昨日、三宅洋平が、米軍ヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設用資材の搬入を阻んでいる高江のN1ゲート裏のテントに、安倍昭恵総理夫人を連れてきたことで、論議を呼んでいます。
私は、このニュースを聞いて「やっぱりな」と思いました。杞憂が現実になった感じです。
先月、三宅洋平は、安倍昭恵夫人と面談したのですが、そのときのことをツイッターにつぎのように書いていました。面談は、参院選の投票日の翌日、昭恵夫人が「三宅洋平さん、公邸でお待ちしてます!」という呼びかけ文をフェイスブックに掲載したのに応えたものです。
また、面談に批判的なコメントに対しては、つぎのように反論していました。
そして、昨日の行動になったのでした。
Togetterまとめ
安倍昭恵を帯同して高江に行った三宅洋平と地元の人の会話
彼の行動に対するツイッターの反応のなかで、私は、つぎのような声に「いいね」(!?)をあげたくなりました。
三宅洋平は、選挙に出たことで自分が大物になった気分なのかもしれません。それで、大きなもの(=権力)に接近し、それから承認されることを求めているのかもしれません。それが、政治に対して、「賢人政治」のようなイメージを抱くようになっているのではないか。ヒットラーとは言わないまでも、水戸黄門や遠山の金さんを待望するような気分になっているのかもしれません。
ところが、ネットでは、建設に疑問をもっている(と自称する)人のなかで、三宅洋平の行動に好意的な見方をしている人が結構いるのでした。『サッカーと愛国』の清義明氏もそのひとりですが、彼らは、テントで座り込みをしている反対派が昭恵夫人に「なにしに来たんだ!」と罵声を浴びせて追い払ったと言って、これだから反対派はダメなんだ、昭恵夫人を巻き込んで運動を広げるチャンスをみすみす逃した反対派は愚かだ、と批判するのでした。なかには、こういった左翼の血償主義が運動をダメにしているなどと言う者さえいました。
でも、こういった反応こそ昭恵夫人が狙っていたものだったのかもしれないのです。もしかしたら、してやったりとほくそ笑んでいるのかもしれません。
昭恵夫人が「家庭内野党」を演じるようになったのは、第二次安倍政権のときからです。第一次安倍政権のときは、そんな話は微塵もありませんでした。要するに、第一次政権の失敗から学んで、安倍政権の強権的な手法への風当たりを和らげるために、内助の功で「猿芝居」を演じているのではないのか。夫の強権的な姿勢と、話せばわかってもらえるはずという妻の役割をそれぞれ演じ分けているだけではないのか。その「猿芝居」に一役買ったのが、前にも書いたように朝日新聞です。
昭恵夫人は、三宅洋平らが言うように、ヘリパッド建設に疑問をもっているわけではないのです。その証拠に、昭恵夫人は、先の参院選のときは、建設推進の島尻安伊子沖縄・北方担当大臣の応援演説をおこなっているのです(「追記」のYouTube参照)。演説では、沖縄の有権者に向かって、「主人は独裁者ではありません」と訴えているのです。そんな人物が、「現場で何が起きているか知りたかった」なんて言って、警視庁のSPを引き連れ(本人たちはSPの存在を否定していますが、現職の総理夫人にSPが付いてないわけがないのです)のこのこやって来れば、「バカにするな!」と怒るのは当然でしょう。むしろ、怒らないほうがおかしいのです。彼女の夫が「平気で『ええかげんなこと』を言う人」(故・船井幸雄氏)だということを忘れてはならないでしょう。
昭恵夫人が言う「わかってらえるはず」というのは、夫に対してではなく、あくまで反対派に対してなのです。それが、田布施システム同様、三宅洋平らがトンデモであるゆえんです。
三宅洋平の行動に肩をもつ人たちは、全国から機動隊員を動員して工事を再開した政府の姿勢や、週明けにも強制排除がおこなわれるかもしれないと言われている高江の現実など関係なく、ただ反対派を叩くことしか念頭にないかのようです。
IWJは、昭恵夫人が帰ったあとの三宅洋平とテントの住民とのやり取りをテキストに書き起こしていますが、そのなかで、反対派の男性の三宅洋平に対するつぎのような発言が印象的でした。
IWJ(Independent Web Journal)
【速報!】「現場で何が起きているか知りたかった」安倍昭恵・総理夫人が沖縄・高江を訪問!~新ヘリパッド強行建設工事に反対する市民からは戸惑いの声――IWJが追ったその一部始終 2016.8.6
