
池袋駅~飯能駅~名郷~【天狗岩】~名郷~飯能駅~自由が丘駅
※山行時間:約4時間(休憩含む)
※山行距離:約7キロ
※標高差:530m
※山行歩数:約17,000歩
※交通費:3,584円
悪夢のような蕨山から3ヶ月、一昨日、再び名郷に行き、今度は武川岳に登りました。と正確に言えば、武川岳には登らずに途中の天狗岩で引き返しました。ただ、最初からその計画でした。
名郷から飯能駅に戻るバスは、14時28分のあとは17時01分まで便がないのです。この時期、17時と言えば既に暗くなっています。前の蕨山のときも、14時28分のバスに乗り遅れましたが、今回の武川岳は蕨山より山行時間が長いので、14時28分で帰るのは最初から無理な相談です。それで、14時28分のバスに合わせて、天狗岩で引き返すことにしたのでした。
それにしても、名郷のルートは私にとって鬼門です。と言うのは、棒ノ折山のときも、蕨山のときも、そして今回も、いづれも一睡もしないで出かけたからです。何故か、特に理由もなく、名郷に行くときはいつも眠れないのでした。
睡魔に襲われながら、途中で山に行くのはやめようかと何度も思いましたが、そう思いながら電車は飯能駅に着きました。しかも、飯能駅に着くまで、どの山に登るかという計画もまったくありませんでした。
前から何度も言っているように、奥武蔵(埼玉)や奥多摩(東京)で日帰りで行ける山はほぼ行っているので、いくら考えても行く山が思いつかないのでした。高尾山や陣馬山や高水三山などはまだ行っていませんが、そういった人の多い(特におばさんが多い)山は私のリストでははじめから除外されているのでした。
飯能駅には7時に着きました。飯能から秩父線に乗り換えて沿線の山に登るか、それともバスに乗って名郷に行くか、駅のホームに降りた時点でもまだ迷っていました。秩父線の電車は7時40分だかに出ます。名郷行きのバスは7時45分です。
ホームのベンチに座って思案した結果、上記のとおり武川岳の天狗岩に行こうと思い至ったのでした。岩登りが面白いので、天狗岩の岩がどんな感じなのか、見てみたいという気持がありました。それで、スマホで登山届を作成しながら駅の改札口を出たのでした。
バスの発車まで時間があったので、バス停の前にある吉野家で朝食を食べました。吉野家で朝食を食べるのは4~5年ぶりでしたが、前のしょぼい朝食と違って見違えるようにバージョンアップしていたのには驚きました。
吉野家を出たあと、バスの時間までまだ少しあるので、バス停から少し離れたところでバスを待っていました。バス停には、既にザックを背負った初老の夫婦が立っていました。と、突然、駅の階段からどどっと中高年のおばさんの一団が下りて来たのでした。「これはやばい」と思って、あわててバス停に並びました。おばさんたちは10人は優に越える団体でした。めずらしくおばさんだけで、男性はひとりもいません。おばさんたちは、ご多分に漏れずテンションが高く、バスのなかでもワイワイガヤガヤ姦しい限りでした。ソーシャルディスタンスなどどこ吹く風です。
バスは8割がた埋まっていましたが、通勤客は数人であとはハイカーでした。それも若者はひとりもいません。見事なほど中高年ばかりです。通勤客は、途中の中学校前などで降りて、あとは完全な登山バスになりました。45分くらい走ると、棒ノ折山の登山口の最寄りのバス停に到着しました。そこで団体のおばさんたちやほかの大半のハイカーも降りて行き、バスのなかはやっと静かになりました。
残ったのは、一番前に並んでいた初老の夫婦と高齢の男性ハイカー、それに私だけです。みんな、当然終点の名郷まで行くんだろうと思っていました。
ところがしばらく進むと、突然、高齢の男性のハイカーが降車ボタンを押したのでした。こんなところで降りてどこに行くんだろう?と私は思いました。すると、男性のハイカーは、料金を払う際、「さらわびの湯はどう行けばいいんですかね?」とバスの運転手に尋ねていました。運転手は、「先程団体さんが降りたでしょ。あそこにさわらびの湯があるんですよ。朝の便は中まで入って行かないですよ」と答えていました。男性は、「そうですか。じゃあ歩いて戻るしかないですね」と言って、如何にも重そうなザックを背負ってバスを降りて行きました。
終点の名郷は、団体が降りたバス停からさらに20分くらい進んだところにあります。蕨山のときはバス停の手前の橋を渡りましたが、武川岳はバス停の先の林道を進みます。一緒にバス停で降りた初老の夫婦も、同じ林道を歩いていました。やはり武川岳に登るのかと思いましたが、武川岳の登山口の方には曲がらずに、キャンプ場がある方へそのまま進んで行きました。それ以後はまったくの単独行でした。行きも帰りも誰にも会いませんでした。
民家が点々と建っているあたりを進み、二度ほど林道を横切り、急階段を登ると、武川岳の登山道に入りました。あとは樹林帯のなかをひたすら進みます。途中、結構な急登もあり、息が上がりました。
今回は、ハードなシャンク(ソールの芯)が入った重い登山靴を履いて来たので、アスファルトの道を歩いて来た時点で既に足の脛が疲労しているのがわかりました。靴底も固いので、足裏も痛くなります。
最近の山行では、コロナの“巣ごもり消費”で買ったノースフェイスのトレッキングシューズを履いていましたが、石や岩が多い道を歩いていると、足を捻ることがありました。登山靴とスニーカーの中間のような、靴底がやや柔いトレッキング用の靴なので、石や岩が多い道だとどうしても左右にぶれるのでした。足を捻るのは怖いことです。捻挫でもしたら歩けなくなってしまいます。まして、私は、いつもひとりだし、あまり人がいない山を歩くことが多いので、へたすると遭難になってしまいます。
それで今回は「本格的な登山にも適している」と謳われているハードなシャンクの入った靴を履いて来たのでした。ただ、その分足の疲労度が増すのは仕方ありません。
天狗岩にはバス停から1時間半くらいで着きました。一昨日は半袖でも充分なくらい、秋晴れの暖かな天気だったので汗びっしょりになりました。水もペットボトルを3本持って来たのですが、それでも足りないほどでした。
天狗岩は、「結構な」という言い方が適しているような岩場でした。蕨山のそれとは比較にはならないほどです。「上級者向け」という看板が出ていましたが、上級者というのはオーバーにしても、初心者には少し難度が高いかもしれません。標高差は約80m、距離が約230mの岩場だそうです。かなり斜度の高い登りもありました。足を滑らせると大きな怪我になる可能性もあります。特に下りは慎重を要しました。岩に正対して下りた方が安全な箇所もありました。今の時期は、岩に積もった枯葉の上に不用意に足を置くとずるっと滑るので、神経を使いました。
天狗岩からは、40分くらいで前武川岳に行けます。さらに前武川岳から20分で武川岳の山頂に着くそうです。まだ時間的には余裕があったので、前武川岳まで行こうかと思ったのですが、昼食も持って来てなかったので、余裕をもって早く下りることにしました。
麓から山の中まで紅葉がまだ残っており、色鮮やかな秋の山を堪能することができました。天狗岩の頂上の岩に座って、行動食の羊羹と饅頭を食べながら、断崖に広がる紅葉を眺めてしばらく休憩しました。
帰りは、途中寄り道をしたりしてゆっくり下りたので、1時間ちょっとかかりました。名郷のバス停に着いたのは12時半すぎで、バスの時刻表を見ると、13時28分のバスがあることがわかりました。前武川岳までの往復の時間を考えると、あのまま前武川岳まで行ったら、14時28分のバスにはギリギリ間に合うかどうかです。天狗岩で引き返したのが正解だったなと思いました。それに、時間を気にして急かされて歩くより、こうしてゆとりを持って歩いた方が山を満喫できていいなあと思いました。
名郷バス停には、登山者用の駐車場(1回500円)もありますが、朝停まっていたのは1台だけでした。しかし、帰る頃には7~8台停まっていました。ほとんどは蕨山方面に登っている人たちなのでしょう。
始発の名郷からバスに乗ったのは私だけでした。まだ午後の早い時間なので、いつも行列ができているさわらびの湯からも、数人ハイカーが乗っただけでした。しかし、途中から一般客が増えて、飯能の街に入る頃には立っている乗客もいたくらいでした。
いつもだと東飯能から八高線で八王子、八王子から横浜線で帰るのですが、まだ時間が早かったので、飯能駅から特急の「横浜・中華街行き」に乗り、自由が丘で各駅停車に乗り換えて帰りました。最寄り駅に着いたのは、16時半すぎでした。
※サムネイル画像をクリックすると拡大画像がご覧いただけます。

