兼近自身は、逮捕ではなく事情聴取されただけと言っていたみたいですが、不起訴になったものの逮捕されたのは事実のようです。また、兼近は、その前にも女子高生の売春を斡旋したとして売春防止法違反でも逮捕されているおり、札幌時代は結構なワルだったことが想像されます。
余談ですが、渡辺優樹容疑者は、首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗死刑囚と同じ別海町の出身です。地元の高校を卒業して道内の大学に進学したのですが、大学時代にすすきのでアルバイトを始めてから学校にも来なくなり、人が変わったという同級生の話がありました。
アクセスジャーナルは、当時の兼近は「広域暴力団○○連合系の企業舎弟」だったと伝えています。さらに驚くべきことに、兼近はガーシーのトバイ人脈にも関係しているという話さえあると言うのです。
アクセスジャーナルch
指示役ルフィとされる男との関係が明らかになったEXIT兼近。共犯事件に加え企業舎弟の過去も。連続極悪事件とドバイ住人との関係性追及。
兼近の降板については、“コンプラの暴走”というような声もありますが、どうやらその裏には、私たちがうかがい知れない“深い事情”が伏在しているような気がしでなりません。前も書きましたが、ガーシーに関する強制捜査も、著名人に対する名誉棄損は入口にすぎず、本丸は他の犯罪の疑惑が持たれている「ドバイ人脈」だという指摘がありますが、それが兼近にも飛び火した格好です。
『FLASH』は、2年半前に、札幌でリフォーム会社をやっている兼近の実父が、顧客とのトラブルで裁判沙汰になっている件を取り上げていますが、その中で、「俺にはヤクザの不動産屋が付いている」と某広域暴力団の名前を出して凄んだという、相手側の証言を伝えていました。
smart FLASH
EXIT「兼近大樹」の父親がリフォーム工事をめぐり裁判沙汰
札幌のすすきので風俗の仕事をしていた知人の話では、すすきのは狭い世界なので、ワルたちがつるんで犯罪に走るのは普通に考えられることで特別なことではないと言っていました。渡辺優樹容疑者だけでなく、兼近も(本人の話では)子どもの頃極貧の家庭で育ち、すすきのに流れて来た若者の一人ですが、すすきのではそういった若者たちのすぐ近くに「金のためなら何でもする」ワルたちの”友達の輪”みたいなものがあり、弱肉強食の”悪の論理”に染まっていくのにそれほどの躊躇いもなかったのでしょう。
売春斡旋による逮捕歴が発覚した際には、吉本興業の剛腕で「若気の至り」みたいな話にされて切り抜けたのですが、今度はそうはいかないかもしれません。
ただ、芸能マスコミに関しては、兼近のお涙頂戴の弁明を称揚し、過去は過去なので前向きに生きてほしいと、芸能界もファンもみんな応援しているかのような報道が目立ちます。兼近を批判するのは、無慈悲な人間みたいに言われているような感じさえあるのでした。
しかし、公序良俗のリゴリズムに与するわけではありませんが、実際に”半グレ”で歌のうまい若者が歌手になったり、顔がきれいな女の子がタレントやモデルになったりする例はありますし、YouTubeがいわゆる”反社”の新たなシノギになっている現実もあるのです。決して「過去は過去」の話ではないのです。それは、芸能人が独立すると干されるような芸能界のアンタッチャブルな顔と表裏の関係にあるものです。言うまでもなく、独立した芸能人を干すのにテレビも加担しており、テレビも共犯関係にあると言えるのです。
兼近が売春防止法違反で逮捕された件について、私はつまびらかには知りませんが、間違っても女子高生に頼まれてお客を斡旋したというような話ではないはずです。いわゆる女衒のようなことをしていたのでしょう。もしかしたら、親しい女子高生を得意の口で説き伏せて(半ば脅して)売春するように仕向けたのかもしれません。「本人は過去を忘れても過去は本人を覚えている」と言ったのは柳美里ですが、それはホントに「過去は過去」で済ませるような話なのかと思います。どこかで誰かが舌を出してほくそ笑んでいるとしたら、兼近の弁明も一瞬にして瓦解してしまうでしょう。もとより、芸能界というのはそういう世界なのです。お笑い芸人と言えども、商品にすぎないので、兼近の発言にも吉本興業という資本の思惑がはたらいているのは言うまでもないでしょう。
それにしても、総合エンターテインメント企業として政治に食い込み、今や政府の仕事まで委託されるまでになった吉本興業ですが、昭和39年(1964年)の山口組に対する第一次頂上作戦を行った兵庫県警の捜査資料のなかに、舎弟7人衆のひとりとして、吉本興業元会長(社長)の林正之助の名前が載っていた(森功著『大阪府警暴力団担当刑事』より)というような素性の悪さは、相変わらず払拭できてないみたいです。お笑い芸人たちが、兼近に対して「前向きに生きてほしい」と激励するのも、吉本がテレビのお笑い番組の枠をほぼ独占し、絶対的な権力を持っているからで、彼らはただ吉本に動員されているにすぎないのです。そんな吉本を忖度するだけの芸能マスコミのヘタレぶりにも呆れるばかりです。
芸に生きる人間に品行方正を求めるのは筋違いだというような話もありますが、「浪速恋しぐれ」は大昔の話です。今はテレビなどメディアを通して自分の芸を切り売りし、そして、売れっ子になって企業のCMに起用され、兼近のようにタワマンに住むことを目標にしているような芸人が大半です。「芸人」という言葉だけが残っていますが、実体はアイドルと変わらないのです。アイドルの歌や踊りの代わりに笑いがあるだけです。
過去に犯罪歴があってもやり直すチャンスはあるべきだという話も、芸人にとっては気休めにすぎません。百歩譲って兼近の弁明を受けれたとしても、では、女子高生を売春させたり、強盗事件の主犯格の人間と一緒に窃盗をはたらいた人間の芸に笑うことができるか、という話でしょう。それに尽きるのです。
関連記事:
『芸能人はなぜ干されるのか?』