ウクライナのドネツク州にあるマリウポリで、ウクライナ政府軍の最後の拠点となっているアゾフスターリ製鉄所をめぐる攻防戦は、製鉄所内に閉じこもって抵抗を続けるウクライナ軍がロシア軍の再三の降伏勧告にも応じなかったことで、プーチン大統領が火器による攻撃の中止を命令。今後は「ハエも入り込めないよう封鎖」(プーチン)した兵糧攻めの戦術に転換するというニュースがありました。
アゾフスターリ製鉄所は、ソ連時代に作られたウクライナ国内最大の製鉄所で、核攻撃でも耐え得るように地下に要塞を備えているそうです。アゾフスターリ製鉄所は、その名称からもわかるとおりアゾフ大隊の地元(誕生の地)にあり、地下要塞に立てこもっているのはアゾフ大隊を中心とする部隊だと言われています。
しかも、地下要塞には、アゾフ大隊だけでなく、1000人近くの一般市民も避難しているため、世界中のメディアが注視するなか、ブチャの二の舞を怖れるロシア軍も容易に手が出せないというのが真相かもしれません。こう言うとまた「ロシア寄り」と批判されるかもしれませんが、製鉄所を前にして地団駄を踏んでいるロシア軍を見るにつけ、ウクライナ政府のメディア戦略は見事に成功しているように思います。
でも、よくよく考えてみれば、アゾフ大隊の抵抗は一般市民=民間人を盾にした”背水の陣”と言えないこともないのです。ブチャでの「ジェノサイド」キャンペーンで敵を牽制する方法を学んだウクライナ政府は、今回もメディアを使って、「またジェノサイドをくり返すのか」とロシア軍を牽制しているようにも見えます。
製鉄所の地下要塞に避難しているのは、女性や子どもや高齢者が大半のようですが、悲しいな、彼らもまた、「人間の盾」として国家に利用されていると言わざるを得ません。
ホントに戦争に反対して平和を求めるのなら、くり返しになりますが、「国家のために死ぬな」と声を上げるべきでしょう。ロシアとウクライナ双方に対して、「一般市民=民間人を戦争に巻き込むな」「戦争を美談にするな」と言うべきでしょう。私たちは、侵略する国の非道さとともに、国民に銃を渡して総力戦を強いた上に、戦場で戦う国民を英雄扱いする国家の非道さ、いかがわしさも考える必要があるのです。
勝ったか負けたか、(どっちが)敵か味方かではないのです。勝とうが負けようが、敵であろうが味方であろうが、一度きりの人生を戦争で奪われた人々は、決して浮かばれることはないのです。
一方、Yahoo!ニュースには、次のようなCNNの記事が転載されていました。記事は、今回の戦争でも看過してはならない大事な問題を伝えているように思いました。
Yahoo!ニュース
CNN.co.jp
ウクライナに供与した大量の兵器の行方、米国も把握しきれず
以前、ロシアの政治や経済はマフィアに支配されていると盛んに言われた時期がありました。それがいつの間にか、マフィアがオリガルヒと言い換えられるようになったのですが、それはウクライナも同じです。ウクライナも、ロシアに勝とも劣らないマフィアが支配する社会だったはずです。
私もふと、あのマフィアたちはどこに行ったんだろうと思いました。高潔な愛国人士に生まれ変わり、銃を手に先頭に立って戦っているのでしょうか。まさか、そんなことがあるんだろうかと思います。
戦争終結後、欧米から供与された武器で過激に武装したアゾフ大隊が、イスラム原理主義組織と同じように、ウクライナにとって”獅子身中の虫”になるのではないかと前に書きましたが、それはマフィアのような犯罪組織も同じでしょう。
「ブラックホール」のなかに消えていった大量の武器が、来るべき「全体主義の時代」に、あらたな”戦争の種”を蒔き散らす危険性もなくはないのです。
アゾフスターリ製鉄所は、ソ連時代に作られたウクライナ国内最大の製鉄所で、核攻撃でも耐え得るように地下に要塞を備えているそうです。アゾフスターリ製鉄所は、その名称からもわかるとおりアゾフ大隊の地元(誕生の地)にあり、地下要塞に立てこもっているのはアゾフ大隊を中心とする部隊だと言われています。
しかも、地下要塞には、アゾフ大隊だけでなく、1000人近くの一般市民も避難しているため、世界中のメディアが注視するなか、ブチャの二の舞を怖れるロシア軍も容易に手が出せないというのが真相かもしれません。こう言うとまた「ロシア寄り」と批判されるかもしれませんが、製鉄所を前にして地団駄を踏んでいるロシア軍を見るにつけ、ウクライナ政府のメディア戦略は見事に成功しているように思います。
でも、よくよく考えてみれば、アゾフ大隊の抵抗は一般市民=民間人を盾にした”背水の陣”と言えないこともないのです。ブチャでの「ジェノサイド」キャンペーンで敵を牽制する方法を学んだウクライナ政府は、今回もメディアを使って、「またジェノサイドをくり返すのか」とロシア軍を牽制しているようにも見えます。
製鉄所の地下要塞に避難しているのは、女性や子どもや高齢者が大半のようですが、悲しいな、彼らもまた、「人間の盾」として国家に利用されていると言わざるを得ません。
ホントに戦争に反対して平和を求めるのなら、くり返しになりますが、「国家のために死ぬな」と声を上げるべきでしょう。ロシアとウクライナ双方に対して、「一般市民=民間人を戦争に巻き込むな」「戦争を美談にするな」と言うべきでしょう。私たちは、侵略する国の非道さとともに、国民に銃を渡して総力戦を強いた上に、戦場で戦う国民を英雄扱いする国家の非道さ、いかがわしさも考える必要があるのです。
勝ったか負けたか、(どっちが)敵か味方かではないのです。勝とうが負けようが、敵であろうが味方であろうが、一度きりの人生を戦争で奪われた人々は、決して浮かばれることはないのです。
一方、Yahoo!ニュースには、次のようなCNNの記事が転載されていました。記事は、今回の戦争でも看過してはならない大事な問題を伝えているように思いました。
Yahoo!ニュース
CNN.co.jp
ウクライナに供与した大量の兵器の行方、米国も把握しきれず
(略)長期的なリスクとして、そうした兵器の一部が米国の意図していなかった相手の軍や武装組織の手に渡る可能性があると、米当局者も軍事アナリストも指摘している。
「短期的な保証はある。だが戦争という霧の中に入ればほぼゼロになる」。米国が入手した情報について説明を受けた関係者はそう語る。「短い期間が過ぎれば大きなブラックホールの中に落ち、ほとんど感知できなくなる」
以前、ロシアの政治や経済はマフィアに支配されていると盛んに言われた時期がありました。それがいつの間にか、マフィアがオリガルヒと言い換えられるようになったのですが、それはウクライナも同じです。ウクライナも、ロシアに勝とも劣らないマフィアが支配する社会だったはずです。
私もふと、あのマフィアたちはどこに行ったんだろうと思いました。高潔な愛国人士に生まれ変わり、銃を手に先頭に立って戦っているのでしょうか。まさか、そんなことがあるんだろうかと思います。
戦争終結後、欧米から供与された武器で過激に武装したアゾフ大隊が、イスラム原理主義組織と同じように、ウクライナにとって”獅子身中の虫”になるのではないかと前に書きましたが、それはマフィアのような犯罪組織も同じでしょう。
「ブラックホール」のなかに消えていった大量の武器が、来るべき「全体主義の時代」に、あらたな”戦争の種”を蒔き散らす危険性もなくはないのです。