今日、日本郵便の「お客様サービス相談センター」に、つぎのようなメールを送信しました(一部プライベートに関する部分などの表現を変更しています)。

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本日、代金引換郵便を渋谷郵便局の窓口に出した際のやりとりについて、確認したくメールを差し上げました。

私は、仕事(ネット通販)の関係で、よく代金引換(普通郵便とゆうパック)を利用させていただいており、ラベルの印字も近くの郵便局にお願いしています。

通常は近くの郵便局を利用することが多いのですが、今朝は所用で渋谷に行ったついでに、渋谷郵便局に伺いました。渋谷郵便局は今までも何度も利用させていただいたことがあります。

窓口で郵便物を出すと、「身元を確認できるものがありますか?」と言われたので、健康保険証を出しました。すると、窓口の担当者(若い女性)は、保険証だけでなく、「口座(振替口座)の名義を証明するものがありますか?」と言うのです。

ちなみに、振替口座の名義は屋号で、差出人名は、屋号と名字(個人名)が併記されています。もちろん、住所は保険証と同じです。

しかし、いきなり振替口座の証明と言われてもなにもありません。ご存知のとおり振替口座の場合、通帳もキャッシュカードもありませんので、証明するものなんて普段もっていません。

私は、「そんなこと言われたのは初めてです。いつも保険証や免許証で確認をしていますが、それじゃダメなんですか?」と言いました。すると、彼女は、少しふて腐れたような感じで、「でも、それじゃ受け付けることはできません」と言うのです。それで、私は、「今まで何百通も出したけど、いつも保険証か免許証で確認するだけですよ」と再度強い口調で言いました。

窓口の女性は、ふくれっ面をして「上司に相談します」と言って、奥の席に行きました。そして、上司とおぼしき男性職員が出てきて、今まで何度も見た「代金引換郵便の身元確認の厳格化」を説明した紙を差し出し、「住所は確認できましたが、この口座が本人のものか確認する必要があるのです」と言うのです。

それで、私は、「たしかに窓口での確認が厳格化されたのは知っていますが、口座を確認するものまで必要だと言われたのは初めてですよ」と言いました。すると、「いつもどこの郵便局に出しているのですか?」と訊かれたました。

「港北郵便局や大倉山の郵便局や横浜中央郵便局などです」
「それじゃ、そんな郵便局が間違っていますね」
「エエッ、全部、間違っているのですか?」
「そうです」

上記にあげた郵便局以外にも、横浜や都内のさまざまな郵便局で代金引換郵便を出しましたが、どこも保険証や免許証の確認だけで済みました。

「じゃあ、何を出せばいいのですか?」
「たとえば、口座の名義が書かれた通知票か名刺などです」

受払通知票(註:入金や出金や送金があった場合、その都度郵送されてくる入出金を記録した葉書大の用紙)なんて普段持ち歩いているはずがありませんし、あんな単なる印刷物がホントに証明になるのでしょうか。それに、私は入金確認や送金などはもっぱらネットでおこなっているのですが、最近、ゆうちょ銀行は通知票に代わりネットで確認できるようにぺーパーレスをすすめており、もしペーパーレスに切り替えたら、もはや「口座を確認するもの」がなくなってしまいます。まして、名刺など、いくらでも偽造が可能で、口座を確認するための証明にはとてもなり得ないと思います。

結局、たまたま財布のなかに、前回送った際のラベルの控えがありましたので、「これじゃダメですか?」と言ったら、しぶしぶ(文字通りしぶしぶ)、それと保険証をコピーして「今日はこれで手続きしますが、もしお客様に迷惑がかかってもいっさいの責任はもちません」というようなことを言われました。そして、「今後は口座を証明するものを持ってきてください」と念を押されました。

保険証や免許証など以外に、口座を証明するものがホントに必要なのですか? 担当者が言うように、他の郵便局はすべて「間違っている」「手抜きしている」のですか? 臨機応変に対応するという現場の判断も認めず、全て住所氏名以外に口座を証明するものの提出を「義務付けている」のでしょうか? 身元確認をするという趣旨は充分理解できますが、あまりにも杓子定規で、通知票の問題ひとつとっても、きわめて非現実的で対応に苦慮します。

もし今日の渋谷郵便局のように(同じ渋谷郵便局でも他の方の場合は、保険証や免許証で済みましたが)、口座を証明するものの提出を求められた場合、どうすればいいのでしょうか?

長くなりまして申し訳ございませんが、今後のこともありますので、今日の対応についてご見解をお聞かせいただき、今後どうすればいいのか、ご教示いただけないでしょうか。

ご回答をよろしくお願いいたします。

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代金引換郵便を利用した犯罪(送り付け詐欺や薬物売買)に対応するために、去年から郵便局が発送時の身元確認を厳格化したのですが、しかし、それこそ何百通も出したなかで口座の証明まで求められたのは初めてでした。もちろん、通帳やキャッシュカードがあればことは簡単ですが、振替口座(当座口座)にはそれがないのです。

言うまでもなく、口座の身元確認はゆうちょ内部でできるはずです。それをお客に証明しろというのは、本末転倒しているようにしか思えません。そもそも代金引換で問題になったのは、代金を口座に入金するケースではなく、為替で送金するケース(郵便為替をゆうちょ銀行の窓口で現金化する方法)です。それだと、口座がないため、発送時の確認はできるけど、入金時の確認ができないからです。そのため、代金引換における為替送金は、禁止になりました。

身元確認の厳格化は、郵便局の「内規」だそうです。おそらく警察当局の要請で、そういった「内規」を設けたのでしょう。

一連のやりとりのなかでつくづく感じたのは、有無を言わせない杓子定規な対応です。それは、どう見ても官尊民卑の旧体質をひきずった公務員のものです。厳格化という「内規」がいつの間にか(役所特有の)事なかれ主義に転化しているのです。私たちに対する姿勢も、「お客様」ではなくあくまで「利用者」のそれなのです。

渋谷郵便局の窓口は5つありましたが、今朝、稼働しているのは2つしかありませんでした。あとの3つは、年配の職員が担当していましたが、なにやらラベルにスタンプを押したりとほかの作業をしていて(しかも、おせいじにもテキパキとは言い難いペースで)、窓口を一時的に閉じていました。そのため、開いている2つの窓口の担当者(いづれも女性)があきらかに苛立っているのが見て取れました。それで、嫌な予感がしたのですが、案の定、途方に暮れるような”厳格な対応”に遭遇することになったのでした。

個人情報保護法が成立して、たとえば病院で知人が入院しているか尋ねても、「個人情報」を盾に回答を拒否されたり、学校の保護者会で連絡網を作ろうとしても、やはり「個人情報」を盾に作れないなどの現実がある一方で、一民間会社(!)が警察に協力するために、サービスの前提として「個人情報」の提出を「内規」で設け、窓口でさも当然のことのように「個人情報」の提出を求め、さらにそれを(照合するだけでなく)当然のことのようにコピーするという現実があるのです。しかも、そんな風潮は、ますますエスカレートするばかりです。コピーした「個人情報」は、ラベルの控えにホッチキスで止められて背後の箱に無造作に入れられていましたが、その後どのように管理されるのか私たちは知る由もないのです。
2015.12.28 Mon l 日常・その他 l top ▲