飯能駅北口バス停(右が吉野家)

名郷バス停

武川岳の登山口がある林道へ向かって歩きはじめる
前を行くのが初老の夫婦ハイカー

既に名郷のバス停から1キロ歩いた

林道から近道の階段を登る

階段の上にあった紅葉

登山道みたいですが、もう一度林道に出ます。

8月に散々な目にあった蕨山

再び林道に出てもう一度階段

階段の上はロープが張られているほどの急坂

ここから実質的な登山道
巻道が正解で、直登の「上級者向け」は現在死んでいます(採石場に迷い込むみたいです)。

最初はゆるやかな巻道でした。

やがて直登になり、息が上がりました。

登って来た道を見下ろす

登った先は採石場の金網
石を砕く音が間断なく聞こえていました。

途中、登山道の右上に岩場がありました。天狗岩と間違えるみたいですが、天狗岩ではありません。でも、岩に登ってみました。

岩の上を歩きました。

同上

岩場が終わり、登山道と合流してしばらく歩くと、目的の天狗岩に着きました。

ザックをデポして、カメラとサコッシュ、それにズボンのポケットにペットボトルを入れて登りました。

同上

同上

同上

下る際はこのピンクテープが目印になりました(ピンクテープはホントにありがたい)。

岩と岩の間に落葉が積もっているので注意です。

同上

天狗岩の上にある紅葉

岩の上から見える紅葉

天狗岩頂上の標識

前武川岳に向かう道

岩の横の断崖にある紅葉

岩を下る途中

同上

同上

麓に下りるとススキが風に揺れる風景も見ることができました。田舎の通学路でいつも見ていた風景です。

入間川沿いにある大鳩園キャンプ場
テントが一張ありました。

川岸の紅葉

林道の上にあった小さな神社
お賽銭をあげてお参りしました。