熊本や大分の温泉地は、地震の影響で外国人観光客のキャンセルが相次いでおり、深刻な打撃を受けているようです。先々月帰省したときも、こんなところまでとびっくりするくらい山奥の温泉場にまでアジアからの観光客が押し寄せていましたが、彼らが戻ってくるまでこの苦境はつづくのでしょう。
ヘイトが日常化しているニッポンと、そのヘイトな対象であるアジアから観光客の”経済効果”に頼っているニッポン。誤解を招くような言い方になるかもしれませんが、災害によってその矛盾がいっきに露呈したとも言えるのです。
今、国会では「ヘイトスピーチ対策法」の論議が山場を迎えています。与野党双方が合意をめざして、それぞれが提出した法案のすり合わせと修正協議がおこなわれています。もっとも、「ヘイトスピーチ対策法」はあくまで罰則規定のない”理念法”にすぎないのです。
ただ、私は、「ヘイトスピーチ対策法」が対象とするようなヘイト・スピーチなどより、私たちの身近にある”サイレントヘイト・スピーチ”のほうがはるかに問題なのだと思います。たとえば、再三書いているように、「旧メディアのネット世論への迎合」(大塚英志)によって作り出されるヘイトな話題などがそうです。
田母神某に見られるように、「愛国」者なんてどこにもいないのです。いるのは、「愛国」をマネタイズする人間だけです。「愛国」ビジネスがあるだけです。ヘイトだって同じです。そこにあるのは、ヘイト・ビジネスなのです。人を差別することで金儲けをしようという人間たちがいるだけです。「ヘイトスピーチ対策法」でイメージされているような手合いは、ただヘイト・ビジネスに煽られて路上にまで出てきたイタい人間たちにすぎないのです。
いちばんタチが悪いのは、差別をマネタイズするために、陰に陽に差別を煽っている旧メディやセカンドメディアやそれらに巣食う差別をビジネスにしている人間たちです。夕方のニュースや朝のワイドショーには、やれ中国人が交通事故を起こしたとか、やれ喧嘩したとか、やれ転んだとか、YouTubeなどから収集したトンマな映像を流して”下等民族”の中国人を嗤うコーナーがありますが、今はその手の映像を専門に配信する会社さえあるのです。デーブ・スペクターの会社などもそうだと言われていますが、要するに、”嫌中憎韓ブーム”を利用して周辺国を嗤いものにするビジネスが存在しているのです。そういったビジネスがさらにヘイト・スピーチを煽っているのです。
先日、テレビ東京の街歩きの番組を見ていたら、ネトウヨご用達のヘイトな”評論家”として有名な人物が、街の歴史を解説する「経済評論家」として出演していたので、文字通り目が点になりました。ちょっと前までだったこんないかがわしい人物がメディに登場するなど、とても考えられないことです。このように、ヘイトな言説は旧メディアのなかにも確実に浸透しているのです。「ヘイトスピーチ対策法」が成立するようになっても、状況は改善するどころか、むしろヘイトな風潮は裾野を広げているのです。
Yahoo!国際ニュースランキングやヤフコメのあの異常性。中国人や韓国人の一挙手一投足が気になって気になって仕方ない人たち。Yahoo!ニュースなどセカンドメディアが、ページビューを稼ぐために(所謂「バズる」ために)、ヘイトを煽るような記事を掲載していることに対して、「ヘイトスピーチ対策法」はまったく無力なのです。人の理性や良心を前提にする”理念法”なんて、絵に描いた餅にすぎないと言えば、言いすぎになるでしょうか。
根本にある問題が放置されたまま法律だけがひとり歩きすれば、「ヘイトスピーチ対策法」が逆に路上の抗議も縛るような”トロイの木馬”になる可能性だってあるのです。もとより法律とはそういうものでしょう。
ヘイトが日常化しているニッポンと、そのヘイトな対象であるアジアから観光客の”経済効果”に頼っているニッポン。誤解を招くような言い方になるかもしれませんが、災害によってその矛盾がいっきに露呈したとも言えるのです。
今、国会では「ヘイトスピーチ対策法」の論議が山場を迎えています。与野党双方が合意をめざして、それぞれが提出した法案のすり合わせと修正協議がおこなわれています。もっとも、「ヘイトスピーチ対策法」はあくまで罰則規定のない”理念法”にすぎないのです。
ただ、私は、「ヘイトスピーチ対策法」が対象とするようなヘイト・スピーチなどより、私たちの身近にある”サイレントヘイト・スピーチ”のほうがはるかに問題なのだと思います。たとえば、再三書いているように、「旧メディアのネット世論への迎合」(大塚英志)によって作り出されるヘイトな話題などがそうです。
田母神某に見られるように、「愛国」者なんてどこにもいないのです。いるのは、「愛国」をマネタイズする人間だけです。「愛国」ビジネスがあるだけです。ヘイトだって同じです。そこにあるのは、ヘイト・ビジネスなのです。人を差別することで金儲けをしようという人間たちがいるだけです。「ヘイトスピーチ対策法」でイメージされているような手合いは、ただヘイト・ビジネスに煽られて路上にまで出てきたイタい人間たちにすぎないのです。
いちばんタチが悪いのは、差別をマネタイズするために、陰に陽に差別を煽っている旧メディやセカンドメディアやそれらに巣食う差別をビジネスにしている人間たちです。夕方のニュースや朝のワイドショーには、やれ中国人が交通事故を起こしたとか、やれ喧嘩したとか、やれ転んだとか、YouTubeなどから収集したトンマな映像を流して”下等民族”の中国人を嗤うコーナーがありますが、今はその手の映像を専門に配信する会社さえあるのです。デーブ・スペクターの会社などもそうだと言われていますが、要するに、”嫌中憎韓ブーム”を利用して周辺国を嗤いものにするビジネスが存在しているのです。そういったビジネスがさらにヘイト・スピーチを煽っているのです。
先日、テレビ東京の街歩きの番組を見ていたら、ネトウヨご用達のヘイトな”評論家”として有名な人物が、街の歴史を解説する「経済評論家」として出演していたので、文字通り目が点になりました。ちょっと前までだったこんないかがわしい人物がメディに登場するなど、とても考えられないことです。このように、ヘイトな言説は旧メディアのなかにも確実に浸透しているのです。「ヘイトスピーチ対策法」が成立するようになっても、状況は改善するどころか、むしろヘイトな風潮は裾野を広げているのです。
Yahoo!国際ニュースランキングやヤフコメのあの異常性。中国人や韓国人の一挙手一投足が気になって気になって仕方ない人たち。Yahoo!ニュースなどセカンドメディアが、ページビューを稼ぐために(所謂「バズる」ために)、ヘイトを煽るような記事を掲載していることに対して、「ヘイトスピーチ対策法」はまったく無力なのです。人の理性や良心を前提にする”理念法”なんて、絵に描いた餅にすぎないと言えば、言いすぎになるでしょうか。
根本にある問題が放置されたまま法律だけがひとり歩きすれば、「ヘイトスピーチ対策法」が逆に路上の抗議も縛るような”トロイの木馬”になる可能性だってあるのです。もとより法律とはそういうものでしょう。