先日、下記のような 記事が目に付きました。

Yahoo!ニュース
日本人のTwitter好き「異常」

 Twitter Japanの笹本裕代表は「日本は『バルス』で最高秒間ツイート記録を持つなど、世界的にも“異常”なほどTwitterがよく利用されており、本国の社員から『どうして日本人はこんなに使うの?』と聞かれることもしばしば。普及具合、活用の幅などあらゆる点で世界をリードしている」と話す。


おそらくそれは、日本人は、外国人に比べて、(文化的に)他人とのコミュニケーション能力に劣るところがあるからではないでしょうか。

昔、2ちゃんねるに常駐している人間のことを「一行バカ」と言った人がいましたが、さしずめ今は「140文字バカ」の時代なのです。もちろん、それはツイッターだけではありません。ヤフコメなども同様ですが、お手軽に一行か二行で”自己主張”する傾向はネット全体に蔓延しているのです。

文章を書くことは、同時にものを考えることでもあります。文章を書くなかで、ものの考えがより深まっていくのはよくあることです。でも、ツイッターなどは、ものを考えることにはつながりません。言うなれば、捨て台詞を吐くようなものです。面と向かっては吐けないけど、顔の見えないネットではいくらでも吐けるのです。それが、建前と本音を使い分けて生きる日本人には向いているのかもしれません。日本はほかの国に比べてイタズラ電話が多いそうですが、ツイッターで他者攻撃をするのは、イタズラ電話と似たものがあるのかもしれません。そして、「140文字バカ」たちは、負の感情を元手にした(ひとりよがりの)全能感に酔い痴れるのでしょう。

このブログの記事も、知らない間にはてなブックマークなどに引用され、一行か二行のコメントを付けられることがありますが、いらぬおせっかいで迷惑な話です。ときどきはてなブックマークを拒否することはできないのだろうかと思うことがあります。私は、そういう「双方向」なんてまったく信用していません。

たしかに、ツイッターは「電車の遅延や地震の発生」などの際、身近な情報として役立つ面がなきにしもあらずですし、企業などの情報発信ツールとしてもそれなりに有効だとは思いますが、一方で、ツイッターがネットの”自己表現”をお手軽に劣化させたのも事実でしょう。

ツイッターが招来した捨て台詞を”自己表現”と勘違いする時代。ツイッターが登場した際、「『論壇』がネットを中心に『復活』しつつあり、その『突破口』になっているのがツイッターだ」と宣った”痴識人”(東浩紀ですが)のことが今さらながらに思い出されてなりません。


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2015.09.15 Tue l ネット l top ▲