近所に頭にバンダナを巻いた年の頃50前後のご主人がひとりで切り盛りしているラーメン屋さんがあります。といっても、「切り盛りする」というほど流行っているわけではありませんが‥‥(笑)。

夕方から深夜にかけて営業しているみたいなのですが、いつ前を通ってもご主人がカウンターの中の椅子に座って所在なげに表の通りを眺めています。お客さんが入っているのを見たことがほとんどありません。

店の中もおせいじにもきれいだとはいえません。店が入っているのは三軒長屋の古い二階建ての建物なのですが、駅からつづく表の通りにあるため、そのうち建て直しで立ち退きを迫られるんじゃないか、などと勝手な想像をめぐらす始末です(借家だと勝手に決めつけているのですからずいぶん失礼な話ですが‥‥)。

ところが、ここの”中華そば”が結構おいしいんですね。引っ越して2週間足らずですが、もう3回食べに行きました。

どうして流行ってないのか。私には不思議でなりません。

ご主人は決して愛想のいい方ではありませんが、だからといって嫌味な感じはなく、むしろその仕事ぶりからも誠実な人柄が伺えます。店員がふて腐れたような態度で仕事をしている駅前のラーメン屋などよりはるかにマシです。

でも、流行ってない。どうしてなのでしょうか。

いらぬおせっかいかもしれませんが、私はこの哀愁漂うラーメン屋さんの行く末が気になって仕方ありません。
2006.11.28 Tue l 日常・その他 l top ▲
「引っ越したらトラブルつづき」というのはよくある話ですが(ある意味、引っ越し話の定番ですが)、私の場合も例外ではありません。

引っ越して10日が経ちましたが、今度はテレビが壊れました。

まだ買って1年半のテレビなのですが、突然、電源が入らなくなったのです。朝まで普通に映っていました。ところが、夜、帰宅してスイッチを入れてもまったく反応しないのです。まるで狐に摘まれたような話でした。

それが金曜日のことだったので、仕方なく土日はテレビなしですごし、今日、メーカーに修理の依頼をしました。

ところが、修理は木曜日になるというのです。「あいにく依頼が多いものですから」というお決まりの台詞しか返ってきません。「おたくの商品、そんなに故障が多いの?」と思わず半畳を入れたくなりました。

今日は月曜日ですからあと3日間テレビなしですごさなければなりません。しかも、考えてみれば、木曜日に修理に来てもその日に直るとは限らないのです。

テレビがないと静かなのですが、ただ、夜は静かすぎて聞きたくもない音まで耳に入ってきます。

深夜、上の階だと思うのですが、ドスンドスンと地響きのような音がするのです。ここは新築のマンションで比較的防音もしっかりしており、隣の部屋の音などはまったく聞こえないのですが、あれは何なのか。

足音のようにも思いますが、しかし、まさか小錦が住んでいるわけではないだろうし(笑)、普通の歩き方だったらそんな音はしないはずです。毎晩、逆立ちの練習でもしているのか、と思ってしまいます。

要は、普通に生活してくれればそれでいいのです。「普通に生活するように伝えてください」と管理会社の担当者に言ったところ、「そうですよね~」と頭を掻いていました。

社会のシステムが複雑になったからなのか、最近、街中でも電車の中でも「普通ではない」人が多くなった気がします。そんな「普通ではない」人が身近にいると、ヒューマニズムや寛容な精神など所詮きれい事、ただただはた迷惑なだけだということがよくわかりました。
2006.11.27 Mon l 日常・その他 l top ▲
引っ越して3日目。

荷物の整理もいっこうに進んでいません。

それ以上に深刻なのがこの1週間にいただいたご注文の発送です。大変ありがたいことですが、既に100件近くたまっています。

ところで、早くも失敗してしまいました。

昼食にピザを頼もうと電話でピザ屋に注文したときです。受付の男の子がやけにモタモタしているのです。さすがに私もイライラして、「早くしてよ」と文句を言いました。

そして、注文を終えて電話を切ったら、すぐにまた電話がかかってきました。

「そちらの住所をもう一度確認したいのですが‥‥」と言うのです。私は「なに、このピザ屋」と思いました。

「近くに何か目印のようなものはありますか?」

私はすっかりあきれてしまって、「どういうことなの?」とつっけんどんな言い方をしました。

「すいません。こちらにある地図が古いものですから」

「地図が古い?」それじゃ話にならんだろう、と思いながら、ベランダに出て目に付いた建物を伝えました。

30分後、配達に来たときのことです。アルバイト風の若い男の子がなんだか申し訳なさそうに口を開きました。

「あのー、住所が違っているみたいなんですけど」
「エエッ」
「”1907-1”とおしゃってましたが、”1097-1”だと思いますが‥‥」
「エッ、そうなの?」
「それで確認に時間がかかりまして‥‥」

