
梅雨の中休み、時間ができたので秩父の山に行きました。
滝のように流れる汗を拭きながら息を弾ませて山道を歩いていると、いつの間にひとりで会話している自分がいました。「ハァー、ハァー」という荒い息使いの中から、「がんばれ、がんばれ」という声が聞こえているような気がしました。
日常の些事から離れて自然の中に自分を置くと、そこにはいつもと違う自分がいることに気付きます。
険しい山道をしばらく登っていくと、見晴らしのいい山の突堤に出ました。岩に腰掛けて、来る途中にコンビニで買ったおにぎりを頬張りました。すると、胸にこみ上げてくるものがありました。
人を傷つけることによって自分も傷つく。最近、そういうことをよく考えます。
人を信じること。人にやさしくあること。いつもそうありたいと思っていますが、実際は逆の場合も多いような気がします。
まわりの草木がさわさわと音を立てて、心地よい風が吹きぬけていきました。
この孤独感こそが人生の現実なのでしょう。そう思ったら再び胸にこみ上げてくるものがありました。