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新宿駅~武蔵五日市駅~浅間尾根登山口バス停~【浅間嶺】~払沢の滝入口バス停~武蔵五日市駅~拝島駅~立川駅~武蔵小杉駅

※山行時間:約5.5時間(休憩等含む)
※山行距離:約12キロ
※累計標高差:919m(登り)1250m(下り)
※山行歩数:約21,000歩
※交通費:2,036円


一昨日(20日)の土曜日、奥多摩の浅間嶺に登りました。当初、長沢背稜の三ツドッケ(天目山)に登る予定でしたが、前夜、あまり寝てなかったので、慎重を期して「予備」の浅間嶺に行くことにしました。それで、今回のホリデー快速では、8号車から10号車の「あきかわ号」に乗りました。

春を思わせるような好天が予報されていましたので、ハイカーも多いのではないかと思いましたが、意外にも車内はガラガラでした。

ちなみに、三ツドッケは、奥多摩駅から日原街道を行った東日原のバス停に登山口があります。一昨年の台風19号の被害で、1年以上運休していた東日原のバス便が昨年の12月にやっと開通したので、川苔山の百尋ノ滝ルートなどとともに登山も可能になったのでした(ただし、鷹ノ巣山の稲村岩尾根ルートは登山道の被害が甚大で未だに再開されていません)。三ツドッケは、片道(登り)だけで6キロ近くありますので、もう少し日が長くなってから登ろうと思っています。

いつものように新宿駅6時46分発のホリデー快速「あきかわ号」に乗ると、終点の武蔵五日市駅には8時ちょっと過ぎに着きます。しかし、目的の数馬行きのバスは9時しかなく、1時間近く待たなければなりません。それで、バス停のベンチで朝食のおにぎりを食べてバスを待ちました。出発時間が近くなるとハイカーの行列ができましたが、もちろん私が一番先頭でした。密を避けるためか、バスは臨時便も出ましたが、二台目のバスには半分も乗っていませんでした。私たちが乗った先頭のバスも、全員が座ることができました。

浅間嶺は二度目ですが、今回は檜原街道の「浅間尾根登山口」のバス停から登って、帰りは「払沢の滝入口」のバス停まで歩くことにしました。距離は12キロくらいあります。山を歩く持久力を付けるためには、日頃からできる限り長い距離を歩くことが大事だということに遅ればせながら気付いたのでした。

バス停から尾根の上までは1時間弱でした。この程度だと休憩もなしに登ることができます。それから尾根道を歩いて浅間嶺の展望台まで1時間半かかりました。途中で写真を撮ったり、眺望があるところではしばらく足を止めて景色を堪能したりと、マイペースで歩きましたが、それでも私が利用している登山アプリのコースタイムと比べると30分はやく着きました。今回はそれほどバテた感じはありませんでした。と言うか、現金なもので、逆に物足りないくらいでした。

こうやって奥多摩の山に通っていると、最近は奥多摩の山が身近に感じられ、愛着を覚えるようになりました。このところ憂鬱な気分が続いていましたので、山に行くと山に慰められているような気がします。山は、たしかに嫌なことも憂鬱なことも忘れさせてくれるのでした。

登る途中、私としてはめずらしく追い抜いた中年のカップルがいましたが(イチャイチャしていたので夫婦ではないのかもしれない)、尾根に上がって眺望の開けたところで山を眺めていたら、目の前をさっさと通り過ぎて行きました。いらぬお節介かもしれませんが、もっと山を楽しめばいいのにと思いました。

展望台に行くと、大声でバカ話をしながらインスタントラーメンを食べているおっさんのグループがいました。ラーメンを食べたあとはみんなで煙草をプカプカ吸っていました。いつも思うのですが、ホントにインスタントラーメンは一滴も残さずに全て平らげているのでしょうか。バス待ちの列に平気で割り込んだり、鼻をかんだティッシュを登山道の脇に捨てたりするような日頃のマナーを考えると、食べ残したものを律義に持ち帰っているとはとても思えないのです。

