これは、「共謀罪」が成立した直後の中川淳一郎氏のツイートです。中川氏はその前に、同じ失敗を繰り返すより、「次の自民党総裁選で安倍氏の対抗馬になるような自民党議員にすり寄るぐらいのしたたかさを見せろ」とツイートしていました。中川氏の政治音痴ぶりは相変わらずですが、ただ私は、“無能な野党”という一点において、中川氏のツイートに「いいね」をあげたくなりました。

民進党は本気で「共謀罪」に反対したのか。ネットではつぎのような話も出ています。


もし仮に民進党が政権に就いたら(ほとんど空想の世界ですが)、「共謀罪」を廃止するのでしょうか。とてもあり得ない話のように思います。私たちは、かつての民主党政権のときに、それを嫌というほど見せつけられたのです。

あらゆる手段を使って成立を阻止する、議会政治の死だ、なんて言っていたのもつかの間、「共謀罪」が成立した途端、まるで何事もなかったかのように馴れ合いの議場に戻った野党。

先述した性犯罪を厳罰化する刑法改正案も、日弁連が懸念する点などについてほとんど審議は行われず、参院法務委員会はわずか一日で採決し、翌日、本会議で「全会一致」で成立したのでした。

 与党は慣例に反し、改正刑法より二週間遅く国会に提出された「共謀罪」法を先に審議入りさせたため、改正刑法が衆院本会議で審議入りしたのは今月二日。参考人質疑は参院法務委員会でしか実施されず、審議時間は計十二時間四十分。十八日の会期末をにらみ、駆け足での成立となった。

東京新聞・TOKYO Web
性犯罪、法定刑引き上げ 改正刑法が成立 厳罰化へ、


慣例無視の「横暴」があったとは言え、「共謀罪」ではあれほど審議時間が足りないと言っていたのに、性犯罪の厳罰化は少なくてもなんら問題はないとでも言いたげです。参院法務委員会での審議も、どう見ても形式的なものとしか思えません。これで、委員会採決をすっ飛ばす禁じ手を使った与党のやり方を批判する資格があるのだろうかと思いました。と言うか、昨年のヘイト・スピーチ対策法のときと同じように、「共謀罪」が成立したら刑法改正案も会期内に成立させるという、”暗黙の了解”があったのではないかと穿った見方さえしたくなりました。

形式的な審議、「全会一致」。これこそ「議会政治の死」を意味するのではないか。「共謀罪」は、こういった「全会一致」の思想の上に成り立っているのです。
2017.06.21 Wed l 社会・メディア l top ▲