今日は暑い一日でした。日中、外を歩いているとめまいさえおこしそうでした。酷暑、ふと、そんな言葉が頭に浮かびました。

そんな中、浅草橋に発送の際に使うOPP(透明の袋)を買いに行きました。埼玉にも包装用品の問屋があるのですが、どうしても浅草橋まで足を延ばしてしまいます。

以前は車で行くことが多かったものですが、最近はもっぱら電車なので、重い荷物を下げて帰るのはひと仕事です。それでも浅草橋まで行くのは、この業界にいると浅草橋は何かにつけ縁のあるおなじみの土地だからです。

独立した当初、文具関係の商品を扱っていた関係で、浅草橋にある某文具メーカーの子会社の問屋と取引きをしていました。

別の問屋から紹介されたのですが、どこの馬の骨とも知れない新参者と取引きをすることに対して、会社が二の足を踏むのは当然です。しかし、当時、部長をしていた方が尽力してくれたおかげで取引きすることができました。

最初に会社に呼ばれて、社長をはじめ会社の人達に紹介されたのは、そうやって私の人となりと見てもらえば安心するのではないか、という配慮があったみたいです。

そのあとも何かにつけ「会社に来ませんか?」と言われてよく伺いました。そして、そのたびに夕飯をご馳走になりました。

部長は、私が自分の息子と同じくらいの年齢なので、「がんばってもらいたいんですよ」と言ってましたが、ホントは心配だったのだろうと思います。

やがて部長は会社を定年退職することになりました。その頃は既に取引きも有名無実化していましたので、それをきっかけに取引きも解消しました。

最後に会った夜も「がんばってくださいね」と言われて手を差し出してきました。私は握手をしながら、「ありがとうございました」と言って別れました。

そして、先日、文具業界の旧知の人に会った際、部長が退職後ほどなくして病気で亡くなったことを知りました。

商売の現場にいると、えげつなくて不愉快な思いをすることはよくありますが、ときにそんな暖かい人情に触れることもあります。
2006.07.26 Wed l 東京 l top ▲