もちろん、三宅洋平だけでなく私たちも、「何十年間も虐げられている沖縄の人の気持」をわかっているとは言い難いのです。もしかしたら(言っていることが違うだけで)、沖縄の人たちを「売国奴」呼ばわりするネトウヨと同じ目線に立っているのかもしれないのです。
それは、三宅洋平の肩をもつ人たちも同じです。彼らは、昭恵夫人と「対話」をしなかったとして、反対派を叩くのですが、彼らが言う「対話」とはなんなのかと思います。彼らは、反対派の住民たちが「黄門様、お願いしますら」「基地の建設をとどまるよう将軍様にお伝えくださいまし」と昭恵夫人に手を合わせてお願いすることを願っていたのでしょうか。その傲慢な上から目線は、安倍政権の沖縄に対するそれと同じでしょう。
清氏に至っては、ツイッターでのやり取りのなかで、「沖縄から基地全面撤収って、沖縄の人達がホントに臨(ママ)んでる話なんですかね?」などと言い出す始末で、そういった薄っぺらな観念と傲慢な目線は、三宅洋平と同じように、いつでも”動員の思想”にからめとられる危険性を孕んでいると言えるでしょう。
いや、これは既に、強権政治を前にして、雪崩を打って敵前逃亡がはじまっている兆候なのかもしれません。その方便に、お決まりのブサヨ批判と話せばわかる式の戦後民主主義へのオプティミズムが使われているのではないか。
追記:
YouTube
安倍昭恵夫人が涙ながらに必死の「島尻あい子 応援演説」
関連記事:
積極的投票拒否の論理
昭恵夫人の「猿芝居」
私は、このニュースを聞いて「やっぱりな」と思いました。杞憂が現実になった感じです。
先月、三宅洋平は、安倍昭恵夫人と面談したのですが、そのときのことをツイッターにつぎのように書いていました。面談は、参院選の投票日の翌日、昭恵夫人が「三宅洋平さん、公邸でお待ちしてます!」という呼びかけ文をフェイスブックに掲載したのに応えたものです。
昭恵さんは、その場で総理と俺を繋いでくれた。「立場は各々ながら、国を思い世界を憂う国士として同じ気持ちだと思っています。選挙では多少口を荒らしましたが、失礼します。」と伝え「大丈夫です、それが選挙ですから」と。 pic.twitter.com/UGRFbDwkvX
— 三宅洋平 (@MIYAKE_YOHEI) 2016年7月17日
高江の住民の気持ちを込めて「okinawa noproblem」capを昭恵さんに預けました。とてもチャーミングな方でした。かつ、こちらの率直な言い分を、胆で受け止める人でした。だから最後は、泣いてました。
— 三宅洋平 (@MIYAKE_YOHEI) 2016年7月17日
ココカラ…♪ pic.twitter.com/fpH4h9zUC8
総理、何なら一緒に高江に行きませんか、とは云えませんでした。三宅はまだそんなもんです。
— 三宅洋平 (@MIYAKE_YOHEI) 2016年7月17日
昭恵さんはチャーミングな方でした。幾ら批判の声があろうが、そう思います。
しかし私は間違っても自民党改憲草案にほだされるような事はありません。 pic.twitter.com/TR8QQKNI10
また、面談に批判的なコメントに対しては、つぎのように反論していました。
いくらでも幻滅すればいい( ^ ^ )/□
— 三宅洋平 (@MIYAKE_YOHEI) 2016年7月17日
俺は俺だから、
何も減らない。
I am what I am. https://t.co/EiO87F2Rro
そして、昨日の行動になったのでした。
Togetterまとめ
安倍昭恵を帯同して高江に行った三宅洋平と地元の人の会話
彼の行動に対するツイッターの反応のなかで、私は、つぎのような声に「いいね」(!?)をあげたくなりました。
三宅洋平は自分がなぜディスられるのか分かってないと思うよ。おいおい、総理夫人連れてきたのになんなんだよ、とか思っちゃうタイプ。人間の価値はどれだけ羨望を集められるかだ、みたいな考えが支配してるんでしょ。他者への尊敬とか共感がびっくりするぐらい無い。だから社会行動で盛大にミスる。
— TⒶKUOi5Hii (@well_stoned) 2016年8月6日
三宅洋平は、選挙に出たことで自分が大物になった気分なのかもしれません。それで、大きなもの(=権力)に接近し、それから承認されることを求めているのかもしれません。それが、政治に対して、「賢人政治」のようなイメージを抱くようになっているのではないか。ヒットラーとは言わないまでも、水戸黄門や遠山の金さんを待望するような気分になっているのかもしれません。
