
(イラストAC)
■議員の特権
NHK党のガーシー議員に対して、参議院本会議は、22日、「議場での陳謝」の懲罰処分を賛成多数で可決しました。
処分の決定を受けて、参議院の議院運営委員会の理事会が開かれ、ガーシー議員が陳謝する機会は、来週にも開かれる次の本会議とすることで与野党が合意したそうです。
また、議院運営委員会の理事会の合意を受け、参議院の尾辻議長が本会議への出席を命じる通知を出すとともに、石井議院運営委員長がNHK党に対しガーシー議員に応じる意思があるか確認を求める文書を手渡し、来週27日の午前11時までに回答するよう伝えたということです(NHKの報道より)。
仮に来週に開かれる本会議に欠席して「陳謝」しなかった場合、もっとも重い「除名処分」に進むのは既定路線だと言われています。
ガーシー議員は、昨年の7月に当選したあとも、ずっとドバイにいて一度も国会に登院していませんが、歳費(給料)や期末手当等、既に1780万円が支給されているそうです。日本では、一人の国会議員に対して、年間およそ1億円の税金が使われていると言われているのです。
ガーシー議員の噴飯ものの言い分や一部でささやかれている彼の背後にいる人物などの問題はさて措くとしても、彼のような議員が生まれたのは、国会議員には選良=上級国民にふさわしいさまざまな特権があるからでしょう。
特権は議員本人だけではありません。各政党には政党助成金制度もあります。政党助成金(政党交付金)の総額は、政党助成法という法律で、国勢調査で確定した人口一人あたりに250円を乗じた(掛けた)金額になると定められており、令和2年の国勢調査で算出すると約315億円になるそうです。ガーシー議員を担いだNHK党のような政党が生まれたのも、このような美味しい特権があるからでしょう。
しかも、特権ゆえなのか、ガーシー議員やNHK党に対するメディアの報道も腰が引けたものばかりで、そのヤバさにはほとんど触れられていません。
アジア記者クラブのTwitterを見ていたら、次のようなツイートがありました。
アジア記者クラブ(APC)
@2018_apc
選挙区が全国区や東京近郊だと月100万円の文書交通費は殆ど残ることになるし、10年20年議員をしていると資産家になる人が多い。海外視察=旅行も税金。岸田文雄のドラ息子は税金で観光満喫、岸田は買い物を公務だと法螺を吹く。菅義偉は横浜駅傍の1.4億以上のタワマンに居住。議員は笑いが止まらない。 https://t.co/zNwUwCrim0
— アジア記者クラブ(APC) (@2018_apc) February 23, 2023
北欧諸国は議員報酬1000万以下が大半
— ma (@ma15876509) February 23, 2023
議会がある時は、シャワーだけのホテルに同僚議員と相部屋。米国でも後払い清算。議員宿舎社会主義国でもない。ここが変、日本人何故認めてる?議員報酬世界一高額で、選挙供託金も世界一高額。庶民立ち入り禁止区域。アイスランドの供託金憲法違反判決でゼロ! https://t.co/vLnoYyfX44
■官尊民卑
これは日本の官僚(公務員)問題にも通じるものですが、法律を作るのが彼らなのですから、その特権を剥奪するのは泥棒に縄を綯せるようなものです。
しかし、日本社会に抜きがたくあるこの官尊民卑の考えに支配されている限り、今のような国家(税金)を食いものにする構造は永遠に続くでしょう。そして、国民はいつまでも苛斂誅求に苦しむことになるのです。
脱税や公金チューチューや生活保護などに対して、役所やメディアのリークに踊られて当事者をバッシングする光景もおなじみですが、そうやってアホな国民の損得勘定(感情)を煽るのが彼らの常套手段です。そして、政治家や役人は、アホな国民を嘲笑いながら、自分たちが税金をチューチューしているのです。
ガーシーに投票した人間だけが問題ではないのです。ガーシーを批判している人間たちも同じ穴のムジナなのです。
そういった国家を食いものにする構造と目先の損得勘定で踊らされる愚民たちに引導を渡さない限り、NHK党のような政党やガーシーのような議員はこれからも出て来るでしょう。