小室圭さんの帰国をきっかけに、再びバッシングが沸き起こっています。なかでも、スポーツ新聞とそれを転載するYahoo!ニュースのコメント欄(ヤフコメ)の異常さが際立っています。ネット民の異常さは今にはじまったことではありませんが、スポーツ新聞に関しては、販売部数の低迷による経営不振という背景があるように思えてなりません。そこにあるのは、どう考えても精神病理学でなければ説明がつかないような、ネットと旧メディアの共振による”日本の異常”です。

Yahoo!ニュースに転載されたスポーツ紙のコタツ記事の見出しをざっとピックアップしてみるだけでも、その異常さがよくわかります。

小室圭さん「エコノミークラス」で帰国へ 航空チケット代は〝お国持ち〟か(9/24東スポ)

あの時とは別人 小室さん ロン毛、ちょんまげ、ポケットに手入れ無視 宮内庁関係者「もう少し考えて…」(9/25スポニチアネックス)

小室圭さん激変 えっロン毛! フジテレビ突撃取材に左手ポケット、発言一切なし(9/25ディリースポーツ)

眞子さま&小室さんと対照的…百恵さん&友和、唐沢&山口智子らの幸せ結婚会見現場(9/25女性自身)

眞子さまの「ゴリ押し婚」が違憲かもしれないこれだけの理由(9/25JBpress)

ロン毛の小室圭さん「直撃ガン無視」が及ぼす結婚会見への影響(9/25FRIDAY)

小室圭さんのロン毛に哀愁を感じるワケ 米NYで質素倹約生活「散髪代すら…」(9/25東スポ)

眞子さまのNY生活を待ち受ける小室佳代さんの“支配” 異国の地で居場所を失う可能性も(9/26ディリー新潮)

小室圭さん 急展開!眞子さまと渡米延期も…手続き待つ都内新居に母・佳代さんが“通い姑”(9/27スポニチアネックス)

小室圭さん 母の金銭トラブル、不正受給疑惑など“4つの騒動”自身から説明あるか(9/27スポニチアネックス)

小室圭さん 物価高いNYで役立つレシピ本「月たった2万円のふたりごはん」購入済み(9/27スポニチアネックス)

高橋真麻 小室圭さんの直撃取材無視に「印象悪すぎ」 対応変化も「挽回できない」(9/27スポニチアネックス)

清原博氏 弁護士の立場捨て?空港の小室圭さんを糾弾「とてもじゃないけど感じ悪い」(9/27ディリースポーツ)

国際弁護士・清原博氏 小室圭さん就職…米法律事務所の新人実情説明「大変厳しいと思います」(9/27スポニチアネックス)

高橋真麻 小室圭さんに「嫁のために頭下げられないやつが夫…大丈夫なの?っていう気持ち」(9/27スポニチアネックス)

実家で2週間の隔離期間を過ごす小室圭氏 警備費用は誰が負担するのか(9/27NEWSポストセブン)

小室さん”ロン毛”帰国に遠野なぎこ疑問「笑かしにきてるのかな」「なんかのネタなのか」(9/27中日スポーツ)

天皇陛下 小室さんと“面会拒否”の真相…「義理の甥」肩書乱用を憂慮か(9/28女性自身)

坂上忍 無言貫く小室圭さん「ハート強いわ」 注目度の高さ「金銭トラブル解決してないまま…」(9/28スポニチアネックス)

これを見ると、スポニチの異常さが特に目立ちます。小室家に何か恨みでもあるのかと思いたくなるような、悪意をむき出しにした記事のオンパレードです。

一方で、SMAP解散の際も指摘しましたが、スポニチはジャニーズ事務所べったりのメディアで、嵐の櫻井翔と相葉雅紀のW結婚の発表では、同じ新聞かと思うほど歯の浮いたような祝辞が紙面を覆っているのでした。しかも、結婚相手についての記事は一切なく、ただジャニーズ事務所の大本営発表を垂れ流しているだけなのでした。

また、高橋真麻や遠野なぎこや国際弁護士の清原博らによる、大衆の負の感情を煽るようなコメントも目につきますが、彼らは風にそよぐ葦の典型的なゲスタレントと言うべきでしょう。

大手芸能事務所だと報復が怖いので忖度するけど、小室さんなら立場上無防備にならざるを得ないので、スポーツ新聞やワイドショーにとっては書き放題、言いたい放題なのです。

