
新宿駅~青梅駅~武蔵五日市駅~檜原都民の森~【三頭山】~檜原都民の森~武蔵五日市駅~昭島駅~八王子駅~菊名駅
※山行時間:約4時間(休憩含む)
※山行距離:約4キロ
※標高差:541m
※山行歩数:約15,000歩
かなりいきあたりばったりだったのですが、奥多摩の三頭山(1531メートル)に登りました。
武蔵五日市の駅前からバスに乗るハイカーは、圧倒的に中高年のおっさんやおばさんのグループが多く、このブログでも何度も書いているように、おっさんやおばさんたちはとにかくマナーが悪いので辟易させられます。代表的なのは、あとから来た人間を「あっ、こっちよ」と手招きして、「今日はいい天気になってよかったね」「ホント」なんてお喋りしながらそのまま列に割り込ませる手口です。
駅前のバス停には既にザックを背負ったハイカーが20~30人くらい並んでいました。その時点では、私は漠然と笹尾根に登ろうと思っていました。関東地方のハイカーの間では、「(登る山に)困ったときは高尾山」というのがあるそうですが、私の場合は、「困ったときは笹尾根」のようなところがあります。
ところが、やって来たのは、「都民の森」行きの急行バスでした。平日は、朝に1本しか出ていない直通のバスです。それで、急遽、都民の森から三頭山に登ることにしたのでした。三頭山に登るのは、去年の11月以来10ヶ月ぶりでした。
武蔵五日市駅から都民の森まで1時間ちょっとかかります。バスは標高990メートルの都民の森まで九十九折の山道を登って行きますので、座席に座ることができなかったら悲惨ですが、幸いにも乗客は全員座れました。私は、二人掛けの椅子に座りましたが、横に座る人はいませんでした。
もちろん、バスのなかは、中高年のおっさんとおばさんのグループばかりでした。それ以外は、20代の男性と30~40代くらいの男性がそれぞれひとりいただけです。中高年のグループは、既にバスの中でも賑やかでした。特に、山に来るおばさんたちはやけにテンションが高いのでした。
都民の森に着いて、いざ登ろうと思ったら、前に登った三頭大滝から大沢山・ムシカリ峠を通るルートが台風被害のため通行止めになっていました。それで仕方なく、もっともポピュラーな鞘口峠を通るルートを登ることにしました。
しかし、登りはじめの分岐のところに来ると、そこにも「通行止め」の札が出ていて、どっちに行っていいのかわかりません。それで登り口にある森林館まで戻って、登山の準備をしていたおばさんたちにルートを訊きました。すると、そのまま登っていけばいいと言うのです。でも、登って行くにも通行止めになっています。
戸惑っていると、下から高齢のおばさん(というよりお婆さん)の二人連れが登って来ました。
「通行止めになっているのですが、どこを行けばいいのですか?」と尋ねると、実に横柄な態度で、「そっちがわからないの?」と言われました。そっちと言われた方を見ると、小さな木橋がありました。しかし、指導標(道しるべ)は何も出ていません。
それで、二人連れの婆さん、いや、高齢ハイカーのあとをしばらく付いて登りました。高齢ハイカーは、登りながら北アルプスの涸沢に行った話をしていました。(大岳山に登ったときの記事でも書きましたが)一般のハイカーを見下すような態度をとる、女性のベテランハイカーによくいるタイプです。不思議と男性にはそういうタイプの人は少ないのです(大言壮語の自慢話をする人は多いけど)。
山は初心者も熟達者もない。みんな平等にわけへだてなく受け入れてくれる。それが山の良さであり、山登りの精神だ。と言った山小屋のオーナーがいましたが、何故か女性のベテランハイカーには、そういった「山の精神」とは無縁な人が多いのです。
私たちが登っているのは「登山道」と書かれたルートでした。やはり都民の森がある御前山なども同じですが、都民の森のなかはハイキング向けの遊歩道が縦横に通っているので、どれが遊歩道でどれが登山道か、ごちゃごちゃしてややこしい場合が多いのです。もっとも、いづれの道もどこかでつながっているので道に迷うことはありません。