ピザ屋の男の子が帰ったあと、あわてて不動産会社からもらった書類を確認しました。たしかに”1097-1”となっていました。私は何を勘違いしたのか、ずっと”1907-1”と思い込んでいたのです。

まだ区役所に転居届けを出してないので幸いしましたが、ただ、「もしや」と思ったことがありました。社名入りの封筒の印刷が既に出来上がり受け取ったあとだったのです。

祈るような気持で封筒を確認しました。しかし、案の定、そこには”1907-1”と印刷されていました。手回しのいいときに限ってこの始末です。

でも、もったいないのでそのまま使うつもりですが‥‥(笑)。
2006.11.18 Sat l 日常・その他 l top ▲
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埼玉県民最後の日、さすがに朝早く目が覚めました。マクドナルドにバリューセットを食べに行ったついでに、駅前の風景を写真に収めました。

2年前にシネコンが併設されたショッピングセンターができましたが、それまで駅前には広大な空地が広がっていました。近くに元筑波大学付属の農業高校があった関係で、筑波大学の所有となっていましたが、まったく利用されずに放置されたままでした。

聞けば、駅周辺は戦争中、軍事用の空港だったのだそうです。

もっとも、駅ができたのは20数年前で、私が引っ越して来た10数年前は駅前通り(写真)もまだ至る所空地だらけでした。

マクドナルドから戻ってほどなくすると、引越しのトラックがやって来ました。淡々と引越し作業は進み、あっという間に終了しました。

余談ですが、引越しの荷物でいちばんやっかいだったのが、数千冊の本でした。ずいぶん処分したつもりですが、それでもダンボールが100箱近くありました。引越し業者の方もかなりへばっていたみたいです。

荷物を積み終えたあと、私が「さらば、さらばじゃ」と言ったら、業者の方も笑っていました。

いざ出発しようとしたとき、前の家のおじさんが出て来ました。

「どうも、お世話になりました」と私。
「いや~、どうも、さみしくなりますね~」
「お元気で」
「あなたこそ、お元気で」「また遊びに来てくださいよ」

そして、鶴ヶ島インターから関越に乗り、環八・第三京浜を乗り継いで1時間あまりで新居に到着しました。
2006.11.15 Wed l 日常・その他 l top ▲
いよいよ引越しの日が迫ってきました。

今日は友人一家がやって来ました。遠くに行くのでしばらく会えないかもしれないから、と遊びに来たのです。

私が埼玉に居を構えるようになったのは彼らが先に住んでいたからです。

彼らを訪ねて来たとき、きれいに区画整理された街並みを見て、「いいところだな~」と感激しました。そして、彼らの勧めもあって引っ越すことを決めたのでした。

そんな彼らも、数年前、新しくマンションを買って同じ沿線ですが他の地へ移ってしまいました。

おいしい天麩羅屋があるからといって天麩羅をご馳走してくれました。すぐ近所なのですが、私は初めての店でした。「お前、こんなおいしい店をホントに知らなかったのか?」と友人もあきれていました。

引っ越す日が迫ってくると、やはり、一抹のさみしさはあります。

10数年、いろんな思い出がこの街には詰まっています。

父親の葬儀を終え、九州から戻って来た夜、駅前のラーメン屋でチャーハンを食べていたら、突然、涙があふれてきて仕方なかったことがありました。今はそのラーメン屋のあとに瀟洒なマンションが建っています。

会社を辞めた翌朝、私は、いつもの都内に向かう電車と反対側の電車に乗りました。そうやって反対側の電車に乗ることをずっと憧れていたからです。

そんな様々な思いがこの街の風景の中にあります。

写真屋の息子としては写真を撮っておかなければと思うのですが、忙しくてまだ撮っていません。

帰るとき、友人から「じゃあ、元気でな」と言われたのですが、そう言われるとなんだか益々さみしい気持になりました。
2006.11.11 Sat l 日常・その他 l top ▲