先の参院選東京選挙区で当選した自民党の生稲晃子参院議員と萩生田光一自民党政調会長(当時は経済産業大臣)が、公示直前の6月に、萩生田政調会長の地元である八王子の旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の施設を訪問したことに関して、昨日、それぞれが党本部で取材に応じました。
生稲議員は、訪問先が旧統一教会の施設だと知ったのは最近で、岸田首相の指示を受けて調べた結果そうだとわかり、訪問時にはどんな施設かもわからなかった、と言っていました。
五十すぎのいい歳した大人が、それも国政選挙に立候補しようという人間が、たまたま街頭で声をかけられただけで、どんな施設かもわからずに言われるままに訪問したと言うのです。では、施設に入るときに表札も見なかったのか、訪問先の人間と挨拶を交わすこともなかったのか、名刺交換もしなかったのか、とアホみたいなことを考えてしまいました。だとしたら、そんな(空っぽではないけれど)三歳児並みの知能しか持ってないような人間が、国民の代表として国会で法律を作るというのは、とてもじゃないけどあな恐ろしやと言うしかありません。すぐに辞めて貰うのが世のため人のためでしょう。
でも、彼女は619,792票を得て当選したまぎれもない選良なのです。その身分は、私たちのような下級国民と違って最大限に保障されており、現実には自分で辞めない限り、その身分が剥奪されることはほぼありません。
にもかかわらず、事前に打ち合わせをしていたのか、記者たちの質問は通りいっぺんのもので、生稲議員の言い分をただ聞くだけのような感じでした。その場で突っ込んだ質問をするのではなく、あとで報道する際にチクリと論評するだけです。それもいつものことです。
生稲議員から6時間後、取材に応じた萩生田政調会長の発言は、さらに輪をかけてひどいものでした。萩生田氏は現在、政権与党の政策・立案をまとめ、その方針を決める政務調査会の会長です。そんな重責にある人物が口から出まかせのいい加減な発言に終始しているのを見るにつけ、唖然とするとともに世も末のような気持さえ持ちました。
訪問先の施設でのイベントを主催していた「世界平和女性連合」について、「(施設でのイベントを主催した)団体と統一教会の名称は非常に似ていますが、あえて触れなかったというのが正直なところだ」(下記朝日の記事より)と言ってました。しかし、萩生田氏の資金管理団体が2012年から2019年まで毎年「世界平和女性連合」に会費を支出していたことがわかっています。「世界平和女性連合」がどんな組織かもわからず毎年会費を払っていたのでしょうか。
まして、萩生田氏は、2019年9月の安倍内閣から2021年10月の菅内閣まで、宗教法人を所管する文化庁を外局に持つ文部科学大臣を務めていたのです。「世界平和女性連合」と「世界平和統一家庭連合」の関係も知らずに文部科学大臣の任にあったとしたら、それは驚くべきことです。また、後述するように、旧統一教会に問題があるのは過去の話で現在は問題があるとは認識していなかったと発言しているのでした。それも文部科学大臣として驚くべきことと言わねばなりません。
朝日新聞デジタル
萩生田氏「思いが足りなかったと反省」 旧統一教会の関連施設訪問
話は元に戻りますが、教団について、萩生田氏は、「かつての社会的な問題については、今そういうことはないという認識をしていた」「安倍総理が殺害され、山上容疑者の発言から、教会がクローズアップされ、いまだいろんなことで苦しんでいる方がいらっしゃる。少し思いが足りなかったと反省をしている」(同)と言ったそうです。また、選挙についても、「私からお願いをしたこともない」「もしかしたら、ご支援いただいている方の中にそういう方がいらっしゃったっていうことは否定できないかもしれないが、私はわかりません」(同)としらばっくれたのでした。動画も観ましたが、生稲議員のときと同じように記者たちの突っ込みもなく、白々しい空気が流れるばかりでした。
