
自由が丘にももう20年来通っていますが、かつて取引していた雑貨屋さんがコンビニになったり、お気に入りの手芸雑貨の店がなくなったりと細かい変化はあるものの、この街の良さはずっと変わらず残っているように思います。
上の写真は駅の並びにある自由が丘デパートです。外観は以前に比べてちょっとオシャレになりましたが、中は相変わらずディープな自由が丘が健在です。隣のひかり街とともに昔の自由が丘を垣間見せてくれ、私の好きなスポットのひとつです。そういえば、世田谷の池尻にも池尻デパートというのがありましたが、昔の東京には三越や伊勢丹とは違うこの手の「デパート」が点在していたのでしょうか。
サラリーマンの頃、アルバイトというか、知り合いの南米雑貨の店が月に1回、駅のホームにある貸しスペースで催事(出店)をするのに商品の搬入と搬出の手伝いをしていたことがありました。車で商品を運ぶだけで1時間もあれば終わるような簡単な仕事でしたが、1回につき1万5千円のアルバイト代を貰っていました。
ただ、搬入も搬出も日曜日の夕方だったので、それが面倒でしたが、よくガールフレンドと待ち合わせてアルバイト代を軍資金に自由が丘でデートしたものです。
今の自由が丘はスィーツフォレストの登場などもあって、”スィーツの街”というイメージがすっかり定着しましたが、昔はスィーツと言えば駅前のダロワイヨしか記憶にありません。もっとも、周辺にこれだけ典型的な中産階級の住宅地を抱えているわけですから、私が知らないだけで、昔からおいしいスィーツの店はあったのかもしれません。ちなみに、ダロワイヨに関しては、あの不二家の不祥事のとき、不二家の子会社だということを初めて知り、ちょっとがっかりした覚えがあります。
もうひとつ、今の自由が丘で目立つのは学習塾です。それも専任のガードマンがいて交通整理をしたり、生徒専用のカフェが併設されていたりと、やたら贅沢なのです。やはり、周辺の奥沢など高級住宅街の子弟向けに高級志向になっているのでしょうか。
小さな子供を連れたお母さんもよく目に付きますが、これも最近の自由が丘のウリのひとつになっているようです。それに合わせて、子供向けのショップも多くなりました。かつて、セゾンが運営していた子供向けの百貨店(デパート!)・パオが自由が丘にもあったのですが、たしか10年も持たなかったのではないでしょうか。なんだか皮肉なものです。
自由が丘は圧倒的に女性の街ですが、最近は特に若い女性が目立つようになりました。そんな中でドキッとするようなきれいな子をよく見かけます。そのためか、駅前にはスカウトマンとおぼしきスーツ姿の青年が目の前を通りすぎる女の子達に視線を走らせながらいつも立っています。これもおなじみの光景になりました。
しかし、昔、モデルの女の子に聞いた話では、最新のファッションを着て自由が丘の駅周辺をブラブラ歩きまわる仕事があるのだそうです。要するに、ファッションメーカーの宣伝なのですね。私は、その話を聞いてから、自由が丘で遭遇するきれいな子がみんなやらせのモデルに見えて仕方ないのです。
下の写真は、駅の南側の緑道沿いに新しくできた花屋さんです。なんだかフランスのポストカードに出てくるようなオシャレな花屋さんだなと思ったら、それもそのはずで、パリにある花屋さんのチェーン店だそうです(MONCEAU FLEURS JAPON)。駅から少し離れると緑が残っているところも多いので、これからの季節はこういったショップがよけい映えるのではないでしょうか。

自由が丘というのは、現代風なオシャレ度も高いけれど、一方で昔の東京の郊外の街の良さも残っており、駅ビルやショッピングセンターなどとは違った、いわば街を散策する楽しさを満喫できる数少ない街だと思います。下北沢みたいに駅前再開発なんていう無粋な話が出て来ないことを願うばかりですね。