛になるそうです。

こんな状態ではいつになったら再び山を歩けるようになるかわかりませんが、とにかく、「絶望の虚妄なること亦希望に同じ」(魯迅)の精神で、目の前の課題をひとつひとつこなして気長に待つしかないのです。もどかしいけど、それしかないのです。でも、気分は暗い。


関連記事:
膝を痛めた(その4)- 水が引かない
膝を痛めた(その3)- 整骨院
膝を痛めた(その2)- 膝痛とネット
膝を痛めた
2021.06.14 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
膝痛は既に2ヶ月以上経ちましたが、いくから改善されたものの、完治にはまだ程遠い状態です。自分の感覚では50%くらいです。そのあたりで行きつ戻りつしている感じです。

水(関節液)も7回ぬいていますが、すぐに溜まって、イタチごっこを繰り返しています。ヒアルロン酸も水をぬくたびに注入していますので、既に7回注入しています。明細書を見ると、現在の関節注射は「スベニールディスポ関節注25mg」が2回。その前は「アルツディスポ関節注25mg」をワンクール(5回)注入しました。

痛みは半分程度に緩和されたものの、水は相変わらず溜まっていますので、あまりヒアルロン酸の効果が出ているようには思えません。ドクターはいつも首を捻っていますが、そんなドクターの様子を見るたびに私は暗い気持になるのでした。

ただ、痛み止めを飲んでいる限り、通常の生活の範囲内であれば、それほどひどい痛みを感じることはなくなりました。前のように突き上げるような激しい痛みは姿を消しました。

今、いちばん気になるのは張りや突っ張っりです。また、歩いていると、膝のなかの筋肉か軟骨かなにかが緩んだようなグリグリした感覚が出ることがあります。おそらくそれも水が原因なのだろうと思います。

そう考えると、膝に溜まっている水がなくなれば今の状態がかなり改善するような気がするのです。

とは言え、少しでも歩数が多くなると、てきめんに膝の状態が悪くなるのも事実です。通常は毎日4500歩くらい歩いています。膝を痛める前は1万歩前後は歩いていましたので、運動量は半分くらいになっています。ただ、用事などがあって2000~3000歩余分に歩くと、途端に状態が悪くなり痛みも出て来るのです。腫れも大きくなっているのがわかります。

膝痛は個人差があり、自然治癒を待つしかないので、このように行きつ戻りつしながら鈍牛の歩みで進むしかないのかもしれません。それは自分でもわかっているつもりです。しかし、ストレスは溜まる一方で、ずっと気持が萎えたままです。思うように歩くことができないということが、こんなに大きなストレスになるとは思ってもみませんでした。いつの間にか暗い方に暗い方に、また、悪い方に悪い方に物事を解釈している自分に気付いて、ハッとすることがあります。

普段は、ドクターから指示された、膝をロックして足を5秒上げるおなじみのストレッチなどをやっていますが、最近は膝痛改善の本に書いていた軽めのスクワットも時折それに加えています。

ストレッチは、サポーターと同じように膝の関節を支える大腿四頭筋などの筋力を鍛えるのが目的だと書いていましたが、だとすれば効果が出るまで相当な時間がかかるのではないか、とまたネガティブに考えたりするのでした。

それに、ストレッチが逆に膝に負担を与え炎症の治りが遅くなることはないのかとか、そもそも膝関節症とオーバーユースによる炎症はどう違うのかとか、前も書きましたが、次々と疑問に襲われるのでした。

膝痛になったら、そんなモヤモヤした状態のなかに置かれるのです。よく言う「水抜きとヒアルロン酸でお茶を濁されている」ような気持になるのです。出口のないトンネルのなかを行ったり来たりしているような感じで、ホントに出口に辿り着けるのだろうかと不安になったりするのです。そのため、整形外科と整骨院を渡り歩く”渡り鳥患者”が出て来て、テレビの通販番組の格好のターゲットになったりするのでしょう。

「手術をした方が早いんじゃないか」「先生を紹介するよ」と言ってくれる知人もいますが、しかし、それはいくらなんでもオーバーではないかと思います。停滞しているとは言え、改善していることは事実なのです。痛みも以前より和らいでいるのです。そこに希望を持ちたいと思っています。最初に診断を受けたとき、膝関節症などではなく、単なるオーバーユースだろうと言われたのですが、そのことばを信じたい自分がいるのです。

また再び山に行きたいと思っているので、よけい焦る気持も強いし、ときに気持が沈むこともあるのでしょう。

膝痛になって思ったのは、他の病気のように、高度な医療の進歩みたいなものを実感することはほとんどありません。膝痛や腰痛や肩痛などの治療は、整形外科のすぐ近くにリハビリと称して整骨院の施術が存在しているように、注射や薬物よりストレッチやマッサージなど、どちらかと言えば理学療法が大きなウエイトを占めるような世界です。そのため、患者個人の治療に対する前向きな姿勢も大事だと言われるのです。その意味では、もう一度山に行きたいという気持は決して悲観するものではないはずで、そう思ってみずからを鼓舞しているのでした。
2021.05.24 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
他人の膝痛などあまり関心はないかもしれませんが、今日、再び近所の整形外科に行きました。痛みがいっこうに改善しないからです。

診察した結果、やはり水がたまっていると言われました。そして、水を抜いたのですが、ただ、量は前回の半分くらいだと言っていました。

膝の裏が痛いとか座っているときや寝ているときに痛いとか言うのではなく、歩くときに体重がかかったら痛い、それも膝の前下が痛いと言うのであれば、「変形膝関節症」や「半月板損傷」などではなく、やはりオーバーユースが原因だろうと言っていました。

それに、関節砲のなかの水(関節液)も前回より減っているので、改善の兆候はあると言われました。

そして、水を抜いたあと、前回と同じヒアルロン酸のアルツディスポ関節注25mgを注入されました。また、今回は、痛み止めのテープとともにあらたに飲み薬と胃薬を処方されました。これで痛みがいくらでも改善されることを願うばかりです。

ただ、これで服用する薬は、花粉症の薬を入れると6種類、花粉症を除いても5種類になります。飲み薬以外に、花粉症の点眼薬と鼻炎薬、それに今回の鎮痛・抗炎症剤の貼り薬(テープ)があります。なんだか年齢ととももに、段々薬漬けになっていくような気がしてなりません。

前に高校時代の同級生と食事に行ったとき、食後、同級生がやにわにテーブルの上に薬を並べ、ひとつひとつ飲み出したのを見て笑ったのですが、もう他人事ではなくなってきました。

余談ですが、先日、地元にいる高校時代の同級生から突然電話がかかってきました。電話に出ると、「おおっ、生きているか?」と言われました。電話の向こうからは、「ハハハ」という奥さんの笑い声が聞こえてきました。

何でも千葉でひとり暮らしをしていた同級生が孤独死したのだそうです。よくわからない話ですが、「血がつながってない娘」が訪ねて来て遺体を発見したのだとか。それで、ひとり暮らしをしている私に電話をかけてきたようです。

私自身、亡くなった同級生とはほとんど交流はなかったのですが、毎年1回は親の墓参りのために九州に帰省していて、既に親も亡くなって実家がないので、ホテルに泊って、親しい同級生と会っていたみたいだと言っていました。「そういったところもお前とよく似ているからな」と言われました。

私は、若い頃何度も入院した経験があるし、親戚に医療関係者が多いということもあって、病院の敷居は低く、なにかあるとすぐ病院に行くクセがあります。そのため、どうしても服用する薬が多くなるのでした。ちなみに、手持ちの診察券を数えたら8枚ありました。

今日、病院の近くの処方薬局に行って薬ができるのを待っていたら、70歳をとうに越えたような婦人がやって来ました。受付で処方箋を出した際、「お薬手帳は持っていますか?」と訊かれていましたが、どうやらお薬手帳は持って来てないみたいでした。すると、そのあと、受付の女性が老婦人のもとにやって来て、「保険証を見せていただけますか?」と言っていました。老婦人は、「3年ぶりですからね」と言って、笑いながらバックのなかから保険証を出していました。

私は、その様子を横目で見ながら、「3年ぶりって凄いな」と思いました。もちろん、ほかの薬局に行っていたのかもしれませんが、その年齢でもし3年間医者にかかってなかったとしたらたしかに凄いことです。私などには考えられません。

年をとって病院に行くと、文字通り「ドツボにはまる」ようなところがあります。病院は「もう来なくて大丈夫ですよ」とは決して言わないのです。かかりつけ医があるにもかかわらず、時間の都合でほかの病院を受診し、かかりつけ医で看てもらっているからと言ったにもかかわらず、再来を指示され、再び受診したらかかりつけ医と同じ薬を処方された(しかもひと月分)ということがありました。

どう考えても重複しているのです。意地悪な解釈をすれば、”患者を奪う”ような意図さえ感じました。それで、処方箋を無視して、以後その病院に行くことはありませんでした。医療費の増大のひとつの側面を垣間見た気がしました。

私は、今回膝痛を経験するまで知らなかったのですが、整骨院などは保険適用にきびしい条件が課せられているようです。健康保険が適用されるのは、急性期の外傷性の負傷に限られ、しかも、骨折や脱臼などは医師の同意が必要なのだそうです。また、同じ負傷で整形外科や外科で治療を受けたあとに、整骨院や柔道整復師に「重複並行的」にかかった場合、保険が適用されず全額自己負担になるそうです。

そのため、整骨院などは、経営上、自由診療の体制に移行するのが急務だと書いていました。整骨院に行くと、回収券の購入を勧められるという話も聞きますが、そうやって携帯のキャリアと同じように患者の囲い込みが行われているのでしょう。ひとつの部位の施術に行ったのに、いろんな部位は関連しているからと言われて、ほかの部位の施術も行われるのを「部位回し」と呼ぶのだそうですが、患者の安易な”治療院巡り”だけでなく、そういった業界の姿勢も医療費の抑制をめざす厚労省に目を付けられたのかもしれません。

私が住んでいる街の駅前通りは、美容院とドラッグストアが異常繁殖しています。美容院の乱立によって、昔ながらの理髪店の廃業が相次ぎ、理髪店はもう残り僅かになりました。理髪店には1980円のような安売りの店もありますが(私が行っているのは3700円)、美容室にもそれと同じか、それ以上に安い店もあるみたいです。店のなかを除くと、頭の禿げた爺さんが椅子に座って順番を待っていたのでびっくりしました。私などの感覚では、頭の禿げた爺さんが美容院(昔のパーマ屋)に行くなんて考えられないことです。

しかし、駅前通りに異常繁殖しているのは、美容院とドラッグストアだけではありません。整骨院も同じです。そこには、膝や肩や腰の痛みに悩む老人たちが多くなった高齢化社会の背景があるからでしょう。それは、テレビ通販のサプリや健康食品の増殖と軌を一にしているように思います。階段を下りるのも手すりを持ちながら危なっかしい足取りでしか下りられなかったのに、サプリを飲んだ途端、孫と一緒に公園を走りまわるようになったというCMが象徴するように、高齢化社会における”痛みの市場”は私たちが想像する以上に大きいのでしょう。

飲み薬と湿布薬で痛みが緩和され、炎症も治癒されればいいなあと思います。こうやって身体に不調を覚えると、気分も落ち込まざるを得ません。何より日常生活が不便でなりません。


関連記事:
黒田三郎「夕暮れ」
2021.03.26 Fri l 健康・ダイエット l top ▲
膝痛ですが、その後、まったく痛みが消えません。前の記事に書いたとおり、当初は楽天的だったのですが、徐々に深刻になってきました。

痛みの箇所は、膝の前下のやや内側、シロウトの見方ですが、膝の関節図を見ると、関節軟骨のあたりのような気がします。

座っているときや階段を登ったり下りたりするときはほとんど痛みはありません。歩いていて、足を着地し膝が延びるときに痛みが出るのです。つまり、交互に足を出すのに、一瞬片足立ちになり全体重がかかるときに痛みが発生するのでした。

両膝を比べると、再び右膝が少し腫れているように思います。水がたまりはじめているのかもしれません。

月曜日に病院に行った際、次回は1週間後と言われましたが、明日でもまた行ってみようかなと思っています。

経験者に訊いてみようと膝の手術した知人に電話をしたら、病院や整骨院に対する悲観的な話ばかり聞かされて暗い気持になりました。彼は、何年も前から膝痛に悩み、病院や整骨院を渡り歩いたけど改善せず、結局、人工関節?を入れる手術をしたそうです。「もういくらお金を使ったかわからないよ」と言っていました。

ネットで検索しても、たとえば温める方がいいのか、冷やす方がいいのかさえわかりません。温めた方がいいと書いているサイトもあるし、冷やす方がいいと書いているサイトもあります。なかには、冷やしてくださいと書いているけど、後半になったら温めてもいいですと書いているサイトもありました。また、ストレッチをした方がいいのか、しない方がいいのか、それもはっきりしません。どっちなんだとツッコミを入れたくなりました。

と言っても、それらは一時問題になったキュレーションサイトです。Googleで検索して出て来るのは、キューレーションサイトばかりです。そういったなりすましの”腹にいちもつ”の情報しかないので、どれが真実なのか、そもそも真実はあるのか、そのあたりから疑わざるを得ないのでした。

余談ですが、一般的なテキスト主体のサイトでもそのあり様なので、動画に特化したYouTubeはもっと情報が限られるのです。これは登山などにも言えますが、YouTubeだけの情報でものごとを判断するのはきわめて危険だなとあらためて思いました。

夜になり病院も既に閉まっているので、近所の整骨院に行ってみようかと思って、文字通り重い足取りで(右足を引き摺りながら)自宅を出たのですが、整骨院に向かっていたら、ふと知人の話を思い出して、行っても無駄ではないかという気持に襲われたのでした。それで、踵を返してドラッグストアに行き、「熱さまシート」と「あったかカイロ」を買って帰りました。両方買ったのは、温めていいのか、冷やしていいのかわからないからです(笑)。

品出しをしていた店員に「すいません。冷やすものはありますか?」と訊きました。
「冷やすものですか?」
「そうです。熱が出たときに貼るやつです」
「ああ、はい、はい、こちらですね」
そう言われて、「熱さまシート」が並べられたコーナーを案内されました。

今度は温めるものです。
「すいません。もうひとついいですか」
「はい」
「温めるものはありますか?」
「エッ、温めるものですか?」
店員も戸惑っている感じでした。心のなかでは、「この人、どうなっているんだ?」と思っていたのかもしれません。
「そうです。ホッカイロみたいものがあるじゃないですか」
「あっ、はい、はい。ただ、もう季節の商品は入れ替えが行われたのであるかどうか・・・・」
と言われて、「熱さまシート」からかなり離れたコーナーに連れて行かれました。

「たしか、このあたりにあったと思うのですが・・・・。あっ、ありました!」
指差された方を見ると、虫除けのムシューダやタンスにゴンゴンなどが並べられたワゴンの一番下に、如何にも売れ残りという感じで「あったかカイロ」の箱がありました。手に取る際、埃をかぶっているんじゃないかと思ったくらいです。

しかし、家に戻り、「熱さまシート」と「あったかカイロ」を前にして、これからどうすればいいんだと思いました。温めて冷やすのか、冷やして温めるのか。ハムレットのような心境になっています。もうマンガみたいな話です。

(その後、「膝 水 痛い 温める 冷やす」と検索したら、某病院のサイトがヒットしました。それによれば、急性期は冷やす、慢性期は温めると書いていました)

