安倍辞任は、メディアに言わせれば、「予想外」「突然の決断」「一人で判断」ということになるのでしょう。ただ、一部に辞任の見方がなかったわけではないのです。しかし、そんな見方も、反安倍の朝日新聞の記者が希望的観測であり得ない辞任を吹聴しているだけと言われ、封殺されたのでした。
そもそも安倍首相の持病悪化を報道したのは、私の知る限り『FLASH』(2020年8月18日・25日合併号)だけです。大手メディアは、あれだけ番記者を配置しながら、安倍首相が慶応大学病院に検査入院(一日入院)するまで、どこも病気悪化を報じていないのです。ホントに病気悪化の情報をキャッチしていなかったのか。だったら、どれだけふし穴、無能なんだと思います。もしかしたら、キャッチしていたけど書かなかったのかも知れません。そうであれば、ことはもっと深刻でしょう。
官邸担当の記者たちに、ジャーナリストを名乗る資格はないのです。記者会見のおべんちゃら質問を見てもわかるとおり、もはや彼らはただの御用聞きにすぎないのです。
そんな彼らが、辞任表明の記者会見においても、なにひとつ突っ込んだ質問ができないのは当然と言えば当然でしょう。病気だから仕方ないとか、不本意な辞任だとか、同情論で報じるのもむべなるかなと思います。誰もフジ・サンケイグループやNHKの幇間たちを笑えないのです。
でも、私は、安倍首相ほど無責任な政治家はいないと思っています。「愛国者に気をつけろ!」と言ったのは鈴木邦男氏ですが、まさに(自称)愛国者の正体見たり枯れ尾花という感じです。メディアは、今回は第一次安倍政権のときとは違うようなことを言っていますが、どこが違うのでしょうか。どう見ても、同じことをくり返したとしか思えません。
安倍政権を批判するあまり、持病(潰瘍性大腸炎)について言及するのはフェアじゃない、同じ病気と闘いながら仕事をしている人たちを傷つけることになるというような声があり、それも安倍批判を封じる口実になっていましたが、「同じ病気と闘いながら仕事をしている」一般のサラリーマンと安倍首相は、立場が全然違います。安倍首相は内閣総理大臣という、この国の政治(行政)を司る公人!なのです。
この国の最高権力者である限り、みずからの持病に対して責任を持つのは当然です。持病の不安がありながら(そのリスクを抱えながら)、あえて二度も内閣総理大臣の座を求めたのは、きわめて無責任と言わねばならないでしょう。これほど国家や国民をみくびった話はないのです。
しかも、安倍首相は、連続在任日数が大叔父の佐藤栄作元首相の記録を抜いて歴代1位になった途端に、辞任を表明したのでした。まるで連続出場記録の更新を餞に引退するプロ野球選手のようです。でも、連続在任日数の記録更新と辞任の関係を質した記者は、誰ひとりいませんでした。みんな、「ご苦労さまでした」というような質問に終始するばかりでした。
このコロナ禍のなかにあっても、考えているのは自分のことだけです。そんな人間の一体どこが愛国者なんだと思います。「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」という石垣のりこ参院議員のツイートは正鵠を得ており、「不適切発言」なんかではありません。第二次安倍政権が誕生した際、安倍首相は「危機突破内閣が誕生しました!」と得意満面に宣言したのですが、まさに危機の真っ只中で、突破どころかまたしても政権を投げ出したのです。コロナ禍で、失業したり倒産したりして苦境に陥っている人たちを尻目に、「ボクちゃん、お腹が痛いから辞めるよ、バイバ〜イ」というのが今回の辞任の真相でしょう。
念の為に、もう一度くり返しますが、安倍首相は「病気と闘いながら仕事をしている」一般のサラリーマンとは違うのです。内閣総理大臣という公人!なのです。しかも、在任中に突然、病気になったわけでもないのです。最初に政権を投げ出したとき(投げ出さざるを得なかったとき)、ホントに公人!としての責任を感じていたなら、同じことをくり返さないでしょう。
安倍首相は、会見で、拉致問題を解決できなかったのが断腸の思いだと言ってましたが、たしかに彼が権力の階段を駆け上ったのも“拉致の安倍”のイメージがあったからでしょう。でも、ホントに解決しようという気持があったのかはなはだ疑問です。彼のヘイトな極右思想と旧植民地である北朝鮮とのデリケートな交渉が相容れないことは、最初からわかっていたはずです。せいぜいが、兵糧攻めにすれば北朝鮮が根を上げて拉致被害者を差し出して来るという、オウム真理教まがいの荒唐無稽な奪還論を主張するのが関の山でした。しかも、拉致被害者の家族もネトウヨと一緒になって、そんな荒唐無稽な奪還論を共有していたのですから、何をか況やです。いいように利用され、騙されたという認識もなく、「安倍さんが辞めるのは残念」「これで拉致問題の解決が遠のく」などと言っている家族たちを見ると、ますます現実から遊離し、カルト化して、孤立の道を歩んでいるようにしか思えません。
辞任しても、解決の道筋をつけていたのなら、それを引き継げばいいだけの話です。ても、そんなものはどこにもないのです。
7年8ヶ月に及ぶ“安倍時代”がもたらしたのは、ヘイトの蔓延と格差の拡大と政治の私物化です。私は、安倍首相については、国会で総理大臣の席から口をすぼめてヤジを飛ばしている、バカ丸出しの姿しか思い出しませんが、そんな姿が不毛な“安倍時代”を象徴しているように思えてなりません。
安倍首相は、内閣総理大臣というまぎれもない公人!なのです。だからこそ、ときには水に落ちた犬を叩くような総括も必要なのです。でないと、小泉政権以後ずっとつづいている、(またぞろ愚劣な復縁劇を演じている連合子飼いの野党も含めた)この世も末のような衆愚政治を終わらせることはできないでしょう。
