伊勢佐木町の劣化は目を覆うものがあります。外国人の比率の高さは、歌舞伎町や池袋西口や錦糸町も足元にも及ばないくらいで、一時目立っていた南米系の外国人は少なくなり、今は中国人に席巻されています。そうなると、どうしても中国人の横暴さやマナーの悪さが目に付いてならないのです。
昨日、伊勢佐木町のドンキホーテに行ったときのことです。最近流行りのシルバーワックスを買おうと思って行ったのですが、ヘアケアのコーナーには、試供品のような小分けにされてパックに入ったものが1種類あるだけでした。私は、とりあえずそのパックを持ってレジに行きました。
そして、レジの女の子に、「このワックスで容器に入ったものはありますか?」と尋ねました。すると、女の子は早口でムニャムニャ言いながら、パックを手に取るとさっさとバーコードを読み取る機械にかざしはじめたのでした。
私は、あわてて「エエッ、なに?」と訊き返しました。しかし、ただムニャムニャと言うだけです。私は、再度「エエッ、なに?」と訊き返しました。すると、女の子はやっと手を休め、 半ば不貞腐れたような感じで、「あるだけです」とたどたどしい日本語で答えたのでした。
レジの女の子は、中国人のアルバイトのようです。たしかに、伊勢佐木町のドンキも中国人客が目に付きます。それで、中国語で対応できる同国人を雇っているのかもしれません。
それにしても、その態度はないだろうと思いました。在庫があるかどうか確認しようともせず、つっけんどんに通り一遍のセリフを口にするだけなのです。もしかしたら、在庫の有無を訊かれたら、そう答えればいいと教えられているのかもしれませんが、あまりにもおざりな対応と言わねばなりません。私は、「ちゃんと日本語を喋る人間を雇えよ」などと心のなかで悪態を吐きながら店を出ました。
そのあと、イセザキモールを歩いていたら、空腹を覚えてきました。ふと前を見ると、「〇〇や」という“かつ“で有名なチェーン店の看板が目に入りました。私は、「〇〇や」には今まで入った記憶がほとんどないのですが、看板を見たら急にかつ丼を食べたくなりました。
店に入ると、カウンターの奥に二人の女性のスタッフがいました。ひとりがホールを担当し、もうひとりが調理を担当しているようでした。二人はおしゃべりの最中で、「いらっしゃいませ!」と言って水を置くと、そのままカウンターの奥に入っておしゃべりのつづきをはじめるのでした。またしても中国語です。それも、店内に響き渡るような大きな声でまくし立てるようにしゃべっているのでした。
私は、かつ丼を注文しました。やがて前に置かれたかつ丼を見た私は、一瞬我が目を疑いました。かつの衣が黒く焦げているのです。あきらかに揚げすぎです。そのため、かつも惨めなくらい縮んで小さくなっていました。ご飯も器の半分以下しかなく、見るからにみすぼらしいかつ丼なのです。チューン店の公式サイトには、「サクサク、やわらか、ボリューム満点」と謳っていましたが、まるでそのキャッチフレーズを嘲笑うかのようなシロモノでした。隣の席の男性もかつ丼を頼んでいましたが、サイトの写真とは似ても似つかないみすぼらしいかつ丼に固まっていました。
私は、苦い味のカツ丼を半分残して席を立ちました。レジで伝票を出すと、店員は伝票には目をくれず「500円」と言うのです。しかし、私が頼んだのはかつの量が多いほうだったので、700円のはずです。私が「エッ」と言うと、店員はあわてて伝票に目をやり、「700円」とぶっきらぼうに言い直したのでした。
中国人を雇うなとは言いませんが、雇うなら接客の心得くらい教えろよと言いたくなりました。本人たちにその自覚があるかどうかわかりませんが、まったくお客をなめているのです。ただ人件費が安ければそれでいいと思っているのなら、それこそブラック企業と言うべきでしょう。
外に出ると、中国人のグループが店の看板をバックに記念写真を撮っていました。「〇〇や」も中国人ご用達なのかと思いました。なんだか中国人に翻弄されているような気持になりました。
もちろん、伊勢佐木町の中国人は観光客ばかりではありません。その背後には、メガロポリスを支える3Kの巨大な労働市場があるのです。「研修生」の名のもと、安い給料でこき使われているのでしょう。そんな外国人労働者たちが、まるで吹き寄せられるように伊勢佐木町に集まっているのでしょう。
伊勢佐木町は、デビュー前のゆずが路上ライブをしていた街として有名ですが、今は通りもすっかり荒んだ空気が漂っています。外国人だけでなく、日がな一日中、路上のベンチを占領している、見るからにやさぐれてうらぶれたような老人たち。それは、北関東の街の駅前の光景とよく似ています。
横浜には、「恋する横浜」というその標語を目にするだけで恥ずかしくなるような市公認のキャンペーンがありますが、わざわざ伊勢佐木町でデートするカップルなんていないでしょう。私は最近、横浜を舞台にした小説をよく読んでいるのですが、前も書いたように、馳星周(横浜市立大卒)が伊勢佐木町を舞台にしたピカレスク小説(悪漢小説)を書いたら面白いものができるような気がします。
「いせブラ」も今は昔、高知東生のように、はだけた胸から金のネックレスをちらつかせながら、チンピラが肩で風を切って歩くのなら似合うかもしれませんが、もはやカップルや家族連れがそぞろ歩きをするような街ではなくなっているのです。