そもそもこの教団施設訪問の話も、自民党本部でお行儀よく聞いていた大手メディアの記者がスクープしたものではないのです。発端になったのは週刊新潮の記事です。大手メディアの記者たちはそれに便乗しているだけです。ジャーナリストして恥ずかしくないのか、と思いました。
萩生田政調会長に関しては、1990年代の霊感商法がもっとも活発だった頃から旧統一教会の施設に出入りしていたという指摘もあります。実際に八王子の旧統一教会の信者たちの間では、萩生田政調会長は「家族も同様」という声もあるそうです。
政治家たちがこのような弁明を平然と行う背景には、彼らの中に有権者を見下す”愚民思想”があるのは間違いないでしょう。適当にその場しのぎの弁明をしておけば、あとは時間が経てばメディアも有権者も忘れるとタカを括っているからでしょう。今回の問題も、下手すれば大山鳴動してネズミ一匹で終わる可能性もなきにしもあらずです。あきらかに腰の引けた記者たちのヘタレな姿が、それを暗示しているような気がしてなりません。
萩生田氏が、安倍政権になって頭角を表し、「最側近」「腰巾着」と言われるまでに安倍元首相から重用されたのも、「家族も同様」と言われるくらい旧統一教会と深い関係にあったことが無関係ではないように思います。萩生田氏は、若い頃から喧嘩っ早く、右派的な思想の持ち主だったようですが、だからこそ 御多分に漏れず旧統一教会と懇ろになったと言っていいかもしれません。彼にもまた、戦後の日本を覆っていた”「愛国」という病理”が投映されているように思えてなりません。
安倍元首相の秘書官であった井上義行参院議員の選挙集会における、あの熱狂的な旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の支援に見られるように、安倍元首相と旧統一教会は、他の議員とはレベルの違う特別な関係にあったのです。安倍元首相が旧統一教会の組織票の配分まで行っていたという証言がありましたが、そうやって安倍元首相は日本の政治のど真ん中に旧統一教会(世界平和統一家庭連合)を招き入れたのです。
1997年から門前払いされていた名称変更問題が、2015年の安倍政権下で変更が認められたという話がありますが、それだけでなく、公安調査庁の報告書「内外情勢の回顧と展望」の中で、2005年と2006年分で触れられていた「特異集団」という項目が、2007年に安倍政権になった途端、削除されたという話も出て来ました。報告書で具体的な名前が伏せられた「特異集団」について、立憲民主党の辻元清美参院議員が名前をあきらかにするように質問主意書を提出したのですが、それに対して政府が「特異集団」は旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)のことであるという答弁書を閣議決定したことで、俄かに削除の件が注目されはじめたのでした。
『月刊Will』(ワック)は、9月号で「安倍総理ありがとう」という「追悼特集号」を組んでおり、その中で、桜井よし子氏は、「安倍元総理は日本の誇り」と題して、次のように書いていました。
でも、実際は、日本を「エバ国家」と呼び、日本人を「サタン」と呼んで、「アダムの国」の韓国に奉仕すべきだと説き、それどころか日王(日本の天皇)を教祖の前に膝まづかせるとまで言った韓国のカルト宗教と三代にわたって深い関係にあったのです。イベントでは教祖を賛美するメッセージを送り、選挙のときはみずからが旧統一教会の組織票の配分を決めていたのです。さらには、上記のような便宜もはかってきたのです。それをどう考えるかでしょう。それでも「日本の誇り」と言えるのか。
ともあれ、東京オリンピックのときもそうでしたが、すべては時間が経てば忘れるという確信が政治家たちにあるのはミエミエです。昨日の有権者をバカにした(としか思えない)会見がそれを物語っているように思います。でも、肝心な有権者にバカにされているという自覚があるのかと言えば、それも極めて疑問です。
