一部のスポーツ新聞や週刊誌が書いている能年玲奈の「洗脳」騒動。

またかと思いました。芸能人が「独立」すると決まって登場するワンパターンの記事。それは、ときに「洗脳」であったり「借金」であったり「略奪愛」であったりするのですが、必ずバックには「黒幕」がいることになっています。世間知らずの芸能人は、その「黒幕」に騙され操られているというわけです。

今回の能年怜奈も例外ではありません。「洗脳」騒動の裏事情については、下記のリテラの記事に詳しいのですが、今回はめずらしく『週刊文春』が能年サイドに立った記事を書いていました。それだけが今までとは違う点です。

リテラ
洗脳なんかじゃない! 能年怜奈の才能をつぶしているのは所属事務所のほうだ!

『週刊文春』(5月7日・14日号)の記事によれば、「あまちゃん」のオーディションで、所属事務所がプッシュしていたのは、能年ではなく、社長が直々にスカウトした川島海荷で、能年は”当て馬”にすぎなかったそうです。

NHKの朝ドラのヒロインに抜擢されてからも能年の給与は5万円で、担当していたのは要領を得ない新人マネージャーで、普段は車も付かないので、見るに見かねたNHKがタクシーチケットを用意していたのだとか。記事は、つぎのようなエピソードを紹介していました。

 東京に戻り、怒涛のスケジュールで撮影が進行していた。深夜、寮に帰ってから明日の本を読みを始め、睡眠時間は平均三時間。
 スタジオに着ていく服の洗濯も間に合わなくなった。お金もない。月給五万円では経費の精算が追いつかないのだ。 
 撮影が終盤に入り佳境を迎えた四月、ついに能年はパンクした。
 この時、能年が弱音を吐いて頼れるのは、折にふれて演技指導を受けていた滝沢しかいなかった。
 深夜、滝沢に電話した能年は泣いていた。
「寮の洗濯機が壊れて、もう明日のパンツがない」
 コンビニで買えばいいと言う滝沢に能年は訴えた。
「財布には二百円しかない」


その滝沢(充子)こそが現在、能年を「洗脳」して「独立」を画策する”黒幕”と見なされている人物です。

能年は、事務所への態度が悪いという理由で半ば干された状態にあるのですが、そのため能年が「事務所を辞めたい」と不満をもらした途端、「洗脳」「独立」の記事がいっせいに芸能マスコミに出たのでした。怖い、怖い、芸能界。やくざな芸能界を象徴する、わかりすぎるくらいわかりやすい騒動と言えるでしょう。

忘れてはならないのは、芸能マスコミが「奴隷契約」(竹中労)でタレントを縛る”人買い稼業”の使い走りをしている事実です。今回も、東スポや『女性自身』や『アサヒ芸能』などが”能年攻撃”の先兵を演じているのですが、テレビ局も含めて、芸能プロダクションの意を汲んだ低劣な芸能マスコミが、そうやって「足抜けは許さない」「裏切り者はこの世界では生きていけない」という”無言の圧力”を作り出しているのです。

石田純一などが所属するプロダクションで、運転手やマネージャーをやっていた現社長が独立してはじめた所属事務所は、体育会系でパワハラもひどくて人の出入りも激しいそうですが、その稼ぎ頭は新垣結衣なのだそうです。なんだか私のなかでは新垣結衣のイメージまで落ちてしまいました。

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2015.05.03 Sun l 芸能・スポーツ l top ▲