ただ、言うまでもなく、こういったことは気休めでしかありません。炎症なりが治癒しないことには、同じことがくり返されるだけです。しかし、治癒するのも特効薬はなく、どうやら自然治癒を待つしかないような感じです。保存療法というのは、そういうことではないのか。

病院では変形膝関節症でも半月板損傷でもないと言われましたが(そう言われてホッと安堵したのですが)、ホントなんだろうかと疑いの気持さえ持つようになりました。何事においても悲観的な性格がここでも頭をもたげているのでした。
2021.03.24 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
先々週に三ツドッケに登ったあと、右膝に違和感がありました。私は、若い頃、左膝を痛めていますので、山でも常に左膝をかばうように歩いています。それは無意識のうちにそうやっているのです。

登りながら写真を撮るので、ストックも1本しか使っていませんが(下りは2本使っている)、そのストックも左手で持つ場合が多いのです。また、登りや下りでも、段差があるところはいつも右足から先に出しています。そのため、右足(膝)に過重な負担がかかっているのは自分でもわかっていました。

そして、2~3日すると痛みが出てきました。もちろん、今までも膝痛を経験していますので(それは大概左膝でしたが)、時間が経てば治るだろうとタカを括っていました。

ところが、日を追うごとに痛みが増してきたのでした。痛み止めのロキソニンのテープを貼ってもほとんど効果がありません。椅子に座っているときや階段を下りるときはそうでもないのですが、道を歩くと右膝がビンビン痛みます。そのため、おのずと右足をひきずって歩くようになりました。

ベットに足を伸ばして寝ていても、痛みはないものの、膝裏にだるさのような、そんな違和感がずっとありました。

それで、今日、近所の整形外科に行きました。受診の結果、膝に水がたまっていることがわかりました。たしかに、左右の膝を比べると、あきらかに右膝がいびつに腫れているのがわかりました。

私は、もう6~7年泌尿器科の病院に通っていますが、泌尿器科のドクターと比べると、今日のドクターは対応も説明も非常に丁寧で、こっちが恐縮するくらいでした。

上記の登山の話をしたら、恐らく膝の「処理能力」に比して過重な負担がかかったために、水がたまったのではないかと言われました。こういう場合、往々にして「変形膝関節症」や「半月板損傷」や「関節リウマチ」などが疑われるけど、膝の痛みの7~8割は年齢に関係のない過重な負担が原因なのだそうです。年齢とともに膝の「処理能力」が低下するので、高齢者に膝痛が多いのは事実だけど、しかし、膝痛は高齢者だけの話ではない、膝の痛みに関しては老いも若きも関係ないと言っていました。

「処理能力」を超えた過重な負担(オーバーユース)について、膝の「赤字」という言い方をしていました。「赤字」を「黒字化」しなければならないのです。「黒字化」する方法はふたつあります。出費を控えて倹約することと収入を増やすことです。出費を控えるというのは、膝を休ませることです。あるいは、ダイエットして体重を減らすことです。収入を増やすというのは、より筋力を付けるためにストレッチなどを行うことです。しかし、「赤字」のときにそれをやるのは逆効果だと言っていました。よけい膝を悪化させるだけだと。しかし、ネットには、膝痛にはこういうストレッチがいい、こうすれば膝痛が解消されるなどと、「収入を増やす」いろんな方法が出ています。

私も、何かあるとすぐネットで調べる(ググる)癖がありますが、膝痛に関しても、検索すると、ドクターが言うように「変形膝関節症」や「加齢による軟骨の減り」や「半月板損傷」などといったワードが真っ先に出てきて、どうしてもそれらと結び付けたくなります。でも、それは、間違ってはいないけど偏った情報なのです。そのため、結果的に正しいとは言えないのです。そういったワードが多く出てくるのは、Googleのアドセンスやアドワードとの関連があるからでしょう。

それは、ネットの特徴というか、広告と連動した検索エンジンの”宿命”とも言えるものです。政治でも登山でも、あるいは社会的な事件でも芸能人のゴシップでも同じでしょう。つまり、私たちに求められているのは、「間違ってはいないけど偏った情報であるがゆえに、結果的に正しいとは言えない」ことを見極めることができるかどうかなのです。それがいわゆるネットリテラシーというものだと思います。間違ってもGoogleは神ではないのです。単なる広告会社なのです。「Don't be evil」という行動規範も、建前に過ぎないのです。

話は戻りますが、膝の関節は関節包という膜に覆われており、その関節包のなかに潤滑油の役割をする関節液があり、それが関節を湿らす程度に常に分泌され吸収されているのだそうです。しかし、膝に炎症などができると、関節液が過剰に分泌され吸収されずに関節包のなかに溢れるのだそうです。それが「水がたまる」という言い方になるのです。そして、たまった水(関節液)が関節を支える筋肉を圧迫するので、痛みが発生するのです。

膝に残っている水を注射器で吸引し(注射器2本分の黄色い関節液が吸引されました)、ヒアルロン酸1本分を注射されました。1週間後に再度診察して、状況が芳しくなければ、週1本、全部で5本分のヒアルロン酸を注射した方がいいでしょうと言われました。

また、念の為にレントゲンを撮りましたが、ドクターからは「年齢を感じさせないきれいな膝ですね」「全然問題ないですよ」と言われました。もう二度と山に行けないのではないかと思っていましたので、安堵しました。しばらくは山行を中止して、膝を休めるしかなさそうです。

たしかに、このところ急登や距離の長い山行が多かったので、膝に過重な負担がかかったのだと思います。今日の話とは矛盾しますが、年を考えずに走りすぎたのかもしれません。

特に、先日の三ツドッケの下りが決定的だったように思います。やはり、自分のペースでゆっくり歩くべきだったと反省しています。どこかでコースタイムに拘っていた軽薄な自分がいたように思います。前に山で会ったガイドの人が、「年寄りのハイカーは無茶な人が多いですよ」と言ってましたが、そんな無茶な人に惑わされたという側面はあるのかもしれません。

余談ですが、山での歩き方については、下記のサイトが参考になるように思いました。特に、重心移動の仕方については目から鱗でした。何事でもそうですが、理論はたしかに大事なのです。理論は言い換えればコツなのです。私も最近は登りでも「横向き」を多用していますが、そうするとずいぶん楽になりました。

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2021.03.22 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
昨日、健康診断に行きました。いつも行く病院の健診センターです。

採血の際、担当の看護婦から「エエッ、この年齢ホントですか?」といきなり言われました。「肌の艶なんか全然若いですね」と。おせいじなのかと思ったけど、その驚きようは演技とは思えません。健診のカードを見やりながら、「年齢が10歳間違っているんじゃないかと思いましたよ」と言ってました。心の中ではニヤニヤしながら、「でも、中身はボロボロですよ」と言ったら、「アハハハ」と笑っていました。

「そうか、10歳サバを読むのもアリだな」と思って、すっかり気を良くして次の体重測定に進みました。すると、今度は別の看護婦から「あれっ、前回より6キロも増えていますね」と言われました。前回(半年前)は、山に登り始めたということもあって、10キロ以上いっきに体重が減ったのでした。しかし、その後、体重が戻ってきたことは自分でも感じていました。糖質を控えるどころか、運動にはエネルギーのもとになる糖質が大事だということがわかり、逆に積極的に糖質を摂るようになったからです。

とは言え、やはり体重増加の現実を突き付けられるとショックでした。しかし、山に行く身でダイエットはタブーです。ダイエットしながら山に行くのは、眠らないで山に行くのと同じで無謀な行為です。

少し落ち込んだまま健診は終了し、最後はドクターの問診です。問診の際には、血液検査の結果についての説明もあります。ドクターは、検査結果の用紙を見るなり、「すごいですね」「すべてA判定です」と言いました。今までE判定やD判定だったLDLコレステロール(悪玉コレストロール)や中性脂肪(TG)や血糖値も、すべて正常値に戻っていました。

やはり、運動は大事なんだあ、とあらためて思いました。と言っても、平地でのウォーキングレベルではあまり効果は期待できません。私は、山に行く前から毎日1万歩前後は歩いていましたが、ダイエットはもちろん、健診の数値にもなんら変化はありませんでした。また、筋力や心肺能力にしても、「やらないよりはマシかも」といった程度です。同じ運動でも、ある程度身体に負荷がかかるくらいでないと効果は表れないのです。

問診を終えて、一転気分上々になっている自分がいました。病院から出たとき、思わず口笛を吹いてスキップでもしそうな気分でした。いつも山に行ってヘロヘロになり、山に来たことを後悔している自分はどこかに行っていました。さらには、再び「紅の豚」のような醜い身体に戻りつつある自分のこともすっかり忘れていたのでした。
2020.02.23 Sun l 健康・ダイエット l top ▲
最近、ダイエットの話を書いていませんでしたが、この3カ月で10キロ以上体重が減りました。今の体重は、たぶん30年前と同じくらいのレベルです。

先日、健康診断に行ったら、問診したドクターは、前回の体重と見比べながら「ずいぶん減りましたね」と驚いていました。ダイエットしていると思ったらしく、「もうこのくらいでいいですよ。あまり体重を減らすと体力がなくなりますからね」と言われました。

でも、ダイエットしたわけではありません。山に行くようになって自然と体重が減ったのです。食事制限もほとんどやっていません(ただ、食事内容には気を付けしていますし、間食もなるべく控えるようにしています)。

山に行くようになってみるみる体重が減り始め、そして、今のレベル(と言っても、BMIの「標準」レベル)まで下がると、ピタリと止んだのでした。やっぱりダイエットには運動することが一番なんだなとつくづく思っています。

山に行ったときだけ、「行動食」としてチョコレートやあんぱんを食べています。また、山から下りたら、ラーメンとチャーハンという禁断の炭水化物セットを食べたりもしています。運動すれば、禁断の炭水化物セットも禁断ではなくなるのです(と勝手に思っている)。

ろくに運動もせずに飽食してメタボになる現代人に比べて、昔の人はよく運動していました。しかも、それは、近所の奥さんたちがやっているようなウォーキングなどとは比べものにならないくらいハードなものでした。10キロも20キロも平気で歩いていたのです。

私の田舎は、九州の山の麓にある標高400メートルの温泉場ですが、農閑期になると周辺の村から村人たちが温泉に入りにやって来ていました。一日がかりでやって来て、知り合いの家で(ついでに野菜などを手土産で持って来て)、持参した弁当を食べたりしていました。当時は、車など持っていませんでしたから、みんな徒歩でやって来ていたのです。

中学校も、私が入る数年前に町内の二つの学校が合併したため、10キロ以上も離れているような集落から通学する同級生もいました。それで、学校は「僻地校」の指定を受けているという話を聞いたことがあります。

もちろん、普段の生活でも、私が歩いている埼玉の山と同じようなところを毎日行き来していました。私は子どもの頃、祖父が所有する山の下刈りに一緒に行ったことがありますが、今、登山の格好をして歩いている道と同じような道を登って行きました。昔の人がメタボと無縁だったのは当然でしょう(当時はダイエットなんてことばさえありませんでした)。

人間は、その歴史の大半を自然の中で生きてきたのです。そんな人間が、現代のように自然と切り離され人工的にシステム化された社会で暮らしていると、日々ストレスを覚えるのは当然である、とどこかの大学の先生が書いていましたが、山に行けば、ストレス解消だけでなく、このように運動=ダイエットの効能も得られるのです。

2019.09.10 Tue l 健康・ダイエット l top ▲
2019年5月山下公園


性懲りもない話ですが、再び、三度、四度、五度、六度、七度、ダイエットをはじめました。

健康診断でLDLコレストロールの数値が高いと指摘を受けたので、後日、かかりつけの病院で検査を受けたら、血管年齢が80歳だと診断されたのでした。それで、コレストロールを下げる薬を飲みはじめることになったのですが、以後、病院に行くたびに、ドクターから「今、体重はどのくらいですか?」「運動していますか?」「食事は気を付けていますか?」と訊かれるようになり、否応なくダイエットせざるを得なくなったのでした。

もっとも、自分でも怠惰な生活をしているのはよくわかっていましたので、このままではヤバいなと思っていました。

運動に関しては、比較的よくしている方だと思います。と言っても、歩いているだけですが、毎日1万歩歩くように心がけています。問題は食べる方です。もともと大食漢でしたので、今でもついつい食べ過ぎてしまうきらいがあるのです。

それで、主食をおにぎりにしました。しかも、一食に付きおにぎり1個と決めました。すると、どうでしょう、瞬く間に5~6キロ体重が減ったのでした。

過去に何度も糖質制限ダイエットを経験していますので、これも想定内でした。リバウンドをくり返しても、逆にそれが、その気になればいつでも体重は減らせるという、妙な“自信”につながっていました。目標は10キロ減なので、既に半分をクリアしたことになります。私も、目標の達成には自信を持っていました。

ところが、そこからピタリを止まってしまったのです。それどころか、少しでも食べ過ぎると、瞬く間に増えてしまうのでした。これではおちおち外食もできません。

しかも、ダイエットの“壁”は、以前より数値が高くなっているのでした。以前は、今より5キロ減くらいの数値(今回の目標体重)に“壁”がありました。

先日、友人宅でダイエットの話をしていたら、友人の奥さんが「年を取ると、ダイエットしても若いときのように体重が減らないのよ」と言ってましたが、その現実を突き付けられた感じです。

もちろん、若い頃に比べて食欲もかなり落ちています。食べ過ぎるとすぐ胃がもたれるようになりました。それでも体重は落ちないのです。

食欲が落ちたにもかかわらず、さらに炭水化物の摂取を制限しなければならない。魯迅ではないですが、水に落ちた犬をさらに打つようなことをしなければならないのです。それでも大きな“壁”が前に立ちはだかり、にっちもさっちもいかなくなったのでした。

薄着の季節になり、体形が気になるのは男でも同じです。スーパーのエスカレーターに乗った際、横のカガミに映った自分の姿に愕然とするのは、いくつになっても同じなのです。

でも、年齢とともに高くなるこの“壁”を前にすると、ダイエットも若者のものなのかと思ったりして、気持も萎えてくるのでした。
2019.05.25 Sat l 健康・ダイエット l top ▲
三日前、朝、トイレに行ったら、血尿が出ていました。それもかなり濃い色です。私は、石が落ちたのだなと思いました。

おととし、ESWLで破砕した際、飛び散った破片の一部が腎臓に入ったみたいだと説明を受けていたのですが、その石が尿管に落ちたのでしょう。

夜、案の定、左わき腹のあたりに痛みがやってきました。しかし、我慢できないほどの痛みではありません。わき腹をさすると痛みを忘れるくらいです。ベットに仰向きに寝てわき腹をさすっていたら、そのまま眠ってしまい、目が覚めたときは既に痛みはなくなっていました。しかし、色はやや薄まってきたものの、血尿はつづいています。

それで、今日、病院に行きました。レントゲンとエコーで検査したら、やはり、石が落ちており、尿管のいちばん細い部分に引っかかっているそうです。石は6ミリくらいなので、多分自然排出されるでしょうと言われました。

いつものことですが、尿がせき止められるので、腎臓内に圧がかかり、腎臓が少し腫れていると言われました。つまり、水腎症の症状が出ているのです。私は、若い頃、腎炎を患い三度入院したことがありますので、むしろ、そっちの方が気になりました。

