昨日、たまたまテレビを観ていたら、オセロの中島知子がテレビ朝日の番組に出演していて、一連の騒動の”真相”をみずからの口で語っていました。

彼女によれば、マインドコントロールなんてまったくの絵空事であって、家賃滞納は世間知らずのわがままと浪費癖が原因で、その背景には相方(松嶋尚美)や会社(松竹芸能)との確執があったと言うのです。

私自身もちょうど1年前に、マインドコントロールに疑問を投げかける記事を書いていましたので、放送を観てやっぱりと思うところはありました。

それにしても、報道と今回の「激白」の間にはあまりにも落差がありすぎるのです。もしマインドコントロールが絵空事であったなら、芸能マスコミの”暴走”などといったレベルを越えて、もはや2ちゃんねるなどと同質の”言論の犯罪”と言われても仕方ないでしょう。

この国が総理大臣を先頭にカルト化している現実が、ここにも表れているように思います。既存のマスコミとネットは、一見対立しているかのように見えますが、実はカルト化する現実のもとでは見事なくらい共犯関係にあるのです。生活保護叩きや尖閣や竹島問題など、マスコミとネットの結託はいろんなところで見られますが、この騒動もそのひとつと言ってもいいでしょう。ネットとマスコミによる”捏造される真相”のカラクリを知る上でも、この騒動は格好のサンプルになるように思います。

もちろん、これで中島知子も無事芸能界復帰というわけにはいかないでしょう。むしろ逆に、芸能マスコミによる中島知子叩きはエスカレートしていくのではないでしょうか。なぜなら芸能マスコミは、”捏造される真相”をこれからも糊塗しつづけなければならないからであり、さらにそこに芸能界のオキテを破った中島に対して制裁を科す松竹芸能の意向もはたらくからです。哀しいかな、中島知子も「言ってることが変だ」「辻褄が合わない」とかなんとか難癖をつけられて、”狂人”扱いされるのがオチでしょう。

怖い、怖い、芸能界。所詮やくざな人買い稼業でしかない芸能界。芸能界は、カタギが足を踏み入れてはいけない”特殊な”世界だということをあらためて痛感させられます。

>> マインドコントロール
2013.03.30 Sat l 芸能・スポーツ l top ▲
目黒川2013020


若い頃は花なんてまるで興味がありませんでした。花見に行くのも彼女とのデートが目的で、花なんてどうでもよかったのです。「花がきれいね」「いや、君のほうがきれいだよ」なんてことは言わなかったものの、花より団子、花より女の子という感じでした。

ところが不思議なもので、年を取ると花が恋しくなるのです。梅でも桜でも、花の季節になると、無性に花を見たいと思うようになるのでした。

今年は桜の開花が早く、都内では先週が見頃でした。そのため先週の土日は、東横線の電車から目黒川が見えるのですが、目黒川の川沿いや中目黒界隈は大変な人出で、文字通り芋を洗うがごとしの様相でした。しかも、昨夜(月)は雨が降り、今日も朝から強い風が吹いていましたので、このままでは今年は桜を見逃してしまうのではないか、そう思うといてもたってもいられません。それで、今朝、目黒川に花を見に行ってきました。

この界隈はドラマにもよく登場するので若いカップルにも人気で、最近もフジの「最高の離婚」というドラマのロケで使われたそうです。恋を語るには、ぼんぼりの明かりに照らされた夜桜のほうがお似合いなのかもしれませんが、花が目当てのピューリタンなおっさんにはそんなの関係ねぇ(古い!)、むしろ朝のほうが似合っているのでした。

(写真はスマートフォンで撮りました)


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2013.03.26 Tue l 東京 l top ▲
床屋政談を。

先日、衆院予算委員会で、日本維新の会所属の某議員が、福島第一原発事故で飛散したセシウムは「低線量で人体に無害。医学を無視し、科学を否定する野蛮な『セシウム強制避難』を全面解除すべきだ」と発言したそうです。この暴言に対して、あるネットの掲示板に、国会は今や「犯罪者と狂人の集会」になり下がったという書き込みがありましたが、うまいこと言うなと感心しました。

