今回のG20に関しては、日本のメディアの報道を見る限り、何が話し合われ、何がどうなったのか、さっぱりわかりません。なんだか目くらましに遭ったような感じです。
米中首脳会談にしても、竜頭蛇尾のような報道でした。挙げ句の果てには、ホスト役を務めた安倍総理の評価はどうだったかというような、どうでもいいような話ばかりが取り上げられているのでした。
しかし、今回のG20で私たちが見たのは、中国の習近平主席の自信に満ちた態度でした。日本では、トランプによって中国は瀕死の状態に追い詰められているようなイメージがありましたが、実際は怯むことなく堂々とアメリカと渡り合う姿がそこにあったのでした。
それは、G20と関係ありませんが、イランも同じです。トランプから難癖を付けられ、挑発を受けてもなお、トランプの挑発を「子どもじみたふるまい」と一蹴し、イランは毅然とした態度を取り続けたのでした。
一方、28日には、ウィーンで、イラン核合意の参加国であるイギリス・ドイツ・フランス・中国・ロシア・EUがアメリカのイラン制裁再発動に対する対応を協議した結果、イランを経済的に支援することを決定したというニュースがありました。
これらから見えるのは、何度もくり返しますが、アメリカが超大国の座から転落して世界が多極化するという流れです。それに伴い、中国やロシアやイスラムなどの台頭がより顕著になっているという事実です。
日米安保が片務的だというトランプの不満も、多極化の流れのなかにあるのはあきらかです。明日、板門店でトランプと金正恩の三回目の会談がおこなわれるという観測がありますが、米朝正常化=朝鮮半島の緊張緩和の先にあるのが、在韓・在日米軍の撤退であるのは間違いないでしょう。そして、東アジアの覇権が中国に移行するのも間違いないのです。
田中宇氏は、メルマガでつぎのように書いていました。
田中宇の国際ニュース解説・無料版
板門店で電撃の米朝首脳会談
しかし、日本のメディアに、こういった視点は皆無です。わけのわからない目くらましのような記事でお茶を濁すだけなのです。それは、BSテレビのニュース番組などに(特に顕著に)見られるように、日本のメディアが、対米従属を至上の価値とするネトウヨ的思考に囚われているからでしょう。
さらには、会談後に、ファーウェイに対する禁輸措置を解除するとトランプが表明したのを見て、私は、メディアに煽られて、ファーウェイはヤバいなどと言っていた人間たちはどう言い訳するんだろうと思いました。まさに、彼らのバカさ加減がさらけ出されるオチまで付いたのでした。ファーウェイがヤバいなら、アイフォンだって、グーグルピクセルだってヤバいでしょう。スノーデンが暴露したように、アメリカ政府も似たようなことをやっているのです。
ファーウェイの問題では、先日、Googleが今後、ファーウェイのスマホに自社のサービスを提供しないと発表して大騒ぎになりましたが、その一方で、アンドロイドの提供をやめれば、ファーウェイが独自のOSを開発するので、その方が安全保障上問題がある(アンドロイドを使わせていた方が安心ですよ)、とGoogleがアメリカ政府を説得したというニュースもありました。今回の禁輸措置の解除も、案外そのあたりに真相があるのかもしれません。
とは言え、ことは単純な話ではなく、多極化が国際政治の思惑と力学のなかで、紆余曲折を経ながら進んでいくのは言うまでもないことです。日本のメディアは、その紆余曲折を針小棒大に取り上げ、多極化という本筋をマトモに伝えようとしないのです。
トランプの対中強硬策に対しては、アメリカ国内では共和党だけでなく民主党の議員たちも党派を越えて支持しているそうです(そうやってトランプ人気に手を貸している)。対中強硬という点では、アメリカは挙国一致で結束しているのです。つまり、それは裏を返せば、アメリカが中国の台頭に怯え、余裕をなくしている表れと見ることもできるでしょう。
いづれにしても、今回の米中首脳会談では、坂を上る国と下る国の明暗がはっきり出ていたように思いました。
米中首脳会談にしても、竜頭蛇尾のような報道でした。挙げ句の果てには、ホスト役を務めた安倍総理の評価はどうだったかというような、どうでもいいような話ばかりが取り上げられているのでした。
しかし、今回のG20で私たちが見たのは、中国の習近平主席の自信に満ちた態度でした。日本では、トランプによって中国は瀕死の状態に追い詰められているようなイメージがありましたが、実際は怯むことなく堂々とアメリカと渡り合う姿がそこにあったのでした。