また、下腹部に張りのようなものを感じるのですが、それも結石の影響だろうと言われました。

石が無事排出できれば、しばらくは尿管結石の恐怖から解放されます。腎臓に石がなくなるのは10数年ぶりです。

尿の流れをよくするため、ツムラの芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)エキス顆粒という漢方薬を処方されました。筋肉を緩め利尿作用を促すというわけなのでしょう。また、痛み止めの座薬(アデフロニックズポ)も14回分処方してもらいました。座薬は2021年の8月まで有効だそうで、余ったら冷蔵庫に入れて保管して下さいと言われました。そのほかに、通常の薬も処方されましたので、スーパーで買い物したみたいにビニール袋いっぱいの薬を渡されました。

余談ですが、今日は病院と薬局に合わせて1万5千円近く支払いました。病院にかかると、お金もバカになりません。ほかの人に比べても、私は支払い額が多いような気がしてなりません。泌尿器科なので、患者は高齢の男性が多いのですが、窓口で支払っているのはほとんどが数百円です。私だけ、一桁多いのです。もしかしたら、患者の中で私がいちばん貧乏かもしれません。なのにどうしてといつも思うのでした。

それは、薬局でも同じです。今日もベビーカーに子どもを乗せたお父さんが来ていましたが、お父さんは薬だけもらってお金は払っていませんでした。乳幼児の医療費は無料なのだろうかと思いました。近くに小児科があるため、子ども連れも多いのですが、どうみても皆さん、それなりの生活をしている“中間層”に見えます。子どもが小さいということもあるのでしょうが、お母さんたちも専業主婦のようです。でも、皆さんが支払っているのは、私の四分の一から五分の一くらいの金額です。

もちろん、病気の程度によって支払い額が違うのはわかりますが、だからと言って私は、ほかの人に比べて深刻な病気を抱えているわけではありません。社会保障も結婚を前提にした家族単位の制度なので、私のような未婚の単身者は、制度的に不利な面があるのかもしれないなどと思ったりします。

前に調剤薬局で働いていた女性が、「前立腺ガンの患者さんって一回で四万円とか五万円とか払う人がいるんだよ」と言ってましたが、それを考えると空恐ろしくなります。窓口負担の限度額はあるものの、ひと月だけならまだしも、毎月になれば生活が圧迫されるでしょう。

いづれにしても、痛み止めも処方され「人生最悪の痛み」に備えることもできました。用意万端整い、あとは無事排出されるのを待つばかりです。


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2019.05.11 Sat l 健康・ダイエット l top ▲
ゴールデンウィークの合間、病院に行きました。今回は、いつもの医院ではなく、総合病院です。待合室は、多くの外来患者で埋まっていました。そのほとんどが中高年の患者たちです。

長椅子に座っていると、診察を終えた患者のもとに、「(外来)クラーク」と呼ばれる制服姿の女性がやってきて、次回の診察日の説明や処方された薬の説明などをしていましたが、聞くとはなしに聞いていると、意外にも入院の説明をしているケースが多いのでした。

本を読みながら順番を待っていた私は、徐々に暗い気持になっていました。そうやって入退院をくり返しながら、人生の終わりに近づいていくんだろうなと思いました。その宣告を受けているような気さえするのでした。

中には息子や娘が付き添ってやってくる高齢者の姿もありましたが、そんな人たちはホントにめぐまれているなと思いました。ひとりでやってきて、入院の診断を受けるなんて、なんと心細くてさみしいものだろうと思います。かく言う私も、そのひとりです。

ひとりで引っ越しするのも大変ですが、病気したときもひとりは大変です。入院を告げられたあと家に帰る道すがら。あるいは着替えなどをボストンバッグに詰めて入院の準備をする前夜。すべてを自分ひとりで受け止めなければならないあの孤独感。心が萎えるのを必死で耐えている自分がいます。

診察の際、特段症状に変化もなく、先生からも「順調ですね」と言われたので、私は安心していたのですが、再び待合室の椅子にすわって待っていると、赤い制服を着た「クラーク」の女性がやってきて、ファイルに入った説明書を目の前に差し出したのでした。私は、一瞬「エエッ」と思いました。

しかし、それは次回の検査についての説明書でした。私は、いつになくホッとした気分になりました。

そして、なんだか救われたような気持のなかで、診察代を精算して帰宅したら、夕方、病院の薬剤室から電話があり、処方された薬を受け取るのを忘れていたことを知ったのでした。


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2017.05.03 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
2017年3月29日ESWL


ESWLのその後について書いていませんでしたので、参考までに書いておきます。

ESWLのあと、家で排尿する際は、茶こしを使って排石を確認するようにしましたが、小さな破片のようなものが少し出ているだけでした。

ところが、1週間が経った頃、外出先で突然、赤ワインのような血尿に見舞われたのでした。そして、家に戻ると、石の破片がゴロゴロ出てきたのでした。ほぼ2~3日、そんな状態がつづきました。

慣れてくると、大きな破片が尿道にとどまっているのがわかるようになりました。そして、尿を溜めていっきに排尿すると、尿とともに愚息の先端からポロリと破片が出てくるのでした。文字通り「生まれ落ちる」ような感じで、感動すら覚えるくらいです。

上の画像は、茶こしで捕獲した石の破片です。

ESWLを受けた病院の診察は来月ですが、私は既にかかりつけの病院で、石の状態を確認してもらいました。レントゲンで確認すると、尿管にあった石はすべてきれいになくなっていました。ただ、破砕の際、飛び散ったと思しき小さな破片が腎臓内に二つあるそうですが、それは特に問題ないと言われました。

「石のことならなんでも聞いてくださいよ」と言っていた近所の商店主に、そのことを話したら、「(ESWLが)1回で済むなんてめずらしいな~」「いい機械を使っているんだろうな」と言ってました。心なしかことばに力がなく、本音はうらやましいと思っているのかもしれないと思いました。

結石は体質なので、また10年後くらいに石が成長しているかもしれませんが、とりあえず今回の結石に関しては一件落着しました。


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2017.04.29 Sat l 健康・ダイエット l top ▲
今日、ESWL(体外衝撃波結石破砕術)を受けました。ESWLは、一応手術扱いになるそうで、手術承諾書(同意書)の提出を求められました。ただ、私が受けた病院は、入院の必要はなく、日帰り(外来)で行われました。

ESWLを受けるに際して、ネットの体験談などが非常に参考になりました。特に初めて受ける場合は不安になるのも当然です。それで、誰かのお役に立つことができればと思い、私も今日の体験をブログに残すことにしました。

ESWLを受けるのに、食事制限などはありません。薬は事前に2種処方されました。ひとつは、お腹の中のガスの気泡を放出させるガスコンという薬です。これは、前日「3回食後」に服用します(1日分のみ)。もうひとつは、前日の就寝前に服用する下剤が1回分だけです。

ESWLは午後2時からですが、検査があるので、45分前の午後1時15分までに来院してくださいと言われました。

病院に行くと、まず尿の採取とレントゲンの撮影がありました。そして、そのままレントゲン室の前で待っていると、担当の看護師さんがやってきて、レントゲン室内の更衣室に案内されました。パンツ一枚になって、その上に甚兵衛のような病衣を着るように指示されました。

看護師さんに「痛いんでしょうか?」と訊きました。看護師さんは、「痛くないとは言いませんが、人それぞれですね。痛がる人もいますし、そのまま眠ってしまう人もいますよ」と言ってました。

石のサイズや硬さやあるいは石がある場所などによって、痛みは人によって違うようです。

着替えを終えると、レントゲンと同じような機械が設置されたベットの上に仰向けに寝るように言われました。そして、「(痛み止めの)座薬を自分で入れたことがありますか?」と訊かれました。「いいえ」と言うと、「じゃあ、失礼して入れさせていただきます」と言って、横向きにさせられ、パンツを下げられると、ペンキャップのような座薬をいきなり肛門に差し込まれました。私が思わず「ああっ」と声を上げると、「声が出るくらい奥に入れなければダメなんですよ」と言ってました。

さらに、心電図の電極を両胸と左手の指先に付けられ、点滴の針を右腕に刺されました。心電図と点滴の準備が終わると、放射線技師がやってきて、右の腰を浮かしてくださいと言われました。腰を浮かすと、そこに斜めに切られたゴム製の枕のようなものを差し込まれ、腰部が左側にやや傾斜するような恰好になりました。

ベットは左の腰部のあたりがくり抜かれていますので、そうやって左の腰背部から衝撃波を当てるのでしょう。

ただ、衝撃波を正確に当てるためには、身体の位置の調整が必要で、身体を微妙に動かしたりして、調整するのに10分くらいかかりました。調整が終わると、ベルトで身体をきつく縛られ固定されました。

モニター室のなかにいたドクターが私の傍にやってきて、「じゃあ、始めますよ」「よろしくお願いしま~す」と大きな声で言いました。

すると、パチパチという音とともに左の腰背部に微かな痛みが走りはじめました。ネットで、「輪ゴムで弾かれるような痛み」と書いていた人がいましたが、まったくそんな感じです。でも、すぐに慣れ、ほとんど痛みは感じなくなりました。そのあと、衝撃波のパワーが(4段階に)上げられていったのですが、パワーが上がるとパチパチという音も大きくなり、痛みも強くなります。しかし、いづれもすぐに慣れました。

パワーを上げるたびに「痛くないですか?」と訊かれるのですが、「大丈夫です」と答えました。担当の看護師さんは、「よかったです」と言ってました。なかには、ひどく痛がる人もいて、途中でパワーを上げるのをやめることもあるそうです。

1時間近くかけて都合3500発の衝撃波を当てられました。私は、途中、眠くなりうつらうつらしたくらいです。その間、モニター室ではドクターや看護師さんがおしゃべりに興じていました。手術と言っても、緊張感のまったくない手術なのです。

ESWLを終えると、再びレントゲン撮影をされて、担当医の説明がありました。担当医は、PCのモニターに映し出された術前術後の写真を指差しながら、「このように石にヒビが入っています。あとは無事排出されることを願うばかりですね」と言いました。私は、「破砕」ということばから粉々に砕かれるイメージをもっていましたので、「ヒビ」と言われて意外な気がしました。「ヒビ」が徐々に拡大し、やがて割れて尿管を流れはじめるということなのでしょうか。ずいぶん気の長い話だなと思いました。「もし、これでダメなら、内視鏡手術など次の処置も考えなければなりません」と言われましたが、一回でダメだったら二回・三回と再施行もありなのではと思いました。

次回の診察は1か月後を指定されました。薬の処方もなく、治療費を精算してそのまま帰宅しました。治療費は再診料も含めて、3割負担で6万円弱でした。

病院を出たあと、お腹が空いたので、近くの食堂でニラレバと餃子の定食を食べ、そのあとスーパーに寄って夕飯のおかずを買って帰りました。

帰ったら、それこそ赤ワインのような血尿が出ましたが、それも一度だけで、そのあとは普通の尿に戻りました。


※結果については、下記の関連記事を参考にしてください。

関連記事:
ESWLの結果
2017.03.29 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
尿管の石は、来週、ESWL(体外衝撃波腎尿管結石破砕術)で破砕することになりました。

尿管結石は今回で4回目ですが、今回は石が大きいので、自然排出は望めないのです。もっとも、毎月通っている泌尿器科で、もう2年くらい前から、腎臓にある石が直径10ミリを越えているとかで、破砕をすすめられていたのですが、自覚症状もなかったので、ずっと先延ばしにしていたのでした。

先日、そのかかりつけの泌尿器科に行って、「先生、実は、石が尿管に落ちました」と言いました。すると、先生は、「とうとう落ちましたか」と言って、レントゲンで確認してくれました。

石は大きく、しかも尿管の上の方にあるので、「ESWLで大丈夫でしょう」と言ってました。「病院ではTUL(経尿道的尿管砕石術)をすすめられるのですが?」と言ったら、「その必要はないでしょう」「TULは麻酔をして5~6日入院しなければならないので大変ですよ」とアドバイスしてくれました。

なんだかセカンドオピニオンを受けた感じで、かかりつけ医がいると、こんなとき便利です。 ただ、ESWLの場合、一度で完全に破砕されるとは限らないので、何度かの破砕も覚悟しなければならないと言われました。

破砕を受ける総合病院には、救急時も含めて今まで三度受診しましたが、既に医療費が3万円以上かかっています。その病院の場合、ESWLは「日帰り手術」で済むのですが、それでも6万円くらいかかると言われました。破砕のあとも何度か通わなればならないでしょうし、都合10万円は負担しなければならないでしょう。結石も結構お金がかかるもんだなとあらためて思いました。

かかりつけの先生に、「やっぱり、先生から言われていたときに破砕すればよかったですね」と言ったら、「人間というのはそんなもんですよ」と言って笑っていました。
2017.03.20 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
痛み止めも効かず、明け方まで痛みに苦悶していたものの、幾分収まったのでそのまま寝てしまいました。

そして、目が覚めて、病院に行こうかどうしようかと迷っていたとき、そんな「喉元過ぎれば熱さも忘れる」傲岸な考えを打ち砕くように、再び痛みが襲ってきたのでした。吐き気を催すような痛みです。まだ歩くことはできましたが、じっとしていることもできないような痛みでした(知人は、床をのたうちまわったそうですが、そこまでひどくはありません)。

それで、慌てて病院に電話して、受診の予約をしました。行きのタクシーに乗っているときも、検査をしているときも、待合室で診察の順番を待っているときも、断続的に襲ってくる痛みを耐えるのに必死でした。吐き気だけでなく、全身から汗がダラダラ流れてくるのでした。

今日は泌尿器科の専門医なので、昨夜のCTスキャンと今日のレントゲンの結果を、図を使って詳しく説明してくれました。石は腎臓から尿管に移動しているものの、まだ途中で止まったままだそうです。石自体が大きいので、このまま自然排出するのはむずかしいかもしれないと言われました。来週始めの診察日は予約でいっぱいなので、一週間後の診察日を予約しました。

「でも、このまま一週間排出されないということもあり得ますね」
「そうですね。その可能性が高いです」
「じゃあ、その場合、痛みがずっとつづくということですか?」
「そうなりますね」
「ひゃ~、この痛みはなんとかなりませんか?」
「痛み止めで凌ぐしかありませんね」

一週間後、石の状態を見て、破砕する手術が必要になるかもしれないと言われました。その際、体外から衝撃波を当てて破砕するESWL(体外衝撃波腎尿管結石破砕術)と、内視鏡を使ってレーダーで破砕するTUL(経尿道的尿管砕石術)の二つの方法があると言われました。石の大きさや石のある場所(尿管の上か下か)によって、選択肢も違ってくるそうです。

痛みが出たらどうするか、どうやって耐えるか、不安です。昨夜、処方してもらった痛み止めに加えて、座薬の痛み止めも処方してもらいました。

石を排出するには、水分をとることと、運動をすることだと言われました。それで、診察のあと、歩いて帰りました。外は冬の寒さでしたが、まだ残っている痛みで全身は汗びっしょりでした。ダウンを脱いでシャツ一枚で歩きました。途中、何度も道端にしゃがみ込みたくなりました。なんだか頭もクラクラしてきて、気もうつろといった感じでした。

ところが、痛み止めの薬が徐々に効き始めたのか、帰ったら急に眠くなり、そのままベットで寝てしまいました。そして、数時間後、目が覚めたときには、嘘のように痛みがなくなっていました。もちろん、石は排出していません。