山でカツ丼を作っているユーチューバーの動画を観たことがありますが、ネットではそういった軽薄な登山がまことしやかに流通しているのです。

登山雑誌とネットが、山メシなるもの(と言ってもインスタント食品を温めるだけ)やコースタイム至上主義のような軽薄な登山を助長させたと言っても過言ではないでしょう。そうやってアウトドア用品のあらたな市場を開拓し、少しでも多くの広告を集めたいという切実な事情があるからでしょう。

登山雑誌と言えば聞こえはいいですが、『山と渓谷』が「山と広告」とヤユされるように、今や登山雑誌もカタログ雑誌と化しています。特集記事も、毎年使いまわされたものばかりで、余程の物好きか山のビギナーでない限りわざわざ買って読むほどの価値はありません。雑誌の販売より広告収入に依存したカタログ雑誌の休刊のニュースが女性誌で相次いでいますが、登山雑誌も早晩同じ運命を辿るのは目に見えているように思います。もっとも老舗と言われる登山雑誌は、既にいづれも売却の憂き目に遭っており、今後、広告収入の減少によって、譲渡先から足手まとい扱いされリストラされる可能性も大きいでしょう。身も蓋もない資本の論理を山に持ち込んだのは彼らなのですから、自業自得とも言えるのです。結局、生き残るのは、京都大学山岳部の有志によって創刊されたという輝かしい歴史を持つにもかかわらず、東京新聞からモンベルに譲渡され、金をもうけたら”文化人風な能書き”を垂れたい(間違っても順序は逆ではない)成金会長の”自己満誌”のようになっている『岳人』だけかもしれません。

浅間嶺のウリは、昔の奥多摩を彷彿とさせるような眺望です。前も歩いた人里(へんぼり)峠と浅間嶺の間に伐採地があり、そこからの眺望も見事でしたが、浅間嶺から時坂(とっさか)峠に下る間にもあらたに伐採地ができていました。そのあたらしい伐採地からも目の前に御前山や大岳山がそびえ、さらには三頭山やその奥に雲取山や飛龍山も見渡せました。また、東の端には先日登った馬頭刈尾根から続く鋸尾根の上にポツンと飛び出した鋸山の特徴のある山容も見ることができました。

途中、北側の巻き道には残雪が凍結した箇所があり、石尾根のときと同じように山側の足跡が少ない斜面の上を歩きました。しばらく行くと、下から登って来る若い男性とすれ違いましたが、足元を見るとスニーカーでした。たしかに浅間嶺はハイキングと言ってもいいいうような行程ではあるものの、凍結した道をスニーカーで登るのはちょっときびしいのではないかと思いましたが、山にひとりで来る若者はコミュ障みたいな男の子が多いので(ホントに)、声をかけずらいのです。昨日はひとりでブツブツ言いながら登っている20~30代の青年もいました。

下山地の「払沢の滝入口」のバス停に着いたのは、15時過ぎでした。バス停の前にある有名豆腐店の前では、滝見物の観光客の行列ができていました。その行列を眺めながらバスを待ちました。

帰りはいつものように武蔵五日市駅から拝島駅、拝島駅から立川駅、立川駅から南武線で武蔵小杉駅、武蔵小杉駅からは東横線で最寄り駅まで帰りました。武蔵小杉までの車内ではほとんど寝ていました。最寄り駅に着いたときは、19時近くになっていました。

