最近、ニ三のサンディライオンのシールを扱っているショップで気になることがありました。

いづれも「新しい商品が入荷しました」といって”新商品”が紹介されていたのですが、それらを見て、一瞬、我が目を疑いました。

”新商品”の中に10年近く前に発売された古いシールが含まれていたのです。シールマニアではかつておまけシールでお客様にプレゼントしたり、特売シールとして処分価格で販売したシールもありました。

だからといって悪意があったわけではないと思います。

シールを扱っているショップを見るにつけ、最近、シールを扱いはじめた方が大半で、業界事情も含めてそのあたりの知識に疎い方が多いように思います。要するに知らないだけなのだと思います。

安く仕入れればそれだけもうかるから、と単純に考えただけなのかもしれません。それに、ネットでは実際にお客様と対面することがないので、そうやってものごとを安易に考える傾向があるのかもしれません。

たしかに、ネットの普及で誰でも「簡単に」ショップを開くことができるようになり、(何度も繰り返しますが)それがインターネットが産業革命以来の新しいトレンドであるといわれる所以なのですが、だからといって「簡単に」商売ができるわけではありません。そのあたりを勘違いされている方が多いように思います。

マスコミも例によって例の如く、「ズブの素人がネットで大もうけ」みたいな”神話”をふりまいていますが、現実はそんな甘い世界ではないことは言うまでもありません。ネットであれどこであれ商売は商売なのです。商売のきびしさに変わりはありません。

同業の知人は、「ネットのショップを見ていると、実際に商売の経験があるかどうか、大体わかるよ」と言ってました。

ネットで成功したといわれる人たちを見ても、実際に商売を経験した人が圧倒的に多いという事実は、ある意味で当然かもしれません。

今話題の男前豆腐店にしても、社長はズブの素人ではなく、大豆メーカーの二代目として豆腐業界のことを知り尽くした人物だそうです。一見、キワモノのような商売に見えますが、実は経験に基づいたしっかりしたマーケティングと商品力の裏付けがあるのです。

また、我が世の春を謳歌しているIT企業の社長たちの多くも、かつては有能な営業マンでもあったという事実を忘れてはならないと思います。

要は、商売のきびしさがわかっているか、そういった自覚と緊張感を持っているかどうかではないでしょうか。
2006.10.01 Sun l 仕事 l top ▲