週刊ダイヤモンド2023年1月21日号


時事通信が13日~16日に実施した1月の世論調査で、立憲民主党の支持率が前回(12月)の5.5%から2.5%に下落したと伝えられています。

時事通信ニュース
内閣支持最低26.5%=4カ月連続で「危険水域」―立民も下落・時事世論調査

ちなみに、各党の支持率は以下のとおりです。

自民党 24.6%(1.8増)
維新 3.6%(0.2減)
公明党 3.4%(0.3減)
立憲民主 2.5%(3.0減)
共産党 1.8%
国民民主 1.5%
れいわ 0.7%
参政党 0.7%
NHK党 0.4%
社民党 0.1%
支持政党なし 58.7%

このように立憲民主党の支持率だけが際立って落ちています。5.5%の支持率が半分以下の2.5%に落ちているのですから、すさまじい下落率と言えるでしょう。立憲民主党は、支持率においても、もはや野党第一党とは言えないほど凋落しているのでした。

維新との連携がこのような支持離れをもたらすのはわかっていたはずです。にもかかわらず、連合などの右バネがはたらいたのか、立憲民主党はみずからのバーゲンセールに舵を切ったのでした。泉健太代表が獅子身中の虫であるのは誰が見てもあきらかですが、しかし、党内にはそういった危機感さえ不在のようです。それも驚くばかりです。

で、立憲民主党が片思いする維新ですが、昨日、次のようなニュースがありました。

ytv news(読売テレビ)
維新・吉村代表 自民・茂木幹事長と会談

 泉大津市内の飲食店で約2時間にわたって行われた会談では、両党が推進する憲法改正をめぐり、反対する野党と議論をどのように進めるか意見を交わしたほか、維新が重視する国会改革についても協力していくことで一致したということです。


私は、「立憲民主党が野党第一党である不幸」ということを常々言ってきました。立憲民主党は野党ですらないと。維新との連携の先には、連合と手を携えて自民党にすり寄る立憲民主党の本音が隠されているように思えてなりません。

一方で、維新との連携を受けて、立憲民主党にはほとほと愛想が尽きた、というような声がSNSなどに飛び交っていますが、私はそういった声に対しても、匙を投げるときに匙を投げなくて、今更何を言っているんだ、という気持しかありません。

立憲民主党のテイタラクは、同時に、立憲民主党に随伴してきた左派リベラルのテイタラクでもあります。今更「立憲民主は終わった」はないでしょう。

フランスでは、年金開始年齢の引き上げをめぐって、労働総同盟(CGT)などの呼びかけで大規模なストが行われているそうです。今の日本では、想像だにできない話です。

朝日新聞デジタル
「64歳からの年金受給は遅すぎ」 フランスで改革反対の大規模スト

フランスの年金制度は、政府の改革案でも、最低支給額が約1200ユーロ(約17万円)で、支給開始年齢が64歳と、日本の年金と比較すると夢のような好条件です。それでもこれほどの激しい反発を招いているのです。

前から何度も言っているように、ヨーロッパやアメリカの左派には、60年代の新左翼運動のDNAが引き継がれています。しかし、日本では、「内ゲバ」や「連合赤軍事件」などもあって、新左翼は「過激派」(最近で言えば「限界系」)のひと言で総否定されています。そのため、ソンビのような”革新幻想”に未だに憑りつかれた、トンチンカンな左派リベラルを延命させることになっているのでしょう。

『週刊ダイヤモンド』の今週号(1/21号)は、「超階級社会 貧困ニッポンの断末魔」という、もはや恒例とも言える特集を組んでいましたが、その中に下のような図がありました(クリックで拡大可)。

超階級社会2
(『週刊ダイヤモンド』2023年1月21日号より)

特集では、「もはや、日本は経済大国ではなく、貧困大国に成り下がってしまった」と書いていました。

 中国、シンガポール、オマーン ─── 都心の超高級タワーマンションの上層階に居を構えるのは、実はこうした国の人々だ。もちろん、10億円を超える高級物件を所有する日本人もいるが、彼らはごくごく限られた「上級国民」。平均的な日本人にとって、雲上人といえる存在だ。
 もっとも平均的な日本人が「真ん中」というのは、幻想にすぎない。かっては存在した分厚い中間層は総崩れとなり、格差が急拡大。日本は”一億総下流社会“へと変貎を遂げた。そして新型コロナウイルスの感染拡大やインフレが引金となって、拡大した格差が完全に固定化する「超・階級社会」を迎えようとしている。

  超・階級社会を招くのは、「低成長」「低賃金」「弱過ぎる円」「貿易赤字の常態化」の四重苦だ。


2012年末からはじまった第2次安倍政権が提唱したアベノミクス。それに伴う日本銀行の「異次元の大規模金融緩和」、つまり、「弱い円」への誘導がこれに輪をかけたのでした。

「日本売り」「買い負け」が常態化したのです。今、都心のマンションが異常な高値になっていますが、それは不動産市場が活況を呈してきたというような単純な話ではなく、都心のマンションが海外の富裕層に買い漁られているからです。不動産会社も、日本人客より高くても売れる外国人客にシフトしているのです。そのため、一部の不動産価格がメチャクチャになっているのです。

もっとも、私も以前、都心の高級マンションの上層階や角部屋などの”いい部屋”は中国人などの外国人に買われているという、不動産関係の仕事をしている知人の話をしたことがありますが、それは最近の話ではなく、アベノミクスの円安誘導によってはじまった現象でした。ただ、最近の急激な円安によって価格が急上昇したので、特に目に付くようになっただけです。

 アベノミクスの厳しい現実を突き付けたのは、野村総合研究所が年に実施したアンケート調査に基づく推計だ。上級国民に当たる準富裕層以上は資産を増やした一方で、中級国民、下級国民であるアッパーマス層、マス層は資産を減らした。富める者はより富み、貧しい者はより貧しくなったのだ。


しかし、アベノミクスの負の遺産というのは一面にすぎません。その背後には、資本主義の死に至る病=矛盾が広がっているのです。

折しも今日、東京電力が、来週にも家庭向けの電気料金を3割程度引き上げる旨、経済産業省に申請する方針だというニュースがありました。私たちにとっては、もはや恐怖でしかない今の資源高&物価高が、臨界点に達した資本主義の矛盾をこれでもかと言わんばかりに示しているのです。

これもくり返し言っていることですが、今求められているのは、右か左かではなく上か下かの政治です。階級的な視点を入れなければ、現実は見えて来ないのです。好むと好まざるとにかかわらず、階級闘争こそがもっともリアルな政治的テーマなのです。でも、その階級闘争を担う下に依拠する政党がない。だから、デモもストもないおめでたい国になってしまったのでした。


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