ドクターは、石によって尿路の流れが悪くなっているので、水腎症の症状も出ていると言ってましたが、次回の診察日まで一週間、そのまま放置して大丈夫なのかと思いました。

痛みの原因は、尿が尿管に移動した石でせき止められ腎臓に逆流することによって、腎臓に圧がかかるからだそうですが、午後からは不思議と痛みが出ていません。このままずっと行ってくれればいいなあと思いますが、尿管に石がとどまっている限り、そんな甘い考えは通用するはずもないのです。

痛みがなくなったので、本屋へ行こうと駅のほうに向かっていたら、顔見知りの商店主に会いました。その商店主も長年の”石持ち”で、石が大きいため、ESWLで何度も破砕を試みるものの、まだ完全に排出されてないそうです。今日も、血尿を伴って小さな石が出ていると言ってました。「石のことならなんでも聞いてくださいよ」と言ってました。なんだかそう言って、胸を張っているような感じでした。

「でも、ものは考えようで、血尿が出るということは良くなっている証拠なんですよ。それだけ石が動いているということなんです。だから、前向きに考えることにしているんです」と、文字通り口角泡を飛ばしながら自論を展開していました。
2017.03.09 Thu l 健康・ダイエット l top ▲
昨日の午後からお腹が痛くなりました。私は、腎臓に石がある、(金持ちではなく)”石持ち”なので、尿管結石かなと思いましたが、しかし、過去の経験から見て(尿管結石は三度経験しています)、どうも痛みの場所が違うような気がするのです。尿管結石の場合は、下腹から脇腹、そして腰にかけて痛みがあるのですが、今回は胃のあたりが痛いのです。

食べ過ぎかもしれないと思いました。それで、近所のドラッグストアに行き、薬剤師に相談して、漢方胃腸薬を買ってきました。薬を飲むと、痛みも和らぎました。やっぱり、食べ過ぎだったんだと思って安心していました。

ところが、それから数時間後、突然、前にも増した激しい痛みに襲われたのでした。慌てて服を着替え、タクシーを呼んで、隣の駅にある救急病院に駆け込みました。

病院では、血液検査と腹部のCTスキャンを受けました。検査結果が出る間、点滴を受けながら待ちました。

夜の待合室には、4~5人の“先客”と付き添いの人がいましたが、ほとんどがそのままベットに寝かされ、入院病棟の方に運ばれて行くのです。その様子を見ながら、もしかしたら、自分も入院になるのではないか、尿管結石ではなく、大動脈解離で緊急手術になるのではないかなどと考えたりして、だんだん不安になってきました。ひとり暮らしなので、入院になったら、着替えの下着などどうすればいいんだろうと思いました。

検査の結果は、結石でした。このブログで調べたら、前回症状が出たのが2008年の1月でしたので、9年ぶりの再発になります。とりあえず、痛み止めを飲んで様子を見た上で、明日か明後日、泌尿器科を受診してくださいと言われました。初診でもあったので、受診料は薬代を含めて、3割負担で1万円を超えました。

かかりつけの病院でも、前から破砕をすすめられていましたので、今回石が排出されなかったら、破砕治療を受けるしかなさそうです。

ただ、痛み止めを飲んでもまだ痛みが残っています。今夜は、不安な長い夜になりそうです。


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2017.03.09 Thu l 健康・ダイエット l top ▲
今月初め、小泉今日子が上野千鶴子との雑誌の対談で、“反アンチエイジング”宣言をおこなったという日刊ゲンダイの記事が、瞬く間にネットをかけめぐり、大きな話題になりました。

日刊ゲンダイDIGITAL
小泉今日子“反アンチエイジング”宣言に40代女性なぜ共感

もちろん、小泉今日子の発言だからこそ、アラフォーの女性たちの支持を集め、大きな話題になったのでしょう。とは言え、小泉今日子の発言は、おしゃれなんてどうだっていいとか、いつまでも若くありたいという気持は間違っているとかいう話ではないように思います。”反アンチエイジング”が妙な開き直りを招来するだけなら、それこそ元も子もないように思います。

米山公啓氏が言うように、今の“美魔女現象”があまりにもいびつなので、そういったアンチエイジングに疑問を呈しただけなのでしょう。

先日、私は横須賀線の車内でとってもきれいな中年女性に遭遇して、未だにその素敵な姿が瞼に焼き付いています。その女性は、わかりやすい例をあげれば、叶姉妹などとは対極にある中年女性の魅力に溢れた人でした。上品で大人っぽいボブヘアに、如何にもセンスのよさそうな清楚なファッションで、笑ったときの目尻の皺がとっても魅力的でした。

「筋力をつけて代謝をよくしたり、運動してはつらつさをキープしたりするのが健全なアンチエイジングですが、女性が語るアンチエイジングは、美容整形を施したり、高額なサプリを飲んだり、皮膚科のクリームを塗ったりして人工的な要素を含んでいます。運動して筋肉に張りを持たせてシワを少なく見せるのとは、ちょっと違う。小泉さんはそこにくさびを打ち、軌道修正したのです。(略)」


米山公啓氏の言うことは、私たち男性にもよくわかる話です。私の知り合いで、皮膚科でシミ取りをした女性がいましたが、シミがなくなって喜んでいる彼女を見たらよかったなと素直に思いました。そういったアンチエイジングは理解できないわけではありません。しかし、テレビや雑誌などに登場する美魔女は、なんだか痛々しく見えるだけで、ちっとも魅力的ではありません。むしろ、あざとい感じが透けて見えるのです。目尻の皺が魅力的に見えるようなそんな年の取り方ができれば最高ではないでしょうか。

私などは、街で若くてきれいな女性を見ると、「ああ、もう一度若くなりたいなあ」としみじみ思います。そして、ウインドーガラスに映った自分の姿に愕然とするのでした。

「いつまでも若くありたい」という気持も大事ですが、一方で、そうやって「もう若くないんだ」という気持をもつことも、人生にとって大切なことのように思います。

どう考えても、若いときのほうが希望があったし夢があったのです。その意味では、幸せだったのは間違いないでしょう。恋愛でも仕事でもなんでも溌剌としていたのはたしかです。40代もまだまだ若いと思いますが、たそがれていく人生に向き合う姿勢も必要なのだと思います。

何度も言いますが、悲しみは人生の親戚です。悲しみだけでなく、せつなさも、やりきれなさも、みんな人生の親戚です。もちろん、生きる哀しみも人生の親戚です。

アンチエイジングは、今や打ち出の小槌のようなおいしいビジネスになっており、美魔女たちは、その広告塔でもあるのです。それが美魔女たちが痛々しく見えるゆえんなのでしょう。
2016.10.10 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
最近とみに里心を覚えている私ですが、昨日の深夜、田舎の友人から電話があり、同級生らの近況を聞きました。

バブルの頃、金融取引で大もうけをして、さらに闇の商売にまで手を出して、一日に数十万円稼いでいると豪語していた同級生から、20年ぶりに電話があったそうです。会社が倒産し、職を転々とした挙句、今は新聞配達で糊口を凌いでいるのだとか。郵便受けに新聞を入れる際、間違えてインターフォンを押してしまい、お客さんから大目玉を食らったという話を面白おかしく話していたそうで、友人は、「元気そうだった」と言ってました。

ほかにも、家業を継いだものの、うまくいかずに閉店を余儀なくされ、やはり、新聞配達をしながら細々と暮らしているという同級生もいました。彼は、昔は家の羽振りがよくて、「ボンボン」みたいな感じでしたので、今、地元で新聞配達というのはつらいだろうなと思いました。

もちろん、病気の話はこと欠きません。誰々が大腸ガンになったとか、誰々が胃ガンの手術をしたとか、誰々が膀胱ガンで会社を辞めたという話を聞きながら、私は、夢と希望に胸をふくらませ、いつも笑顔にあふれていた高校時代の彼らの顔がひとりひとり浮かんできました。あの頃、みんな、前途は洋々だと思っていたのです。

田舎にいた頃、同級生のお母さんの紹介でお見合いをした女性がいたのですが、彼女も先日、病気で亡くなったそうです(田舎は狭いので、そんな話も入ってくるのでした)。紹介してくれた同級生のお母さんも既に亡くなっています。

そう言えば、2月に帰省した折、海を見下ろす高台にリハビリセンターができていたことを思い出しました。

「●●の近くに立派なリハビリセンターができていたな?」
「ああ、あれか。あれは農協がやってる。すごい敷地だぞ」

「あのリハビリセンターにも、同級生が3人入ってる。みんな、脳梗塞や脳出血で倒れたんだ。××なんかもう1年半も入っている」

もちろん、自分の病気だけではありません。親の介護で苦労している者も多いはずです。

「みんな、苦労しているぞ」

その友人のことばに、いつになくしんみりした気持になりました。まだ老後とは言えない年齢ですが、なんだか早くも出鼻をくじかれた感じです。

年をとることは、どうしてこんなに哀しくてさみしいものなのでしょうか。年をとったというだけで、どうしてこんなに苦労しなければならないのか。

今年の正月、別の友人から届いた年賀状に、「お金がなくても笑顔で楽しく老後を過ごしたいものです」と書いていましたが、そうすごせたらどんなに幸せだろうと思います。でも、この現実を考えると、それはとても難しいことのように思えてなりません。
2015.05.13 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
最近は、なにかに取り憑かれたように、という表現が決してオーバーではないくらい、よく歩いています。今日も、東銀座から広尾まで歩き、さらに広尾で用事を済ませて、中目黒まで歩きました。昨日は、東京駅から六本木まで歩きました。おかげで足の裏にマメができてしまいました。

帰省した際、久しぶりに会った姉から「アンタ、老けたねぇ~」としみじみ言われたのですが、その姉のことばが未だ残響のように耳の奥に残っています。年をとるのもある時期をすぎると弾みがつくのか、特にこの2~3年で急激に老けたように思います。街中でふとウィンドウガラスに映った自分の姿を見ると、なんだか玉手箱を開けた浦島太郎のような心境になります。そこには、いつの間にか翁(竹取物語?)、いや、老人の姿になった自分がいるのです。それは、昔近所にいたおじいさんとそっくりなのです。なんのことはない、自分がそのおじいさんになっていたのです。若づくりの服装と衰えた容貌がとてもアンバランスに映っていました。

先日、知り合いと「直葬プラン」の話になりました。「直葬」というのは、通夜や告別式を省き、火葬のみで済ませる簡略化した葬儀のことです。最近は「直葬」が多くなり、東京では既に30%が「直葬」なのだそうです。それで、警備会社と葬儀会社が提携して、単身者向けの「直葬プラン」なるものも発売されているのだそうです。費用は30万円で、遺体の搬送と保管、そして火葬がセットになっており、さらにあと数万円払えば、遺骨は5年間納骨堂に収められ、そのあと合祀されるオプションもあるだとか。要するに、30数万円”預託”しておけば、火葬から納骨までやってくれるという身寄りのない単身者にはありがたいプランなのです。

「それはいいな。すぐにでも入りたいな」と言ったら、知り合いは、「でも、それだけじゃ済まないでしょ?」と言うのです。

「エッ、ほかになにかあるの?」
「だって、遺品の整理なども必要でしょ」

たしかに、そうです。立つ鳥跡を濁さずではないですが、できるならやりっ放しで死にたくない。絲山秋子の小説に、お互い先に亡くなった相手のPCのHDDを消す約束をしている二人の話がありましたが、私もHDDの中身は他人に見られたくない。

「遺品整理などをやってくれるプランもあるそうよ」
「それもオプション?」
「そう。それも付けるとあと10~20万必要らしい」

そんな話をしていたら、外の黄昏の風景が自分の人生と重なって見え、なんだか死期がせまっているような気持になりました。

歩け、歩け。忍び寄る老いを振り払うには、ひたすら歩くしかないのです。
2015.04.25 Sat l 健康・ダイエット l top ▲
今日、おしっこの勢いの検査に行きました。電車のなかでも下腹部を常に意識しながら濃いお茶を飲みつづけ、駅に着いたら、グッドタイミングで尿意を催してきました。「今度はバッチリだ」と胸を張って(?)病院のドアを押しました。

ところが、診察室の前で待てども、なかなか私の名前が呼ばれないのです。私よりあとから来た人が先に呼ばれる始末です。「どうして?」と思ったら、なんだか焦りが募り、よけい尿意のレベルが上がってきました。「このままじゃやばい!」と思ったとき、やっと私の名前が呼ばれたのでした。

検査室に入ると、ナースから、「エコーの検査をしますので、こちらのベットに横になってください」と言われました。私は、「おしっこはあとなのか」と思いながら、ベットに横になり言われるままに横向きに寝て、ズボンとパンツを下ろしました。ほどなくドクターがやってきて、「ちょっと冷たいですよ」と言いながら、脇腹にゼリーのようなもの(そのものズバリ「超音波ゼリー」と言うらしい)を塗り、先端にローラーが付いた器具(「超音波プローブ」)を滑られせていきました。すると、モニターを見ていたドクターから意外なことばが発せられたのでした。

「おしっこの貯めすぎですね」
「ええっ、そ、そんな・・・」

私は、心のなかでそう叫びました。おしっこを貯めてきてくださいと言われたから、貯めてきたのです。それも何度も失敗を重ねてやっと限界ギリギリでやってきたというのに、なんという言い草と思いました。

「仰向けになってください」
仰向けに寝ると、「超音波プローブ」が下腹部に当てられました。しかも、かなり強い力で押し付けられながらパンパンに張った下腹部を円を描くように滑らせるのでした。

「う、うっ」
私は、思わずうめき声を上げました。そして、うめき声を上げながら、今、ここで我慢しきれずに放尿したらどうなるんだろうと想像している自分がいました。

ドクターは、「こんなに貯まっているのに我慢できるというのは、膀胱の機能も正常と言えますね」なんて呑気なことを言っています。私は、額に汗が噴き出ているのがわかりました。

「ああ~、先生、かなり限界です」
「あっ、はい、はい、じゃあ、終わりましょう」

やっとエコー検査が終わりました。そして、パンツとズボンを引き上げてベットから起き上がると、ナースが紙コップを差し出し、「これにおしっこを取ってください」と言うのです。紙ゴップにおしっこを取るのは、来院するたびにおこなわれる通常の尿検査です。

「エッ、おしっこの勢いの検査があるんじゃないの?」と思った私は、ナースに、「おしっこの勢いの検査をするんじゃないですか?」「だから、おしっこを貯めてきたんですよ」と言いました。ナースは、私のおしっこの勢い、じゃなくてただの勢いに気圧されたのか、紙コップを手にしたまま困惑した表情を浮かべ固まっていました。すると、奥から顔なじみのベテランのナースが出てきて、「ああ、そうなんですか。はい、わかりました」「じゃあ、用意して」と紙コップのナースに指示したのでした。

トレイに入ってバケツのような容器に放尿しながら、私は、あの奇妙な空気はなんなんだと思いました。おしっこの勢いの検査じゃないのか。もしや、おしっこを貯めてくるように言われたのは、エコー検査のためだったのか。おしっこの勢いの検査というのは、自分の独り合点だったのか。

そうなのです、どうやら独り合点だったようです。私があまりに強い口調で言うので、「じゃあ、お望みどおり検査しましょう」と検査したみたいです。

ドクターもおしっこの勢いのグラフを示しながら、「この線の山は勢いがありますよ」「大丈夫ですよ」と言ってましたが、心なしか皮肉のようにも聞こえました。どうしてこの患者はそんなにおしっこの勢いにこだわるんだろうと思ったのかもしれません。