そもそも安倍首相の持病悪化を報道したのは、私の知る限り『FLASH』(2020年8月18日・25日合併号)だけです。大手メディアは、あれだけ番記者を配置しながら、安倍首相が慶応大学病院に検査入院(一日入院)するまで、どこも病気悪化を報じていないのです。ホントに病気悪化の情報をキャッチしていなかったのか。だったら、どれだけふし穴、無能なんだと思います。もしかしたら、キャッチしていたけど書かなかったのかも知れません。そうであれば、ことはもっと深刻でしょう。
官邸担当の記者たちに、ジャーナリストを名乗る資格はないのです。記者会見のおべんちゃら質問を見てもわかるとおり、もはや彼らはただの御用聞きにすぎないのです。
そんな彼らが、辞任表明の記者会見においても、なにひとつ突っ込んだ質問ができないのは当然と言えば当然でしょう。病気だから仕方ないとか、不本意な辞任だとか、同情論で報じるのもむべなるかなと思います。誰もフジ・サンケイグループやNHKの幇間たちを笑えないのです。
でも、私は、安倍首相ほど無責任な政治家はいないと思っています。「愛国者に気をつけろ!」と言ったのは鈴木邦男氏ですが、まさに(自称)愛国者の正体見たり枯れ尾花という感じです。メディアは、今回は第一次安倍政権のときとは違うようなことを言っていますが、どこが違うのでしょうか。どう見ても、同じことをくり返したとしか思えません。
安倍政権を批判するあまり、持病(潰瘍性大腸炎)について言及するのはフェアじゃない、同じ病気と闘いながら仕事をしている人たちを傷つけることになるというような声があり、それも安倍批判を封じる口実になっていましたが、「同じ病気と闘いながら仕事をしている」一般のサラリーマンと安倍首相は、立場が全然違います。安倍首相は内閣総理大臣という、この国の政治(行政)を司る公人!なのです。
この国の最高権力者である限り、みずからの持病に対して責任を持つのは当然です。持病の不安がありながら(そのリスクを抱えながら)、あえて二度も内閣総理大臣の座を求めたのは、きわめて無責任と言わねばならないでしょう。これほど国家や国民をみくびった話はないのです。
しかも、安倍首相は、連続在任日数が大叔父の佐藤栄作元首相の記録を抜いて歴代1位になった途端に、辞任を表明したのでした。まるで連続出場記録の更新を餞に引退するプロ野球選手のようです。でも、連続在任日数の記録更新と辞任の関係を質した記者は、誰ひとりいませんでした。みんな、「ご苦労さまでした」というような質問に終始するばかりでした。
このコロナ禍のなかにあっても、考えているのは自分のことだけです。そんな人間の一体どこが愛国者なんだと思います。「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」という石垣のりこ参院議員のツイートは正鵠を得ており、「不適切発言」なんかではありません。第二次安倍政権が誕生した際、安倍首相は「危機突破内閣が誕生しました!」と得意満面に宣言したのですが、まさに危機の真っ只中で、突破どころかまたしても政権を投げ出したのです。コロナ禍で、失業したり倒産したりして苦境に陥っている人たちを尻目に、「ボクちゃん、お腹が痛いから辞めるよ、バイバ〜イ」というのが今回の辞任の真相でしょう。
念の為に、もう一度くり返しますが、安倍首相は「病気と闘いながら仕事をしている」一般のサラリーマンとは違うのです。内閣総理大臣という公人!なのです。しかも、在任中に突然、病気になったわけでもないのです。最初に政権を投げ出したとき(投げ出さざるを得なかったとき)、ホントに公人!としての責任を感じていたなら、同じことをくり返さないでしょう。
安倍首相は、会見で、拉致問題を解決できなかったのが断腸の思いだと言ってましたが、たしかに彼が権力の階段を駆け上ったのも“拉致の安倍”のイメージがあったからでしょう。でも、ホントに解決しようという気持があったのかはなはだ疑問です。彼のヘイトな極右思想と旧植民地である北朝鮮とのデリケートな交渉が相容れないことは、最初からわかっていたはずです。せいぜいが、兵糧攻めにすれば北朝鮮が根を上げて拉致被害者を差し出して来るという、オウム真理教まがいの荒唐無稽な奪還論を主張するのが関の山でした。しかも、拉致被害者の家族もネトウヨと一緒になって、そんな荒唐無稽な奪還論を共有していたのですから、何をか況やです。いいように利用され、騙されたという認識もなく、「安倍さんが辞めるのは残念」「これで拉致問題の解決が遠のく」などと言っている家族たちを見ると、ますます現実から遊離し、カルト化して、孤立の道を歩んでいるようにしか思えません。
辞任しても、解決の道筋をつけていたのなら、それを引き継げばいいだけの話です。ても、そんなものはどこにもないのです。
7年8ヶ月に及ぶ“安倍時代”がもたらしたのは、ヘイトの蔓延と格差の拡大と政治の私物化です。私は、安倍首相については、国会で総理大臣の席から口をすぼめてヤジを飛ばしている、バカ丸出しの姿しか思い出しませんが、そんな姿が不毛な“安倍時代”を象徴しているように思えてなりません。
安倍首相は、内閣総理大臣というまぎれもない公人!なのです。だからこそ、ときには水に落ちた犬を叩くような総括も必要なのです。でないと、小泉政権以後ずっとつづいている、(またぞろ愚劣な復縁劇を演じている連合子飼いの野党も含めた)この世も末のような衆愚政治を終わらせることはできないでしょう。