総選挙後の国会を見ると、およそ選良には似つかわしくないような人間たちがよくもまあこんなに揃ったものだと感心さえします。そして、安倍首相を先頭に、「悪党(ならず者)の最後の拠り所」(サミュエル・ジョンソン)たる「愛国心」が声高に振りかざされ、エーリッヒ・フロムが『自由からの逃走』で喝破した「パンは与えないけど見世物を与える」排外主義的な扇動政治がはじまったのでした。一部で安倍首相とネトウヨとの関係も指摘されていますが、安倍首相をヒーロー扱いするのはなにもネトウヨだけではありません。

最新の世論調査では、70%前後がTPP参加を支持し、安倍内閣の支持率も65~70%の高水準を推移しているという結果が出ていますが、見方によってはそれはマスコミの”自作自演”とも言えるのです。名古屋のデパートでバーキンが1日に5個売れたのもアベノミクスのおかげだ、みたいな記事が朝日新聞に出ていましたが、こういったマンガのような話がまことしやかに流通しているのが今のマスコミなのです。

一部の大企業が安倍首相の要請に応じて賃上げを実施したら、もうそれだけで大騒ぎして、あたかもこれから「景気がよくなる」かのように書き立てるのですが、経済というのはそんな簡単なものではないでしょう。アベノミクスの目玉である量的緩和なども然りですが、そんなに簡単だったら誰も苦労しません。しかも、勤労者の大部分は賃上げとは無縁で、逆に物価上昇&重税によって実質賃金は目減りするだけなのです。でもマスコミは、そういったアベノミクスの負の側面についてはいっさい書きません。

原発再稼動は着々と進み、懸案の発送電分離も自民党の反対で骨抜きにされる雲行きのようですが、あの原発事故からまだ2年しか経ってないのです。にもかかわらず、全てが元の木阿弥になりつつあるのです。原発事故で何が変わったのか。結局、何も変わらず、ただ私たちに電気料金の値上げが押し付けられただけです。

現在、一部のマスコミにようやく石原慎太郎氏の三男のスキャンダルが取り上げられていますが、そのスキャンダルの根っこにあるのは石原家とパチスロ大手の”ただならぬ関係”です。これで石原氏がかつてぶち上げたお台場のカジノ構想の裏事情があきらかになりましたが、では、オリンピック誘致はどうなのか。むしろそっちのほうがスキャンダルの本丸と言うべきでしょう。

一方、安倍首相も、下関の豪邸が「パチンコ御殿」と揶揄されるくらい、地元ではパチンコ業界とのつながりが深いことで知られているのだそうです。プリベートカード導入の際、導入に反対する北朝鮮系(旧社会党系)の業者と賛成する韓国系(自民党系)の業者の暗闘があり、その背後には利権を求める政治家や官僚の介在があったなんて話を聞くと、ロシアと変わらないじゃないかと思ったりします。しかも、ロシアのマフィアは正真正銘のマフィアですが、この国のマフィアは政治家や官僚なのです。

このような「愛国者」たちの実像を知るにつけ、戦後という時代の背理を考えないわけにはいきません。そこにあるのは、「愛国」と「売国」が逆さまになった、哀しくも無残な政治的(戦後的)光景です。TPPなどにもそれは端的に示されています。安倍首相は、TPPでアメリカに拝跪し、関税自主権を放棄して自国の市場をアメリカに売り渡そうとしながら、一方で、郷土を愛する・国を愛する教育を再興しなければならないと主張するのです。それこそ「愛国」と「売国」が逆さまになった戦後という時代の背理を見事に体現していると言うべきでしょう。