追記:
栃木県足利市の山火事は6日目(25日現在)になりましたが、鎮火の見通しはまったく立ってないそうです。最初に火の手が上がったのは、両崖山山頂近くのベンチなどが設置されているハイキングコース内の休憩場所だそうで、山メシを作るためのバーナーの火が飛び火したか、あるいは煙草のポイ捨てが原因ではないかと言われているみたいです。さもありなんと思いました。特に今の時期は、落ち葉(枯葉)が多いので、風が強いと瞬く間に燃え広がっていくでしょう。
もちろん、火事だけではありません。食べ残したものを山に捨てると、熊が人間の食べ物に興味を持ち、人間に接近してくるようになると散々警告されてきました。しかし、一部のハイカーには馬の耳に念仏なのでした。食べ残したものを山に捨てるのは、熊などの野生動物に迷惑をかけることになるのだという最低限の認識さえ持てないハイカーも少なくないのです。
しかも、こういった軽薄な登山を登山雑誌やネットが「今風の登山スタイル」であるかのように喧伝しているのです。テン泊だと、テン場のような管理された場所で火器を使うので、一応マナーの周知もできますが、日帰りの場合、どこでも野放図に火を使うことになります。足利のような山火事がどこでも起こり得ることだけはたしかでしょう。前も書きましたが、鳩ノ巣駅の待合室で焚火をするようなとんでもない不心得者さえいることを忘れてはならないのです。


※サムネイル画像をクリックすると拡大画像がご覧いただけます。

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浅間尾根登山口バス停(数馬方面の建物)
檜原街道沿いのバス停はこういった屋根付きが多く、バス待ちするハイカーにはありがたいです。
ここは前に反対側の笹尾根から下りたことがあります。
写真のバス停の上は、「中央区の森」になっています。

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檜原街道から林道に入り、橋を渡って進む

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上から橋を見る

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林道を左折して民宿(看板)の方へ進む

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登山道
とても歩きやすい

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同上

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同上

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同上

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尾根の上に着いた(数馬分岐)

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以後、尾根道を歩く

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ところどころで御前山が見える

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チェックポイントの「サル石」
猿の手形が付いているとかなんとか言われている石

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こういった尾根道を尾根のピーク(浅間嶺)に向けてひたすら歩く

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同上

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浅間尾根の尾根道も、昔は村人が峠越えするための生活道路だったので、至るところに地蔵像や古い道標や小さな祠があります。
山に行ったときだけですが、ひとつひとつお賽銭を上げて手を合わせています。そのためお賽銭用の10円玉を忘れずに持って行くようにしています。

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少し崩落した箇所もある

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朽ちた橋
通行注意の札が下げられていた

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人里峠の道標
前回はここに登ってきました。

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最初の伐採地
御前山とその奥の小さく映っているのが雲取山と飛龍山

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大岳山
大岳山の山容は特徴があるのですぐわかります。

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スマホで撮影
カメラの露出を間違えただけなのにカメラが壊れたと思って、スマホで撮りました。

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巻き道と尾根道の分岐標
前回は巻き道に行ったので、今回は尾根道を選択

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ここがホントの山頂?

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山頂の祠は壊れていた
でも、手を合わせました。

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休憩所

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休憩所の建物の向こうに大岳山

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休憩所の裏の坂を登ると展望台

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山頂標識は展望台にある

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展望台からの眺望

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同上

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払沢の滝に向けて下る
このあたりは霜が溶けてドロドロでした。転ばないように慎重に歩きました。

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あたらしい伐採地
下で作業をしていた

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鋸尾根と鋸山(左側の尖っている山)

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石ころだらけの沢沿いの道

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前回も紹介しましたが、「ぽつんと一軒家」に出た蕎麦屋
現在は経営者が変わっているみたいです(11月~4月まで休業)。

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これも前回も紹介しましたが、「甲州古道」の表示

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峠の茶屋(閉店)の前からの眺望

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車両通行止めの林道を歩いて時坂峠に向かう

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このような注意書きもありましたが、鎖を外して入って来たのか、中年の男性が運転する一般車両が走って来たのでびっくりしました。また、時坂峠では、普通の恰好をしたお母さんと小さい女の子が登って来たので、それにもびっくりしました。

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時坂峠からの下り

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前回台風で崩落していた箇所に新しく橋が架けられていました。

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集落のすぐ上の道
柚子が沢山落ちていました。
黄色の花も至るところに咲いていました(あとで福寿草だと知った)。

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「払沢の滝入口」バス停
2021.02.22 Mon l l top ▲