ヘタレなメディアには期待できないので、国民がメディアにハッパをかけて膿を出すしかないのです。でも、国民がメディアと同じようにヘタレでは元の木阿弥になるだけでしょう。
生稲議員は、訪問先が旧統一教会の施設だと知ったのは最近で、岸田首相の指示を受けて調べた結果そうだとわかり、訪問時にはどんな施設かもわからなかった、と言っていました。
五十すぎのいい歳した大人が、それも国政選挙に立候補しようという人間が、たまたま街頭で声をかけられただけで、どんな施設かもわからずに言われるままに訪問したと言うのです。では、施設に入るときに表札も見なかったのか、訪問先の人間と挨拶を交わすこともなかったのか、名刺交換もしなかったのか、とアホみたいなことを考えてしまいました。だとしたら、そんな(空っぽではないけれど)三歳児並みの知能しか持ってないような人間が、国民の代表として国会で法律を作るというのは、とてもじゃないけどあな恐ろしやと言うしかありません。すぐに辞めて貰うのが世のため人のためでしょう。
でも、彼女は619,792票を得て当選したまぎれもない選良なのです。その身分は、私たちのような下級国民と違って最大限に保障されており、現実には自分で辞めない限り、その身分が剥奪されることはほぼありません。
にもかかわらず、事前に打ち合わせをしていたのか、記者たちの質問は通りいっぺんのもので、生稲議員の言い分をただ聞くだけのような感じでした。その場で突っ込んだ質問をするのではなく、あとで報道する際にチクリと論評するだけです。それもいつものことです。
生稲議員から6時間後、取材に応じた萩生田政調会長の発言は、さらに輪をかけてひどいものでした。萩生田氏は現在、政権与党の政策・立案をまとめ、その方針を決める政務調査会の会長です。そんな重責にある人物が口から出まかせのいい加減な発言に終始しているのを見るにつけ、唖然とするとともに世も末のような気持さえ持ちました。
訪問先の施設でのイベントを主催していた「世界平和女性連合」について、「(施設でのイベントを主催した)団体と統一教会の名称は非常に似ていますが、あえて触れなかったというのが正直なところだ」(下記朝日の記事より)と言ってました。しかし、萩生田氏の資金管理団体が2012年から2019年まで毎年「世界平和女性連合」に会費を支出していたことがわかっています。「世界平和女性連合」がどんな組織かもわからず毎年会費を払っていたのでしょうか。
まして、萩生田氏は、2019年9月の安倍内閣から2021年10月の菅内閣まで、宗教法人を所管する文化庁を外局に持つ文部科学大臣を務めていたのです。「世界平和女性連合」と「世界平和統一家庭連合」の関係も知らずに文部科学大臣の任にあったとしたら、それは驚くべきことです。また、後述するように、旧統一教会に問題があるのは過去の話で現在は問題があるとは認識していなかったと発言しているのでした。それも文部科学大臣として驚くべきことと言わねばなりません。
朝日新聞デジタル
萩生田氏「思いが足りなかったと反省」 旧統一教会の関連施設訪問
話は元に戻りますが、教団について、萩生田氏は、「かつての社会的な問題については、今そういうことはないという認識をしていた」「安倍総理が殺害され、山上容疑者の発言から、教会がクローズアップされ、いまだいろんなことで苦しんでいる方がいらっしゃる。少し思いが足りなかったと反省をしている」(同)と言ったそうです。また、選挙についても、「私からお願いをしたこともない」「もしかしたら、ご支援いただいている方の中にそういう方がいらっしゃったっていうことは否定できないかもしれないが、私はわかりません」(同)としらばっくれたのでした。動画も観ましたが、生稲議員のときと同じように記者たちの突っ込みもなく、白々しい空気が流れるばかりでした。
そもそもこの教団施設訪問の話も、自民党本部でお行儀よく聞いていた大手メディアの記者がスクープしたものではないのです。発端になったのは週刊新潮の記事です。大手メディアの記者たちはそれに便乗しているだけです。ジャーナリストして恥ずかしくないのか、と思いました。