こう考えると、「愛国心は、悪党(ならず者)の最後の拠り所」というサミュエル・ジョンソンのことばが、リアルな現実として、今さらながらに思い出されてならないのです。

>> 文壇タブー
2013.03.19 Tue l 社会・メディア l top ▲
昨日テレビを観ていたら、私の田舎が出てきたのでびっくりしました。折しも先日、田舎の同級生からも電話がかかってきて、最近、田舎が「すごいことになっている」話を聞かされたばかりでした。私の田舎は、九州の山間の温泉場なのですが、温泉の特徴である”炭酸泉”がにわかに注目され、若い女性の間に人気が出て、町も活況を呈しているのだそうです。

昔は文字通りひなびた温泉場で、10軒あまりある温泉旅館も、跡を継ぐ人間なんて誰もいませんでした。過疎化の速度もすさまじく、私たちが中学生の頃は1学年200人前後いましたが、20数年前、私が石もて追われ田舎を出る頃は(石川啄木か!)、20人くらいしかいませんでした。

ところが、私が田舎を出てから、このひなびた温泉場が脚光を浴びるようになり、跡を継ぐ者がいなかった旅館も、二代目三代目が帰って来て、建物もつぎつぎと建て替えられたのです。

先日の電話でも、「Tちゃん(私の名前)が東京に行っちから不思議とN(田舎の地名)が発展しだしたんだよな」と皮肉を言われ、おれは厄病神かと思いました。最近は都会からの「移住」にも力を入れていて、これがまた人気だと言うのです。「Tちゃんも帰って来ればいいだべ。田舎でんインターネットはできるだべ」(方言は創作デス)と言うので、「だからさぁ、前から言っているように、おれはさぁ、たとえ野垂れ死にしても帰るつもりはないのさ」と怪しい東京弁で返答しました。

で、そのテレビですが、通販の化粧品かなにかのCMでした。”炭酸泉”というのは非常にめずらしくて、”炭酸泉”には「美肌効果」があると言うのです。どこかの大学の先生も出てきて、「美肌効果」にお墨付けを与えるようなコメントを述べていました。一方、それを聞きながら私は、田舎の人たちのなつかしい顔を思い浮かべていました。

田舎では、町営の温泉があちこちにあったので、内風呂のある家なんてなく、みんな町営の温泉に行ってました。私は中学までしか親元にいませんでしたが、それまでは毎日温泉に入っていました。当時は町営の温泉場は24時間開放されていましたので、1日に2度も3度も入ることもありました。

でも、うちの家族でも、近所の人たちでも、同級生でも、役場の職員でも、旅館のおばさんたちでも、サメ肌のような人はいくらでもいましたが、美肌の人間なんてひとりもいませんでした。唯一、初恋の相手の女の子だけが「美肌」のように見えましたが、それも「あばたもえくぼ」の幻覚だった可能性が大です。私自身も、前に書いたように、花粉がくっついて困るくらいフランス人形のようにまつ毛が長いという自覚はありますが、美肌だという自覚はありません。実際に、「背が高いね」「足が大きいね」「お金がないね」「将来が不安ね」と言われたことはありますが、「肌がきれいね」と言われたことは一度もありません。母親なんておよそ60年間温泉に入っていますが、とても美肌だとは言い難い。そもそも昔は「美肌効果」なんて誰も言ってませんでした。

もっとも温泉というのは、テレビ東京の旅番組を観ればわかりますが、この手の”誇大広告”が付きものです。まあアベノミクスと同じで、一種のおまじないみたいなものかもしれません。

アベノミクスで再び日本にバブルが訪れるのではないかと言われていますが、田舎の活況も「美肌効果」なんて”誇大広告”に踊らされたバブルにすぎないのではないのかとちょっと不安になりました。
2013.03.17 Sun l 日常・その他 l top ▲
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午後から渋谷に出かける用事があったので、ついでにもう一度東急東横線渋谷駅の写真を撮ってきました。