そして、こういったコタツ記事に煽られて、ヤフコメに終日貼り付いているネット民たちが小室バッシングに狂奔するのです。

もちろん、なかにはネットで人殺し扱いされたスマイリーキクチのような冷静な意見もないこともありません。

小室圭さんバッシングに「一億総いじめっ子時代か…」スマイリーキクチ私見
(日刊スポーツ9/24)

でも、こういった意見は、”日本の異常”のなかでは濁流に呑み込まれる小舟のようなものです。

挙句の果てには、この”日本の異常”が、平均年収で日本を抜いた韓国のメディアに「嘲笑」される始末なのでした。

同紙(引用注:京仁日報)はこれまでの小室さんを巡る騒動に触れつつも結婚を好意的に捉えており、映画「ローマの休日」などと例示しながら様々な壁を乗り越えて愛を貫く様子を報じた。

 そのうえで「2人の交際に世論は友好的ではない。メディアは小室の経済力を問題視した。夫と死別した母親が恋人から400万円を借りた後、返済がなかったと〝つまらない暴露〟が出た」と疑惑に対して批判的な日本の世論を疑問視。

 そして「家庭の事情を口実に結婚に反対する日本国内の世論はスルーすればいい。『私生活よりも、それぞれの立場にふさわしい行動をしなければならない』などという指摘は息苦しいものだ。世の中は光速化の時代になっているのに、日本人の前近代的思考は変わらない。発展が鈍くなった日本には濃い暗雲が垂れこめている」とお二人の結婚に反対する日本の世論を強く非難した。

日本の〝小室圭さん報道〟を韓国紙が嘲笑「日本人の前近代的思考」「つまらない暴露」

(9/28東スポ)

こういった指摘が日本のメディアから出て来ないのも不思議です。「多様性のある社会」なんて片腹痛いと言えるでしょう。恋愛の自由はもちろんですが、当人同士の合意に基く結婚の自由は、子どもでも知っている民主主義社会の基本の「き」です。でも、日本のメディアはそんな基本の「き」さえ認めたくないかのようです。自由を求める二人の勇気ある行動をここまで呪詛する日本の社会の、その根底にある歪んだ心性を考えないわけにはいきません。

自分たち(あるいは自分たちの子ども)は、借金があろうがなかろうがすぐ同棲し、できちゃった結婚をしているくせに、眞子さんには浮世離れしたいつの時代の話だと思うような厳格を求めるのです。もはや狂気と言ってもいいかもしれません。

二人に浴びせられる誹謗中傷をまじかで見てきた佳子さんも、今の自分たちが置かれた立場(と言うか日本という国)に絶望して何らかの行動を起こす可能性は高いでしょう。次期天皇の悠仁さんも、最近、感情の起伏が激しく、聞くに堪えないような乱暴なことばを使ったりして、側近たちも頭を悩ましているという話もあります。どう考えても、今どきの若者たちに赤坂御用地のなかに閉じ込めるような人生を押し付けるのは無理があるのです。秋篠宮家の教育方針が間違っているとかトンチンカンなことを言う者がいますが、要するに、現代社会に天皇制は間尺が合わなくなっているのです。反動的な日本国民がその現実を見ようとしてないだけです。

いわゆる小室さん問題については、今まで何度もこのブログで書いていますのでくり返しませんが、ご興味があれば下記の関連記事をご覧ください。

小室さんは、眞子さんと結婚するために留学し、一生懸命勉強して優秀な成績を残し、12月に発表される弁護士資格の試験でも合格するのはほぼ間違いないと言われています。私などは個人的に、凄いなとか立派だなということばしか浮かびませんが、しかし、ネット民はそうは思わないみたいです。終日ネットに貼り付いているような、努力とは無縁な人生を送っているので、小室さんの血の滲むような努力が理解できないのかもしれません。

また、もうひとつ注目すべきは、ネトウヨや右派系の著名人たちが小室さんだけでなく、眞子さんもバッシングしていることです。韓国紙が書いているように、結婚相手が皇室にふさわしくないからと言いたいのかもしれませんが、それは裏を返せば、カゴのなかの鳥でいろということです。まるで税金で養われている身分なのだからとでも言いたげで、皇室に対する尊敬の念など微塵も感じられないのでした。かつて『噂の真相』は、記事のなかで皇太子妃を呼び捨てにしたとして、右翼のテロに遭ったのですが、ネトウヨや右派著名人の誹謗中傷はとてもその比ではないでしょう。


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2021.09.29 Wed l 社会・メディア l top ▲