私は、なんだかドン・キホーテのような心境で徒労感を覚えながら、とぼとぼ帰ってきたのでした。

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2014.10.25 Sat l 健康・ダイエット l top ▲
このブログに時折、と言うかわりと頻繁に、「おしっこの勢い 検査」「おしっこ 回数」「おしっこ 出にくい」などというキーワードでアクセスしてくる方々がいます。テレビのCMが言う「大人の悩み」に苦しんでいる人がそれほど多いということなのでしょう。

私の場合は、「大人の悩み」を抱くほどではないのですが、それでも年に1回、おしっこの勢いの検査があります。先月、「おしっこの勢いの検査をしますので、次回はおしっこを貯めてきてください」と先生から言われました。でも、この「おしっこを貯める」というのが大変なのです。膀胱におしっこが貯まったら、当然、尿意を催しますが、その尿意を我慢して「病院に駆け込む」、そのタイミングが至難の業なのです。

今日も午後から病院に行こうと思っていました。それで、朝、早めにトイレに行き、そのあとはずっと我慢して検査に備えていました。そして、いよいよ出かける段になり、顔を洗おうと洗面台で水道の蛇口をひねったときです。なんということでしょう。勢いよく迸り出る水道の水に、膀胱が激しく反応しはじめたのでした。そうなると顔を洗うどころではなく、私は、バタバタ足踏みしながらあたりをぐるぐるまわりづつけました。でも、我慢できない。もうおしまいだ。

結局、すべては水の泡、いや、トイレの泡となり、また最初からやり直すことになってしまいました。しかし、病院の外来の受付終了まであと2時間です。飲んだ水はどのくらいで膀胱に貯まるのか、ネットで調べたところ、アホー知恵袋、いや、Yahoo!知恵袋に「20分くらい」と書いていました。それならと思い、コーラゼロや濃いお茶などをガブガブ飲みました。

ところが、不思議なことに、いくら飲んでも膀胱におしっこが貯まったという感覚がよみがえってこないのです。時計と睨めっこしながら苦行のような飲水をつづけました。しかし、下腹に変化なしです。そして、なんでこんなことをしているんだろう?という疑問と虚しさのなか、本日の病院行きを断念することにしたのでした。

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2014.10.21 Tue l 健康・ダイエット l top ▲
一昨日、テレビの健康番組で、ものまねタレントの原口まさあきが糖質制限ダイエットに取り組んでいる模様が放送されていました。ただ、そのダイエット法は、奥さんが豆腐やコンニャクを使って”もどき食品”を作ったりと、かなり本格的なものでした。あとで、ドクターが「一般的には長続きできるような方法ではないですね」と感想を述べていましたが、たしかにそれはやりすぎという気がしないでもありません。

別に糖尿病ではないのですから、そこまでシビアにやる必要はないのです。最近、私のまわりでも糖質制限ダイエットをはじめた人が何人かいますが、私は、その人たちに対しても、「3食のうち1食か2食を主食ぬきにする程度で充分ですよ」と言っています。

ダイエットの場合、その程度で充分効果があります。むしろ、そうやってゆっくり時間をかけてやったほうが、太りにくい(リバウンドしにくい)身体になるような気がします。おかずに関しても、基本的な知識は必要ですが、おかずで摂取するのはたいした量ではないので、そんなに神経質になる必要はないのです。

私は一応13キロ減の目標値を達成しましたので、この2カ月、ダイエットは休止していますが、それでもリバウンドはまったくありません。このブログを読んでいただければわかりますが、今までいろんなダイエットを試み、そのたびにリバウンドをくり返していたことを思えば、私にとっても糖質制限ダイエットは画期的なダイエット法と言えるのです。

どうしてリバウンドしないかと言えば、食生活が変わったからです。と言うと、なんだか仰々しいのですが、つまり、以前に比べてご飯やパンや麺類を食べなくなったからです。誤解のないように言っておきますが、まったく食べないわけではありません。以前のように”大食い”をしなくなったいうだけです。もちろん、1~2キロくらい体重が増えることもありますが、その場合は3食のうち1食を主食ぬきにして、それを1~2日つづければすぐ元に戻ります。

糖質制限ダイエットが画期的且つ効果的である理由を私なりに考えれば、三つあるように思います。一つは、主食を減らしても、その分おかずを食べればいいので、空腹感と無縁であることです。空腹に耐えるストレスがないので、途中で挫折することが少ないのです。二つ目は、食生活が変わり、体質も変わって代謝効率がよくなるので、リバウンドがない(少ない)ということです。三つ目は、糖質制限ダイエットは、食物の知識だけでなく、糖新生の仕組みなど代謝の基本的な知識に基づいておこなわれるので、ダイエットに対する科学的な理解によって高いモチベーションを維持できるということです。

何度も同じことを言いますが、糖質制限ダイエットができなけば、ダイエットはあきらめたほうがいいと思います。それくらい簡単にできるダイエット法です。健康体でダイエットを考えている人にすすめるとしたら、もうこの方法しか思いつかないほどです。

糖質制限ダイエットにとっての”天敵”は、むしろ自分の意志より、まわりの”雑音”かもしれません。いわゆるネガティブキャンペーンです。ネットにはこの手のコピペがあふれていますが、糖質制限ダイエットの場合、サプリも器具もなにも必要がないので、ビジネスとしてはあまり旨味がありません。そのため、その分野の”アフィリ野郎”たちが、目障りな存在の糖質制限ダイエットを貶めるべくネガキャンをしているのでしょう。

そして、そんな書き込みを真に受け、糖質制限ダイエットは危険だとかなんとか「知ったふうなこと」を言う人もいますが、そんな人間に限って、糖尿病予備軍のような人間が多かったりするのです。彼らは、自己管理ができない自分をそうやってネットで見つけた「理屈にもならないような理屈」で合理化しているだけなのです。

「ネットがすべて」「ネットこそ真実」の人たちにとって、ネットは逆にその人の人生を不幸にすることもあるのです。その典型がネトウヨですが(でも、本人たちは得意満面で、全然不幸だとは思ってない)、ダイエットをしたくてもうまくいかない人たちもどこか似ている気がします。ダイエットにおいても大事なのは、メディア(ネット)リテラシーなのです。
2014.10.08 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
昨日、都内の某病院に健康診断に行ったのですが、待合室で順番を待つ間、その病院が発行している「会報」があったので、それを手にして読んでいたら、なんとそのなかに「糖質制限ダイエットのすすめ」という記事がありました。執筆者は、その病院に勤務している内科医でした。もちろん、内容は夏目医師の『炭水化物が人類を滅ぼす』とほぼ同じでした。

看護師など病院関係者で糖質制限ダイエットを実践している人は多いと聞きますが、なんだかお墨付きを与えられた気がして、”ドヤ顔”で健康診断を受けることができました。

その記事でも、”カロリー神話”からの脱却がさかんに強調されていました。問題は、カロリーではなく糖質だと。また、記事には、糖質には麻薬と同じような中毒性があり、「50代以降の人たちで、白米を食べなければ食事をした気がしないという人は、間違いなく糖質中毒だ」と書かれていました。たしかに、私も糖質制限ダイエットをはじめてから、「糖質中毒」を実感しました。ただ、糖質制限ダイエットは空腹感とは無縁なので、「糖質中毒」もわりと簡単に乗り越えられます。

検査の結果は後日届きますが、今日判明したなかで、ダイエットの効果が見られた点がひとつありました。血圧が下がったことです。と言っても、私は、高血圧ではなく、ただ健康診断のときに、いきなり血圧をはかると140とか表示することがあり、そのたびに「10回深呼吸をしてください」と言われて、深呼吸をしてはかり直していたのです。それでも120くらいはありました。ところが、今日はいきなりはかっても上が107で下が65でした。別に深呼吸をしなくてもその数字だったのです。

一方で、気になる点もありました。採血の際、腕の血管が浮いてこないので、しばらく水を飲んで時間を置いて、再び採血に臨んだのですが、その際、アルコール消毒した部分が赤くかぶれいることに気付いたのでした。看護師さんから、「今までかぶれたことはありましたか?」と訊かれたので、「いえ、初めてです」と言ったら、「どうしてでしょうね?」と首をひねっていました。それで、看護師さんが佐々木希のようなきれいな娘(こ)だったので、「おそらくアナタのようなきれいな人から触られたので、皮膚が赤面しているんですよ」と言ったら、「そんなことを言われたら手元がくるいますよ」と言ってホントにマスクの下で赤面していました。

ちなみに、半年前の健康診断のときより、ウエストは4センチ減、体重は10.5キロ減でした。
2014.07.04 Fri l 健康・ダイエット l top ▲
その後、体重は10キロ減を維持しています。たまたまジャパネットたかたの「快適ショッピングスタジオ」を見ていたら、野菜ジューサーのコーナーで、高田社長が、「私が食べるのは1日に1食半で、米はほとんど食べません」と言ってました。私は、それを聞いて、「高田社長も糖質制限ダイエットをしているのだな」と思いました。

高田社長に限らず、他人様に身を晒すことが商売の芸能人のなかには、体形を維持するために、糖質制限(炭水化物制限)ダイエットをしている人が多いというのはどうやらホントのようです。

私の場合は、別に他人様に身をさらす仕事ではないし、それに幸いなことに糖尿病でもその予備軍でもないので、高田社長より全然ユルくて、1日に2食か3食食べ、米も1食につきおにぎりを1個食べています。おにぎりと言っても、家で食べるときは自分で握ったおにぎりなので、コンビニのおにぎりより全然大きいのです。また、外食の際のライスも「普通」盛りです。ただ、店によって盛りが違いますので、盛りがいい店の場合は、ライスを少し残すこともあります。

もちろん、パンや麺類はほとんど食べません。それから果物や根菜類(特に芋類)も基本的には食べません。それ以外はしっかり食べています。だから空腹を我慢するということはありません。また、おのずと野菜サラダをよく食べるようになりますので、以前より野菜(葉物野菜)を食べる量は増えました。このように、糖質制限ダイエットとも言えないようなユルいダイエットですが、それでも1ヶ月半で10キロ痩せたのでした。

ただ、糖質制限ダイエットにも難点があります。エンゲル係数が高くなることです。安価な炭水化物で腹を満たすのではなく、言わばおかずで腹を満たすため、どうしても食費がかさむのです。

考えてみれば、(『炭水化物が人類を滅ぼす』でも書いていましたが)、手軽に摂取できるエネルギー源としては炭水化物に勝るものはないでしょう。しかも、安価で腹を満たすこともできる。でも、昔のように過酷な肉体労働をしていた頃ならまだしも、労働の質がまったく変わり運動不足さえ指摘されるような時代に、同じように炭水化物を主食とする食事をしていたら、糖質過多になってブクブク太るのは当然です。過酷な肉体労働が当たり前の時代にエネルギー源として食べていたものを、今はB級グルメだとか言ってもてはやしているのですからメチャクチャな話です。生活習慣病をひきおこすのも当然でしょう。

テレビのラーメン特集だとかB級グルメだとか大食いだとかいったグルメ番組は、いわば貧困ビジネスの一種だとも言えます。どこどこのラーメンがどうだとかどこどこの丼がどうだとか、蘊蓄とも言えないような蘊蓄を傾けている人たちを見ると、私は「B層」ということばを連想せざるをえません。B級グルメじゃなくて「B層グルメ」じゃないかと言いたくなります。ネトウヨと同じように、彼らもまた「煽られる人たち」なのです。当然、そのうしろには、「煽る人」がいるはずです。

テレビのグルメ番組や食品のCMなどを見ていると、薬物中毒の人たちをさらに煽って薬を売りつける薬物の売人のようにしか見えません。糖質制限ダイエットを実践してわかったのは、自分が「糖質中毒」だったということです。「甘くて美味しいっ!」というのはまさにそれなのです。旧知の食堂の主人が、お客に受ける味にするには全体的に甘めに味付けすることだと言ってましたが、私たちは、いつの間にか甘いことが美味しいことだという味覚に馴らされているのではないか。

テレビ東京のグルメ番組や旅番組などで、「わぁ~、美味しい~!」なんて嬌声をあげている女性タレントも、普段はそんな食べ物には目もくれずダイエットに励んでいるのです。しかも、CMやステマにあるような、妙な器具を使ったり妙な健康食品を口にしたり妙な踊りを踊ってダイエットしているわけでもないのです。そのカラクリさえ“理会”できない人たちがなんと多いことか。

糖尿病は”贅沢病”というイメージがありますが、病院関係者に聞くと、実際の患者は金持ちの美食家よりそうではない層の“雑食家”に多いそうです。あの大食いタレント(?)の女の子たちを見ても、DVを受けていたとかイジメに遭っていたとか、なにか人に言えないトラウマを抱えているのではないかと思ってしまいます。もしかしたら、収録のあと、食べたものをゲーゲー吐いているのかもしれません。あれはどう見ても、昔のヘビ女や小人プロレスや(欧米人から見た)相撲レスラーと同じようなフリーク(見世物)と言うべきでしょう。私は、彼女たちを見ていると痛ましささえ覚えてなりません。
2014.06.20 Fri l 健康・ダイエット l top ▲
糖質制限ダイエットをはじめてからちょうど1ヶ月が経過しました。只今の体重は、6.5キロ減です。

白米は1食に付きおにぎりを1個食べる程度で、あとはもっぱら魚と肉と野菜(サラダ)で腹を満たしています。

よく言われることですが、糖質制限ダイエットのメリットは、糖質=炭水化物さえ制限すれば、あとはいくらでも食べていいので(空腹とは無縁なので)、そんなにストイックにならずにつづけられることです。今までの経験から言っても、(極端なことを言えば)糖質制限ダイエットができなければ、もうなんのダイエットもできないような気がします。それくらいハードルの低いダイエットです。

ところで、ダイエットをはじめると、それは健康によくないとかなんとか必ず茶々を入れてくる人間がいますが、そんな人間に限って、なんのダイエットも自己管理もできない口先だけの人間と相場が決まっています。しかも、彼らが口にしているのは、ネットで仕入れたネガティブな似非知識でしかありません。

ニートやネトウヨの例をあげるまでもなく、ネットは必ずしもその人の人生を豊かにするわけではありません。類は友を呼ぶネットで自己を合理化する屁理屈を覚え、ますますリアル社会に適合できなくなる”不幸”だってあるのです。ネットのない時代であったなら、ニートやネトウヨも、妄想と現実をはき違えることなく、自己を対象化して現実を生きる術を身に付けることができたかもしれないのです。

そんな”不幸”は、パソコン遠隔操作事件の片山祐輔被告にも見てとれます。片山被告が、荒川の河川敷に埋めたスマホから送信した自作自演のメールを読みましたが、ネトウヨと見まごうようなひどいヘイト・スピーチの羅列で、彼もまた、妄想と現実をはき違え、ネットで得た”全能感”によって自分を見失った典型的なネット人間と言えます。もっとも、テレビに映った彼を見ると、とてもリアル社会に適合できるような人間とは思えません。はっきり言って、変なのです。おかしい。ネットが先かメンヘラが先かわかりませんが、常に生きづらさを抱えて生きてきたのではないでしょうか。イジメに遭っていたからかもしれませんが、あの薄笑いに相反してなんだかすごくつらそうに見えました。