今日が最終日とあって、駅構内は記念の写真を撮る人たちで大混雑でした。また明日から地下にもぐる代官山~渋谷間では、道路の至るところにカメラを構えた人たちの姿が見えました。一方、ホームが見渡せる駅前の歩道橋の上もカメラを構えた人たちが鈴なりでした。テレビ局のクルーもあちこちに来ていて、通行人や写真を撮っている人たちにインタビューしていました。

ホームでは、「迷惑になりますので、立ち止まらないでください!」「ここは撮影禁止です。撮影をおやめください!」と警備員たちの怒号のような声が響いていました。そのくせ、「東急電鉄」の腕章を付けたグループは、乗客の迷惑も顧みず(!)ベストポジションでビデオカメラをまわしているのでした。

ホームでは、腰の曲がったお婆さんが写真を撮っていました。聞けば、祐天寺から写真を撮るためにやってきたのだそうで、「涙が出そうですよ」と言ってました。怒鳴られ邪魔者扱いされながらも、みんなそれぞれ思い出を胸にカメラを構えているのでした。


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2013.03.15 Fri l 東京 l top ▲
先日、若い子に「あのきゃりーぱみぱみだけどさぁ~」と言ったら、「きゃりーぱみぱみではなく、きゃりーぱみゅぱみゅですっ」と訂正されました。

このように未だ正確に名前も言えないおじさんですが、テレビできゃりーぱみゅぱみゅ(この部分はコピーして貼り付けています)を見るにつけ、なんだか痛ましささえ覚えてならないのです。きゃりーぱみゅぱみゅは、文字通り”お人形さん”という感じですが、しかし、それを演じているのは、(年齢にサバを読んでないのなら)れっきとした二十歳前の多感な年代にある女の子なのです。

さすがに最近は、その奇抜なファッションと大人になりつつある容姿の間にギャップが生じはじめているような気がしないでもありませんが、それより私が気になるのは、彼女のあのどこか悲しげな目です。

AKBもそうですが、きゃりーぱみゅぱみゅも、売れている間に仕事を選ばずとことん稼がさせようという事務所の思惑がミエミエで、ホントにいろんなところで見かけます。ケーブルテレビのマイナーな番組にレギュラー出演しているのを見て、こんなところにも出ているのかとびっくりしたことがあります。

きゃりーぱみゅぱみゅも、AKBの大島優子と同じように、12歳のときにロリコン向けDVDにスクール水着で出演した”過去”があるそうです。「ジュニアアイドル」と言えば聞こえはいいですが、その手のDVDが、建前はともかく本音では、小児性愛の特殊な大人たちをターゲットにして制作されていることは間違いないのです。

つまり、お金のために(?)、まだ物心もつかない小学生の彼女を、ロリコンたちの舌舐めずりするような淫靡な視線にさらした保護者や業界関係者が彼女の後ろにいたということです。おそらくそれは今も変わらないのでしょう。勝手な想像ですが、そのこととあの悲しげな目は本当に関係がないのだろうかと思います。

児童ポルノの規制に関しては、表現の自由との兼ね合いでさまざまな意見がありますが、同性愛者向けの男児のビデオも含めて、背景に変態、いや、”特殊な性癖”をもつ人間たちの市場があり、そのために子どもたちが犠牲になっている現実があるということを忘れてはならないでしょう。

もとより芸能界も「特殊な」世界で、カタギにはとてもできない仕事です。それはAKBも「ジュニアアイドル」もきゃりーぱみゅぱみゅも例外ではないのです。そして、なによりAKBに代表されるようなアイドル商法が、児童ポルノと背中合わせであるということも忘れてはならないでしょう。

>> 峯岸みなみの丸刈り謝罪
2013.03.14 Thu l 芸能・スポーツ l top ▲
今年は花粉症が深刻です。

私は、4~5年前くらいから行きつけの病院で花粉症の薬を処方してもらっていますが、それまで飲んでいた市販の薬に比べたら効果はてきめんで、これでいくらか花粉症の悩みから解放されたと思っていました。