それは、G20と関係ありませんが、イランも同じです。トランプから難癖を付けられ、挑発を受けてもなお、トランプの挑発を「子どもじみたふるまい」と一蹴し、イランは毅然とした態度を取り続けたのでした。
一方、28日には、ウィーンで、イラン核合意の参加国であるイギリス・ドイツ・フランス・中国・ロシア・EUがアメリカのイラン制裁再発動に対する対応を協議した結果、イランを経済的に支援することを決定したというニュースがありました。
これらから見えるのは、何度もくり返しますが、アメリカが超大国の座から転落して世界が多極化するという流れです。それに伴い、中国やロシアやイスラムなどの台頭がより顕著になっているという事実です。
日米安保が片務的だというトランプの不満も、多極化の流れのなかにあるのはあきらかです。明日、板門店でトランプと金正恩の三回目の会談がおこなわれるという観測がありますが、米朝正常化=朝鮮半島の緊張緩和の先にあるのが、在韓・在日米軍の撤退であるのは間違いないでしょう。そして、東アジアの覇権が中国に移行するのも間違いないのです。
田中宇氏は、メルマガでつぎのように書いていました。
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板門店で電撃の米朝首脳会談
今後うまくいけば、中露が安保理で北制裁を緩和し、南北の経済交流が始まり、今は裏でやっている中朝間の貿易も表向きに再開する。在韓米軍の撤収が俎上にのぼり、在日米軍の撤収も言及される(すでにトランプは今回、日米安保条約を破棄したいと表明している)。米朝だけでなく、日朝も和解していく。安倍は早く訪朝したいと以前から思っている。日米安保の代わりとして、中国は昨秋、安倍の訪中時に、日本と安保協定を結びたいと提案していたと、先日暴露された。こんな暴露が今の時期に行われた点も興味深い。
(略)
安倍はプーチンとも仲良しで、日露の平和条約も早く結びたい。北方領土は2島返還以外の解決がないと大昔からわかっていた。北朝鮮、中国、ロシアの3か国と平和的な恒久関係が確立したら、日本にとって脅威な外国はなくなる。米軍が日本に駐留する必要もなくなる。ハブ&スポーク的な日韓別々の対米従属を維持するための、子供じみた日韓の相互敵視も、米国の覇権低下とともに下火になり、日韓も安保協定を結ぶ。日本の対米従属の終わりが、すぐそこまできている。
(略)
しかし、日本のメディアに、こういった視点は皆無です。わけのわからない目くらましのような記事でお茶を濁すだけなのです。それは、BSテレビのニュース番組などに(特に顕著に)見られるように、日本のメディアが、対米従属を至上の価値とするネトウヨ的思考に囚われているからでしょう。
さらには、会談後に、ファーウェイに対する禁輸措置を解除するとトランプが表明したのを見て、私は、メディアに煽られて、ファーウェイはヤバいなどと言っていた人間たちはどう言い訳するんだろうと思いました。まさに、彼らのバカさ加減がさらけ出されるオチまで付いたのでした。ファーウェイがヤバいなら、アイフォンだって、グーグルピクセルだってヤバいでしょう。スノーデンが暴露したように、アメリカ政府も似たようなことをやっているのです。
ファーウェイの問題では、先日、Googleが今後、ファーウェイのスマホに自社のサービスを提供しないと発表して大騒ぎになりましたが、その一方で、アンドロイドの提供をやめれば、ファーウェイが独自のOSを開発するので、その方が安全保障上問題がある(アンドロイドを使わせていた方が安心ですよ)、とGoogleがアメリカ政府を説得したというニュースもありました。今回の禁輸措置の解除も、案外そのあたりに真相があるのかもしれません。
とは言え、ことは単純な話ではなく、多極化が国際政治の思惑と力学のなかで、紆余曲折を経ながら進んでいくのは言うまでもないことです。日本のメディアは、その紆余曲折を針小棒大に取り上げ、多極化という本筋をマトモに伝えようとしないのです。
トランプの対中強硬策に対しては、アメリカ国内では共和党だけでなく民主党の議員たちも党派を越えて支持しているそうです(そうやってトランプ人気に手を貸している)。対中強硬という点では、アメリカは挙国一致で結束しているのです。つまり、それは裏を返せば、アメリカが中国の台頭に怯え、余裕をなくしている表れと見ることもできるでしょう。
いづれにしても、今回の米中首脳会談では、坂を上る国と下る国の明暗がはっきり出ていたように思いました。