ダイエットは誰のためでもなく自分のためです。ダイエットはごまかしようのないきわめてリアルで身体的な問題です。牽強付会な言い方になりますが、「ネットがすべて」「ネットこそ真実」の人間は、そんな自己を対象化する契機をもたない、文字通りダイエットなどとは対極にいるヘタレで”不幸”な人間と言えるのではないでしょうか。彼らが「カルト化」するのは理の当然なのです。
2014.05.21 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
糖質制限ダイエットですが、ダイエットをはじめて20日が経過しようとしています。体重は、既に6キロ減になりました。順調と言えば、順調ですが、しかし、それでもちょっと体重の減りがはやいような気がしないでもありません。

食事は、1日に2食。ご飯は1日におにぎり2個。あとは、野菜や魚や肉を食べています。こういった食事をすると、いきおい野菜を多く食べるようになりますし、ドカ食いもなくなります。糖質制限ダイエットにはそういった”副産物”もあるように思います。

ダイエットをして気付いたことがふたつあります。ひとつは、腰が痛くならなくなったことです。別に腰痛持ちだったわけではありませんが、ちょっとでも腰を曲げて物を持ち上げたりすると、すぐ腰が痛くなっていました。しかし、不思議なことにそれがなくなったのです。もうひとつは、『炭水化物が人類を滅ぼす』の夏井ドクターも書いていましたが、朝目覚めたときの胃のもたれや不快感がなくなりました。

ただ、糖質制限ダイエットにもデメリットがあります。これも夏井ドクターが書いていましたが、エンゲル係数が高くなることです。いわゆる「おかず」中心の食事にして、「おかず」で腹を満たそうとすると、どうしても食費がかさむのです。炭水化物中心の食事が、労働者の腹を満たし、過酷な労働を維持するために普及したというのは、そのとおりかもしれません。極端なことを言えば、大盛りのご飯にふりかけをかけて食べれば、いちばん経済的で、腹も満たされるのです。テレビでやっている大盛り特集とかB級グルメとかラーメンブームとかいったものは、「庶民的」と言えば聞こえはいいですが、はっきり言って、貧困ビジネスの側面もあるように思えてなりません。吉野家と松屋とすき家の牛丼の違いについて、あれこれ蘊蓄を傾けているような人たちはどういうクラスの人間が多いのかを考えれば、よくわかるのではないでしょうか。

とは言え、たしかに、牛丼はウマいのです。昔、知り合いの人間が、牛丼には麻薬が含まれているのではないかと思うくらい、無性に牛丼を食べたくなるときがある、と言ってましたが、それはあながち的外れではないのかもしれません。牛丼には糖質という「麻薬」が含まれているのですから。私たちの食生活は、糖質の「甘さ」に依存した生活であると言ってもいいでしょう。今の私も、「甘さ」の禁断症状におそわれていますが、ただ糖質ダイエットの場合、空腹感と戦うことがないので、その点は他のダイエットよりハードルは低いように思います。

糖質ダイエットの要点は、ただひとつ、「主食」をやめることです。ヨーロッパには「主食」ということばがないそうですが、従来の「ご飯が主食」という考え方をやめなければならないのです。

日本が「豊葦原瑞穂の国」であると言うのも、ただの神話にすぎません。この国には、稲作文化を担う定住民とは別に、サンカ(山窩)と呼ばれる非定住の山岳民族がいました。サンカ文学で有名な三角寛氏(池袋の文芸坐を作った人でもある)は、私の郷里の先輩なのですが、そう言えば、子どもの頃、近所にいっさい米を食べないという老人がいました。老人の一家は、みすぼらしい小屋に住んでいて、田舎にあって山や田畑を所有してないので、よその家の山仕事を手伝ったり、カゴなどを編んでそれを売ったりして生活していました。また、子どもの名前にも、サンカの掟を思わせるような漢字が使われていました。私は、のちにサンカのことを知ったとき、あの老人はサンカの末裔だったのではないかと思ったものです。

『古事記』に、「八雲立つ 出雲八重垣 妻隠(つまご)みに 八重垣作る その八重垣を」という歌がありますが、この歌ももともとはサンカの作ではないかと言われているそうです。それが、いつの間にか中央の支配権力に剽窃され、彼らの正統性を捏造する神話のなかに取り込まれていったと言われているのです。(八雲立つ 出雲八重垣

この国には、つい最近まで稲作文化とは別の、単一民族神話の埒外に、いわば「日本」という国にまつろわぬ人たちが住んでいたのです。1952年の住民登録法の施行まで、彼らのなかには住民登録もしていない者もいたそうです。従って、納税や徴兵などの国民の義務とも無縁だったのです。

ご飯を食べない、「主食」をぬくということには、このように稲作文化にとらわれない豊饒な歴史への想像力をかき立てるものさえあるのでした。
2014.05.08 Thu l 健康・ダイエット l top ▲
炭水化物が人類を滅ぼす


今度は糖質制限ダイエットです。人にすすめられて、練馬光が丘病院の夏井睦ドクターの『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書)という本を読み、自分も糖質制限ダイエットを実践してみようと思ったのでした。

はじめるにあたって、この本とともに、夏井ドクターも影響を受けたと言う京都高雄病院の江部康二ドクターのブログ(「ドクター江部の糖尿病徒然日記」)や高雄病院のサイトも参考にしました。本やサイトでは、糖質制限食のレベルを「スーパー」「スタンダード」「プチ」の3段階に分けているのですが、私の場合、幸いなことに血糖値やヘモグロビンA1cは問題がないので、ダイエットを目的とする「スタンダード」を実践することにしました。

糖質制限ダイエットというのは、要するに、白米やパンや麺類、お菓子や根菜類など、糖質の高いものを食べないということです。もっとわかりやすく言えば、主食をぬくということです。糖質の高い食べ物を避ければ、あとは肉でも魚でもなんでも食べていいのです。ダイエットにつきもののカロリー計算をする必要もないのです。

私は、このカロリー計算をしなくていいというのが信じられず、糖質制限ダイエットに対して最初は半信半疑でした。ところが、やってみると驚くほど効果はてきめんでした。(こういう言い方は誤解を招くかもしれませんが)ダイエットをはじめて1週間で、なんと3キロ痩せたのです。この間、白米はコンビニのおにぎりを1日に1~2個程度に抑えて、あとはもっぱら肉と魚と野菜(サラダ)ばかり食べました。私は前にも書いたことがありますが、大分県出身ということもあって、鶏のから揚げが大好物なのですが、それこそ鶏のから揚げも心おきなく食べました。それでも1週間で3キロ痩せたのでした。もちろん、いっきに3キロ落ちたあとは、落ち方が鈍化していますが。

「『摂取カロリーが多いから太る』という栄養学の基本中の基本からすれば、糖質制限をしてもカロリー制限をしなければ太るはず」です。どうして糖質制限をするだけで痩せるのか、誰もが抱く疑問でしょう。どうしてかと言えば、通常エネルギー源を担っているのは糖質ですが、糖質を制限すると、「糖新生」といって脂肪から糖が作られそれをエネルギー源にすることになるため、必然的に体内の代謝率が高くなるからだそうです。要するに、糖質がやっていたことを脂肪が代わりにやってくれるからです。

一方、夏井ドクターは、糖質制限の実践をとおして、栄養学の前提である「カロリー」という概念そのものに疑問を呈するのでした。以下は、夏井ドクターがあげた疑問点です。

◇体温は最高でも、せいぜい40℃であり、この温度では、脂肪も炭水化物も「燃焼」しない。つまり、人体内部で食物が「燃えて」いるわけがない。
◇そもそも、細胞内の代謝と大気中の燃焼はまったく別の現象である。
◇各栄養素ごとの物理的燃焼熱は、小数点1~2桁の精度で求められているのに、エネルギー換算係数を掛けて得られた熱量はどれも「キリのいい整数」であり、数学的に考えると極めて不自然で恣意的だ。あえていえばうさんくさい。
◇動物界を見渡すと、食物に含まれるカロリー数以上のエネルギーを食物から得ている動物が多数いる。


夏井ドクターによれば、厚生労働省と農林水産省が公表している「食事バランスガイド」、あの私たちの食生活の基準になっている「3食きちっとバランスのとれた食事をしましょう」という「ガイド」にしても、あきらかに糖質過多だそうです。角砂糖に換算すれば、1日に角砂糖38個を食べなさいと言っているようなものだと。そもそも「ガイド」は科学ですらなく、国立健康・栄養研究所が日本人の食習慣を調査したものをベースに、平均値を算出しただけの「単なるアンケート結果」にすぎないと言ってました。

夏井ドクターは、「17世紀以前の人類の圧倒的多数は、砂糖とはほぼ、無縁の生活を送っていた」と書いていました。「人類と糖質との付き合いは、穀物栽培から始まった」のですが、人類が最初に炭水化物と出会ったのは、森のドングリだったそうです。その「甘さ」に魅了された人間は、やがてコムギの栽培を始め、より安定的に収穫するために灌漑農法をあみ出し、それが他の地域に伝えられて、ほかの穀物の栽培に応用されたのだと言います。米もそのひとつです。灌漑農法によって、「甘味」を求めるあらたな食物史がはじまったのでした。

大和を「豊葦原瑞穂の国」と呼んだように、とりわけ日本人にとって稲作は特別なものでした。稲(米)を敬い感謝する祭事は、新嘗祭など皇室の伝統的な行事のなかにも残っているほどで、そうやって稲作を神格化することで穀物の収穫を祈願したのです。それはキリスト教におけるパンも同様です。

しかし、夏井ドクターは、「その神は偽りの神だった」と言います。

(略)穀物という神は、確かに一万年前の人類を飢えから救い、腹を満たしてくれた。その意味ではまさに神そのものだった。
 しかし、それは現代社会に、肥満と糖尿病、睡眠障害と抑うつ、アルツハイマー病、歯周病、アトピー性皮膚炎を含むさまざまな皮膚疾患などをもたらした。
 現代人が悩む多くのものは、大量の穀物と砂糖の摂取が原因だったのだ。人類が神だと思って招き入れたのは、じつは悪魔だったのだ。


常識を疑えということばがありますが、『炭水化物が人類を滅ぼす』は、ダイエットだけにとどまらず、従来の栄養学の常識を打ち破る大胆な試みの書と言えるでしょう。
2014.04.28 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
2013年10月24日 007


ダイエットですが、春先からはじめて、ここ数カ月はずっと10キロ減を維持していました(過去形に注意)。

先日、仕事先で、受付の女の子から「最近、痩せましたよね」と言われたのがきっかけで、「実はですね・・・」とダイエットの話になりました。すると、ダイエットに関心のある女性たちが私のまわりに集まってきて、「どうやって痩せたんですか?」と熱心に訊くのでした。

そうなると、私は得意満面、もう止まりません。話はエスカレートするばかりなのでした。

「食事制限をして痩せるなんて邪道ですよ」「そんなことしても続かないでしょ。続かなければ意味がないんですよ」 そうぶち上げると、彼女たちはいっせいに頷くのでした。

「じゃあ、なんで痩せたんですか?」
「ウォーキングです」
「ウォーキングだけで?」
「そうです、ひたすら歩くのです」
「どのくらい?」
「一日に大体1万5千歩くらいです」
「へぇ、それでそんなに痩せるんだ?」
さすがにメモを取っている人はいませんでしたが、みんな、目を輝かせて聴いていました。

でも、ここだけの話、実際は食事制限をしています。食事制限しないで痩せるなんて無理です。テレビ番組の企画で、美木良介のロングブレスダイエットを実践して痩せたと言われていた森公美子が、実は痩せたのは食事制限と運動で、「呼吸で痩せたらノーベル賞もの」「そんなに簡単に痩せません」とブログで白状して話題になりましたが、あれと同じです。このハッタリは、いわばサービス精神なのです。

ただ、私の名誉のために言っておきますが、一日に1万5千歩を歩いていることは事実です。時間があれば一駅どころか、二駅でも三駅でも歩きます。前も同じようなことを書いた覚えがありますが、いざ散歩(ウォーキング)で1万5千歩歩くとなるとなかなかしんどいし、続かない。だからなるべく日常生活のなかで歩くように心がけています。

ところが、現実は非情で、ウォーキングは続けても、食べることを油断するとすぐリバウンドしてしまいます。実は一昨日、体重計に乗ったら2キロ増えていたのです。体重計の上で思わず「やばいっ!」と叫びました。大口を叩いた手前、「あれっ、太りましたよね」なんて言われたら目も当てられません。そうなったら信用がガタ落ちです。それで、食事制限(と言っても、夕食を野菜サラダ中心にして軽くすませる程度ですが)をして、ウォーキングは一日に2万歩歩くようにしました。

今日も夕方から、買い物がてらみなとみらい界隈を歩きました。

赤レンガ倉庫に向かって本町を歩いていたら、横浜市開港記念会館(通称ジャックの塔)がピンク色にライトアップされているのに気付きました。さらに神奈川県庁の前にさしかかったら、本庁舎も同じようにピンク色でライトアップされ、正面玄関のところに人ざかりができていました。なんだろう?と思ったら、「ピンクリボンかながわ2013 」という乳ガンの受診を啓発するキャンペーンのセレモニーが行われているのでした。

さらに象の鼻パークに行くと、至るところに光のオブジェが設置されていました。これは、「スマートイルミネーション横浜2013」という「LED照明をはじめとする最先端の環境技術とアートを組み合せた」(イベントサイトより)催しだそうです。

オブジェの近くに立っている若者に話を聞くと、横浜美術大学や早稲田大学などの学生たちだそうで、みんな作品について丁寧に説明してくれるのでした。思わずこっちも「ありがとうございました」とお礼を言ったくらいです。

象の鼻パークには、アマチュアカメラマンたちの姿も目立ちました。あいにく私はカメラを持っていませんでしたので、スマートフォンで撮りました。


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2013年6月17日 013


ダイエットは、10キロ減を目標にしていましたが、あと1キロまできました。このひと月は1日1万歩をノルマにひたすら歩いていました。

今日も午後から新横浜まで歩いて、そのあと市営地下鉄で桜木町に移動して、みなとみない界隈のいつものコースを歩きました。帰って万歩計を見たら、1万7千歩歩いていました。

最近、赤レンガ倉庫と山下公園の間をジョギングしている人がやたら目につきます。皇居の周回コースと同じように、そのうち赤レンガ~山下公園間が横浜のジョギングのメッカになるのかもしれません。

そんな元気な人たちを横目に見ながら、私の心は暗く沈んでいました。ダイエットも順調に進んでいるのに、どうしてかと言えば、最近体調がよくないからです。その憂さを忘れるために歩いているような感じさえあります。既に検査もしているのですが、その結果を聞きに病院に行くのが怖くて仕方ないのでした。

山下公園のベンチにすわり、夜の海を眺めていたら、いろんな思いが去来しました。人間はいくつになっても悩みは尽きないものです。むしろ、年をとればとるほど、悩みは深く大きくなっていくような気がします。隣のベンチでは、若いカップルが嬌声をあげながらいちゃついていましたが、彼らにも苦悩に胸を塞ぐようなことがあるのだろうかと思いました。もちろん、ないはずがないのです。でも、孤独にうち沈んでいると、世の不幸を自分ひとりで背負いこんでいるような気持になり、つい「自分だけがどうして」と思ってしまうのでした。


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2013.06.17 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
ダイエットですが(やっぱり書いてしまった!)、現在7キロ減です。ダイエットをはじめたのが今月の初めですから、まだひと月足らずです。

