
(2023年2月)
■ガーシーは帰って来ない
「どうでもいいことだけど、ガーシーってホントに帰って来るのかな?」と友人が言うので、私は、「帰って来ないよ」と答えました。友人は、「いくらガーシーでもそこまで国会をコケにしないだろう」と言うので、ではということで、食事代を賭けることになりました。
朝日新聞デジタルは、今朝(3月1日)の「ガーシー氏『陳謝』、8日に開催で調整」という記事の中で、次のように書いていました。
朝日新聞デジタル
ガーシー氏「陳謝」、8日に開催で調整
ガーシー氏は参院側に本会議場で陳謝する意向を文書で回答しているが、文書には帰国日などは明記されていない。このため与野党内には、ガーシー氏が実際に登院するのか、処分内容を受け入れるのかなどについては懐疑的な見方が根強い。
朝日新聞と言えば、元ドバイ支局長で昨年退社して現在もドバイに在住し、ガーシーに1年近く密着取材したと言われる伊藤喜之氏が、今月(3月17日)、講談社から『悪党 潜入300日 ドバイ・ガーシー一味』(講談社+α新書)という本を出版するそうです。ガーシー本人も、本の中に「黒幕A」として登場する秋田新太郎氏も、それぞれTwitterで本の宣伝をしていましたが、「目次」を見ると「元大阪府警の動画制作者」「朝日新聞の事なかれ主義」「王族をつなぐ元赤軍派」など、気になる見出しがいくつかありました。納税者であることを忘れてエンターテインメントとして見れば、これほど面白い悪漢小説はないのです。
■「だって詐欺師だよ…」
きわめつけは、昨日(2月28日)の集英社オンラインの記事でしょう。
集英社オンライン
〈帰国・陳謝〉を表明したガーシー議員、それでも側近・友人・知人が揃って「帰国しないだろう」と答える理由とは…「逮捕が待っている」「議員より配信のほうが儲かる」「だって詐欺師だよ…」
タイトルに全て集約されていますが、記事は次のように書いています。
ガーシー氏が帰国するXデーに注目が集まっている。だが、ガーシー氏と親しい複数の“仲間たち”は「それでも彼は帰国しないと思う」と口を揃えている。
また、次のような知人の言葉も紹介していました。
「(略)そもそも冷静に考えてください、彼は詐欺師として告発されて有名になった男ですよ。僕も昔、彼に金を貸したけど全然返金してくれなかった。今回、書面で『帰ります』と言ったからって、信用できますか?」
「議員のセンセイからしたら屈辱的にみえるかもしれませんが、彼からしたらなんてことないでしょう。これまでも借金の返金を延ばすためなら土下座だってしてきたし、ヤバイ人に脅されたりして死線をくぐり抜けてきた。そんな彼が一番恐れているのは逮捕、拘束されること。(略)」
国会で謝罪してもすぐにドバイに戻るという見方もありますが、それでは帰国したことになるので私の負けです。
でも、この記事も突っ込み不足で、「配信のほうが儲かる」という話も、どうしても配信を続けなければならない”裏事情”をそう言っているような気がしてなりません。それは、フィリピンの収容所に入ってもなお、闇バイトで集めた人間たちにスマホで指示して強盗までさせていた「ルフィ」たちと同じように思えてならないのです。
アクセスジャーナルは、ガーシーと「ポンジ・スキーム(投資詐欺の一種)である可能性が決めて高い」会社との関係を「追加情報」として伝えていました。
アクセスジャーナル
<芸能ミニ情報>第112回「ガーシー議員とエクシア合同会社」
案の定、昨日、日本テレビの取材に応じたガーシーは、帰国の意思はあるが「まだ悩んでいる」などと、発言を二転三転させているのでした。
YouTube
日テレNEWS
【ガーシー議員】“陳謝”の帰国は? 帰国の意思はあるが…
「懲役刑とかになったときに、僕からしたら意味不明になってくるんですよ。それを受けるためにわざわざ日本に帰るという選択肢を持っている人は、たぶんいないと思うんですよ」
(略)
「事情聴取されるのは全然いいんですよ。ただ、その先にパスポートを止められたり、『国会終わった後に逮捕しますよ』とかいうことをされてしまうと、俺は何のために日本に帰ったんやってなってくるんで」
ひろゆきも脱帽するような「意味不明」な屁理屈で、アッパレとしか言いようがありません。前は「身の危険があるから」帰らないと言っていましたが、途中から「逮捕されるから」に変わったのです。ただ、ガーシーが怖れているのは、やはり、「逮捕」より「身の危険」のような気がします。
■前代未聞の光景
現職の国会議員が「身の危険があるから」「逮捕されるから」帰国しないと言っているのです。それも、軍事クーデターが起きて、政敵から迫害される怖れがあるとかいう話ではないのです。
村のオキテを破ったので村八分にされるみたいな感じもなきしにしもあらずですが、だからと言って村八分にされる人間に理があるわけではないのです。参議院の採決にれいわ新選組が棄権したのも、大政党が国会を牛耳る”村八分の論理”を受け入れることができなかったからでしょうが、しかし、それは片面しか見てない”敵の敵は味方論”にすぎないように思います。
いづれにしても、「だって詐欺師だよ…」と言われるような国会議員の動向を日本中が固唾を飲んで見守っているのです。まさに”ニッポン低国”(©竹中労)と呼ぶにふさわしい前代未聞の光景と言えるでしょう。
追記:
私が見過ごしていたのか、その後アクセスジャーナルのサイトを見たら、YouTubeチャンネルでガーシー周辺の人脈について結構詳しく語っていたことがわかりました。「帰らないというより帰れないというのが真相だろう」という山岡氏の言葉が、この問題の本質を衝いているように思いました。
YouTube
アクセスジャーナルch
「不当拘束される」を理由に国会登院せず懲罰処分ガーシー議員。不当拘束は表向きでもっと危険な事が……帰国して陳謝できるのか?ついにガーシー踏み込み其の1