萩生田政調会長に関しては、1990年代の霊感商法がもっとも活発だった頃から旧統一教会の施設に出入りしていたという指摘もあります。実際に八王子の旧統一教会の信者たちの間では、萩生田政調会長は「家族も同様」という声もあるそうです。
政治家たちがこのような弁明を平然と行う背景には、彼らの中に有権者を見下す”愚民思想”があるのは間違いないでしょう。適当にその場しのぎの弁明をしておけば、あとは時間が経てばメディアも有権者も忘れるとタカを括っているからでしょう。今回の問題も、下手すれば大山鳴動してネズミ一匹で終わる可能性もなきにしもあらずです。あきらかに腰の引けた記者たちのヘタレな姿が、それを暗示しているような気がしてなりません。
萩生田氏が、安倍政権になって頭角を表し、「最側近」「腰巾着」と言われるまでに安倍元首相から重用されたのも、「家族も同様」と言われるくらい旧統一教会と深い関係にあったことが無関係ではないように思います。萩生田氏は、若い頃から喧嘩っ早く、右派的な思想の持ち主だったようですが、
安倍元首相の秘書官であった井上義行参院議員の選挙集会における、あの熱狂的な旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の支援に見られるように、安倍元首相と旧統一教会は、他の議員とはレベルの違う特別な関係にあったのです。安倍元首相が旧統一教会の組織票の配分まで行っていたという証言がありましたが、そうやって安倍元首相は日本の政治のど真ん中に旧統一教会(世界平和統一家庭連合)を招き入れたのです。
1997年から門前払いされていた名称変更問題が、2015年の安倍政権下で変更が認められたという話がありますが、それだけでなく、公安調査庁の報告書「内外情勢の回顧と展望」の中で、2005年と2006年分で触れられていた「特異集団」という項目が、2007年に安倍政権になった途端、削除されたという話も出て来ました。報告書で具体的な名前が伏せられた「特異集団」について、立憲民主党の辻元清美参院議員が名前をあきらかにするように質問主意書を提出したのですが、それに対して政府が「特異集団」は旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)のことであるという答弁書を閣議決定したことで、俄かに削除の件が注目されはじめたのでした。
『月刊Will』(ワック)は、9月号で「安倍総理ありがとう」という「追悼特集号」を組んでおり、その中で、桜井よし子氏は、「安倍元総理は日本の誇り」と題して、次のように書いていました。
日本の歴史を振り返れば、日本は心優しくも雄々しい文化と価値観を築いてきた。素晴らしい国なのだから、もっと自信を持っていい。世界は日本にもっと活躍してほしいと期待している――。安倍総理は大きな 世界戦略を描きながら、日本の国家としての誇らしさを説いたのです。
でも、実際は、日本を「エバ国家」と呼び、日本人を「サタン」と呼んで、「アダムの国」の韓国に奉仕すべきだと説き、それどころか日王(日本の天皇)を教祖の前に膝まづかせるとまで言った韓国のカルト宗教と三代にわたって深い関係にあったのです。イベントでは教祖を賛美するメッセージを送り、選挙のときはみずからが旧統一教会の組織票の配分を決めていたのです。さらには、上記のような便宜もはかってきたのです。それをどう考えるかでしょう。それでも「日本の誇り」と言えるのか。
ともあれ、東京オリンピックのときもそうでしたが、すべては時間が経てば忘れるという確信が政治家たちにあるのはミエミエです。昨日の有権者をバカにした(としか思えない)会見がそれを物語っているように思います。でも、肝心な有権者にバカにされているという自覚があるのかと言えば、それも極めて疑問です。
ヘタレなメディアには期待できないので、国民がメディアにハッパをかけて膿を出すしかないのです。でも、国民がメディアと同じようにヘタレでは元の木阿弥になるだけでしょう。