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伊勢佐木町から横浜橋
昨日、伊勢佐木町のドンキホーテに行ったときのことです。最近流行りのシルバーワックスを買おうと思って行ったのですが、ヘアケアのコーナーには、試供品のような小分けにされてパックに入ったものが1種類あるだけでした。私は、とりあえずそのパックを持ってレジに行きました。
そして、レジの女の子に、「このワックスで容器に入ったものはありますか?」と尋ねました。すると、女の子は早口でムニャムニャ言いながら、パックを手に取るとさっさとバーコードを読み取る機械にかざしはじめたのでした。
私は、あわてて「エエッ、なに?」と訊き返しました。しかし、ただムニャムニャと言うだけです。私は、再度「エエッ、なに?」と訊き返しました。すると、女の子はやっと手を休め、 半ば不貞腐れたような感じで、「あるだけです」とたどたどしい日本語で答えたのでした。
レジの女の子は、中国人のアルバイトのようです。たしかに、伊勢佐木町のドンキも中国人客が目に付きます。それで、中国語で対応できる同国人を雇っているのかもしれません。
それにしても、その態度はないだろうと思いました。在庫があるかどうか確認しようともせず、つっけんどんに通り一遍のセリフを口にするだけなのです。もしかしたら、在庫の有無を訊かれたら、そう答えればいいと教えられているのかもしれませんが、あまりにもおざりな対応と言わねばなりません。私は、「ちゃんと日本語を喋る人間を雇えよ」などと心のなかで悪態を吐きながら店を出ました。
そのあと、イセザキモールを歩いていたら、空腹を覚えてきました。ふと前を見ると、「〇〇や」という“かつ“で有名なチェーン店の看板が目に入りました。私は、「〇〇や」には今まで入った記憶がほとんどないのですが、看板を見たら急にかつ丼を食べたくなりました。
店に入ると、カウンターの奥に二人の女性のスタッフがいました。ひとりがホールを担当し、もうひとりが調理を担当しているようでした。二人はおしゃべりの最中で、「いらっしゃいませ!」と言って水を置くと、そのままカウンターの奥に入っておしゃべりのつづきをはじめるのでした。またしても中国語です。それも、店内に響き渡るような大きな声でまくし立てるようにしゃべっているのでした。
私は、かつ丼を注文しました。やがて前に置かれたかつ丼を見た私は、一瞬我が目を疑いました。かつの衣が黒く焦げているのです。あきらかに揚げすぎです。そのため、かつも惨めなくらい縮んで小さくなっていました。ご飯も器の半分以下しかなく、見るからにみすぼらしいかつ丼なのです。チューン店の公式サイトには、「サクサク、やわらか、ボリューム満点」と謳っていましたが、まるでそのキャッチフレーズを嘲笑うかのようなシロモノでした。隣の席の男性もかつ丼を頼んでいましたが、サイトの写真とは似ても似つかないみすぼらしいかつ丼に固まっていました。
私は、苦い味のカツ丼を半分残して席を立ちました。レジで伝票を出すと、店員は伝票には目をくれず「500円」と言うのです。しかし、私が頼んだのはかつの量が多いほうだったので、700円のはずです。私が「エッ」と言うと、店員はあわてて伝票に目をやり、「700円」とぶっきらぼうに言い直したのでした。
中国人を雇うなとは言いませんが、雇うなら接客の心得くらい教えろよと言いたくなりました。本人たちにその自覚があるかどうかわかりませんが、まったくお客をなめているのです。ただ人件費が安ければそれでいいと思っているのなら、それこそブラック企業と言うべきでしょう。
外に出ると、中国人のグループが店の看板をバックに記念写真を撮っていました。「〇〇や」も中国人ご用達なのかと思いました。なんだか中国人に翻弄されているような気持になりました。
もちろん、伊勢佐木町の中国人は観光客ばかりではありません。その背後には、メガロポリスを支える3Kの巨大な労働市場があるのです。「研修生」の名のもと、安い給料でこき使われているのでしょう。そんな外国人労働者たちが、まるで吹き寄せられるように伊勢佐木町に集まっているのでしょう。
伊勢佐木町は、デビュー前のゆずが路上ライブをしていた街として有名ですが、今は通りもすっかり荒んだ空気が漂っています。外国人だけでなく、日がな一日中、路上のベンチを占領している、見るからにやさぐれてうらぶれたような老人たち。それは、北関東の街の駅前の光景とよく似ています。
横浜には、「恋する横浜」というその標語を目にするだけで恥ずかしくなるような市公認のキャンペーンがありますが、わざわざ伊勢佐木町でデートするカップルなんていないでしょう。私は最近、横浜を舞台にした小説をよく読んでいるのですが、前も書いたように、馳星周(横浜市立大卒)が伊勢佐木町を舞台にしたピカレスク小説(悪漢小説)を書いたら面白いものができるような気がします。
「いせブラ」も今は昔、高知東生のように、はだけた胸から金のネックレスをちらつかせながら、チンピラが肩で風を切って歩くのなら似合うかもしれませんが、もはやカップルや家族連れがそぞろ歩きをするような街ではなくなっているのです。
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