ところが今年は、それがまったくの幻想だったことを思い知らされています。くしゃみや鼻水はそうでもないのですが、とにかく目の痒みがひどいのです。もはや限度を超えていると言ってもいいほどです。

昨日も外出先で猛烈な目の痒みに襲われました。そして、ほうほうの態で知り合いの会社に着くや、洗面所に直行して、洗眼液で目を洗い、目薬をさして、ようやくひと息吐くことができました。

赤鬼のような形相で駆け込んできたので、みんな「何事か?」と思ったそうです。真っ赤に腫らした目を見て、「違う人みたい」と言われました。

もちろん、病院で点眼液を処方してもらってますが、ほとんど気休めでしかありません。山本リンダではないですが、痒くなったら「どうにも止まらない」のです。

それでも「フランス人形みたいにまつ毛が長いので、他人(ひと)より花粉が付きやすいんだよ」と減らず口を叩いたら、飲みかけのウーロン茶を吹き出した人がいましたが、まったく髪も眉もまつ毛も全部そり落としたい心境です。

私は花粉症になって10数年ですが、こんなにひどいのは初めてかもしれません。ゴーグルのようなメガネをかけるのは恥ずかしいけど、こんな状態がつづくならあのメガネをかけるしかないかなと本気で思っています。
2013.03.12 Tue l 日常・その他 l top ▲
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前も書きましたが、来週の3月16日から東急東横線と地下鉄副都心線の相互乗り入れがはじまります。それに伴い、東横線のホームが今の渋谷駅の2階から渋谷ヒカリエの地下5階の副都心線と共有のホームに移転します。つまり、あの見慣れた東横線のホームが姿を消すのです。ちなみに、東横線のホームが高架になったのは、1964年だそうです。

それで今朝、渋谷に行ったついでに、スマートフォンでホームの光景を写真に撮りました。今日は日曜日とあって、ホームには消えゆく光景を写真におさめようという人たちが至るところにいました。また、電車から降りてくる乗客のなかにも、携帯を取り出して写真を撮る人がいました。そうやって記念に残すために写真を撮っている人たちを見るにつけ、写真屋の息子としては、ちょっと感動するものがありました。

東横線の桜木町駅が廃止になったのは9年前だそうですが、あのときも写真を撮っておけばよかったなと今になって思います。ネットで探しても、旧桜木町駅の写真は意外と少ないのです。ただ、当時と違って今はブログをやっている人も多いので、そのうち旧渋谷駅の写真があふれるようにネットにアップされるのかもしれません。

東急桜木町駅が廃止になってまだ9年しか経ってないというのも意外な気がしました。感覚的にはもっと昔だったように思っていたからです。それくらい街はめまぐるしく変貌しています。それが現代の資本の回転速度なのでしょう。

若い頃は街の変化を楽しむ余裕がありました。でも最近は、そのスピードにまったくついて行けない(行けてない)自分がいます。アポリネールの「ミラボー橋」ではないですが、「時は流れ私は残る」といった感じで、なんだかおいてけぼりにされているような気さえするのです。だから、よけい街の変化に寂寥感を覚えるのでしょう。  

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>> 真実は現実にある
2013.03.10 Sun l 日常・その他 l top ▲
大阪市立桜宮高のバスケット部員の自殺や女子柔道の有力選手たちの告発などをきっかけに、にわかに問題が表面化した体罰問題に対して、多くの識者がさまざまな意見を述べていますが、そのなかで意外にも、と言ったら失礼かもしれませんが、元ラグビー日本代表の大八木淳史さんの発言がいちばんこの問題の本質を衝いているように思いました。

