知り合いの話では、東京タワーが安倍元首相追悼のために真っ暗になっていたそうです。「びっくりした」と言っていました。それで、ネットで確認したら、株式会社TOKYO TOWERのサイトに次のようなプレスリリースがアップされていました。

東京タワーは本日(7/9)、安倍晋三元首相に哀悼の意を表し、ライトアップを消灯して喪に服します。

株式会社TOKYO TOWER
2022年7月9日 15時45分

東京タワーは7月9日(土)、多大な功績を残された安倍晋三元首相に哀悼の意を表し、終日、ライトアップを消灯して喪に服します。

尚、足元については観光でお越しのお客様の為ライトアップを点灯致します。

ご理解いただきますよう、よろしくお願い致します。


いくら追悼とは言え、ここまで来ると異常としか言いようがありません。それは東京タワーだけではありません。新聞やテレビなども、まるで独裁者が亡くなったかのように、歯の浮いたような賛辞のオンパレードなのでした。

安倍元首相は毀誉褒貶の激しい政治家だったのは衆目の一致するところです。それをすべて賛美や美化に塗り変えるのは、もはや言論の死と言っても過言ではないでしょう。死人を鞭打つのかと言われるかもしれませんが、死してもなお毀誉褒貶に晒されるのが政治家でしょう。民主国家ならそうあるべきでしょう。

今回の事件を「民主主義に対する挑戦」「自由を封殺する行為」と非難し、社説で「言論は暴力に屈しない」と表明していながら、メディアはみずからで言論を封殺しているのでした。これでは、私たちは警察が描いたストーリーの方向に誘導されているのではないか、という不信感さえ抱いてしまいます。

山岡俊介氏のアクセスジャーナルに次のような記事が出ていました。

アクセスジャーナル
安倍氏に批判的なジャーナリストも洗う? 本紙・山岡の出入り先に警視庁捜査員

山岡氏が一時事務所として使っていた建物の管理人室に刑事が訪れ、そこの住所が印刷された昔の山岡氏の名刺を出して、「(山岡氏は)ここの部屋を使っているかと聞いて来た」そうです。

「今回の安倍氏銃殺を機に、警察庁(中村格長官)の方から安倍氏に批判的な者、それもジャーナリストを徹底的に洗えとの指示が出ている」そうなので、「“私文書偽造”など、何でもいから微罪でいちゃもんを付けようと動いている可能性もあるのではないか」と書いていましたが、私は記事を読んで、そうではなく、警察はまだ”政治テロ”の線を捨てていないのではないかと思いました。

山岡氏が別の動画で言っていましたが、山上徹也容疑者が右翼団体に出入りしていたという話もあるそうです。山上容疑者は前日は新幹線で岡山の遊説先まで行ったことがわかっています。韓鶴子氏の代わりにしては、かなり執拗に安倍元首相を付け狙っていたことがわかります。それに、前も書きましたが、当日の山上容疑者の行動には相当な覚悟すら感じます。あの用意周到さと冷静沈着さは、警察が発表する供述とどこかそぐわない気がしてならないのです。

もとより、韓鶴子氏の代わりなら他の教団幹部をターゲットにしてもおかしくないでしょう。日本支部の幹部でもいいはずです。集会で挨拶するビデオを見たからと言って、どうして安倍元首相だったのか、どうしてそこまで”飛躍”したのか、という疑問は残ります。

山岡氏は、下関市長選に絡んで(山口の)安倍元首相の自宅に火炎瓶が投げ込まれた放火未遂事件をスクープしていますし、最近も、13年間安倍元首相の私設秘書を務めた経歴を持ちながら、先の参院選に立憲民主党の山口選挙区から立候補して話題になった秋山賢治氏の自宅やその周辺に、糞尿がまかれる事件があったこともあきらかにしていました。

このように安倍元首相周辺ではきな臭い事件も起きていたので、警察はそういったことに関連して聞き込みをしていたのではないでしょうか。

旧統一教会との関係もそうですが、安倍元首相は、祖父や父親の代からの縁もあって、地元では在日朝鮮人実業家などと深い関係があるのはよく知られています。青木理氏の『安倍三代』(朝日新聞出版)にも書かれていますが、山口県下関市にある安倍元首相の自宅や事務所も、パチンコで財を成した地元の在日朝鮮人実業家から提供されたものなのです。その政治姿勢や言動を考えると信じられないかもしれませんが、地元の総連系の朝鮮人で安倍元首相の悪口を言う者はほとんどいないそうです。

旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)は、教祖の文鮮明氏亡きあと、未亡人の韓鶴子氏と子どもたちの間で後継者争いが起きて、韓鶴子氏と三男と四男・七男が対立し、四男・七男が「サンクチュアリ協会」を設立しました。日本にも支部がありますが、アメリカの「サンクチュアリ協会」は、トランプ派によるホワイトハウス占拠事件にも関わっているような過激な団体で、占拠事件の際、七男の文亨進氏も現場にいたそうです。

聖書のヨハネの黙示録に出て来る「鉄の杖」は銃を指していると解釈する「サンクチュアリ協会」は、半自動小銃を信奉しており、合同結婚式にも小銃を携行するように呼びかけているくらいです。

折しも設立者の文亨進氏が先月から来日しており、今も日本に滞在中で各地で集会を開いているそうです。

文亨進氏の来日については、下記に詳しく書かれています。

ディリー新潮
統一教会から分派「サンクチュアリ教会」指導者が来日 文鮮明7男は集会でアブナイ発言を連発

いわゆる「信仰二世」の山上容疑者は、幼い頃は母親に連れられて統一教会に通ったのは間違いないでしょう。そのあと脱会したのかどうか。また、統一教会の分裂の際、山上容疑者と教会はどういう関係だったのかなど、気になる点はいくつもあります。

警察も自分たちが描いたストーリーに沿った情報を小出しにしながら、それとは別に、事件の洗い直しを行っているのかもしれません。

尚、前の記事で、実兄が自殺して本人も海上自衛隊時代に自殺未遂したと書きましたが、「ディリー新潮」によれば、父親も自殺だったそうです。しかも、父親が亡くなったので母親が宗教にのめり込んだと言われていますが、そうではなく、母親が統一教会の前に別の宗教にのめり込んでいたのが原因で父親が自殺したと記事には書かれていました。父親が京大卒だったというのにも驚きました。山上容疑者が学業優秀だったというのもわかった気がしました。
2022.07.14 Thu l 社会・メディア l top ▲