昨夜のTBS系列の「情熱大陸」に出ていた、ウイルス学者で、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバーでもある河岡義裕氏は、新型コロナウイルスについて、「季節性があるのかどうかわらないけど、もし季節性があれば6月くらいに一旦収まるかもしれない。しかし、冬になれば再び感染が再発する可能性がある。何故なら、日本人はまだ感染してない人が多くいるからだ」と言ってました。そして、「ワクチンが開発されるまで最低でも2年かかるので、年単位の戦いになるのは間違いない」とも言っていました。

しかし、赤道直下のシンガポールでも感染が広がったことを考えると、季節性(つまり、暖かくなるとウイルスの感染力が弱まるという性質)についても、楽観視できないように思います。もし、季節性がなければ、今の状態が年単位で続くことになるのです。人口の60~70%が感染して「集団免疫」ができなければ、感染は収まらないという(感染症の)一般論から考えれば、終息まで2年くらいかかるという話に現実味が増します。ましてや季節性があろうがなかろうが、来年のオリンピックなどできるわけがないのです。

日本は、政府がオリンピックのために感染者数をごまかしていたので、統計上は外国に比べて感染爆発がひと月遅く始まっています。そのため、本格的な感染対策もひと月遅れているのです。しかも、検査を抑制していたので市中感染率など感染状況についての客観的で正確なデータがないため、的確な対策を打ち出すことができず、対策が場当たり的になっているのです。そのため、対策専門家会議の見解も二転三転しています。

自粛して人と人との接触を80%減らせばひと月で終息できるという安倍首相の話がひとり歩きしていますが、市中感染率さえ把握できてないのに、その話にどれだけ信憑性があるのか疑問です。

ひと月というのも、あくまで「そうなればいい」という希望的観測に過ぎないように思います。他国の例を見ても、ひと月で終息するなど、とてもあり得ないでしょう。

素人考えでも、終息するにはやはり、ワクチンであれ自然感染であれ、「集団免疫」しか方法はないのではないかと思います。

それどころか、他国に比べて対策が遅れたことを考えると、アメリカやイタリアやスペインに匹敵するか、あるいはそれ以上のリスクが生じる可能性すらあるような気がします。まだ感染者数が1万人にも満たない今の段階でもう医療崩壊が取り沙汰されるくらい、日本の医療インフラは脆弱なのです。そのことも大きな懸念材料でしょう。

既に日本の至るところで感染爆発が起きているのは間違いないでしょう。しかし、検査をしてないので、どこで誰がどの程度感染しているかわからないのです。厚労省が発表するクラスターなるものも、たまたま顕在化した一部の感染をそう呼んでいるだけで、氷山の一角に過ぎないのはあきらかです。感染者数の隠ぺいとそれに伴う対策の遅れは、失政というよりもはや犯罪と言うべきでしょう。

日本人の中には、まだ「自分だけは感染しない」と呑気に構えている人も多いようですが、ゴールデンウィークが終わっても終息せず、緊急事態宣言も延期されたら、そんな「所詮は他人事」の人たちも慌てはじめることでしょう。電車で席取り合戦をしている場合じゃないのです。もちろん、潜行している感染爆発が顕在化すれば、経済が益々深刻な事態に陥るのは間違いなく、それに伴い、政治も大きく揺れ動くでしょう。一方、韓国では新型コロナウイルスの封じ込めにほぼ成功して、総選挙まで行われているのです。既に終息に向かって歩みはじめているのです。この違いはなんなのかと思わざるを得ません。

そんな中、「子どもっぽい」無能なこの国の指導者は、星野源の「うちで踊ろう」とコラボした動画をツイッターにアップして物議を醸しています。外出自粛の呼びかけのつもりなのかもしれませんが、私邸で優雅にくつろぐ動画は、休業要請によって苦境に陥っている自営業者やフリーランスの人たちの神経を逆撫でする、KYどころではない挑発的とさえ言っていいようなシロモノです。この時期に、あんな能天気な動画をアップしている指導者なんて、世界中を探しても彼しかいないでしょう。

かえすがえすも、「子どもっぽい」無能な指導者を持ったことの不幸を覚えてなりません。(夫婦ともども)あまりにもバカすぎて情けなくなります。自身が言う「国難に立ち向かうリーダー」としては、どう考えても能力的に無理があるとしか思えません。無能な独裁者ほど怖いものはないのです。ところが、糸井重里や爆笑問題の太田光は、(安倍首相や政府は)一生懸命やっているのだから、責めるのではなくみんなで協力しようと、“愚民根性”丸出しでハイルヒトラーのようなことを言っています。また、件のツイートにも30万の「いいね」が付いているそうです。お粗末なのは指導者だけではないのです。
2020.04.13 Mon l 新型コロナウイルス l top ▲