方法は至って簡単で、まずとにかく歩くこと。1日に1万歩は必須で歩いています。それも日常の生活のなかでつとめて歩くようにしています。たとえば、あえて遠くのスーパーに行くとか、電車に乗るときも二駅先の駅まで歩くとか。

もうひとつは、食事制限です。でも、今回は過激な方法を避けて、1日おきに夕食をぬくという方法にしました。と言っても、完全にぬくのはやはりつらいので、夕方の早い時間に蕎麦やサラダなど軽いものを食べています。1日おき、つまり2日に一度そうやって制限するだけです。もっとも、そうやって食事制限をすると、それ以外のときもおのずと食べる量に気を付けるようになるし、間食もしなくなるので、意外と波及効果が大きいのです。

目標は10キロ減ですからあと3キロです。しかし、ここらあたりで少しブレーキをかけて、しばらくは今の体重を維持することに専念しようかなと思っています。

私の場合(私に限らず誰でもそうかもしれませんが)、問題はリバウンドなので、どうすればリバウンドを回避できるかというのが最大のテーマです。だからと言って、このまま永久にダイエット中のような「緊張感のある」日常生活を送るのは無理だし。

7キロ減でも、自分で見る限り、クリス松村のような皺くちゃ顔にはなっていませんので、その点は安心しました。堀江貴文は1年9カ月の服役中に体重が95キロから65キロに減ったそうですが、顔つきを見ると、昔の95キロのときのほうがあきらかに若いし溌剌としていました。『いつまでもデブだと思うなよ』の岡田斗司夫氏も然りで、あそこまで痩せるとなんだか痛ましささえ覚えます。見た目でダイエットするのは、こんな陥穽もあるのだということをしっかり肝に銘じて、残り3キロに邁進したいと思っている所存でございます。

2013.05.29 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
週が明けたので病院に行ったら、風邪ではなく「A型インフルエンザ」だったことが判明しました。

鼻に綿棒のようなものを差し込まれて検査されるのですが、先生から「A型インフルエンザの確定ですっ」と勝ち誇ったように言われたので、なんだか負けたような気がしてショックでした。昨秋予防接種を受けていたのでそう伝えたら、「予防接種は万全ではないですよ」と再び勝ち誇ったように言われたので、二重のショックでした。

インフルエンザに感染したのは、ホントに久しぶりのことです。というか、私のなかには感染した記憶がほとんどありません。風邪はもちろんありますし、ほかの病気も経験豊富で今も病院通いをつづけている身ですが、ことインフルエンザに関してはまったくと言っていいほど無縁でした。日ごろから手の消毒とウガイは欠かしたことがなく、細心の注意を払っていたつもりだったので、よけいショックでした。

インフルエンザだったのかどうかわかりませんが、小学生の頃、風邪をひいて床に伏せったときのことがなぜか今でも記憶に残っています。そのとき、頭を高くするために、布団の下に母親が定期購読していた『主婦の友』が敷かれていたのです。そして、そっと布団をめくったら表紙の大原麗子の写真が目に飛び込んできて、妙に胸が高鳴った覚えがあります。また、大原麗子の写真の横に「性生活」がどうのという文字も目に入ったのですが、さすがに高熱にうなされる状態でしたので、本誌をめくるほどの余裕はありませんでした。

子どもの頃、風邪で寝込んだとき、母親が作ってくれたおかゆの味が忘れられないとかいう話をよく聞きますが、私の場合は、おかゆの味ではなく、頭の下にあった大原麗子の写真です。

今日、病院で処方されたクスリは、①イナビル吸入粉末剤、②ツムラ麻黄湯エキス顆粒、③カロナールの3種です。このうち吸入剤というのが初めてだったので、先生に「難しいものなんでしょうか?」と訊いたら、「いえ、子どもでもできますよ」とあっさり言われて、訊かなければよかったと思いました。今日はまったくの完敗です。

そして、病院から戻ると、明日明後日予定に入っていた約束をすべてキャンセルしました。
2013.02.04 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
風邪で完全にダウンしました。年をとって体調が悪いとホントに身にこたえます。死ぬときはこんな感じで息をひきとっていくんだろうか、なんてオーバーなことを考えたりします。

病院で働く知人に聞くと、亡くなった人はみなさん穏やかな表情をしていて、苦悶の表情の人はほとんどいないのだそうです。ただ、なかには稀に、目尻に涙のあとが残っている人もいると言ってました。それを想像すると、なんだかいたたまれない気持になりますね。

昨日の昼まですこぶる元気でした。ところが、電車で横にすわった、いかにも峯岸みなみの不純異性交遊に悲憤慷慨するようなタイプの(偏見デス)、オタクっぽい中年男性が、マスクをしないで、しかも口元に手も当てずにしきりにクシャミしているのでした。私は一応マスクをしていましたが、ときどきマスクがずれて鼻が外にはみ出していたので、やばいなと思っていました。そして、案の定、夜帰宅してから喉が痛くなりはじめ、徐々に風邪の症状が出てきたのでした。

食堂で向かい合って食事をしていても、口に手を当てずに平気でクシャミする人間もいます。また、立ち食いそば屋などで、給水機で水を飲んだあと、そのままコップを給水機の横にある未使用のトレイに戻す人間もよく目にします。しかも、いい年したおっさんが多いのです。一緒に行った友人は、「あいつらはバイキンマンか!」と憤慨していましたが、まったくどういう育ちをしているんだ?と言いたくなります。

東京には私たちの想像も及ばないくらい優秀な人間が集まっているのは事実ですが、一方で私たちの想像も及ばないくらい「動物的」な人間が集まっているのも事実なのです。ヒューマニズムを過信するあまり警戒心が足りなかった、他人に対して無防備すぎたと反省しています。

そんな八つ当たりとも言いがかかりとも言えないようなことを考えては、ひとりベットで唸っているのでした。
2013.02.02 Sat l 健康・ダイエット l top ▲
血圧計

ステルス広告であぶく銭を稼ぐあぶく芸能人ではないですが、先日、血圧計を買いました。

とっても安く買いました。びっくりするくらいお得で、しかもデザインがカワイイ。あたしのお気に入りで~す。詳しくはココを見てね。

というのは冗談ですが、先日の健診で、何度深呼吸しても以前のように血圧が下がらなかったことが気になったからです。

それにしても、とうとう自分も血圧計を買う年齢になったかと思いました。最近、セサミンEXも飲みはじめたのですが、こうして知らず知らずのうちに老人のアイテムが揃っている感じです。この次は杖と膝サポーターでしょうか。あるいは電動ベットかポータブル便器か。

ところで先日、知り合いで、20キロ近くのダイエットに成功したという人に会いました。1日1食ダイエットを3ヶ月つづけたのだそうです。まずお腹まわりが痩せて最後に顔が痩せたと言ってましたが、たしかに顔つきが変わっていました。ただ、若い人と違ってその分顔の皺も増えているのです。はっきり言って、顔が皺クチャになっていて、森の奥の古い洋館に住む老女のような顔になっていました。

痩せるのはいいが、あんなに顔が皺クチャになったら元も子もない気がしました。ダイエットしたらよけい老けるとはなんと哀しい話でしょう。やはり、年齢には逆らえないということなのでしょうか。なんだか夢も希望もないような気がして、逆に暗い気持になってしまいました。
2012.12.21 Fri l 健康・ダイエット l top ▲
健康診断に行ってきました。初めての病院でしたが、検診センターの待合室には、午前9時前にもかかわらず既に数十人の受診者が作務衣のような検診用の病衣に着替えてすわっていました。そして、つぎつぎと名前を呼ばれ、指示どおりに手際良く検査を受けるのでした。

検査の結果は後日郵送されてきますが、前日ほとんど眠らずに行ったため、結果はあまり期待できそうにありません。

案の定、血圧が130を越して高めでした。今までは10回深呼吸をすると血圧が下がったのですが、今日は何度深呼吸をしても数値は変わりませんでした。また、以前よりその傾向があるのですが、耳がやや遠いのです。特に高音域が聞き取りにくいのです。と言って、話す声がやや大きくなるくらいで、日常生活に特別支障があるわけではありません。

視力も0.4と0.5と、従来より落ちていました。もっとも先月、運転免許の更新があったのですが、その際の検査では0.9でした。

ひと通りの検査が終わったあと、最後はドクターの問診がありました。女性のドクターでしたが、説明の際、しきりに「血圧が高くなりつつありますね」とか「耳も遠くなりつつありますね」とか「視力も衰えつつありますね」というような言い方をするのです。なんだか「年だから」と言われているようで、ショックでした。

でも、耳が遠いのは昔からだし、目も老眼ではなく近視のはずです。血圧が高いのも、どっちかと言えば睡眠不足とメタボ気味の体重に関係があるような気がします。「つつありますね」なんて言い方をされると、避けられない老化現象が訪れ「つつ」あるような気がして、気持も沈んでしまいます。

病院を出て「ショックだなぁ」と思い「つつ」、ふと前を見ると、通りの向かいにある吉野家の看板が目に飛び込んできました。そして、その看板に引かれるように店に入り、牛丼の大盛りを注文したのでした。牛丼をかき込みながら、「この旺盛な食欲のどこが老化なんだ?」「おれはまだ若いんだぞ」と言いたい気持でした。
2012.12.10 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
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夕方、近くの郵便局に行ったついでに鶴見川沿いを散歩しました。今日は新羽橋を渡って、対岸から新横浜の方向に歩きました。

最初土手の上を歩いていたのですが、途中から河原におりて歩きました。しばらく歩いて市営地下鉄の車両基地のあたりにさしかかると、歩道がアルファルトから砂利道に変わりました。

両側を背丈ほどのススキの穂におおわれ、しかもあたりはすっかり暗くなっています 。さすがにちょっと不安になりましたが、そのまま歩を進めました。すると、ススキの穂が途切れ、畑のようなものが目に入りました。しかも、その奥には小屋のようなものがあり、焚火をしている様子です。よくみると、小屋の前に男性が立っていて、じっとこちらをみていました。

私は「こんばんわ!」と声をかけました。しかし、男性は何も答えず背を向けて小屋のなかに入って行きました。どうやらホームレスの人のようです。だったら是非話を聞きたいと思いましたが、どうもあの様子では取り付く島がなさそうです。

私は、砂利道を引き返し、土手の上にのぼりました。土手の上から見ると、先程の小屋とは別に、草むらのなかにもうひとつ青いビニールシートを張った小屋がありました。

そのまま土手の上を進むと、やがて亀甲橋という橋に出ました。対岸が日産スタジアムです。それで、土手の遊歩道から離れて橋を渡ることにしました。

日産スタジアム周辺は、スポーツ関連の医療施設や競技専用のグランドが集まったスポーツ公園になっています。日産スタジアムの横の歩道を歩いていたら、下のほうからガチャガチャという甲高い車輪の音が聞こえてきました。なんだろうと思って下をみると、スケボーをやっているのです。それも20~30人もいます。あとで調べたら、そこはスケボー広場となっていました。

さらにその先のグランドでは、照明の灯りの下、サッカーの練習をしていました。それで、しばらく手すりにもたれて練習を見学しました。

どこのチームがわかりませんが(マリノスのサテライトチームのような気がしないでもありませんが、私はマリノスファンではないのでよくわかりせんでした)、その球捌きのうまさに感心しました。やはり研鑽を積んで一芸に秀でるというのは、すごいもんだなと思いました。

ネットでは妙なアマチュア信仰みたいなものが跋扈していて、官僚や新聞記者たちがバカ呼ばわりされていますが、彼らがエリートになったのは、あえて言えばネット住人たちと違って努力をして研鑽を積んだからです。コンビニの前でウンコ座りしている中学生と、そんな連中を横目に塾に通っている中学生が、10年後に差がつくのは当然だろうと言った人がいましたが、エリートだからどうのこうのと言う前に、まず彼らの努力や研鑽をすなおに認める姿勢が大事ではないでしょうか。批判するならそれからでしょう。負の感情による反エリート主義(アマチュア信仰)は、エリート主義以上に危険な気がします。あまのじゃくな私は、サッカーの選手たちの見事な球捌きをみながら、そんなことを考えました。

そのあと、帰宅ラッシュがはじまった新横浜の街をとおって戻ってきました。都合2時間あまりの散歩でした。


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2012.11.02 Fri l 健康・ダイエット l top ▲
鶴見川土手968

ダイエットは継続していますが、いっこうに体重が減りません。1~2キロくらいの間を行ったり来たりしているだけで、ほとんど誤差の範囲と言ってもいいでしょう。

今までと比べると、緊張感が欠けているような気がします。「絶対体重を落とすぞ」という強い気持が足りないように思います。

歩くのは、比較的よく歩いています。ほぼ毎日、1万歩以上は歩いていますし、時間が許せば2万歩近く歩くこともあります。

問題は、食事です。食べる量はやや減らしていますが、規則正しく食べるとか、野菜を多く摂るとか、そういった細かい工夫がまったくないのです。

どうしてかと言えば、どうせダイエットしてもまたリバウンドしてもとに戻るだけだろうという気持があるからです。そういったネガティブな気持を払拭することができないのです。

今までの経験でも、ちょっと気を許せばすぐもとに戻ってしまうのです。だからと言って、これから未来永劫に、常に体重のことを考えて生活するなどとても無理です。

そんなことを考えると、心が折れそうになるのです。

今日も早朝、環七を車で走っていたら、いかにもウォーキングをしているといった感じの初老の男女が目の前の横断歩道を渡っていました。それを見ていた私は、「でも、病気になるときはなるし、死ぬときは死ぬんだよなぁ」とぽつり呟いたのでした。隣にすわっていた友人は、黙ったままただ前方を見つめているだけでした。

やたらそういうむなしさにおそわれてならないのです。
2012.06.03 Sun l 健康・ダイエット l top ▲
メタボ

長い間、ダイエットのことを書いていませんでしたが、最近またもとに戻っています。目標体重から3~4キロくらい増えました。

こんなときに登場するのがよく行く病院の受付嬢たちですが、先日、ぽつりと「また増えましたね」と言われました。このタイミングといい、その言い方といい、「あなたたちはダイエットの神なのか」と思いました。

「ありがとう! もっと言って」「汚いことばでボクをいじめて」と言ったら、「変態ですか?」と言われました。

また、そのあと、仕事先でも顔見知りのおっさんから「お腹が出たな」と言われました。思わず「ありがとう!」と言っておっさんの両手を握りました。ありがたいものですね。こんな私でも見捨てずに、励ましのお言葉を与えてくださるのですから。

ところが、にもかかわらず、(サッカーの選手風な言い方をすれば)なぜかモチベーションがあがらないのです。毎日、姿見に映ったトドを縦にしたようなボディをみてため息を吐きながら、なかなか腰をあげようとしないのです。

前も書いたように、ライティングダイエットはたしかに効果があります。しかし、それも二度目となると、やはりモチベーションの問題が生じるのです。それどころか、最近は歩くことさえおっくうで仕方ありません。

昨日も今日も、出かけなければならない用事があって、シャワーを浴び、出かける準備をしたものの、なぜか気が進まず、結局、「明日に延期」してしまいました。こんな状態が2日もつづくと、さすがに自己嫌悪に陥ります。3~4キロ落とすだけなので、今ならまだ間に合うと自分に言い聞かせていますが、それでもモチベーションはあがりません。