しばらく歩くと、最初に道を訊いたおばさんたちのグループが東屋で休憩していました。私は「あれっ」と思いました。いつの間に私たちの先を行ったのか。
すると、おばさんが私の顔を見て、「あっ、おじさん、よかったわ。間違って教えたみたいで気になっていたんですよ。遠回りの道を教えてごめんなさいね」と言いました。どうやら、私たちが歩いたのは遠回りのルートだったみたいです。でも、私は、それより「おじさん」ということばが胸にずしんと突き刺さりました。おばさんからおじさんと言われる筋合いはないと思いましたが、かく言う私もここでおばさんと書いているのです。
「いや、いいんですよ。気にしないでください」と言いながら、なんだか昔話に出て来る歯がぬけた翁のような口調になっている自分に気付きました。たしかに、登っている格好も腰の曲がった爺さんのようです。
小雨が降りはじめたので、途中でレインウエアを着ている間に、おばさんたちのグループに追い抜かれました。しかし、そのあと先行するおばさんたちのグループも、お婆さんの二人連れも追い抜いて、1時間ちょっとで最初のピークの東峰に到着しました。
東峰に行くと、中年のカップルが写真を撮っていました。私は、てっきり夫婦と思って「写真を撮りましょうか?」と言いました。すると、女性から嫌な顔をされて「結構です」と言われました。男性は、さもバツが悪そうに「へへへ」というように笑いを浮かべながら「どうも、ありがとうございます」と言ってました。よく見ると、二人はそれぞれのスマホで写真を撮り合っていました。そして、そのあとは東峰の横にあるテーブル付きのベンチに移動して「お弁当にしようね」なんて言い合っていました。
私は、「なんだ、夫婦じゃないんだ」と思いました。不倫カップルかもしれません。もしかしたら、ヤマレコかどこかのSNSで知り合ったおっさんとおばさんなのかもしれないと思いました。そう思ったら気持が悪くなり、早々に東峰をあとにしました。
三頭山は名前のとおり、東峰・中央峰・西峰の三つのピークがあります。東峰・中央峰とまわって、最後の西峰で休憩しました。しかし、ベンチはいづれも埋まっています。仕方なく、地べたに100円ショップで買ったシートを敷いて、さらにその上にモンベルで買った昼寝用のマットを敷き、持参したパンを食べました。西峰には、10人くらい休憩していましたが、見事なほど中高年のおっさんやおばさんばかりでした。来るときのバスで一緒だった人たちもいました。しかし、空は厚い雲に覆われて、山頂からの眺望はまったく望めませんでした。
帰りは、通行止めになっている三頭大滝の遊歩道にう回路があると言うので、指導標に従って三頭沢という沢沿いの道を下りました。ところが、下まで降りたところで、再び登るように指示票が出ていました。何のことはない途中まで登り返えして、通行止めになっている遊歩道の上にある巻道を歩かなければならないのでした。
都民の森に下りて来たのは午後2時前でした。ちょうど2時30分発のバスがあったのでそれに乗って帰りました。しかし、帰りのバスは満員で、さらに帰りは隣の「数馬」までの連絡バスしかなく、「数馬」から通常の路線バスに乗り換えなければならないので、途中から乗車する人も多く、立錐の余地もないほど”超密”の状態でした。バス会社の対応も、新型コロナウイルスが既に終息したかのようなおざなりなものでした。
※サムネイル画像をクリックすると拡大画像がご覧いただけます。

都民の森の駐車場から登山口の方向を映す。

おなじみの標識。

登山口はトンネルをくぐって行く。トンネルの上にあるのは、体験施設の森林館。







東峰山頂標識(1527.5m)。

中央峰山頂標識(1531m)。

中央峰の様子。

西峰へはいったん下って登り返します。

西峰山頂標識(1524.5m)。実は西峰がいちばん標高は低いのです。しかし、山頂が広いので実質的な山頂扱いです。標識も奥多摩の主要な山ではおなじみの石造りの標識です。

西峰の様子。

下山。沢沿いの道を下る。

野鳥観察小屋の方に登り返す。

下山時の遊歩道から見えた笹尾根。手前に数馬峠の伐採地、奥の方に前に歩いた生藤山・熊倉山・浅間峠が見渡せました。