ところが、ネットでは、建設に疑問をもっている(と自称する)人のなかで、三宅洋平の行動に好意的な見方をしている人が結構いるのでした。『サッカーと愛国』の清義明氏もそのひとりですが、彼らは、テントで座り込みをしている反対派が昭恵夫人に「なにしに来たんだ!」と罵声を浴びせて追い払ったと言って、これだから反対派はダメなんだ、昭恵夫人を巻き込んで運動を広げるチャンスをみすみす逃した反対派は愚かだ、と批判するのでした。なかには、こういった左翼の血償主義が運動をダメにしているなどと言う者さえいました。
でも、こういった反応こそ昭恵夫人が狙っていたものだったのかもしれないのです。もしかしたら、してやったりとほくそ笑んでいるのかもしれません。
昭恵夫人が「家庭内野党」を演じるようになったのは、第二次安倍政権のときからです。第一次安倍政権のときは、そんな話は微塵もありませんでした。要するに、第一次政権の失敗から学んで、安倍政権の強権的な手法への風当たりを和らげるために、内助の功で「猿芝居」を演じているのではないのか。夫の強権的な姿勢と、話せばわかってもらえるはずという妻の役割をそれぞれ演じ分けているだけではないのか。その「猿芝居」に一役買ったのが、前にも書いたように朝日新聞です。
昭恵夫人は、三宅洋平らが言うように、ヘリパッド建設に疑問をもっているわけではないのです。その証拠に、昭恵夫人は、先の参院選のときは、建設推進の島尻安伊子沖縄・北方担当大臣の応援演説をおこなっているのです(「追記」のYouTube参照)。演説では、沖縄の有権者に向かって、「主人は独裁者ではありません」と訴えているのです。そんな人物が、「現場で何が起きているか知りたかった」なんて言って、警視庁のSPを引き連れ(本人たちはSPの存在を否定していますが、現職の総理夫人にSPが付いてないわけがないのです)のこのこやって来れば、「バカにするな!」と怒るのは当然でしょう。むしろ、怒らないほうがおかしいのです。彼女の夫が「平気で『ええかげんなこと』を言う人」(故・船井幸雄氏)だということを忘れてはならないでしょう。
昭恵夫人が言う「わかってらえるはず」というのは、夫に対してではなく、あくまで反対派に対してなのです。それが、田布施システム同様、三宅洋平らがトンデモであるゆえんです。
三宅洋平の行動に肩をもつ人たちは、全国から機動隊員を動員して工事を再開した政府の姿勢や、週明けにも強制排除がおこなわれるかもしれないと言われている高江の現実など関係なく、ただ反対派を叩くことしか念頭にないかのようです。
IWJは、昭恵夫人が帰ったあとの三宅洋平とテントの住民とのやり取りをテキストに書き起こしていますが、そのなかで、反対派の男性の三宅洋平に対するつぎのような発言が印象的でした。
男性「話を聞いてわかったのは、あなたは何十年間も虐げられている沖縄の人の気持を、あまり理解していない」
IWJ(Independent Web Journal)
【速報!】「現場で何が起きているか知りたかった」安倍昭恵・総理夫人が沖縄・高江を訪問!~新ヘリパッド強行建設工事に反対する市民からは戸惑いの声――IWJが追ったその一部始終 2016.8.6
もちろん、三宅洋平だけでなく私たちも、「何十年間も虐げられている沖縄の人の気持」をわかっているとは言い難いのです。もしかしたら(言っていることが違うだけで)、沖縄の人たちを「売国奴」呼ばわりするネトウヨと同じ目線に立っているのかもしれないのです。
それは、三宅洋平の肩をもつ人たちも同じです。彼らは、昭恵夫人と「対話」をしなかったとして、反対派を叩くのですが、彼らが言う「対話」とはなんなのかと思います。彼らは、反対派の住民たちが「黄門様、お願いしますら」「基地の建設をとどまるよう将軍様にお伝えくださいまし」と昭恵夫人に手を合わせてお願いすることを願っていたのでしょうか。その傲慢な上から目線は、安倍政権の沖縄に対するそれと同じでしょう。
清氏に至っては、ツイッターでのやり取りのなかで、「沖縄から基地全面撤収って、沖縄の人達がホントに臨(ママ)んでる話なんですかね?」などと言い出す始末で、そういった薄っぺらな観念と傲慢な目線は、三宅洋平と同じように、いつでも”動員の思想”にからめとられる危険性を孕んでいると言えるでしょう。
いや、これは既に、強権政治を前にして、雪崩を打って敵前逃亡がはじまっている兆候なのかもしれません。その方便に、お決まりのブサヨ批判と話せばわかる式の戦後民主主義へのオプティミズムが使われているのではないか。
追記:
YouTube
安倍昭恵夫人が涙ながらに必死の「島尻あい子 応援演説」
関連記事:
積極的投票拒否の論理
昭恵夫人の「猿芝居」