大八木さんは、毎日新聞のインタビューにこう答えていました。

「体罰の歴史と目的を理解しないと。体罰は明治時代以降の富国強兵に使われた。目的は強い軍隊、つまり国益。では今は? スポーツ関連の国家予算を見ればわかる」
「競技スポーツ、つまりメダル獲得プロジェクト。これも国益やないですか。富国強兵時代と一緒。国益や学校のブランド力のためのスポーツだから体罰が生まれる」
(毎日JPより 毎日新聞 2013年03月06日東京夕刊)
特集ワイド:愛ある体罰「ないですわ」 ラガーマンで教育者、大八木淳史さんが語る


大八木さんが言うように、スポーツが国益や学校の経営と結びついたところから、今のスポーツ界のゆがんだ体質が生まれたというのは、その通りでしょう。そもそもスポーツの成り立ちやその伝来は軍隊と切っても切れない関係にあると言われますが、とりわけスポーツの勝利至上主義は、安倍首相の「強い国」思想に代表されるような国粋主義とパラレルな関係にあると言ってもいいでしょう。

私は、高校に「体育科」やスポーツ推薦制度があって、勉強よりスポーツを優先するような教育が行われていること自体、間違っているように思えてなりません。まして甲子園に出場するために全国から選手を集めているような”強豪校”は論外です。

勉強がすべてではないことは言うまでもありません。勉強ばかりやって頭でっかちにになるのもたしかに問題です。ただ、彼らはまだ高校生なのです。少なくとも高校生ぐらいまでは、勉強ができるかどうかは二の次にしても、まず勉強することを優先すべきではないでしょうか。

勉強しないでスポーツばかりすることが「個性を伸ばす」ことになるのでしょうか。勉強というのは、内田樹氏が言うように、経済合理性でははかれないものだし、功利的なものの考え方からみれば、まったく役に立たない「無駄なもの」かもしれません。でも、デッサンの基礎がないのに、思うがままに絵を描いても、それを「個性」とは言わないし芸術とも言わないのです。

ナショナリズム(愛国)の裏には必ず国家を食い物にする思惑とその構造がありますが、競技スポーツの勝利至上主義の裏にも、全柔連にみられるように、組織や学校を食い物するする思惑とその構造が伏在しているのです。女子柔道の選手たちが、全柔連の組織のあり方そのものに疑問を投げかけているのは当然です。それになにより男子選手ではなく女子選手たちが体罰を告発したというところに、体罰問題の本質が表れているように思います。

今回の告発がオリンピック誘致に大きなダメージになったという声がありますが、それこそスポーツを政治に従属させる国益優先の考え方の最たるものでしょう。そして、その裏にも国家を食い物にする思惑とその構造(オリンピックでひと儲けしようという思惑とその構造)があるのです。もとより、大八木さんが言うように、競技スポーツだけがスポーツではないはずです。

それに、もうひとつ大きな問題は、体罰にも虐待と同じように、先輩から受けた体罰を後輩に同じように行う、いわゆる世代連鎖の問題があるということです。体罰を行う者と体罰を受ける者との間に、絶対的な支配服従関係が存在するのは言うまでもありませんが、そういった関係性のなかにいれば孔子や孟子でもない限り正常な倫理観がマヒしていくのは当然ではないでしょうか。桜宮高校の顧問教師のなかに、人を服従させるサゾヒスティックな快感がまったくなかったとは言えないでしょう。そして、体罰はさらにエスカレートしていくのです。

昔、菅平でのラグビーの夏合宿をみたイギリスの指導者は、「crazy!!」と叫んだそうですが、日本のスポーツ界に深く根をおろす体罰やしごきは、会社のなかにも軍隊的規律の残滓が未だに宿る日本社会の”後進性”を映していると言えなくもないのです。石原慎太郎や橋下徹などは、今でこそ口をぬぐっていますが、かつては体罰やしごきを容認する発言をくり返していました。その根底には、軍隊的規律で国民を支配し国家を統治しようという彼らの国粋主義的な考え方があったのはたしかでしょう。

>> 『下流志向』
2013.03.09 Sat l 芸能・スポーツ l top ▲