一方で、自分でも怖いくらい食欲は旺盛です。年をとれば食が細くなると言いますから、これは最後ッ屁みたいなものかもと思ったりしますが、それにしても食欲をつかさどる中枢神経が壊れたんじゃないかと思うくらい、空腹を覚えてなりません。

よく行く定食屋で、「から揚げ定食を食べたいけど太るからな」と言ったら、店主から「たまにはいいんじゃないの」「食べたいと思うときに食べてた方がいいよ」なんて励まされたので、「じゃあ、清水の舞台から飛び降りたつもりで食べるか」と言って、から揚げ定食を注文しました。そして、「あっ、それからご飯は大盛で」と言ったら、「あんたはわからない人だね」と言われました。
2011.06.16 Thu l 健康・ダイエット l top ▲
仙石由人官房長官が自衛隊を「暴力装置」だと発言したことに対して、産経新聞や朝日新聞などが「失言」だとヒステリックに批判しているのを見るにつけ、私は「なんで?」と思いました。軍隊や警察が「暴力装置」であるというのは、政治学(国家論)のイロハです。だから政治的中立性がよりきびしく保持されなければならないという仙石長官の発言は、至極真っ当なものです。かの池田信夫氏でさえも(といったら叱られるか)、ブログでつぎのように書いていました。

軍隊が暴力装置であり、国家の本質は暴力の独占だというのは、マキャベリ以来の政治学の常識である。それを「更迭に値する自衛隊否定」と騒ぐ産経新聞は、日本の右翼のお粗末な知的水準を露呈してしまった。(アナーキー・国家・ユートピア


民主党を支持するかどうかは別にして、最近のマスコミはこのように常軌を逸しているとしか思えない異常な報道が目につきます。いやしくも言論を生業とする人間(機関)がこのように言葉狩りをするなど、絶対に許されることではありません。こういった言葉狩りの背後にあるのは、左右を問わない全体主義です。彼らが口にする「言論・表現の自由」なるものも、要するにこのような言葉狩りをする自由なのでしょう。北朝鮮や中国の全体主義を批判しているからといって、全体主義の免罪符にはならないのです。産経新聞の北朝鮮や中国批判は反共の側面が強く、全体主義批判は単なる方便にすぎないのです。

先日の健康診断でも「難聴あり」「耳鼻科で検査をしてください」と指摘されていたのですが、2~3日前から左の耳がますます聞こえづらくなりました。ただ、耳たぶを引っ張るとよく聞こえるのです。昨日も仕事先で左耳の耳たぶを引っ張りながら話をしていたら、相手の担当者から「なにしているんですか?」と言われました。それで、「こうすればよく聞こえるんですよ」と言ったら、「もしかしたら耳垢がつまっているんじゃないですか?」と言われました。綿棒を使うとつまってしまって、そのうち聞こえなくなることもあるのだそうです。

「年で難聴になったのかと思っていたけど」
「会社の人間も耳がつまって聞こえなくなり病院に行った者がいますよ」「耳鼻科に行った方がいいですよ」
と言われたので、今日、駅の近くの耳鼻科のクリニックに行きました。

朝いちばんで行ったのですが、既に待合室はいっぱいでした。見ると、大半は幼稚園から小学校くらいの子供と付添いのお母さん達です。本棚には絵本がずらりと並んでいて、受付の棚にも怪獣やロボットのフィギュアが所狭しと並べられていました。まるで小児科の待合室のようです。そんな中、185センチの無精ひげのおっさんが文字通り身のおきどころがないといった感じで、ひとりぽつんと背を丸めて座っているのでした。

先生から「どうされましたか?」と訊かれたので、症状を話したら、隣室のベットに横になるように言われました。そして、左の耳を覗き込んだ先生は、「やっぱり、耳垢がつまってますね」と言って、頭上の器具を使って耳垢を除去してくれました。右の耳も同様に除去して、ものの2~3分で処置は終わりました。

「耳掃除はよくしますか?」
「はい」
「じゃあ、これから耳掃除はしないでください」
「はい」

これで”治療”は完了です。治療代は3割負担で1280円。すると、今まで難聴だと思っていた耳がウソにようによく聞こえるようになりました。まるで川上未映子の『ヘヴン』のラストシーンのようで、帰途、ちょっとした感動を覚えました。
2010.11.22 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
最近、散歩もご無沙汰気味です。そのために、このブログも画像が少なく文字ばかりの味気ないものになっています。

散歩が滞っているのは、雨がつづいているということもありますが、もうひとつは、11月にパシフィコ横浜でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)があるからです。それに伴い、みなとみならい周辺は各県から派遣された機動隊によって厳重な警備が実施されているため、散歩もしずらい雰囲気なのです。田代まさしもその余波で逮捕されましたが、彼を赤煉瓦倉庫の駐車場で職務質問したのも福岡県警の機動隊だったとか。酷暑の夏もやっと終わり、散歩にいい季節になったというのに、これではストレスがたまります。

一方、体重はその後も「停滞期」にあります。毎日ほぼ同じ時刻に体重計に乗るようにしているのですが、これが見事なほど同じ位置で針がピタリととまります。ちなみに、この「停滞期」の体重は10数年前のレベルで、前回のダイエットの目標体重でもありましたので、それなりの成果は得ていると言えます。しかし、今回はさらに5キロ減の20年以上前のレベルまで下げるという大目標がありますので、今はその手前で立ち止まっているという状況です。

誤解を怖れずに言えば、ダイエットを成功させるには、ある程度のナルシシズムも必要です。気持が萎えたとき、なにをバネにして奮起するかと言えば、自己愛しかありません。デパートなどでエスカレーターに乗っているとき、壁のカガミに映った自分の姿を見ると愕然としますが、それを前向きな気持に変えるのもナルシシズムです。近所のスーパーでレジ袋に商品を詰めているとき、思わず「どこのおっさん?」と言いたくなるような柱のカガミの中の自分が目に入ってもなお、「がんばらなくっちゃ」と思えるかどうかです。それが成否の分かれ目なのです。
2010.09.29 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
今日は朝から病院めぐりでした。まず、秋の健康診断のために旧知の病院に行きました。いつも通り採尿と採血と心電図とレントゲン撮影を行いました。年に2回やってますので、もう手慣れたものです。体重をはかる際、「前回より体重が減っていますが、なにか理由がありますか?」と言われました。「待ってました」とばかりに、「はい、ダイエットをやってます!」と答えたものの、ちょっと声が大きすぎたかなと思いました。胴回りをはかったときも、「前より3.5センチ細くなっていますね」と言われましたが、そう言った係の女性がなんだかうらやましそうな目で私を見ていました(と勝手に妄想)。

ただ、聴力をはかる際、ちょっと手間取りました。たしかに、最近また左の耳の聴力が落ちているのです。適当に勘で答えたので、係の人も戸惑ったみたいです。

そのあとは地下鉄に乗って、次の病院に行きました。先日の検査の結果を聞くためです。検査の結果は数値が下がっており、このまま経過をみましようと言われました。ひとまず安心です。その際、先生から健康診断と同じ項目が並んだ「検査結果報告書」を渡されました。昔は採血しても、たとえば肝機能なら肝機能の検査をするだけでしたが、今は自動的に全ての項目の検査ができるのですね。肝臓も腎臓も血液も異常なし。ただ、コレステロール値が少し高いと言われました。これは、今年の春の健康診断でも指摘されたことです。家系からみると遺伝的な因子はなさそうなので、「ダイエットをつづけて、野菜を食べることと運動を心がければいいでしょう」と言われました。それを聞きながら、今日の健康診断は無駄だったかなと思いました。どうみても重複しています。考えてみれば、春も重複していますので、今年は健康診断を4回したことになります。

病院のあとは、新横浜まで戻り、ラーメンとチャーハンと餃子を食べました。早くも気のゆるみが出たみたいです。しかも、チャーハンは大盛なのです。それから満腹になったお腹を抱えて駅ビルに行き、三省堂書店で本を買いました。そして、歩いて帰ったのですが、帰る途中、今度はコンビニでアイスクリームを3個買いました。アイスクリームが入った袋を下げて帰りながら、ふと「喉元すぎれば熱さも忘れる」ということわざが頭に浮かんだとさ(半分ヤケです)。
2010.09.22 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
ダイエットは完全に”停滞期”に入っています。体重計の針がピタリと止まったまま動きません。少し下がってもすぐ元に戻ります。この”停滞期”の体重は、前回のダイエットのときの目標体重でもあるのですから、一応のレベルまで達したと言えないこともないのですが、しかし、ここであきらめるわけにはいきません。意地でもあと5キロ下げるつもりです。

今日も用事があって原宿に行きましたが、行きも帰りも渋谷と原宿の間を歩きました。帰って万歩計を見たら1万5千歩歩いていました。しかし、ダイエットに関する限り、歩くことによるカロリーの消費量なんてたいしたことはないのです。極端なことを言えば、気休め程度です。もちろん、歩かないよりは歩いた方がいいに決まっていますが、過大な期待をするのは間違っています。私の経験から言えば、歩くことはむしろ精神的な効用の方が大きいように思います。

それよりやはり、食生活を見直すのが第一です。無駄なカロリーを摂らない、それに尽きます。そう考えると、このライティングダイエットは理にかなっているように思います。たしかに、精神的な修行のような側面もありますが、摂取カロリーを制限しないことにはダイエットもくそもないのです。

ところで、先日、病院に行った際、私のことを「長州小力みたい」とのたまった受付嬢に「どう、痩せたでしょ?」と言いました。「すごいですね!」なんていう反応を期待していたのですが、受付嬢達はチラッと私の方を見て、そっけなく「ああ、そうですね」と言ったきりでした。思わず首をしめてやろうかと思いました。

たとえおじさんのひとり相撲であろうとも、まだまだダイエットはつづきます。意地でも痩せてやる。
2010.08.13 Fri l 健康・ダイエット l top ▲
桑田佳祐

桑田佳祐の食道ガンが大きく報じられていますが、今や「二人に一人」がガンにかかる時代だと言われていますので、この手の話は格別めずらしいものではなくなりました。特に男性の場合は、いづれ年をとれば「二人に一人」の洗礼を受ける運命にあると考えた方がよさそうです。さしずめ私などもその瀬戸際にいるわけで、間寛平や桑田の話は決して他人事とは思えません。

一方で、この「二人に一人」の時代を逆手にとったような外資系保険会社のCMを見るにつけ、あまりにもえげつない感じがして不快な気分にならざるをえません。あのCMが流れると、チャンネルを切りかえるという人がいましたが、その気持はわかりますね。

「二人に一人」と言っても、一人一人にとっては大きな人生の試練であることには代わりがないのです。そして、その苦悩は、保険会社のCMが煽るようなケチなものではありません。

オレの人生はなんだったのか。ガンの告知を受けた途端、そんな理不尽で孤独な人生の姿が目の前に立ち現われるのでしょう。そして、眠れぬ夜の底でひとり涙するのかもしれません。苦悩を支えてくれる人がいればいくらか救われもするでしょうが、いづれにしても最後は自分で運命と向き合うしかないのです。

瀬戸際にいる人間の一人として、桑田が元気な姿で戻ってくることを願ってやみません。
2010.08.04 Wed l 健康・ダイエット l top ▲
おぎやはぎ

先日、TBSラジオの深夜放送を聴いていたら、パーソナリティをつとめていたおぎやはぎがダイエットの話をしていました。小木がダイエットしているらしく、74キロあった体重が現在65キロまで落ちたそうで、ファミレスに行ってももっぱら野菜サラダばかり食べていると言ってました。目標は59キロを切ることだとか。

しかし、彼は65キロまで落ちた途端、体重が停滞していて、今までと同じようにダイエットしているにもかかわらず、いっこうに体重が減らないと嘆いていました。すると片割れの矢作が例の飄々とした口調で、「ダイエットした芸能人もよく言ってるけど、停滞期に入ったんだよ」「ここで辛抱しないと目標は達成しないよ」と言ってました。

この「停滞期」というのはよくわかりますね。一定の体重までは順調に落ちるのですが、そのあと急に止まってしまい、逆に増えることさえあります。なんだか大きな壁があるみたいです。そして、「停滞期」をぬけると、再び体重が下降線を描くようになります。でも、少しでも油断するとすぐ「停滞期」の体重まで戻ってしまうのです。

小木は、罰ゲームがなければこの「停滞期」でやめるけど、罰ゲームがあるので目標まで進むしかないと言ってました。罰ゲームというのは、向こう1年間小指の爪を伸ばすということだそうです。昔の田舎の不良がよく小指の爪を伸ばしていましたが、そんなに嫌なのでしょうか。

一方、私は、彼らの話を聴きながら、もしかしたらこの「停滞期」こそが自分の適正な体重なのかもしれないと思いました。すぐ戻ってしまうというのは、それが適正だからではないでしょうか。小木が目標を達成しても、半年後か1年後には再び「停滞期」の体重まで戻っているような気がします。

身も蓋もないことを言えば、「停滞期」以後は無駄な努力かもしれないのです。歯を食いしばり無理して体重を落としても、いつまでも無理がつづくわけではありませんので、いづれ元に戻るだけのような気がします。人間の身体というのはよくできているので、「あなたの場合、ここまでが限度ですよ」と告げているのが「停滞期」なのかもしれません。とどのつまり無理してもしょうがないってことです。

と、悪魔が申しております。
2010.08.02 Mon l 健康・ダイエット l top ▲
大分鶏のから揚げ

私は九州の大分県出身なので、鶏のから揚げが大好きです。子どもの頃から誕生日やお祭りや来客があったときなどは、必ず地元で「オードブル」と呼ばれていた鶏のから揚げが食卓に並びました。東京で言えば、寿司のようなものかもしれません。ちなみに、寿司もご馳走の定番でしたが、ただ関東のような”にぎり”ではなく巻きずし(関東で言う太巻き)か”ちらし”でした。あとは押しずしです。

最近、東京でも大分の鶏のから揚げがブームなのだそうで、大分から進出した店がテレビや雑誌などでとりあげられ、またたく間に有名店になっています。もっとも東京の人だってもともと鶏のから揚げは好きっだったそうで、どうして今頃ブームなんだという疑問はあります。やはり”仕掛け”があったのかもしれません。

今日も朝からあちこちのテレビの情報番組が、イトーヨカドーららぽーと横浜店で開催中の「からあげカーニバル」(企画・運営/近畿日本ツーリスト)なるものを話題にしていました。たかが一(いち)スーパーのイベントをこれほど大々的にとりあげるというのも不自然ですね。私のダイエットを妨害する陰謀かもしれないと思いました。

ところが、哀しいかな、テレビをみているうちに、まんまと陰謀にはまった感じで、私の中の大分県人のDNAがうごめきはじめたのでした。から揚げが恋しくてなりません。ダイエットはなんとか4キロ減までこぎつけました。ここは我慢のしどころです。歩いている途中立ち止まって、やにわにズボンをずり上げるあの快感を思い起こしては、悪魔の誘惑をふり払おうとしました。

しかし、我らがみな煩悩具足の凡夫で、気がついたらスーパーのレジでから揚げ弁当を手にしている自分がいました。やはり、一時の快楽におぼれるのは人間の性(さが)なのでしょうか。

そして今、ノートを前にして、まるでこれで人生が終わったかのようなひどい自己嫌悪に陥っている自分がいます。

>>ライティングダイエット
2010.07.22 Thu l 健康・ダイエット l top ▲